No.158702

真・恋姫†無双  星と共に 最終章

BLACKさん

この作品は真・恋姫†無双が前作(PS2)の続編だったらという過程で作られた作品です。

2010-07-18 17:12:00 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:7429   閲覧ユーザー数:6206

 

 

真・恋姫†無双  星と共に  最終章

 

 

魏の将達は全員泰山の頂上に到着し、祠の中に入っていく。

祠の中には普浄と潘臨が待っていた。

 

「待ってたぞ、北郷一刀」

「普浄……なんでこの外史を破壊しようとする?」

「敵討ちだ」

「何?」

「貴様のせいで左慈と于吉が滅んだのだからな」

「……」

「とは言っても私はあの二人とは親しいわけではないがな……」

「? では何故敵討ちをするのだ?」

「腹がたっただけだ。流石に同士を倒されたとなると怒りがわいてくるのでな……」

 

普浄はそう言うと、静かに手を横に広げる。

すると一刀の周りには結界のようなものが現れ、一刀達は分断され、結界の中には普浄と潘臨、そして一刀と星が残った。

 

『一刀(北郷)(兄ちゃん)(兄様)!』

『星!』

 

皆が結界に閉じ込められた二人を心配する。

 

「大丈夫だ」

「どうしても俺と決着をつけたいんだな」

「その通りだ。邪魔が入らないようにした」

「では何故私も入れた?」

 

確かに星の言うとおりである。一刀を殺したければ一刀だけを入れれば良いのである。

 

「私はお前にも用があるのだからな」

「何?」

「私は北郷一刀に呪いをかけた。だが、私の予想よりも効果は無かった。そして考えた、その原因を……。

そしてその原因はお前にあることを知った。

この外史の人間でもなく、正史の人間でもない人形であるお前がな……」

「私は人形ではないぞ」

「いいや、所詮は外史によって作られた人形だ!」

「それはお前達もだろ」

 

そこに一刀が割ってはいる。

 

「何?」

「俺は左慈や于吉の事は貂蝉から聞いている。お前達があの二人の仲間ならお前達も外史が作り出した存在。

ならばお前達は人形だ。だが星は違う。星はお前達と違って、ただ自分の役割だけを果たしている存在じゃない!

俺を助け、支えてくれている! 例えそれが人形の役割で、星が人形だとしても俺は認めない!

いや、星だけじゃない! 全ての外史に生きる人間全てに言える事だ!」

「ほざけ! 下郎が!」

 

普浄はいきり立つ。

 

「一刀殿……」

「こいつはよほど俺を殺したいようだ。しかも一対一でな……」

「そのようで……。ならば私はあの者を……」

 

星は潘臨の方を見る。

 

「あらら、私を相手にする気?」

「潘臨。相手をしてやれ」

「そう言うと思ったわ。いいわ、相手をしてあげるわ、お譲ちゃん」

「私を甘く見ないことだな」

 

星は槍を構える。

潘臨は自分の手の甲のところから剣先を生み出す。

 

「それがお前の武器か?」

「私はこれでの戦い方が好きなのよ」

 

潘臨はそういうと星に突撃して行き、星は潘臨の剣先を防ぐ。

 

(思ったより早いか)

「まだまだよ」

 

星と潘臨の打ち合いが始まる。

その様子を見る一刀と普浄。

 

「始まったようだが、行かなくていいのか?」

 

普浄が薄ら笑いをしながら一刀に尋ねる。

 

「俺は星を信じている。星なら負けない。

それに……星の援護に行ったらお前が俺を後ろから襲うだろ?」

「ふっふっふっ、ばれていたか」

「お前の考えそうな事を考えただけだ」

 

一刀は満月を鞘から抜き、黒をホルスターから抜いた。

一刀の手には刀と銃がある。

 

「そのような戦闘スタイルで私を倒せるとでも?」

 

普浄が格闘スタイルのような格好を取る。

 

「戦闘中に戦闘スタイルを変えるさ」

「そんな余裕……与えん!」

 

 

普浄が突撃して行き、拳を繰り出す。

一刀は自身の体を回転させ、普浄の横を通り過ぎ、満月の刀身を普浄に当てようとする。

 

「ふっ」

「!」

 

普浄が微妙に微笑んだ事に気付いた一刀は更に体を回転させ、飛んだ。

すると一刀の斜め下から鎖のようなものが突然現れ、一刀の横を通り過ぎた!

一刀が体を更に回転させなければ、その鎖は一刀に当たっていた。

一刀は避けたと同時に黒の引き金を引き、普浄に当てようとする。

一刀の銃は今回の戦いにおいて氣弾を一切使う気がなかったため、弾は全て実弾である。

実弾が普浄を襲い、実弾は普浄に命中した。

二人は着地する。

 

「「………」」

 

二人は互いに振り向く。

振り向いた普浄の体からは血が流れていた。

 

「その怪我……なんともないんじゃないのか?」

「ああ。なんともないさ」

 

普浄の体にあった弾痕がすぐに消える。

 

「だが血が流れるという事は倒す事はできるってことだろ?」

「出来るか? 貴様如きに……」

「俺如きか……。出来るさ」

「言うじゃないか……小僧がっ!」

 

普浄はそう言いながら手を横にやると、突然どこからともなく鎖が大量に現れ、一刀を襲う!

 

「!!」

 

一刀は黒をホルスターにしまって、新月を抜く。

そして、自身の体を回転しながら鎖を叩き切る!

襲ってくる鎖の数はそんなに多いわけではないが、襲ってくるスピードは速い。

一刀はわずかにだが鎖全てが同じ速さで襲ってくるわけではないことに気付き、その中でも遅い鎖順に叩き切っていたのだ。

 

「ふぅ……」

「あれだけの鎖を簡単に叩き切るとはな……」

「意外か?」

「意外と言えば意外だ。だが、まだまだ想定の範囲内!」

 

再び普浄が手を横に広げると、先ほどよりもさらに多くの鎖が一刀を襲う!

しかもその鎖の速さは先ほどよりも速く、全てが同じスピードであった。

 

(こいつは……全部はかわしきれない!)

 

一刀は量と速さを考えると全てはかわしきれないと判断し、最小のダメージで済むように行動しようとし、鎖を叩き切る。

鎖を叩き切るも流石に量が多いため、一刀の体を引き裂く。

 

「ちっ!」

 

一刀を襲った鎖の数は30、そのうち一刀が叩き落した鎖は20である。

残った10の鎖は一刀の体を引き裂き、一刀は血まみれになる。

 

『一刀(北郷)(兄ちゃん)(兄様)!』

 

結界の外で見ている皆が一刀を心配する。

 

「思ったよりきついな……」

「どうした? 今のでへばったか?」

「人間は血の中にある鉄分を失うと結構きつくなるからな」

 

一刀は少しばかり息を切らす。

 

「……では何故お前の愛する女をお前を心配しない」

 

一刀と普浄、そして結界の外に居る皆が別の方を見る。

その方には星と潘臨が未だに激闘を繰り広げていたところであった。

 

「あの様子だと、お前を心配する暇がないようだな」

「違うな」

 

一刀は笑いながら言う。

 

「違うだと?」

「ああ、その考えは違うぜ」

「どういう意味?」

 

外に居る華琳が尋ねる。

 

「星は俺を信じきっている。俺が……お前に勝つと言う事をな!」

 

血を流しながらも一刀は言いきる。

一刀は満月と新月をあわせる。

そして満月と新月を変形させ、一本の刀にした。

 

「なん……だと?」

「これがこの二つの刀の真の姿『双月』だ」

「一体いつそんな事……」

 

皆が双月の存在に驚く。

 

「許子将は俺に武器を与えたのが管輅だと聞いてな。そして管輅は俺が欲しいと考えていた武器を与えてくれたと俺は考えた。

そして俺はこの刀が一つになればとも考えた事があった。だから今、試してみた」

「今って……ぶっつけ本番って事?」

「そうだ」

「だがそれがどうした!?」

 

普浄は再び手を広げようとすると……。

 

「させん!」

 

一刀は居合いの体勢を取り、ものすごい速さで普浄に詰め寄る。

 

「何!?」

「くらえ!」

 

 

一刀は普浄の手を斬り飛ばした!

 

「ぐわぁ!?」

「斬れた?」

 

手が斬れたことに皆が驚く。

一刀の刀は基本が逆刃刀。刃を返さない限り斬れる事はないはずなのだが……。

 

「よく見ろ」

 

一刀が刀を見ろと言い、皆が双月を見る。

すると皆が大事な事に気づく。

なんと双月は両方とも斬れる刃であったのだ。

 

「あれって……」

「裏返しても斬れる剣のようね」

「でも何で隊長があのような刀を……」

「これは俺が殺さずを捨てなければいけない時を考えたものだ。そして俺が殺さずを捨てる時……それはこいつらのような存在を倒す時だ!」

 

一刀は振り向き際に、今まで隠し持っていたに近い脇差「陰」を普浄に投げつけ、普浄の体に刺さる。

 

「この程度……」

 

普浄は陰を抜こうとするが……。

 

「うおおおおおお!!」

 

一刀は再び居合いの構えを取り、普浄に近づく。

そして普浄を何度も目に見えない速さで斬りつけ、普浄の体はバラバラになる。

 

「な……私の目でも捉えられないだと……」

 

普浄の体は床に落ちる。

 

「これが北郷流裏奥義……『壊』!」

 

一刀は双月を分解し、満月と新月に戻し、二つの刀を鞘に納める。

 

「そんな……状態で……奥義だと……」

「言ったはずだ。これは裏奥義。この裏奥義は使用者が満身創痍の状態でこそ放てる技だ」

「命削りか……」

「普通ならな。だが俺は命削りのつもりで使ったわけじゃない」

「いう……な……」

「一つ聞きたい」

 

一刀は破偉派をホルスターから抜いて、倒れる普浄に突きつける。

 

「お前は俺を殺して何がしたかったんだ? 復讐だけじゃないだろ?」

「見抜いていたか……」

「教えろ」

「いいだろう。私はこの世界を変えようと思ったのだ」

「?」

「だがこの外史は貴様が前に居た外史を元として作られた世界。ならばこの外史を変えるにはどうすればいいと思う?」

「それで一刀を消そうとしたのね」

 

華琳が答える。

 

「? どういうことでしょうか華琳様」

「この者はこの外史が一刀によって作られたものだと知っていた。そしてその概念を壊すために一刀を殺そうとした。そうでしょ?」

「そうだ。だがそれは貴様がこの外史に来た後にそうしただけだ」

「つまりは俺が来る前から考えてたという事という事か」

「そうだ」

「それで銅鏡の破壊でも考えたのか?」

「ああ、ここにあることを掴むのに少し苦労したがな……」

「それは管輅に邪魔されたのか」

「ああ。管輅がそのことに気付いた。管輅は武力的な力こそなかったが人を呼び寄せる力があった」

「そこで旅をしていた俺と星を呼び寄せたのか」

「そうだ。その後、銅鏡は確保したが管輅が封印をしてしまったためその封印を解かずともと思いお前を殺そうとしたが……」

「失敗したな」

 

一刀は破偉派の引き金を引いて普浄の体の一部を撃ち抜く。

 

「こうでもしないとお前はすぐに再生するだろうからな」

「そこまで読まれていたとはな……」

「それでお前は何をしたかったんだ?」

「私はこの外史を正史と同じにしたかっただけだ。そもそも外史などというものは存在などしてはいけない……」

 

一刀は全てを聞き終えたとして、破偉派の引き金を引き、普浄の頭を撃ち抜いた。

 

 

「そんなこと……誰が決めた?」

 

普浄は答えない。完全に息絶えたのだ。

 

「終わったようね」

 

潘臨が剣を消す。

 

「お主、初めっから我らと敵対する気はなかったな」

「正確には普浄についってただけね。普浄がいなくなった以上、私とあなた達が争う意味はないわ」

「そうか……」

 

星は構えを解く。

 

「さてと……」

 

潘臨が結界を解く。

 

「一刀殿!」

 

星がすぐに血まみれの一刀の元に駆け寄る。

 

「大丈夫ですか? 一刀殿」

「これくらいなんともない。もっと前に酷い目にあったからな」

「それじゃあ銅鏡のある間へ案内するわ」

 

潘臨が全員を連れて銅鏡のあるところに案内する。

そこには管輅と思われる少女がいた。

 

「ようこそ……」

「管輅。普浄の牢から解けたようね」

「ええ。北郷一刀さん」

「ああ」

「あれが銅鏡です。普浄のせいで銅鏡は今不安定な状態です。触ってください。そして銅鏡を安定させてください」

「……」

 

一刀は銅鏡に近づくが、触ろうとしない。

 

「どうかしましたか?」

「前に俺はこの銅鏡に触れたら俺は星と二人だけになっていた」

「……」

「そして俺は考えた」

 

一刀は白をホルスターから抜き、銅鏡を撃ち抜いた!

 

「な、なんと!?」

「これでいいんだ」

「何てことするんですか!? この外史を消滅させる気ですか!?」

 

すると空間が歪んでくる。

 

「そんなつもりはない。ただ俺は仮説を立てただけだ」

「一刀殿」

「星、どんな事があっても俺達はずっと一緒だからな」

「はい……」

 

そして空間は歪みながら、光に包まれた!

 

 

 

 

 

 

二年後………。

 

 

 

 

 

 

 

「朝の天気予報をお送りました。それでは次のニュースです」

 

とある民家。

 

「ふぁ~あ」

「おはようございます一刀殿」

 

部屋から出て、居間に行く一刀を迎える星。

 

「ああ、おはよう星」

「今日の朝ごはんはご飯と味噌汁に目玉焼きですぞ」

「完全に和風だな」

「ええ、大分味も良くなったと思いますよ」

「どれどれ……」

 

一刀は味噌汁を飲む。

 

「うまいうまい」

「それは良かった」

 

そして二人は朝食を食べ終え、二人は外に出る。

 

「ご主人様!」

 

そこにやってきたのは関羽こと愛紗であった。

 

「愛紗、いつこっちに?」

「何を言っておりますか。私もご主人様と一緒ですよ」

「そういう意味じゃなくてな……」

 

一刀は頭をかく。

 

「しかしこの世界も悪くないですな」

「うむ。まさか一刀殿が望んだものになるとは……」

 

一刀が望んだもの。それは一刀が行った二つの外史、そして自身の元居た正史を融合させた世界を作る事であった。

一刀は銅鏡にそんな願いを籠めながら弾丸を放ったのだ。

そして結果、前の外史に居た一刀の知り合いは記憶を受け継ぎ、世界全体は現代世界と融合した。

つまりは中国のところはあの外史と同じで、普通に考えれば時代遅れの国だが、外史と正史が融合した世界のためかそういうものは関係ないらしい。

そしてその中国は……。

 

「中国の国家主席曹操が日本に来日しました」

 

外にある大型モニターがニュースを流す。

中国では華琳が主席として中国を治めているのだ。

華琳だけでなく、劉備と孫策も副として一緒に支えている。

華琳のところには春蘭と秋蘭に桂花。劉備には朱里、鳳統。孫策には蓮華、冥琳、穏がその下で働いていた。

魏の将はと言うと、稟と風は世界を見て回るとして世界を旅し、錫と霞はその護衛として付いていった。二人とも世界を見て回りたいと思っていたらしいのだ。

咲は日本に行き、花屋を開いた。

黒美は世界的にも有名な心理学者となり、流琉は結構有名な料理店で働き、季衣はグルメ評論家として世界をまたに歩く。

月と詠は看護師の勉強をし、看護師になった。月や詠目当てで怪我などをしたり、病院に来る人はかなりいるとかいないとか……。

恋とねねは幼稚園の先生となり、幼稚園児達と遊ぶように園児達を指導していた。

張三姉妹は歌姫としてかなり頑張っていた。ちなみにだが澪もアイドルとして同じ事をしており、中国の張、日本の徐として争っているらしい。

余談だが、袁術と張勲も日本で歌手として最近デビューしたそうであり、人気もすこしずつだが上がっている。

 

「一刀ーーーーー」

 

そこに澪がやってくる。

 

「澪じゃないか。仕事はいいのか?」

「今日はオフよ」

「しかしオフと言ってもマスコミがどこにいるかも知れぬのに……」

「いいのよ。一刀との記事、悪くないわ」

「私が嫌なのだ!」

 

愛紗が怒る。

 

「あらあら、やきもち? でも愛紗、私の前に星がいるけどね」

「はっはっは……」

 

星は笑う。

 

「俺も困ったものだな」

「そうです。いくら星がいるといっても私は諦めませぬぞ」

「それは私もですわ」

 

一刀の腕に愛紗と澪が抱きつく。

 

「さてと私は……」

「とりあえずは離れてくれ」

 

一刀は苦笑いしながら言う。

しかし一刀の心では……。

 

(やっぱりこれが俺の望みなんだろうな。皆と仲良く暮らす世界……。

俺達はこの世界で生きる人間なんだ。誰が何と言うおうとな……)

 

一刀は空を眺めながら世界のことを考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                          完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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