はじめに
この作品の主人公はチート性能です。
キャラ崩壊、セリフ崩壊、世界観崩壊な部分があることも
あるとは思いますが、ご了承ください。
曹操side
益州・劉璋の涼州制圧の報は許昌の曹操たちのところにも届いていた。
「さて、西侵を軸に準備をしてきたのだけれど涼州が劉璋の支配下に置かれることになったわ。それで、これからどうしていくか検討したいのだけれど、桂花はどう思う?」
華琳は桂花に意見を求める。桂花は少し考えて
「劉璋陣営は、兵数、資源ともに潤沢で大陸一と言っていいほどの勢力です。今の我々が劉璋と事を構えるのは得策ではないかと・・・。」
そう答える桂花に春蘭が突っかかる。
「相手がいくら多かろうと、我等が一丸となって攻めれば倒せぬものなどない。」
そう根拠のない自信で言い放つ春蘭に華琳たちはため息を吐く。
「姉者、そうはいっても劉璋はあの西涼の英雄・馬騰をも倒したのだぞ。そんな単純なことでは我々も馬騰の二の舞になりかねん・・・。」
暴走気味の姉を秋蘭が諭す。その光景に華琳は微笑むが、
「さてどうしたものかしらね・・・・。」
そう悩む華琳たちに意外な人間が意見を上げる。
「華琳様、それならいっそ北方の北郷軍と一戦交えてもいいんじゃないですか?」
そういったのは許緒こと季衣だった。季衣の意見にすぐさま桂花も追随する。
「今、北郷軍は河北四州の内政の安定やらなんやでごたついています。この際、一戦交えて敵の戦力を削ぐ事も考えておいたほうが良いかと思います。幸いなことに、南方の孫呉は未だ揚州掌握に手こずっている様子。邪魔が入らぬ内に戦端を開くのもよいかと。それに北郷軍には我々の軍には少ない騎馬隊を指揮できる将も多いです。張遼、呂布、公孫賛と揃っています。北郷たちを下してしまえば、懸念されていた騎馬隊への大きな戦力増強も見込めます。」
桂花のその献策に華琳は少し考え
「でも桂花、北郷にはその騎馬隊の他にも闘神と呼ばれる北郷の3将軍もいるのよ。兵の数では我等が上でも率いる将の多さは北郷のほうが多いわ。あなただってあの3人の戦いを見ているわけでしょう?そこはどうするの?」
華琳のその懸念に対して桂花は、
「であれば、我等とは別の勢力に別の位置から戦闘を起こしてもらえばよいかと。」
そして、桂花は考えていた自分の案を話す。その話に華琳は笑みを浮かべ、
「そうね、それならいいかもしれないわね。ならば桂花、すぐに準備なさい。春蘭、秋蘭、季衣は兵を纏めておきなさい。北郷と一戦交えるわよ。」
その華琳の指示に「「「「御意」」」」と答え準備を始めるのだった。
冀州・鄴
幽州を含む河北四州を手にいた北郷軍は、本拠地を鄴に移した。そして、正式に白蓮たちが北郷軍の傘下に入ることになった。そんなめでたい日を祝って酒宴が催されていた。楽しそうにワイワイ騒いでいる集団から離れて、一人月見をしているのは一刃だ。一人何か考え事をしてため息を吐く一刃の姿に気がついて近付いてくる影があった。それは舞華だった。
「みなさんの所にいなくてもよいのですか?」
「あぁ、そんな気分じゃないんだ。」
舞華の問いに一刃はそう答えた。一刃は舞華の顔を見ずにずっと月を見上げている。
「もしよかったら私に付き合ってくれませんか?たまには外で気晴らししたいと思って。でも一人だと所在ないし・・・・。」
そう言葉を詰まらせる舞華。その視線は少し物悲しい感じがした。
「そうか・・・・、俺でいいのか?」
一刃の問いにコクっと舞華は頷く。そうして二人は城下の酒家へと向かった。この時期城下では祭りがあるのだろうか、大変賑わっていた。街の酒家に着いた二人は向かい合うように座る。外が賑やかなせいか、酒家の中は客が少なかった。舞華は一刃の杯に酒を注ぎ、一刃はその酒を飲み干す。
「ん?」
一刃の言葉に舞華は「何か?」と問う。一刃は杯をテーブルに置くと
「久しぶりだ・・・、まともな味がする。」
酒を味わうかのように目を瞑り呟く。
「きっとお祭りだからでしょう。」
「そういうものかな。」
舞華の答えに一刃は呟く。一刃は舞華の杯に酒を注ぐと、舞華はその杯を両手でしっかり持ってゆっくり口へと運び飲み干す。その表情は少し悲しげで
「私はあなたと逆です。近頃はあまり飲まなくなりました。」
舞華のその言葉に一刃は
「不味いのか?」
そう問うが、舞華は俯いたまま小さな声で
「いえ、前と違ってお酒に頼る気がしなくなった・・・・・・、不思議ですけど・・・・。」
そう答えた。その言葉に一刃が
「頼る?・・・・・・・そうか」
と小さく呟き、舞華の空いた杯に酒を注ごうとする。
すると舞華は突然
「その後、頬の血は止まりましたか?」
そう聞いてきた。一刃は左頬の傷を静かになぞりながら
「忘れていた・・・・。」
短くそう言った。その言葉に舞華は
「では傷はもうすっかりよくなったんですね。」
「血が滲まなくなっただけだ・・・・・・。」
尋ねるが、一刃はそっけなく聞こえるような口調でそう答えた。舞華は一刃の頬の傷を見ながら切ない表情を浮かべ自分の思いを話す。
「その傷を目にするたびに思います、・・・・斬られる人にはどんなものが見えたのかしら。」
舞華のその言葉に一刃は視線を落とす。
「あなたたちは『人を幸せにするため』に人を斬るって言うけれど、・・・・・人を殺して得られる幸せなんて本当にあるとは思えない。」
舞華の言葉は一刃の心に突き刺さる。
「毎日色んなことが元で人が死ぬが、俺は無闇に人を斬っているわけではない。」
一刃のその言葉に舞華は語気を強めて
「つまりその人にどれだけ『生きる価値』があるか、あなたは自分の杓子で図っているのでしょう?その人たちを詳しく知ろうとしないで・・・・。」
そう言い放つ。その言葉に一刃は視線を上げ舞華の目を見ながら静かに、
「深く知ってしまうと迷いが出る。世の中を変えるためだ・・・・・・、俺にはそれだけの理屈でいい。」
一刃はそう言うと杯を口まで運び酒を飲む。そうしていると外がなにやら騒がしくなってきた。気になった二人が酒家を出ると、そこには鉈を振り回して暴れている数人の賊がいた。一刃は刀を手に賊に向かっていこうとするが、一刃の手を舞華が握る。その行動に一刃は舞華を見ると舞華は小さい声で
「知っていますか、『刀」には『鞘』が必要なのだと。」
突然の舞華の言葉に一刃は声を荒げて
「何を言っている?」
舞華に怒鳴るが、舞華はその手を離そうとせず
「あなたがいつまで人を斬り続けるのか、私は見届けたい・・・・・・・・この目で確かに。」
そう言うのだった。こちらに気がついた賊たちが襲い掛かってきたので、一刃は舞華を下げて賊へ向かっていく。一人、二人、三人、四人、一刃は次々と賊を斬り伏せていく。その様子を舞華は瞬きせずに瞳に焼き付ける。震える手を、足を、必死で堪えながら目の前の惨状を全て記憶するように・・・。恐れをなした賊が逃げ出したのを、一刃は追おうとするが舞華は一刃の刀を掴みフルフルと首を横に振る。その瞳は何の感情も読み取れない、深く淡い光を灯していた。その瞳に一刃は落ち着きを取り戻し刀を鞘に納める。
「随分と遅くなった。城に戻ろう。」
そういうと二人は城へと戻っていくのだった。
??side
「すまない、我々は・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・に取り次いでもらいたいのだが・・・・・・・・・。」
あとがき
群雄割拠編です。
今回は幕間的な扱いなので短めです。
次回からまた戦闘描写を書かなければと考えると憂鬱な感じがしますが、
楽しみにしていただいている方もたくさんいらっしゃるので
頑張って描きたいと思います。
まぁ、相変わらずの表現・文章力なのであまり期待には添えないかもしれませんが
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
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恋姫†無双の二次創作です。
群雄割拠編です。
若干、迷走気味な感じもしますが、
温かい目で見守っていただければ・・・・・。
拙い文章ですが、少しでも楽しんでもらえたら
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