「ふう、強情な娘ね。まぁいいわ。過程を楽しむのも
大事よね。」
「先輩。先程の放送事故ほどの時間、放送を止めてし
まっていますよ。」
ゴソゴソ。
「さて!ここからは、リスナーからのお便り、いわゆ
る『ふ・つ・お・た』コーナーいくわよ~☆」
「テンション高すぎませんか!?」
「はい、かなちゃん!これ読んで!!」
パサ。
「はぁ、もうかなちゃんでいいです……。えーっと、
『はじめてお便りします。硝煙の臭いとトラップの轟
音がする所で、このラジオを聴いています。この番組
は、命を懸けた戦いを繰り広げる私にとって安らぎの一時を与えてくれます。地下でも
こんなに明瞭に聞こえるなんて!秘宝の在り処までもうちょっと!生きて帰って次の放送
も絶対に聞きます!!』ペンネーム『朱鷺戸沙耶』さんから頂きました。」
「なぜか、手紙を書いた人の叫びが聞こえてくる気がするわ。」
「読んだ私が言うのもなんですが、同感です。というより、どうしてこの手紙を読ませた
のですか!?」
「当然、とっっっても面白かったから!!そしてあなたに読ませたのは、かなちゃん、あな
たの修行のためよ!!生放送のラジオではどんなトラブルが発生するか分からない。それを
あなた一人の力で克服するのよ!!」
「今日の放送だけでもかなりのトラブル続きなのですが。それでは、この手紙が採用され
た『朱鷺戸沙耶』さんには番組特製のノベリティをプレゼントします。……ってまさか
このペンネーム、まさか本名じゃ!?」
「ますますもって面白いわ!!」
「先輩は鬼ですか!?」
「初めての投稿で、ペンネームと本名を間違えて書いてしまったのかもしれないわね。人
は失敗を基に成長していくものなのよ。」
「フォローになっていないと思います。」
「『朱鷺戸沙耶』さんはこれに懲りず、また応募してくださいね!」
「そういえば、先輩。冒頭で仰っていたスペシャルゲストはどうなったのですか?放送開
始から先輩と私、放送スタッフの来ヶ谷さんしか放送室にはいませんが。」
「ギクリ。」
「へ?」
ガチャ。
「あー!!遅れて今、ゲストが部屋に入ってきました!!」
「いや、先輩が自分でドアを開けて…」
「それではここでゲストによる一曲を聴いていただきましょう!能美クドリャフカで
『わんずふゅ~ちゃ~』!!」
「先輩!?」
♪~
その4に続く
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連作その3