この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。
なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください
試合を終えて一刀と華雄が握手をしているとその間に急に何かが割って入った。
「何だ?」
一刀が何かと思いその方向を見るとそこには方天画戟を一刀に向けている恋がいた。
恋 「一刀……次は恋と試合する……」
目を輝かせて言う恋。周囲も恋の発言にどよめく。
「………」
周囲も一刀の答えを期待しながら待つ。そして、一刀は恋を見て笑う。
「ごめん……今は無理。」
一刀の答えに周囲の人間はその場で全員こける。恋も残念そうに見る。
恋 「何で?」
「俺も応えてやりたいけどな……でも……」
そう言った一刀は月詠を落として左手をダランと伸ばす。
「できるなら万全の状態で恋と試合したいからな……」
先程の試合で華雄の一撃を軽々受け止めたようだがそのダメージは確実に残っていた。
「油断していた……あの一撃で左手がちょっとね……」
華雄「なんと……そのようには感じなかったぞ…」
一刀が負傷しているのを感じなかった華雄がそう呟く。
「長期戦になるとやっかいだから一気に決着をつけたんだよ」
華雄の呟きにそう答える一刀。その言葉を聞き華雄は複雑そうな顔をする。それは一刀にダメージを与えた喜びと、そんな一刀にあっさりとやられてしまい恥じるといった感じであった。
「恋……そういうわけだからごめんな」
恋 「うん……なら仕方ない……」
恋も一刀とは万全の状態で試合をやりたかったので納得する。
美羽「一刀に華雄。二人とも良い試合じゃったのじゃ」
美羽が一刀達の下にやってくる。
美羽「恋もそう落ち込まなくてもよいのじゃ」
七乃「そうですよ~。もうすぐ武闘祭もありますからね~」
「武闘祭?」
聞きなれない言葉に一刀は首を傾げる。
月 「あの……明後日から大陸の平和を祝う記念式典が行われるのです。そこでは何日も祭りが行われて様々な催しが行われるんです。」
詠 「催しの一つに武闘祭……通称『天下一武闘祭』があるのよ。ようは各国の武人達が己の武を競う大会ね。それがあるのよ。」
音々音「ちなみに去年の優勝者は恋殿です。」
「へぇ~……そんなのがあるんだ……」
月達の言葉を聞き感嘆のあげる一刀。
七乃「今年の開催はここで行われます。明日には三国の皆さんがここに到着をしまして前夜祭をしますよ~」
「じゃあ明日には雪蓮達にも会えるのか……」
七乃の言葉を聞いて一刀は笑う。
調練場では今だ興奮が続いたがやがて落ちついてきた所で美羽が声をあげる。
美羽「さてと……みんなは明後日から記念式典じゃ……色々と大変と思うのじゃがみんなよろしく頼むのじゃ……」
美羽の言葉にその場にいた全員が頷く。
美羽「みんなで協力すればきっと大丈夫なのじゃ。あとは楽しんで欲しいのじゃ。せっかくのお祭りなのじゃからな。」
美羽「明日には他国の者達もくるのじゃ……しっかりとおもてなしもしないといけないのじゃ……そこでみんなに提案なのじゃ……」
そう言って美羽はその場にいる全員にある提案をする。その提案を聞いた者達はどこか面白そうな顔をする。
美羽「ということで良いかの。みんな」
そう美羽が尋ねると全員が頷く。その様子を一刀と詠は呆れたような顔をして見るのであった。
翌日、昼過ぎには美羽の城に次々と各国の面子がやって来た。そして、主要な将達はそれぞれ玉座に集まった。
美羽「みんな久しいのじゃ」
華琳「ええ…そうね」
雪蓮「久しぶりね」
桃香「お久しぶりです」
美羽と華琳と雪蓮と桃香はそれぞれ集まり軽い挨拶をする。
美羽「夜には前夜祭をするからそれまでは各々自由に過ごしてくれ」
華琳「ええ……わかったわ」
雪蓮「勝手にさせてもらうわ~」
そこで一旦解散となった。それぞれの将達は各々自由行動を開始した。お祭り騒ぎの街に行く者や久しぶりの再会を喜び話をする者などである。しかし、そこに一刀の姿はなかった。
各国の面子が再会を喜んでいる頃一刀は一人城の倉にいた。何故一刀がここに居るのかと言うとそれは美羽の提案であった。
美羽「一刀が戻って来たことを三国のみんなには秘密にするのじゃ」
要は他の国の連中を驚かせたいらしい。全員美羽の提案に同調して一刀の事に関しては緘口令が敷かれている。一刀は昨日の晩からこの倉で過ごしていた。
「何でこんなことを……」
一刀はため息をつく。倉の中で一刀はやることがないので読書をしていた。
月 「一刀さん……私です……」
「ああ……すぐ開ける」
月の声を聞いて一刀は本を閉じて倉の扉を開ける。月はお盆を持っていてその上にはご飯が用意されていた。
一刀は月が用意してくれたご飯を食べていた。月は一刀の向かいに座ってその様子を見ていた。
「みんなの様子はどうだった?」
月 「はい……雪蓮さん達は元気そうでした。あと魏と蜀の人達も元気そうでした。」
「ふ~ん……って言っても俺、魏と蜀の人達とは交流がないからなぁ~」
もぐもぐと咀嚼しながら答える一刀。
月 「一刀さんならすぐにみなさんと仲良くなりますよ……」
「だといいけどね……そういえば詠は?」
月 「詠ちゃんなら朱里ちゃん達と一緒に街に行きましたよ…」
「いいな~」
お茶を飲みながら答える一刀。
「ごちそうさま…」
食事を終えた一刀は手を合わせる。その後、月としばらく談笑する一刀。
月 「夜は前夜祭がありますから始まる前にまた持ってきますね」
「了解」
そう言って月はお盆を持って倉から出て行く。
「さてと……寝るか……」
お腹いっぱいになった一刀はその場で横になるとそのまま昼寝をするのであった。
夜、大広間で四国の面々は前夜祭を楽しんでいた。その場では食事やお酒など飲んで食べて、そして騒いでいた。一刀はその喧騒を聞きながら中庭の木の上でお酒を飲んでいた。
「みんな楽しそうだな…」
ため息をつきながら杯にお酒を入れて飲む。お酒は月に用意してもらったものである。
倉の中にいるのに飽きた一刀は日が沈むのを確認して外に出たのである。ちなみに一刀はみんなにばれないように気配を完璧に消している。本気を出せば決して雪蓮達でも気づかない完璧な隠業である。
「………ぷは………ん?人の気配がする。」
人の気配を感じた一刀は木の上から下を覗き込む。近づいてくる人影を一刀は見る。
「あれは……女の子?」
一刀の目に映ったのはまだ幼い女の子であった。女の子はきょろきょろと周囲の見ながら歩いていた。
女の子「おかーさん……どこー?」
(迷子か……)
女の子はどうやら自分の母親を捜しているみたいであった。
(何をしているんだ……母親は)
一刀はため息をつくと女の子の周囲に人がいないことを確認して木から飛び降りた。
突然、目の前に下りた一刀に女の子は驚いた顔をする。顔も若干涙目である。一刀はそんな女の子を安心させようと微笑み声をかける。
「こんばんは……お嬢ちゃん」
女の子「こ、こんばんは……」
一刀の顔を見た女の子は安心したのかおずおずと挨拶をする。一刀はさらに女の子に近づきしゃがんで目線を合わせる。
「お嬢ちゃん……お名前は?」
女の子「……璃々」
「そっか……璃々ちゃんって言うんだ」
一刀の言葉に頷く璃々。
「璃々ちゃんはどうしてここにいるのかな?良かったら教えてくれないかな?」
一刀の質問にたどたどしく答える璃々。璃々の言葉をまとめると、彼女は他国からここに来たようでありさらに前夜祭に出ている。つまり彼女は他国の将の娘さんであることが推測できた。あとは子供特有の好奇心でその場を離れてうろついて迷子になったようである。
璃々「璃々が住んでいるお城じゃないから場所がわからなくなっちゃった……」
本当は他国の人間との接触は禁止されていた一刀であったがさすがに困っている少女を放置するほど一刀も鬼畜ではない。
「じゃあお兄ちゃんがその場所まで連れて行ってあげるよ。」
璃々「ほんと?」
「うん。約束だ」
璃々「うん!約束!!」
一刀の言葉を聞き璃々は満面の笑顔を浮かべる。一刀もつられて笑顔になる。
「じゃあ行こうか」
璃々「うん」
一刀はそのまま璃々と手を繋いで歩き始めた。
蜀の将軍である黄忠こと紫苑は現在、前夜祭の会場を抜け出して自分の愛娘である璃々を捜していた。自分がほんの少し目を離した隙にいなくなってしまったのである。
紫苑「璃々ー、どこにいるのー?」
城内を捜すが一向に璃々の姿が見えない。一応、仲の城内であるので安全面はしっかりしていが万が一のこともある。そう思い紫苑は璃々を捜しているのである。
紫苑「本当にどこにいるのかしら……」
紫苑の声にも若干焦りの色が出ている。するとそこから、声が聞こえた
璃々「お母さーん」
紫苑が声のした方を見るとそこには走ってこっちに向かってくる璃々がいた。
紫苑「璃々!!」
紫苑は璃々を抱きしめると璃々も紫苑に抱きつく。
紫苑「全く……どこに行ってたの?」
璃々「……ごめんなさい」
紫苑「あんまりお母さんを心配させないでね」
璃々「……うん」
目を離した自分にも非があるのでそれ以上の追求はしなかった紫苑。
紫苑「ところで璃々は一人でここまで来たの?」
璃々「ううん……お兄ちゃんが連れてきてくれたの」
紫苑「お兄ちゃん?」
璃々「すっごくカッコ良くてすっごく優しいお兄ちゃんなの!!」
紫苑「でも……そんな人いないわよ…」
そう言って周囲を見る紫苑であったが人の姿どころか気配も感じない。
璃々「あれ~さっきまでいたのに……」
不思議そうに首を傾げる璃々。紫苑はお兄ちゃんとはきっと城の警備をしていた兵士であるのだろうと考えた。
紫苑「とりあえずみんなの所に戻りましょうか…お兄ちゃんにはまた今度お礼を言いましょうね」
璃々「うん!」
そう言って紫苑親子はそのまま手を繋ぎ会場に戻る。
紫苑親子が去っていった後、一刀の姿がその場所に現れる。一刀は紫苑の姿を確認するとその場所で氣を使い文字通り姿を消したのである。
「ふぅ~まさか璃々ちゃんが黄忠将軍の娘だったとは……」
一刀は璃々の母親を確認して驚いた。紫苑とは特に親しいわけではない。お互いに顔を知っている程度の認識であるので彼女に娘がいることなど知らなかったのである。
「まあ無事に璃々ちゃんを送ることができたからいいかな…」
そう言うと一刀はそのまま倉の方向に歩き始めたのであった。
後書き
何とか第3話を投稿できました。本当は恋との試合も考えたのですがまあ一応まだ機会があるということで流しました。ちなみ一刀の左手はそんなに重症ではありません。せいぜい一日痺れが取れない程度です。華雄の一撃が一刀の予想を上回っていたということです。
ここで第3話にでてきたのがまさかの璃々です。……なんか璃々がかなり幼くなってしまったような気がします…大丈夫ですよね?さてとこれから徐々に色んな人達とも交流ができたらなと思っています。
ではみなさんまた
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投稿です。生暖かく見守ってください。