No.150775

飛天の御使い~第拾八幕~

eni_meelさん

恋姫†無双の二次創作です。
北郷軍へ迫る劉表、曹操両軍。
この難局を乗り切ることが出来るのか?
そして結末は・・・・。
拙い未熟な文章ですが、少しでも

続きを表示

2010-06-15 09:16:20 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3534   閲覧ユーザー数:3145

はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊、世界観崩壊な部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

 

徐州

 

国境を越えた曹操軍を止めるために派遣されたのは北郷軍の騎馬部隊。張遼率いる張遼隊、白蓮率いる白馬隊、そして馬超率いる西涼騎馬隊。野戦における機動力は大陸屈指だ。しかし、そんな騎馬隊を前に曹操軍は武の象徴・夏侯惇こと春蘭を中心に奮闘していた。いや、寧ろ北郷軍が押されていた。そんな状況に春蘭が吼える。

 

「強いと聞いていた北郷軍がこの程度とはな。温い、温過ぎるぞ!」

 

そういいながら北郷軍の兵士たちを吹き飛ばしていく。そんな春蘭の脇に控え、同じように北郷軍の兵を圧倒している者がいた。

 

「夏侯惇将軍、あまり出すぎると囲まれますぞ・・・・。」

「ふん、この程度の兵に囲まれたところで、どうってことはない。」

 

そんな春蘭の返事に苦笑いを浮かべる。

 

「それよりも、貴様の方こそやるではないか。季衣が言っていた最近腕の立つ兵士とは貴様のことか?」

 

春蘭の問いに

 

「某はそのようなことは思っておりませんが、許緒将軍がやけにそこを強調されるので困ってはいるのですよ・・・・・。」

 

苦笑いで答える。

 

「まぁいい。それより貴様、名前は?」

「永倉新八と申します。」

 

男はそう名乗った。その名前を聞いた春蘭は

 

「変わった名前なのだな・・・。」

 

そう呟いた。永倉はその反応に苦笑しながらも、北郷軍の兵を蹴散らしていく。

 

「とりあえず、敵を退けることに集中しましょう。どうやら敵の将軍さんたちがおいでになったようですから。」

 

そういって指をさすと、こちらに向かってきている騎影を見つけた。旗印は紺碧の『張』旗と『馬』。

 

その旗を見て春蘭は驚いた。

 

「なっ、何故馬超がここにいるのだ。あやつ、北郷軍に入ったのか?」

 

突然の事態に困惑する春蘭だが、持ち前の馬鹿さを発揮する。

 

「まぁいい。面白くなってきたぞ。永倉、お前に片方任せていいか?」

「某の手に負えるかどうかは分かりませぬが、お引き受けしましょう。」

 

そういうと永倉は『馬』旗の方へ駆けていった。春蘭の所には張遼こと霞がやってきた。

 

「なんや、さっき温い温いって言うとったのはお前か?一兵卒程度相手にそんな言葉吐いとるんやったら、まだまだ二流どころやな。」

 

霞はそう挑発するが、言われていることをあまり理解していない春蘭には通用しない。

 

「ならば貴様が相手をするということでいいのか。」

 

春蘭は七星餓狼の切っ先を霞に向ける。その春蘭の姿に霞は笑みを浮かべる。

 

(こいつ、強いな。この間の兄ちゃんと同じくらいか・・・。だがあんな失態はもうせえへん。)

 

霞も飛龍偃月刀を構え、春蘭に向かっていく。

 

「うぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ」

 

渾身の一撃を春蘭は横っ飛びでかわし、すぐさま反撃の一撃を振りおろす。それを防ぐ霞。互いが互いに一撃を繰り出し、それを防ぐ。そんな攻防が何十合にも及んだ。

 

 

その頃、馬超こと翠たちの前には永倉が立っていた。碧と楓は武器を構えて今にも飛び掛らんとしていたが、翠だけは目の前の男の強さを感じ取って動けないでいた。

 

(なんだ、こいつ。全く隙がない・・・・・。)

 

そう思っていると目の前の男が口を開く。

 

「某は無意味な戦いは好まぬ。立ち去るなら追いはせぬが・・・・・。」

 

その言葉に馬鉄が吼える。

 

「なんだと、戦わずに退くなど出来るか。それなら馬騰が一子、馬鉄が参る。」

 

そういうと楓は飛び出して永倉に槍を突き出した。が、その場所にはもう永倉の姿はなかった。

 

「楓、後ろだ!」

 

翠の声が聞こえたかと思った瞬間、後ろから衝撃が走る。死角からモロに蹴りを喰らった。

 

「きゃぁぁぁぁぁ。」

 

そう叫び声をあげて吹き飛ばされた楓は動かない。それを見た碧が取り乱し、永倉へ向かっていった。

 

「よくも楓を・・・・・、えぇぇぇぇぃ!」

 

振り下ろされた槍を二刀の太刀を交差することで受け止め、横に流すと同時に懐に入り柄で鳩尾に一撃入れた後、蹴り上げて宙に浮いた身体を蹴飛ばす。勢いよく飛んでいく碧は何回も地面をバウンドしながら吹き飛ばされた。やっぱり動かない。その様子を冷静に見ていた翠は慎重に永倉との間合いを取り、睨みあう。そんな時間が暫く続いた。その時、本陣からの伝令が翠のもとに届いた。その内容とは

 

「撤退」の二文字だった。

 

霞が春蘭と、翠が永倉と膠着状態だった戦況に、伏兵の許緒こと季衣の部隊が本陣を急襲。本陣に待機していた白蓮と関靖がこれに当たったのだが、二人掛りであったものの許緒にいいようにやられてしまい、本陣が崩れたのと数の暴力で圧倒的に押され始めたため、詠が撤退を決断。徐州は捨てて青洲の北海まで退くことになった。その報を聞いて翠は永倉に

 

「悪いが、ここで退かせてもらう。追いはしないんだったよな?」

 

そう聞くと永倉は

 

「ええ、どうぞご自由に。」

 

そういって踵を返していってしまった。その後姿を見ながら、気絶している碧と楓を抱えあげると馬に乗せ部隊に撤退の指示を出す。その伝達は春蘭と対峙している霞の元にも届けられた。霞は悲痛な表情を浮かべながらも、

 

「今日のところはおあいこやな。次に会った時は必ず倒す。」

 

そういうとその場を離れた。その姿を見ていた春蘭は、ふぅと息を吐いて

 

「撤退する敵は無理に追わなくてよい。こちらも被害が出ているからな。それよりも華琳様へ伝令を。『徐州は春蘭の手に』と。急げよ。」

 

そう指示を出すと春蘭は兵を纏め、陣へと戻った。

 

 

北郷軍敗退の知らせは下邳にいる舞華たちにも知らされた。詠の指示で、一刃たちは青洲の北海へと移送させるようになった。一刃の意識は未だに戻っていなかったが、そのまま北海へ向かったのだった。

 

 

冀州国境付近

 

劉表軍との戦いは、愛紗、鈴々、恋の活躍で善戦していたが、兵力差などから決め手となる一撃を入れられないでいた。一方の劉表軍は、圧倒的な兵力差にもかかわらず押し切れずにいた。

 

「えぇい、何をやっておるのだ。たったあれだけの兵数の敵を倒しきれんとは何事だ。」

 

苛つきを隠せない劉表の怒声が木魂する中、伝令の兵が劉表の元へ駆け込んだ。

 

「た、大変です。・・・・・・・・・・・・・」

「なんだと!」

 

 

 

本陣の朱里はこの現状をなんとか打破しようと頭を捻っていた。そんな中、劉表軍が突如撤退を始めた。その様子に困惑したのか、愛紗や鈴々が尋ねてくる。

 

「敵が突然撤退を始めたが、我々はどうする?追撃するか?」

 

愛紗の問いかけに朱里は少し考えた後で、

 

「無理に追撃をして被害を増やすよりも、ここは追い返せただけでも良しとしましょう。」

 

戦場を離脱していく劉表軍を見つめながら安堵の息を吐く朱里だが、ここにも徐州での北郷軍敗退の報が届けられた。その報に朱里や愛紗、鈴々は驚愕する。そして徐州にいるだろう一刃のことを思う。

 

(義兄上、どうか無事でいてください。)

 

愛紗たちは本拠地である鄴への帰路を急ぐ。

 

 

荊州に帰って来た劉表軍が見たものは、主たる城々を占拠する曹操軍の旗とともに布陣している曹操軍だった。そんな劉表軍を見た華琳は不敵な笑みで劉表を迎え入れる。

 

「あら、遅かったのね。随分待ちくたびれたわよ。」

「まさか、貴様が我々を北郷軍との戦いに巻き込んだのか?この為に・・・・。」

 

劉表が苦々しい表情で睨みつけてくるが、その顔を見てなお笑みがこぼれる。

 

「巻き込んだ?ちょっとあなたの所に情報を流しただけじゃない、『北郷軍が荊州侵攻を計画中ってね。」

 

謀られた事と安易にその情報に踊らされてしまった自分に舌打ちをしてしまう。

 

「さて、あなたを倒して正式に荊州をいただくとするわ、桂花。」

「はっ。」

 

桂花は各部隊に指示を飛ばす。北郷軍との戦いで疲弊していた劉表軍には、曹操軍の攻撃をはじき返すほどの力は残っていなかった。この戦いは曹操軍の圧勝で終わった。そんな、華琳の元へ徐州攻略中の春蘭からの伝令が入る。「徐州は春蘭の手に」と。その報にさらに笑みをこぼした華琳。

その後、曹操軍は荊州全土を制圧。その版図を大きく拡大したのだった

 

 

あとがき

 

群雄割拠編 北郷軍VS劉表軍、曹操軍です。

 

今回は短めです。

 

今回登場した新キャラは「永倉新八」です。

 

言わずと知れた新撰組2番隊組長ですね。

 

近藤四天王と呼ばれる沖田、藤堂と同じように武の強さを設定しました。

 

彼の武器は「双刀」です。いわゆる二刀流ってやつですね。

 

これで新撰組は現在4名登場済み。

 

あと何人出るかは分かりません。

 

拙い未熟な文章ですが、少しでも楽しんでいただけたら

 

幸いです。感想、コメントも大歓迎です。

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
28
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択