その日は朝からあわただしかった
男「急げ!急げ!あのお方が着てしまうぞ!」
女「そこはちがう!そっちじゃない!」
けたたましく飛び交う声、その声で動く兵も忙しそうに動いていた
兵「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・準備・・・完了しました」
男「ご苦労・・・・そちらは大丈夫か?」
女「はい・・・こちらも完了しました・・・・」
黒曜「では・・・・出迎えに行くぞ!」
『はっ!』
城中の武官、文官、兵が整列して町へ向かう
??「ああ・・・やっと姉様にあえるんですねぇ」
??「こら・・・あまりはしゃぐんじゃない」
??「だって・・・・うれしいのはとめれるわけないじゃないですか」
??「だとしても・・・お前も将なのだから、すこしは・・・・おや?」
??「どうしたんですか?・・・・・あれは・・・・」
黒曜「・・・・お帰りお待ちしておりました・・・・砂夜様」
砂夜「出迎えご苦労・・・・あいつは・・・張酢はどうした?」
黒曜「はっ!・・・なんでも大事な用があるとかで・・・・今日は見ておりません」
砂夜「まったく・・・・まぁいい、では行くとしよう」
??「黒曜姉さま~」
黒曜「うわぁぁぁぁ・・・・ちょっと・・・もう少し我慢できないの!?李光!」
李光「李光だなんて・・・・私のことは真名で呼んでくれないのですか?黒曜姉さま~」
黒曜「トキと場合があるでしょ!?・・・もう、砂夜様も笑ってないで助けてくださいよ」
砂夜「さぁ・・・皆いくわよ」
黒曜「ちょっと・・・・待ってくださいよ~」
砂夜が城に着いたコロ・・・・一刀と張酢は・・・・
張酢「こんなものでしょうか?」
一刀「そうですね・・・俺も知識として知ってるだけですが・・・・」
張酢「そうなのですか?・・・・ですが、なんだか心が洗われるようですね・・・・」
一刀「これ以上は・・・・ないみたいですね」
張酢「では・・・これをもらおう・・・・いくらだ?」
店主「へい・・・・これほどかと・・・・」
張酢「ふむ・・・少し高いが・・・・これで足りるか?」
店主「へい・・・・これが釣りです」
張酢「ふむ・・・・しかし、俺にはもう無用ものだな・・・北郷様、受け取ってもらえぬだろうか?」
一刀「え!?俺?」
張酢「できぬか?」
一刀「・・・・わかった・・・預かろう」
張酢「あははは・・・・では、店主。もらっていくぞ」
店主「毎度・・・ありがとうございました」
砂夜「・・・・遅い!」
黒曜「・・・」
砂夜「黒曜!あいつはまだこぬのか!?」
黒曜「あと少し・・・・お待ちを・・・・」
砂夜「・・・・私を待たせるなど・・・・何を考えているのだ『ガラガラガラ』」
張酢「・・・・遅くなりました・・・・お久しぶりです、姉上」
砂夜「遅いではないか!・・・いったいどうしたのだ・・・・その格好は・・・・」
張酢「・・・・姉上「なんだ?」不忠の私を・・・どうか・・・・」
砂夜「不忠だと!?いったい何を・・・」
張酢は姉にしか聞こえないように・・・・静かに近づき・・・・
張酢「(姉上・・・姉上がおっしゃっていた不忠者はスベテ慕容コウ殿が知っております・・・)」
砂夜「(黒曜がか!?)」
張酢「(はい・・・私は相手をあぶりだすために犯してはならぬ罪を重ねました・・・・これは極刑に値する重罪・・・・どうか・・・・姉上・・・王としての判断をお下しください・・・・私には・・・・未練はありません)」
砂夜「(張酢・・・・わかった・・・・)」
砂夜「・・・・謀反者、張酢・・・・お前を弟だからと許すわけには行かぬ・・・・お前は許すことができぬ・・・よって・・・・斬首とする」
張酢「はっ!・・・・謹んで・・・お受けします・・・・」
砂夜「・・・・暴れぬよう縄で縛れ!「はっ!」」
砂夜「・・・・お前は・・・・誰だ?」
一刀「俺は北郷一刀・・・・黒曜に拾われたただの男だ」
砂夜「・・・・ふん、黒曜に拾われたのなら・・・・私の命も聞くのが通・・・・お前、剣は扱えるか?」
一刀「すこしは・・・・」
砂夜「ならば・・・・これをもて」
一刀「これを?」
一刀に渡されたのは片方にしか刃が着いていない・・・直剣だった
砂夜「これより!謀反者・・・張酢の処刑を始める・・・・張酢よ、何か言い残すことはあるか?」
張酢「・・・一つだけ「申してみよ」鮮卑よ民よ・・・・俺は愛している『ザシュッ!』・・・・」
・・・・・
不忠者・・・・張酢・・・・王の命により・・・斬首・・・・
一刀「・・・・・」
黒曜「・・・・・」
萩「・・・・・」
砂夜「・・・・・解散!」
部屋には一刀と黒曜と萩と砂夜しか残っておらず・・・
砂夜「・・・・馬鹿・・・・なんでもっと・・・違う方法を・・・・思いつかなかったの・・・・・ねぇ・・・・張酢・・・」
安らかに目を閉じて・・・・安堵の表情で死んだ・・・弟に姉は・・・語りかける
そして・・・・
砂夜「・・・・張酢・・・・ウワァァァァァァァァアァァァァァァアァァ!」
弟の首を抱え・・・・砂夜は・・・・王から姉へ戻る・・・・
声を上げ・・・泣き叫ぶ砂夜
それを見守ることしかできない・・・・・黒曜と萩
一刀は・・・・その身を鮮血に染めながら・・・音もなく・・・・泣いていた
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ついに・・・
残酷表現が・・・