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魏√風END璃々編アフター 13話 「重なる思い 真の再会」

魏√風END璃々編アフター 13話 「重なる思い 真の再会」を投稿します。
暴走する璃々を一刀は救えるのか?
そして、すべてが終わった後の二人は?

なんとなく付けてきたサブタイトル・・・だんだん思いつかなくなってきたな。

2010-05-16 20:12:57 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:4986   閲覧ユーザー数:4175

「さあ来い璃々。今度は俺が「君の全て」を受け止める番だ」

 

一刀のその言葉を合図に二人は再び刃を交えるのだった。

 

再び刃を交えだした二人の攻防は凄まじいものへとなっていった。

あまりにも素早い攻防に二人を目で追えるのはかつて一刀と共に戦乱を生き抜いた愛紗・星・猪々子・羅乾、そして産後の体も落ち着いたので久しぶりに外に出てきた魏の春蘭のみだった。

 

「・・・あれが本当にあの北郷なのか?一体どれ程の鍛錬を積んだというのだ?」

 

「想像も出来ねえぞ。今のアニキって恋ぐらい強いんじゃねぇ?」

 

「・・・そうかもしれんな。それにしても主もそうだがその主に切り込んでる璃々も凄いな。あれが璃々の真の実力とでもいうのか?」

 

春蘭・猪々子・星が順に感想を述べている中、残りの愛紗に羅乾、そして何進の表情が険しいものへと変わってきた。

 

「いや、それは違うぞ、星」

 

「!?それはどういうことだ、愛紗よ?」

 

「何進殿が仰っていただろう。今の璃々には自我が無いと」

 

「それはつまり己の限界を無視して本能のみで北郷様に攻撃をしているという事です」

 

「まずいわね。このままじゃあ彼女、本当に壊れてしまうわよ」

 

「「「!?」」」

 

事の深刻さに気付いた星達は再び璃々の方を向くのだった。

愛紗達が璃々の状態について話していた頃、実際に彼女と戦っている一刀も璃々の状態の深刻さに気付いた。

 

「くっ、なんて剣戟なんだ。これが璃々の真の実力か・・・だがこんな戦い方をしていては璃々の体は。しかしこのままでは・・・こうなれば」

 

なにか打つ手を思いついたのか一刀は二槍で無理矢理璃々を吹っ飛ばして距離を取った。

そして、一刀の発する気配が変わった。

 

「・・・流水制空圏」

 

そう一刀が呟くと共に、それまで纏っていた激しい気が鳴りを潜める。

そして変わりにそれまでと違った穏やかな、それでいて強い気へと変わっていった。

 

「なっ!?あれはまさか!!」

 

一刀の変化に何進が驚愕の表情を浮かべた。

その何進の様子を不思議に思った愛紗がなにかあったのか聞こうとしたとき、再び璃々が一刀に向かっていった。

ただそれから二人の戦いは今までとまったく違った展開を繰り広げられるのだった。

 

「!?いったい何が起こっているのだ?」

 

この戦いを見ている全てのものが驚愕していた。

暴走して攻撃している璃々の攻撃がすべて一刀をすり抜けているように見えているからだ。

「やっぱり、そういう事なのね。あれは正しく「流水制空圏」まさか北郷君が彼の達人から教えを受けていたなんて」

 

「何進殿?もしや貴女は今あそこで何が起こっているのかお分かりなのですか?」

 

「・・・ええ。あれは「流水制空圏」一刀君がいた天の世界で「無敵超人」と言われている最強の武人が持つ108つの秘技の一つ。体の表面薄皮1枚分に強く濃く気を張り、相手の動きを流れで読み取り攻撃の軌道を予測、最小限の動きで攻撃をかわす。動きの予測によって初動を早め、回避の動作を最小限に抑えることで、本来は受ける事も目で追う事もできない強力で速い攻撃を回避するといったものよ。そしてその真髄は相手の身になって物事を考える気持ちで「自分が相手ならどう行動するか」を読み取ることにより、第一段階「相手の流れに合わせる」で相手の動きを読み攻撃をかわし、第二段階「相手と一つになる」を経て、第三段階「相手を自分の流れに乗せて相手の動作を思うままにコントロールする」へと発展していくの。つまり分かりやすく説明すると「自分の間合いに入ってくる者の行動の完全支配」をして相手を完全に無効化するものよ」

 

「なっそんな事が本当に可能なのですか!?」

 

「実際にやってのける人がいるのだから可能なのでしょうね。ほら、北郷君をよく見ていなさい」

 

何進の説明に皆が驚く中、何進は再び一刀を見るように言った。

一刀が「流水制空圏」を発動した事により璃々の攻撃は全て無効化され遂には地面に座りこまされた。

 

「・・・もう此処までだよ璃々。もうやめないか?」

 

一刀のその言葉にも自我を失っている璃々には届かず再び一刀に襲い掛かった。

 

「・・・そんなにも俺は君を苦しませてしまったんだね璃々。でも、そのままじゃあ本当に君が壊れてしまうよ。だから・・・俺がその「悪夢」から開放してあげるよ」

 

そういうと一刀は璃々が迫って来るにも関わらず手に持つ槍を手放すのだった。

 

「・・・そんな。主!?「待ちなさい。まだよ」えっ?」

 

一刀が捨て身を取ったと思って慌てて仲裁に入ろうとした星を何進が止めた。

そして、璃々の刃が一刀に届こうとしたまさにその時

 

「北郷流無手宝義「暗外旋風締め」暫く眠っているんだ璃々!!」

 

そういうと一刀は璃々に腕全体を使う締め技に急速な回転を加え、強いGでブラックアウト状態にしてから、コンマ一秒で締めを行った。

そうして再び気を失おうとした璃々が小さく呟いた言葉を一刀は聞き逃さなかった。

 

「ごめんなさい「お父さん」」

一刀の強力な締め技で璃々が気を失った事で治まったのを確認した焔耶が一刀の勝利を告げると同時に皆が二人に駆け寄った。

 

「主!?璃々は、大丈夫なのですか?」

 

「ああ、大丈夫だよ。気を失っているだけだ。ただ、限界を超えた戦い方をしてたから体が心配だ。ゴメンだけど後の事はたのめるかな?」

 

そういって一刀は璃々を抱えていった。

 

 

「ううん、ここは?っ痛」

 

「安静にしていたほうが良いよ璃々」

 

目を覚ました璃々が体の痛みに顔をしかめる中、一刀が声を掛けてきた。

 

「ご主人様?此処は一体・・・!?そんな、まさか私は」

 

意識がはっきりとしだした璃々は自分の身に何が起こったのかを理解してしまった。

 

「ごっご主人様申し訳ありま「良いんだよ璃々。分かっているから」えっ?」

 

自分が一刀にしてしまった事を謝罪しようとしたら、一刀が声を掛けて止めた。

「・・・璃々がああなってしまった事で気付いてしまったよ。あの時・・・俺と璃々が別れ際に交わしたあの「15年前の約束」俺も璃々もその約束を果たす為に頑張ってきた。でもその「頑張る思い」が違ってしまっていたんだね」

 

そういって一刀は璃々のほうを向いた。

璃々の瞳に写った一刀の顔は悲しいような寂しいような顔をしていた。

 

「・・・ご主人様」

 

それを聞いた璃々はそれまで一刀に対して抱いていた罪悪感が無くなっていき、そしてこれから一刀が話そうとしている事を聞き逃さないと一刀の目を真っ直ぐに見つめた。

 

「俺は、天に戻ってからいろんな事に真剣に取り組んで必死にがんばってきた。そこにあった思いは璃々、君に再会した時に少しでも「自慢の父親」だと思ってもらえるように」

 

そう言った時に璃々が一瞬暗い顔になったが一刀の言葉は続いた。

 

「天にいた間はいろんな事を考えたよ。15年もあったしさ。「本当に此処に戻ってこれるのか」とか「例え戻って来れても天とここの時間の進み方が違っていたら」とかさ。だから此処に戻って来れたとき、そして璃々と再会して同じ時間が過ぎてたと知ったときは嬉しかったよ。だけどさ、そういった事の中で肝心な事が抜けていたんだ。それは璃々、君が「成長している事」そして「俺の本当の娘ではない」って事をさ。璃々も何時までも「女の子」の儘じゃあなかったんだ。年を重ね「女の子から女性」へと成長している。そして「本当の父親」じゃない俺を「父親」じゃなく「一人の男性」として見てくれてるかもしれないということが頭の中に無かった。・・・これなら俺達の気持ちがすれ違ってしまって当然だね。だから、俺から謝らせてよ「ゴメンよ璃々」」

一刀の話に、そして一刀からの謝罪に璃々は涙が止まらなかった。

一刀がどれだけ自分の事を思ってくれていたか、そして一刀が帰ってきてから自分が悩んでいた事の全てを理解していた事に。

 

「そんなご主人様、私のほうこそ申し訳ありませんでした。こんなにもご主人様は私の事を思ってくださっていたのに、そしてこんなにも私の事を理解してくださっているのに私は自分の事だけ考えていました。そしてその結果あんな事をしてしまいました。申し訳ありませんでした、ご主人様」

 

璃々の涙ながらの懺悔に一刀は璃々の頭を優しく撫でながら

 

「いいんだよ璃々。お互い様なんだからさ。・・・だから璃々、君に聞いて欲しいんだ「今の俺の思い」をさ」

 

その言葉に璃々は、自分の涙を拭い、満面の笑みを浮かべ

 

「はい、お聞かせくださいご主人様」

 

そう答えてくれた璃々を見て一刀も自然な笑みを浮かべ

「正直に言うとさ璃々、まだ君を一人の女性として見れない。俺にとって璃々はまだ「自分の娘」なんだ。だけど、璃々の気持ちを知ってしまったからにはその気持ちに応えたいと思うんだ。だから待っていてくれないか璃々。君の気持ちに応えれるようになるまでさ」

 

一刀の気持ちを聞いた璃々は

 

「はいご主人様、お待ちしてます。15年もご主人様のお帰りを待っていたんです。お戻りになられただけでも嬉しいのにその上私の小さな我儘まで聞いてくださるのですから。ですがあまり待たせないでくださいね。でないとまた暴走してしまいますよ♪」

 

「!?はっはっは、それは怖いね。分かったよ。それじゃあ俺は部屋に戻るから暫くは安静にね」

 

そういって一刀は部屋を出て行こうとした。

一刀が扉を開いたまさにその時

 

「あっあのご主人様。私、これからは自分の気持ちに素直になろうと思います。私の思いを知ってご理解してくださったご主人様のおかげです。だからこれで最後かもしれません「お帰りなさいお父さん」そして「これからもよろしくお願いします一刀様」」

 

それを聞いた一刀は目に涙を浮かべながらも振り向かずに部屋を出ながら

 

「ただいま璃々」

 

今、二人の想いが重なり合い本当の意味での「再会」を果たすのだった。

後書き

 

・・・これが限界だー!!

 

どう終焉へと向かわせるか悩みました。

後半の一刀と璃々の会話を書きたいが為にまた、戦闘シーンが中途半端でカオスな内容になってしまったかもしれません。

 

こんな内容になってしまいましたがいかがだったでしょうか?

ご意見ご感想お待ちしてます。


 
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