無限です
12作目です
そういえば第一話が5000突破してましたね
もともと500超えればいいかなーってはじめたのに何時しかこんなに見てもらえるとは感無量です!
これからもお願いします!
萌将伝が出てもかきますよ!
注意!!
二次創作です、原作のイメージをぶち壊されたくない方は回れ右
基本、妄想です
オリキャラでますよ、嫌な方は回れ左
強い一刀君が出ます、嫌な方は回れ右左
誤字脱字多いかも、多めにみてください
時間軸滅茶苦茶です、あと設定も滅茶苦茶ですそれでもいい?
以上がいいならどうぞ先にお進みください
紅蓮「っ!・・・こりゃあ、すげえな・・・」
雪蓮「凄い殺気・・・」
祭「ふっ!小僧と思っておったがここまでとはな」
思春「これが本気か・・・北郷」
ピキピキと耳鳴りがする、体のリミッターを解除した代償
体中の筋肉がギチギチと鳴く、目の周りの血管が浮かび激痛が走る
愛紗「やはりあの時は本気ではなかったか」
鈴々「お兄ちゃん!覚悟するのだ!」
星「さて・・・我が槍の真髄とくと味わってもらいましょうか」
骨が軋む、臓器が煮え滾ったかの様に熱い
激しい頭痛、目眩、吐き気まるで重病患者の様
夏侯淵「姉者いけるか?」
夏侯惇「何も問題は無い、季衣!流琉は大丈夫か?」
「はい!流琉・・行ける?」
「大丈夫だよ季衣!もう怖くない!」
だが解る、理解できる己の体のこと
何時もより早く、強く動けると体が言っている
体に流れる血の一滴一滴がまるでニトロになったかの様に
早く爆発したいと、そう言ってる
動け!動け!動け!動け!
駆けろ!駆けろ!駆けろ!駆けろ!
殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!
思考のループそれしか考えられない、許可を求めるかのように心臓が動く
早く!早く!早く!早く!
一刀「・・・・・・・・・!」
紅蓮「!?雪蓮!!」
雪蓮「って私!?つぅ!」
間一髪、黒の閃光を防ぐ
しかし防いだ腕は痺れ弾かれぬようにするので精一杯だった
雪蓮「まずっ!」
迫る白の閃光、避けれ無い速度
脳裏に最悪の映像がよぎる
一刀「・・・・!」
紅蓮「こっちにも構えよ!!おらぁ!」
紅蓮の攻撃をかわすべく空に舞う
祭「迂闊じゃな小僧!!」
夏侯淵「空中では避けれまい!!」
空を切る無数の矢
空中に舞ってしまった一刀には避けれない
体のリミットを外したが流石に空を蹴る事は出来ない
だが避けれないのなら
一刀「ふっ!」
夏侯淵「なにっ!?」
撃ち落せばいい
迫り来る矢をスローイングナイフで悉く落としていく
寸分違わず確実に、落としきる
祭「ちぃ!はぁ!!」
続け様に放たれる矢しかし既に地に足をつけている一刀にはとまって見える
進行の邪魔になる矢を切り落とす
その速度は尋常ではなく遠くに居たはずの一刀が瞬きをした瞬間に
目の前に居る
祭「!?」
一刀「一つ」
思春「はぁ!!」
一刀「!」
放たれた剣を止めるキィンと澄んだ鋼の音が響く
星「余所見は厳禁ですぞ!」
繰り出される槍
受け止めた剣を弾き、返す刀で槍を止め、弓を蹴り弾き飛ばす
星「流石に一筋縄ではいきませぬか・・・鈴々!!愛紗!!」
愛紗「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
鈴々「うにゃにゃにゃにゃー!!」
一刀「く・・・そっ・・・!」
槍を止めていた刀を地面に突き刺しその場で回転する
遠心力で引き抜いた刀の衝撃、さらに砂煙を巻き上げる
星「ぐっ!」
鈴々「目が見えないのだ!」
愛紗「何処に!」
祭「落ち着け!此処にはおらん!」
砂煙の中から攻撃されてはたまらないその場で警戒をする
砂煙が晴れる、しかしその姿を視認できない
愛紗「なに?居ない・・・」
思春「関羽!後ろだ!!」
後ろを振り向く其処には
逆手に持った刀を構えた一刀が居た
移動したと思っていたしかし動かなかったのだ
気配を消し移動したと見せかけていたのだ
愛紗「っ!」
遅い、気付くのも、武器を構えるのも何もかもが遅い
あるで世界が遅くなっているかのよう
赤い瞳が此方に狙いを定めている
動けない、いや動いてはいるのだろう
だが死を認めてしまった自分は死ぬのだと
全てが遅い、仲間も共同戦線を張っている者も
だがその中でずば抜けて早いのだ彼は
彼の刃がこの首に届く前にこの腕は今の位置からあまり動けないのだろう
それほどまでに、早い
自分を呼ぶ仲間の声さえも遅い
しかしはっきりと聞こえた声がある
一刀「まずは一つ」
死を誘う鬼の―――声が――
あぁだけど・・・これは気のせいか?
鬼が・・・泣いている様に・・・見える・・・
夏侯惇「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
寸での所大剣が目の前に来る
耳を劈く様な音が聞こえると世界は戻っていた
夏侯惇「ぐっ!関羽!!ぼさっとするな!!」
星「愛紗無事か!!」
鈴々「愛紗!」
愛紗「あぁ・・・大事無い・・・」
気のせいではなかった
一刀が泣いている真っ赤な涙を
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
迫る鉄球と円盤
左は受け止められるが右は鍔迫り合いの最中で離す事が出来ない
直撃?そう思った瞬間体が動いていた
夏侯惇「なっ!?」
「うぇ!?」
「・・・・」
左肩に走る激痛
体が下した判断は左肩から下を捨てる事
円盤が肩から二の腕にかけて砕いてゆく
友を庇って出来た傷から血が噴き出す、骨が砕ける
相手は驚いているそれもそのはず避ければよかったのだ
だが避けなかった、いや避けれなかったと言ったほうが正しい
一刀「つぁ・・・」
揺らぐ踏ん張りが利かなくなっている、限界なのだ一刀の体は
リミッターを外す事、確かに強大な力が手に入るだろう
だが実際は筋肉が耐えられないのだ
人間が100%の力を出せばたちどころに筋肉は断裂し腱が切れ動けなくなる
それもそのはず本来100%の力を出せるのは一瞬
それを長時間とは言えずとも使用した、いくら訓練を受けていても
断裂こそ起きなかったものの筋肉が悲鳴を上げたのだ
血涙もその一種だろう、動体視力の酷使による無意識のSOS
一刀「っ!・・・ぐっ!がはっ!!」
吐血、とうとう内臓からも悲鳴
しかし一刀は戦おうと動く
一刀「っ・・・あああああああああああああああ!!!」
夏侯惇「うおっ!?」
「うわぁ!?」
剣を弾き、左で止めた鉄球を動かないはずの左手で投げ飛ばす
一刀「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
夏侯惇「なに!?ぐあ!」
「春蘭様!?ぐぅ!」
最早洗礼された動きは見る影も無く
刀を使わずに殴り飛ばす、いや殴り飛ばす事さえも出来ないのだろう
腕を強く当てるだけ、しかしそれでも異常なほどの筋力で当てられるのだ
弾き飛ばされる
思春「北郷!もうやめろ!っ!」
雪蓮「思春!っと!危ない危ない・・・」
思春「すいません・・・」
雪蓮「いいのいいの、あれはもう化け物だよ」
目標を探す、とにかく倒さねば
あの少女の為に
たとえ死んでも、倒さねば!
一刀「っ・・・うぅ・・・ぁぁぁぁあああああああああああああ!!!」
悲鳴を上げる体に鞭を撃ち駆ける
紅蓮「一刀・・・・」
一刀「こう・・・れん!あぁあああああああ!!」
紅蓮「見てられんな・・・犠牲の心もここまできたら病気だぜ・・・こいよ一刀俺が殺してやる」
型も無く、だた我武者羅に走る
紅蓮の間合いに入ろうとしたその時
一刀「あ・・・」
紅蓮「?」
停止するピタリと
その場に居る全員が不審に思う
一刀「くそ・・・此処までか・・・」
紅蓮「一刀?どうしたんだ?」
手を差し伸べる紅蓮
いとも簡単に一刀に触れた
『戦闘中にも関わらず』に
紅蓮「!?一刀!!本当にどうしたんだ!!」
一刀「あぁ・・・紅蓮、もしかして今俺に触ってる?」
紅蓮「!・・・お前・・・まさか」
一刀「ご名答、五感が死に掛けてる、ぎりぎり耳は聞こえるけどね」
顔に当てた手から伝わる体温が低い
体の機能が死につつあるのだ
一刀「流石に事此処に至ったら俺も戦えないよ・・・」
紅蓮「馬鹿野郎!!そんな事いってる場合か!!思春!!軍医だ!軍医を呼んで来い!!」
思春「御意!!」
一刀「駄目だよ・・・紅蓮、まだ俺は敵だよ?」
紅蓮「うるせぇ!!動けないくせに減らず口叩くな!!」
一刀「ははっ・・・大丈夫・・・宣言するよ」
紅蓮「あ?」
一刀「俺は連合に降るよ・・・一時的にね・・・」
紅蓮「んなもんどうでもいい!!早く医者に行くぞ!!」
一刀「ははっ・・・(まだ生きてるか・・・治癒孔で治せるな・・・美冬に感謝かな・・・)」
紅蓮に担がれ、連合の本陣に運ばれる
心配そうに見つめる蜀の武将、自らの主君に報告を急がせる魏の武将
一刀の治療を迅速に手配する呉の武将
たった一人で戦い抜いた少年の体に限界がきた事によって汜水関の戦いは幕を閉じた
連合の本陣、立ち並ぶ天幕の一つ
一刀は其処に幽閉されている
卓越した武を持っていても捕虜は捕虜
両手を後ろ手に縛られ判決を待っているだけなのだが
どうやら客が来ているらしい
一刀「ぐっ!」
「はぁはぁはぁ・・・」
「おい、気は済んだだろ行こうぜ」
「まだだ!!こいつのすまし顔が気にいらねぇ!!おら!どうだこの!!」
一刀「っ!」
尋問ではなくただの暴力
戦に借り出され鬱憤が溜まっているのだろう
かれこれ数十発は殴られたか
「やめとけって!何でもこいつに執心してる諸侯も沢山いるんだ殺したら大変だぞ」
「知るかよ!どうせ斬首されるに決まってる!だったら俺が代わりに殺してやるんだよ!」
一刀(まぁ、この程度じゃ死なないけどねー・・・大山師匠の拳は文字通り殺人パンチだったし)
「てめぇ・・そのすまし顔を止めろ!!」
一刀「ぐぅ!」
また殴られる
一刀(痛い事には変わりないんだけどなー・・・現代の捕虜虐待してはいけないって軍法、偉大だなー)
「くそっ・・・こいつ本当に・・・」
「もういいだろ?帰ろうぜ」
一刀(あれから何時間経過したっけ?だいぶ回復してきたけど・・左腕動かないなぁ)
「くっ・・・なんで脅えない!なんで乞わない!許してくれと!」
「おい、落ち着けよ!」
一刀(なるほど・・・こいつ、そう言う趣味もってたんだ・・・それにCSR発症してるみたいだな)
『CSR』戦闘ストレス反応
戦闘を行なう事によって有害な心理反応が起こる疾患シェル・ショックとも呼ばれる
死の恐怖から来る強いストレスによって精神が不安定になってしまう
それにより攻撃衝動、現実逃避、飲食障害、等の症状が現れる
この兵の場合元々持っていた無抵抗の相手や弱者を痛めつける行為に攻撃衝動が上乗せされた状態なのだろう
一刀(まぁこの時代じゃまだ認知されていないし、治療も出来ないからほっとくしかないか)
「くそ・・・もういい・・この場で殺す・・・」
「おい!剣はヤバイぞ!」
「うるせぇ!がたがた抜かすとてめぇも殺す!!」
一刀(ありゃりゃ・・・これは急展開)
「おい・・覚悟は出来たか?あぁ?」
一刀「それはこっちの台詞だよ・・・」
「あ?」
一刀「剣を抜いたら覚悟を決めろよ?」
「なに言って?」
一刀「殺されても文句はないよね?」
「は?」
次の瞬間には牙を剥いた獣の口が目の前に広がっていた
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「・・・・・・」
一瞬だった先程まで優位に立っていた兵が
腕の仕えぬ捕虜に組み伏されている
器用に足で二の腕を踏んでいるため兵は動きが取れない
「おい!助けてくれ!!」
「あぁ!わかっ!?」
次の瞬間仲間は動けなくなる
なぜなら一刀が身内の咽笛に齧り付いているのだ
「あがっ!!がぁぁぁぁぁ!!」
異常な光景の前で足がすくむ
まるで狼の如く咽を噛み千切ろうとしている
この世の光景か?
「がぅ!がががが!うげぇ!」
声にならない叫びが聞こえる
ギチギチと肉を裂く音が聞こえる
「がひゅ!?・・・!・・・!」
とうとう声帯が潰れたらしい声が聞こえなくなった
口からは大量の血が泡状になって出てくる
そして
ガチン!
歯と歯が噛み合う音
そのまま頭を上に勢いよく振り上げ残った筋を引き千切る
「・・・・・・」
「うっ!・・・!」
嘔吐を寸前で止め友を見る
虚ろな瞳でヒューヒューと呼吸しているがそれもすぐに止まるだろうと確信できる
一刀「ぷっ!」
肉片もろとも血を地面に吐き出す
腰を抜かしてる兵を見る
「ひっ!」
一刀「剣を抜かなくて正解だ・・・」
死んだ兵の服で口を拭く
一刀「流石にこんな非人道的な殺し方はもうしたくない」
頷くしか出来ない兵士を尻目に元の位置に戻り
左腕の治癒に取り掛かる
一刀「それと、そいつを葬ってやってくれ」
「はっはい!」
亡骸を引きずった兵士が天幕を出る
静寂が訪れる
一刀(やっぱり、掌を当てないと集まりが悪い・・・しかしポッキリ逝ってるなぁこれ治るかな・・・)
美冬曰く一刀の氣は攻撃的な使い方が主であり回復用の氣とはやや異なるとの事
しかし其処は抜群の気孔センスによって回復としても仕えるが美冬ほどではないらしい
まぁやらないよりまし程度と考え治癒に没頭する
その時
「運ばれた時はボロボロだったのに元気そうね北郷」
一刀「あなたは・・・」
数人の取り巻きを従え天幕の入り口から入ってきたのは曹操であった
「先程ここの番を任せた兵に会ったわ、貴方手を縛られた状態でどうやって倒したの?」
一刀「食い殺したんです、手が使えなければそれ以外を駆使しろ師匠の教えです」
「へぇ食い殺したねぇ・・・ふふっ孫堅から聞いていたけどとんだじゃじゃ馬ね」
一刀「褒め言葉として受け取っておきます、それでこんな血生臭い所へ何用ですか?曹操殿」
曹操「あら?私を知っているのね。鬼神、戦神と呼ばれる貴方に知って頂けるとは光栄ね北郷」
一刀「此方こそ、乱世の奸勇に名前を知って頂けるとは光栄の極み」
夏侯淵「北郷!口を慎まないか!!」
曹操「いいのよ秋蘭、ここに来た理由ね・・それは・・」
桂花「一刀!!」
突然天幕に飛び込んできたフードを被った少女
始まりの地、この世界で始めてあった桂花であった
一刀「桂花!?っと」
桂花「一刀!よかった・・本当に・・貴方が運ばれてきた時は本当に心臓が止まりそうに・・・一刀!!」
一刀「桂花・・・ごめん心配かけたな・・・血が付くから離れたほうがいい」
桂花「いいの・・もう少しこのまま・・」
一刀「わかった」
あぁこの手が自由なら今すぐ抱きしめる事が出来るのにと
必死に縋り付く少女をみて思う
曹操「んんっ!」
咳払い一つ
二人の世界に入りそうになっていたと言うより完全に入っていた二人を現実に戻す
曹操「桂花・・想い人に会えて嬉しいのは解るけど、少し自重なさい」
桂花「申し訳ありません!華琳様!」
曹操「さて、北郷一刀単刀直入に言うわ」
一刀「・・・・・」
曹操「私に仕えなさい」
一刀「・・・」
曹操「貴方の武を才を私に捧げなさい」
高圧的されど有無を言わさない覇気を感じさせる言葉
しかしそれに臆する事無く
一刀「お断りします」
夏侯惇「貴様!華琳様が直々に!」
曹操「春蘭!」
夏侯惇「うぅ~」
曹操「その理由は」
一刀「この戦はまだ終わっていない、なれば俺が仕えるのは董卓のみ」
曹操「そう・・・じゃあ、この戦に勝てば貴方を手に入れる事ができるのね」
一刀「そう考えていただいて構いません、しかし貴方以外からの誘いもありますので絶対と言う訳ではないです」
曹操「ふふっ貴方からその言葉が聞けて満足よ。では北郷また会いましょう」
一刀「はい」
曹操「行くわよ」
「「御意!」」
桂花「一刀・・・」
心配そうに見つめる少女に笑顔で答える
少し安心した表情で足早に曹操を追う
一刀「桂花・・・元気そうで何よりだ」
そう言って再度治癒に専念する
一刀「んー・・・いい感じかな・・・」
鎖で縛れているためあまり動かせないが順調に回復している模様
一刀「この調子なら朝方くらいに完治か」
「おーい、一刀!」
一刀「紅蓮?」
紅蓮「おっ!いたいた、よかった曹操がおめぇに会ってなんか話したって聞いたからよ、もしかして
曹操の軍に入ったかと思ってなぁ」
冥琳「北郷、傷の具合はどうだ?早急に治療したが・・・」
ぞろぞろと呉軍メンバーが天幕に入ってくる
一刀「また大勢で来たねぇ・・・」
紅蓮「なーにここに居る全員お前が心配だったんだよ」
雪蓮「一番取り乱してたのは母様でしょ?」
紅蓮「ばっ!雪蓮お前それは言うなって!」
冥琳「包帯を換えるぞ」
一刀「あぁありがとう冥琳」
冥琳「なに、紅蓮様が手厚く手当てしろと言ったのでな」
紅蓮「おい!冥琳お前もか!」
思春「手伝います」
冥琳「助かる、上着を脱がせるぞ」
一刀「わかった・・つっ!」
血が滲んでいた場所からベリベリと嫌な音が聞こえる
上半身を裸になった一刀を見て若干顔が赤い者が数人
冥琳「ふむ・・・お前暴れただろう・・傷が少し開いてるぞ?」
一刀「あはは・・面目無い・・・」
思春「では、包帯を取るぞ」
一刀「ありがっいて!」
思春「こら!暴れるな!」
一刀「今神経が敏感なんだよ!痛い痛い!」
リミッター解除の代償とも言えるのか
神経が異常に敏感になっているのだ
先程の兵士に殴られていたときも普段なら別段呻きもしない痛みなのだが
呻いていたのはこのためである
冥琳「明命!お前も手伝え!」
明命「うえぇ!?しかし一刀殿は裸・・・」
冥琳「今はこいつを男と思うな!いいから早く!!」
一刀「ぐあぁぁぁ!イテェェェェ!思春!もっと優しく!」
思春「そうされたくば暴れるな!!」
一刀「わかってるけど!血で包帯がへばり付いて・・・(ベリィ!!)いぎゃぁぁぁぁ!!」
冥琳「明命!早く!!」
明命「はいぃ!!」
蓮華「母様、軍の再編おわり・・・なにこの状況・・・」
「おや、蓮華様お帰りなさい」
紅蓮「ん?今一刀の治療中だ」
雪蓮「母様・・苦しい・・降参降参!!」
アームロックをかけられている姉、よってたかって半裸の男を押さえ込もうとしている将
カオスである
蓮華「穏、小蓮は?」
穏「蓮華様おつよいですねー・・・小蓮様なら祭殿と兵糧の確認に向かっております」
蓮華「そう・・」
紅蓮「雪蓮・・・貴様は私を裏切った!!」
雪蓮「がぁぁぁぁぁ!!おれっ!おれるぅ!!」
蓮華「母様!それいじょうはいけない!!」
・・・・・
紅蓮「さて治療も終わった事だしそろそろ本題に入ろうか」
一刀「本題・・・ですか」
紅蓮「あぁ、まっなんども言うようだが。私のとこに来い一刀」
一刀「直球だな・・・」
紅蓮「回りくどいのは嫌いなんだ、で?どうだ」
一刀「先程きた曹操さんにも言いました通り、この戦争が終わるまで自分は董卓の将ですから今はまだ」
紅蓮「そうかい、ならこの戦をさっさと終わらせばいいんだな?」
一刀「簡単にはいきませんよ?」
紅蓮「はっ!そっちの方が燃えるぜ。そうだそうだ、紹介がまだだったな私の娘の孫権、軍師の陸遜だ」
陸遜「お初にお目にかかります~陸遜と申します、真名は穏よろしくです」
孫権「孫権だ、貴公の話は母様や姉様から聞いている、真名は蓮華今は敵同士にだがよろしく頼む」
一刀「ありがとう、握手の一つでもしたい所だけど生憎手がこんな状態でね」
蓮華「気にするな、母様や他の諸侯連中が欲している理由が解らなかったが今回の事でよく解った」
一刀「俺自身自分に価値があると解らないんだけどなぁ」
穏「そんなものですよ、自分の価値は自分で決めるのではなく端から見た評価が価値になるのですよ」
一刀「そんなものか・・・」
紅蓮「さて挨拶も済んだしそろそろお暇させてもらおう」
一刀「冥琳、思春、包帯ありがとうね」
冥琳「なに当然の事をしたまでだ」
思春「私もだ」
一刀「紅蓮またね、それと雪蓮大丈夫?」
紅蓮「あぁ、またな」
雪蓮「あはは・・・大丈夫大丈夫・・・」
各々頭を下げたり、手を振ったりして天幕を出て行く
一人やや広めの天幕に残される
一刀「そろそろ、動かせるか・・・」
左腕に力を入れる
多少痛みは走るが先刻より幾分かましになっている
一刀「いいぞ・・!この調子なら少し早めに動くとするか・・・」
すっかり手馴れてしまった掌を当てずに治癒
氣の絶対量が多い一刀でもそれなりに疲れる作業
そろそろ体の氣も尽きてくる
一刀「ぎりぎり足りないか?いや・・・やって見せるさ」
騒がしい一団が去ってから
一刀の治癒もいよいよ大詰め、驚異的な速度で怪我が治っていくのに対し
残りの氣の量も凄まじい速度で減っていく
治るのが先か尽きるのが先かどちらか一つ
一刀「まぁ、計画を少し遅れさせれば良いんだけどね・・・」
脂汗を滲ませながらギリギリの状態で治癒を進めていく
そんな時、天幕の外から気配がする
またかと思いつつ顔を上げると
「おにいちゃーーーーーん!!!」
一刀「鈴々!?ちょっ!!待って!!」
ドーンと言う音が聞こえてきそうなくらいの衝撃
鈴々「にゃー!!んふふ・・おにいちゃーん!」
一刀「(ぐぉおぉぉぉぉぉぉ!!傷がぁぁぁぁぁぁ!!)り・・鈴々・・・どうかしたのかい・・・」
やや青ざめた表情ですりすりと猫の様に額を擦り付けている鈴々に問う
鈴々「お兄ちゃんに会えて嬉しくて我慢できなかったのだー」
一刀「そう・・・なんだ・・・うれしいなぁ・・・」
愛紗「鈴々!!一刀殿!大丈夫ですか!!」
桃香「一刀さん大丈夫!?」
一刀「やあ・・・桃香・・愛紗・・元気そうだね・・・」
星「そういう一刀殿は顔色が悪いようですが」
朱里「お久しぶりです、一刀さん」
雛里「お・・おひしゃしぶりでしゅ・・・」
一刀「星・・解ってて言ってるだろ・・・朱里、雛里久しぶり雛里はもうちょっと落ち着こうか」
雛里「はひゃい!」
目を><にしながら赤面する雛里相変わらずアガリ症は治ってないようだ
愛紗「こら!鈴々一刀殿の膝から降りろ!」
鈴々「えー・・こっちのほうが落ち着くのだ」
ぷぅと頬を膨らませる鈴々
こうして見るとやはり歳相応の女の子にしか見えない
それはどの武将たちにも言えるのだが、一刀の内心はやはり穏やかではなかった
リミッターを外す事はメリットもあればデメリットもある
しかし一番の心配は一定の時間が経てば此方の意識が飛んでしまう事
記憶には残るもののその時行なった行動に関しては体が勝手に処理をする
たとえ相手が好いている相手でも此方の意思に関係なく殺してしまう事もあるのだ
汜水関での死闘、圧倒的に相手が有利だったからこそ死者が出なかったのだ
もし、あの中の武将たちと一騎打ちをすれば確実に殺していただろう
己が師に言われた事を思い出す
美影『いいかい一刀、今回教えた技を多様するんじゃないよ』
一刀『はい』
美影『返事が言いだけじゃ駄目だ、この事を頭に叩き込んでおくんだ。本当に勝ちたい、誰かを全力で守りたい
そう思ったときだけ使いな。じゃないと私みたいになるよ』
一刀『なにかあったんですか?』
美影『なに、簡単な事だ。愛してる人を――――殺しちまっただけさ』
――――あの時の師の顔が離れない
もし自分がそうなったらあんな風に簡単にとても簡単に
―――笑えるだろうか――――
「か・・殿!」
一刀「・・・・」
愛紗「一刀殿!!」
一刀「!?あ・・・」
その場に居る全員が心配そうな顔をしている
愛紗「やはり鈴々が飛び込んだときに怪我が酷く!?」
鈴々「うにゃ!?お兄ちゃんごめんなのだ!」
一刀「いや!そんなんじゃないよ、少しぼーっとしていただけだから」
愛紗「そうですか?それならいいのですが・・・」
鈴々「ほっ・・・」
露骨にほっとする鈴々
一刀「なにか話し?ごめん聞いてなかった」
桃香「大丈夫だよ、もう一度言えば済む事だしね。おほん」
一つ咳払い
大きく息を吸って
桃香「私たちの仲間になってください」
一刀「・・・・」
心にすっと入ってきた
いとも簡単に様々な思惑を張り巡らしていた心に
真っ直ぐで心地よい、まるで音楽を聞いている様に揺さぶられる感じ
嗚呼これがこの子の力かと理解する
何物にも変えがたい尊い考え、それを実行しようとする勇気
それがこの子にある
先刻きた二人の王、どちらも有無を言わせぬ覇気、そして絶対の自信
この人に付いて行きたいと思わせるような甘くしかし何処か苦味のある甘言
それを持ち合わせていない、本当に純粋で清らかな言葉
これは人を引き付ける、そう確信する
一刀「桃香、ごめんね。今俺の主君は董卓なんだ裏切ることは出来ない」
桃香「そう・・ですか・・・」
一刀「でもこの戦争が終わったら俺は野に下ると思う、その時に誘ってくれたら付いていくかもね」
桃香「本当ですか!?」
一刀「多分ね」
星「その言葉が聴けただけで収穫ですな桃香様」
桃香「うん♪それじゃ一刀さんまた会いましょう」
一刀「あぁまたね」
星「今度は一対一で死合いたいものですな」
鈴々「それは鈴々がするのー!」
愛紗「お前たち・・・」
朱里「あはは・・・一刀さん水面ちゃんによろしくです」
雛里「私たちは元気って言っておいてください」
一刀「あぁ解ったよ、必ず伝える」
ぞろぞろと天幕から出て行く
そしてまた一人
一刀「やれやれ、及川がいたら殴られるな」
ふふっと笑みをこぼす
一刀「さて、腕もいい感じだしそろそろ行動に移ろうかな、何時もでも居る訳にもいかないしね」
不適な笑みを浮かべる
ジャラと鎖が啼く
さぁ行動を始めよう
オウフ・・・無限です・・・
忙しすぎて死ねる・・・・
仕事が増えるはメフィスト賞用に執筆中の小説も書かなきゃいけないわ<(^p^)>ナンテコッタイ!
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おくれて申し訳ない!!
色々忙しかった!
反省も後悔もしている!
どうかお楽しみください!!