はじめに
この作品の主人公はチート性能です。
キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも
あるとは思いますが、ご了承ください。
徐栄side
連合軍の前曲を痛撃するために討って出た我が軍は、目の前の軍の三人の武将の前になすすべもなかった。こちらの半分以下の数しかいないにも関わらずその三人が我が軍の精兵たちを次々と斬り伏せてゆく。
「張遼将軍や呂布将軍が優しく見えるな。」
牛輔がそういって息をのむ。両将軍とも我々にとっては化け物みたいな強さなのに目の前にいる三人はそれ以上に見えた。
「暴政に苦しむ民草を救うため、そして弱きものが蔑まされずに生きていける時代を作るため邪魔するのなら容赦はせん!」
そう言うは華雄将軍を討ち取った敵将・一刃。俺達では太刀打ち出来ないだろう。でも、ここで負ければ戦火は洛陽の都にまで及ぶことになる。そんなことはさせない!そこには守るべき者がいる。愛する者がいる。
「偽りの正義を翳しておいてなにが弱きものを守る、だ。貴様らのしていることは賊と同じ。俺は絶対に貴様らなどに屈せはせぬぞ。俺は守ってみせる、都を、愛する者を、董卓様を!!」
そう吼え、敵将に向かって駆ける。俺一人だと厳しいが、牛輔と二人でなら・・・・・繰り出した渾身の一撃は敵に届かなかった。凄まじい後方からの殺気に気づき前方に飛び退いてかわすが、その一撃は牛輔を身体を引き裂いた。
「牛輔ーーーー!!!」
友のそんな姿を見て叫ぶも、すぐに刀を構えなおしこちらへと向く敵の目を見た途端、抑えていた恐怖があふれ出す。
(死ねない・・・・・・・・死にたくない・・・・・・・・・・・)
そして冷たい視線の主は冷たい現実を突きつける。
「諦めろ。」
その言葉とともに物凄い速度で向かってくる。
「っ、そうはいかん!」
こちらも相手に向かって駆け出す。
互いに繰り出す剣撃、しかしこちらの剣は相手に当たることはなく敵の剣は容赦なく此方を斬りつける。
(死ねない・・・・・・・今死ぬわけにはいかない・・・・・・・)
すぐに繰り出された追撃の突きに肩を貫かれ倒れる。
(死にたくない・・・・・・・死んでたまるか・・・・)
剣を杖に必死になって立ち上がり、刃を相手に向ける。傷ついた身体を奮わせるように、
「死なん、・・・・・・・絶対に!!・・・・・・うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
そう叫び、ありったけの力を込めて敵に向かって剣撃を突き出す。
・・・・・・・・・・・・・・・・ブシュッ
相手の頬から鮮血が舞う。
「やっと当たっ・・・・・・・・・」
その言葉は紡がれず、激しい鮮血を舞わせて地に倒れる。
「・・・・・・・ご・・・め・・・・・ん、・・・・ま・・・・い・・・・・・・・・・・・か・・・」
微かに発せられた声は誰の耳にも届かず、戦場の風に流されていった。
一刃side
流れる頬の血を拭くことも忘れ、今倒した者の亡骸を見ていた。その胸中には先ほど言われた言葉が強く残っている。
・・・・・・・・・・・偽りの正義など翳しておいて・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・貴様らのしていることは賊と同じ・・・・・・・・・・・・・・・・
その言葉が何度も何度も頭の中で繰り返されている。そんな思慮に耽っていると
「一刃将軍、先ほどより関羽将軍が呂布と、張飛将軍が張遼と交戦に入ったようです。」
そう報告を受け、そちらのほうへ意識を向けなおす。
交戦場所に到着した時には、互いに睨み合いが続いていた。
「少し話がしたいんだが・・・・。」
目の前の呂布、張遼に語りかける一刃の表情はどこか曇っていた。その言葉に反応したのは張遼。
「なんや、ウチはあんたと話したいことなんかないで。」
そう吐き捨てた。それでも一刃は語りかける。
「君達のようなまっすぐな武人が、どうして暴政をしく董卓になんか加担してるんだ。君達のような力があるなら弱き者達を、力ない人々を救うことが出来るんじゃないのか。」
怒気をはらんだ言葉でそう投げかけた一刃の問いに対して、
殺気の混じった視線で睨み返してきた張遼が言葉を叩く。
「そんな事、そっちが勝手にでっち上げたことやろが。確かに洛陽の都は暴政に苦しめられてたで。でもな、それを正し善政を敷いたのは誰あろう、董卓や。何も知らんくせに偉そうなこと言うなや。」
その言葉を聞いた途端、先ほどの言葉が頭を過る。
・・・・・・偽りの正義・・・・・・
・・・・・・・賊と同じ・・・・・・・
そして以前の師匠の言葉、
・・・・・連合に組することになれば、それはすなわち権力に利用されるということ・・・・・
・・・そこにあるのは各々の相容れない正義に突き動かされた飽くことのない殺し合いのみ・・・
一刃たちは理解する。いや理解してしまった。
・・・・・・・・・俺達は、連合は『悪』だということを・・・・・・・・・・
目の前の現実に打ちひしがれる一刃たちの下に、董卓軍の兵士が駆け寄ってくる。
「張遼将軍、大変です。都で張譲たちが謀叛を起こしました。」
その報告に張遼は顔を真っ青に染める。
「月は、董卓様はどうした。」
そう問い詰めると、
「宮殿内に賈詡様たちと囚われているようです。洛陽の兵はすべて張譲が掌握しているらしく宮殿の守衛兵が命を賭してこちらへ知らせをよこしてくれました。」
絶望的な状況だ。
(この手勢では洛陽に戻っても都の兵とやりあうことは出来ない。こうなったら恋とウチだけでも乗り込んで月たちを助けださんと・・。)
「悪いけど、ウチらはここで退かせてもらうで。」
そういって踵を返して行こうとする張遼たちを
「ちょっと待ってくれ。」
一刃が引き止める。その言葉に張遼は振り向いて
「なんや?あんたらにはもう用はないんや。ウチらは董卓救出にむかわなあかんねん。 邪魔するんやったらタダじゃおかんで。」
殺気の混じった視線で睨みつける。そんな張遼に
「俺も連れて行ってくれないか。」
「なんやて?」「義兄上?」「お兄ちゃん?」
その言葉に張遼はもちろん、愛紗や鈴々も驚いた。
「もし、張遼さんたちの言うことが真実なら、董卓が今の状況に陥ったのは連合の、俺達の責任だ。それなら董卓を助けるために協力させて欲しい。お願いします。」
そういうと一刃は頭を下げた。その姿を見て張遼は驚いた。今まで敵として相対してきた者に対して頭を下げるなど、将としてはあってはならないこと。つまり目の前の男は、将としてではなく一人の人間として頭を下げているということに張遼は気付いた。その気持ちを汲み取ったのか
「分かった。そんなん言うならついてきてもええけど、邪魔したら本気でぶっ殺すからそのつもりでな。」
そういう張遼に、「ありがとう」と頭を下げる。
「愛紗たちは、董卓軍の人たちを保護してあげて。一応捕虜という形にするけど構わないかな?」
そう張遼に伺うと、
「あぁ、それでかまへんで。丁重に扱ってやってくれよ。」
と答えた。その後、張遼、呂布とともに馬に乗り洛陽へと向かうのであった。
董卓軍はすべて北郷軍に投降、虎牢関は曹操、孫権が袁紹を押しのけて制圧したのだった。
洛陽
「報告いたします。虎牢関陥落、張遼、呂布両将軍は行方不明。
徐栄、牛輔隊長は北郷軍によって討たれたそうです。」
ガシャーーーーン
それは何が割れた音なのか、誰も知る術はない・・・・・・
あとがき
反董卓連合編は次回で終了の予定です。
すんなり書けそうかな、と思っていた反董卓連合編ですが
全くでした。自分の文章力のなさが恨めしい。
こんなひどい文章でも、楽しんで読んでいただけたら
幸いです。
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恋姫†無双の二次創作です。
反董卓連合 虎牢関編です。
拙い未熟な文章ではありますが
少しでも面白いと思っていただければ
幸いです。