ガタガタ。ビー。ブー。
「あ、あー。ただ今マイクのテスト中。かなちゃん、
大丈夫?」
ビー。
「はい、なんとか……。あと、かなちゃんは止めて
ください。」
ガタゴト。
「えー、ただ今発生しました放送事故につきまして
皆様に謝罪申し上げます。先程の提供を放送した直
後、何者かが照明を落とすと同時に放送室に侵入、
『闇の執行部を知っているのか』と騒ぎ立てたてた
ものの、この場に居合わせた放送委員長が応戦、
不審者を撃退しました。放送関係者にケガはありま
せん。」
「一体何者だったのでしょうか。声は女性のようで
したけれども……」
「『私はスパイだ!』とか『秘宝はどこ?』とかなかなか面白いことを言っていたわね。
もしかしたら、この学園の地下にある秘宝を探している女スパイだったりするのかしら。」
「まさか。マンガの読みすぎじゃありませんか?」
(小声で)「やはり、ヤツをスポンサーにしたのは間違いだったか……。」
「先輩、今なにか?」
「いえ、なにも。それよりも、侵入者が騒ぎ立てたとき、放送委員長の来ヶ谷さんの活躍
はさすがだったわね。」
「あの暗闇の中で正確に侵入者に攻撃を仕掛けることができるのは、並大抵のことではあ
りません。」
「なになに、来ヶ谷さんからのカンペによると『大したことではない。修行すれば誰にで
もできる』と。謙虚ねー。」
「誰にでもできることではありません。来ヶ谷さん、あなただったら……。」
「『またその話か。』、なに、あなたたち何か因縁でもあるの!?」
「目を輝かせないでください、先輩。えーと、『そう、私を買いかぶるものではない。
実際、私にも侵入者の顔は分からなかった。』」
「それは仕方がないわよ。私もなにも見えなかったし。」
「『分かったのは、侵入者とアシスタントのかなちゃんのスタイルだけだ。かなちゃんの
スタイルは侵入者のそれと比べて…』って一体何を言わせるの!!」
「『ふふふ。私もこの番組の趣旨には大きく賛同している。かなちゃんという言葉の響きが
よく似合っていると思うぞ。』まったくもってその通りだわ!あなたとはいい晩酌ができそ
うね!」
「先輩!来ヶ谷さんも『ではとっておきの…』などと言わない!」
「けちー。『無粋な。』」
「うるさい!!」
「あなたのこと気に入ったわ、来ヶ谷さん。次から、くーちゃん…じゃなくてゆいちゃんと
呼んでもいい?え、ダメ?なんで?」
「先輩、戻ってきてください!私一人では!」
「……」
「えーっと、それでは、ここで一旦CMです。」
その3に続く
Tweet |
|
|
2
|
0
|
追加するフォルダを選択
リトルバスターズ!シリーズの小説コンテスト応募作
連作その2