No.147213

飛天の御使い~第伍幕~

eni_meelさん

恋姫†無双の二次創作です。
反董卓連合 洛陽編です。
たくさんの方に見ていただけ、コメントもいただけて
恐悦至極です。
拙い未熟な文章ではありますが、

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2010-06-02 12:30:28 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:6215   閲覧ユーザー数:5202

 

はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

 

洛陽・宮殿内私室

 

 

 

「劉弁様でいらっしゃいますね?」

 

「何じゃ、帥らは?」

 

「わたくしは、・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

洛陽・宮殿内中庭

 

 

 

「劉協様でいらっしゃいますか?」

 

「いかにも、私が劉協だ。帥は?」

 

「わたくしは、・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

洛陽・宮殿広間

 

「どうやら虎牢関も制圧されたようで、ここらが潮時ですな」

 

そういいながら卑下た笑い声を上げるのは、十常侍筆頭の張譲。

 

「虎牢関が抜かれたんだから、すぐに連合軍がくるわよ。そうなったらあんたもおしまいよ。」

 

そんな張譲を睨みながら怒鳴る詠の言葉を全く取り合いもせずに鼻で笑い、

 

「勿論、私はその前に長安へ退かせてもらいますよ。」

 

そう言う張譲に詠は、

 

「そんなことしたって連合はあなたを逃がさないわ。長安に逃げたって意味がないわよ。」

 

とそう突きつける。だが、張譲は下品な笑みを浮かべて

 

「連合が長安までくることはありませんよ。なんたってあなた方にはここで2つの罪を被って死んでいただきますからなぁ。」

 

嬉々としてそう語り言葉を続ける。

 

「1つは暴政をしいた暴君としての罪、もう1つは皇帝・劉弁殺害の罪としてね。」

 

その言葉を聞いた途端、詠の顔色が青くなる。張譲はありもしない暴政を月に擦り付けるだけでなく、やりもしない帝殺害の罪まで月に全て被せようとしているのだ。

 

「連合といっても所詮、己が功を挙げることを目的としている奴らの集まりに過ぎん。ならば功を与えてやればよいだけのこと。董卓の首級という、なぁ王允。」

 

そう呼びかけるとそこに現れたのは月の傍仕えの王允の姿だった。

 

この姿を見た月と詠は、驚愕する。

 

「そんな・・・・・王允さん、あなたまで張譲に組するのですか?」

 

月の弱々しい問いかけに目を瞑ったまま

 

「力あるものに組しなければ己の身を滅ぼすことになりますので」

 

そう短く答えた。都の防衛のための自軍も張譲に掌握され、頼りになる側近の裏切り。

 

「ごめんね、月。僕がもっとしっかりしていればこんなことにならなかったのに・・。」

 

詠は自らの不徳を月に謝る。しかし、月は

 

「詠ちゃんのせいじゃないよ。詠ちゃんに頼ってばっかりで役に立たない私が悪かったんだから。」

 

そういって親友を気遣う。そんな月たちのやり取りを鼻で笑い

 

「それでは、そろそろ死んでいただきましょうか。こちらも逃げる時間が必要ですからな。」

 

配下の兵たちが剣を振り上げる。

 

 

その時、

 

シュッ  シュッ

 

何処からか飛んできた小刀が兵達の腕に刺さり、剣を落とす。

 

「何処に逃げようというのですか、張譲さん?」

 

突然自分に向けられて問いかけてくる言葉に驚いて声のするほうへ視線を向ける。

 

そこには2つの人影が。一人は軟禁しているはずの劉協。もう一人は見たこともない優男だった。

 

「誰だ、貴様?何故劉協といる?どうやってここに入った?見張りの兵は何をしているのだ。」

 

そう声を荒げる張譲を見ながらフッ、と笑みを零す。そしてスゥー、と息を吸って

 

「我が名は北郷。囚われの姫君たちを救いに参った。」

 

そう名乗る一刀に張譲をはじめ、月や詠も驚きを見せる。

 

「北郷ってあの北郷軍の?どうして連合に参加してるやつがここにいるのよ。」

 

もっともらしいことを言ってくる詠に

 

「連合に参加しているのは、俺のどうしようもないバカ弟子どもだ。俺は、董卓がそんな暴政など

しないことを知っていたから参加していない。ただ、それだけだ。」

 

そう短く説明する。そして、張譲を殺気の篭った視線で睨みつけ

 

「己が欲望のために帝殺害を計画し、その全てを董卓になすりつけようとする所行断じて許すわけにはいかん。覚悟はよろしいかな?」

 

そういって刀を張譲に向ける。その殺気に気圧されたのか、大慌てで逃げていく張譲たち。しかし、宮殿から出て張譲の目に映ったのは洛陽を取り囲むように配置された西涼の馬騰軍と掌握したと思っていた董卓軍だった。その光景に張譲は絶句する。そんな姿を晒す張譲に向かって

 

「だから言ったじゃないですか、『何処に逃げようというのですか』と。」

 

フフッ、と笑う一刀の目は冷たいまでの殺気を放っている。

 

「馬鹿な、どういうことだ。」

 

そう声を荒げる張譲に声をかけたのは王允だった。

 

「北郷殿から、あなたの動きに気をつけるよう忠告されておりましたからなぁ。

 

私は最初からあなたに組するつもりはないのですよ。私の主は昔も今も董卓様だけです。」

 

「しかし、何故馬騰がここにいる?やつらは連合に参加したのではなかったのか。」

 

そう問う張譲に、王允は答える。

 

「元々董卓様と馬騰殿は懇意にされていた間柄でしたからな。文にて協力を要請したのです。」

「それに儂は、董卓が暴政をしたなどという袁紹の馬鹿の檄文など端から信じておらん。」

 

王允の言葉に続くように発せられた声の先には、馬超を引き連れた馬騰の姿があった。

 

「さて、張譲さん。皇帝陛下は何処ですか?」

 

穏やかな口調ながら一刀の目は殺気の篭った冷たい目のままだ。

 

「ひぃっ、言う・・・言うから。宮殿奥の私の部屋にいる。だから頼む、助けてくれ。私を逃がしてくれたら、金をやる。女もつける。なっ、だから頼む。」

 

そう命乞いをする張譲を見ながら

 

「下種が・・・。」

 

と呟く馬騰と馬超。そんな張譲の懇願に返ってきたのは一刀の冷たい言葉。

 

「貴様のせいで多くの命が失われた。連合との戦いで散っていった多くの兵達の命が。そして多くの民が、董卓や賈詡が、劉弁や劉協が、苦しんだ。全ては貴様が起こしたことでだ。そして貴様は我が身の保身しか考えない。犬は餌を与えれば飼えるかもしれん、宦官は権力や金で飼えるだろう。だが、『北郷』は何人たりとも飼う事など出来ん。俺には俺の揺るがない信念がある。それは『悪・即・斬』だ。」

 

洛陽の都に張譲の断末魔の叫びが木魂した。

 

 

一刃side

 

虎牢関を抜けて洛陽へ向かう3騎の馬影に立ちはだかる影があった。

 

「待たれぃ。お姿を見るに董卓軍の張遼、呂布将軍とお見受けいたす。」

 

そう声をかけてきた女性に張遼が

 

「なんや、ウチらは洛陽まで急がなあかんねん。邪魔すんのなら容赦はせんで。」

 

そういうと飛竜偃月刀を構える。それを見た呂布も方天画戟に手を伸ばす。

 

そんな中、一刃はその女性の姿を見て

 

「趙雲?・・・趙雲じゃないか。」

 

そう話しかける。その言葉を聞いて

 

「ん・・、おぉ一刃殿ではないか。何故董卓軍の将軍と一緒にいるのです?」

 

そう問い返してくる趙雲に今までの経緯とこれからの事を話した。

 

「成る程、そういうことでしたか。でしたら、今は洛陽に近付かないでいただきたい。」

 

その言葉に張遼が言葉を荒げる。

 

「なんでやねん、董卓が危ないっちゅうのにじっとなんか出来るかぁ。」

「まぁまぁ、話は最後まで聞いてくだされ。」

 

そう宥める様に張遼を落ち着かせて、

 

「今、洛陽では大規模な掃討作戦が行われています。張遼殿の心配もわかりますが、董卓殿たちの事は大丈夫です。ある御仁が指揮をして黒幕・張譲の粛清と帝や董卓殿たちの救出作戦を実行しておりますから。それにお二人が報告を受けて虎牢関から戻ってくることを見越して私が引き止め役として依頼され、ここにいるわけで・・・。」

 

そう言葉を続けた。

 

「まぁ、近いうちに会うことは出来るでしょうから。とりあえず私についてきてくだされ。洛陽の街には行けませぬが、近くの村でその時を待ちましょう。」

 

そう告げる趙雲の言葉に従い、ついていく事になった。

 

 

連合軍side

 

「さぁ~みなさん、あとは洛陽だけですわ。雄々しく、勇ましく、華麗に進軍ですわ!」

 

その言葉にため息を漏らすのは曹操、孫権、公孫賛、

 

そして刃のような鋭い視線を投げかける愛紗たちだった。

 

 

 

 

 

袁紹達はまだ知らない。これから自分達の身に起きることを・・・・・。

 

 

 

 

洛陽・宮殿内張譲の私室

 

 

 

コンコン。

 

扉を叩く。

 

「皇帝陛下、失礼致します。」

 

そういって部屋に入った一刀たちを待っていたのは

 

 

 

 

 

 

 

壁に刀で磔にされて死んでいる皇帝・劉弁の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

前回のあとがきで、今回で反董卓連合編は終了しますと書きましたが、

 

展開的にここで一度区切った方がいいかなぁ、と思いましたので区切りました。

 

次回こそ本当に反董卓連合編終了です。

 

拙い未熟な文章をたくさんのみなさんに読んでいただけて嬉しい限りです。

 

これからも日々精進してよいものを発表できるように頑張ります。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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