何進が一刀を訪ねてきた次の日の朝。
「やっと私の出番が来たー!!」
と城の廊下で急に叫びだした璃々に他の者が驚くと
「・・・はっ!?すっすみません皆さん。急に叫んでしまいまして。たいした事ではないので気になさらないでください」
璃々にそう言われた他の者達は「大丈夫ですか?」と一声掛けながらもそれぞれの仕事へと戻っていった。
「・・・はぁ、私とした事がとんだメタ発言をしてしまいました。ですが此処最近メインヒロインのはずの私がぜんぜん出ていなかったのですからやっぱり嬉しいですね。わざわざ作者の元に行って最終地獄ジュデッカを食らわせて来たかいがありました。ですが作者は無事なのでしょうか?O・H・A・N・A・S・Iしてきましたがやりすぎでしょうか?せめてアンティノラまでにしておいた方がよかったでしょうか?原形無くなってましたし。まあ作者が「俺にはDG細胞があるからこれぐらい大丈夫さ」といってましたし気にしなくてもいいでしょうね」
そうメタな事を考えながら廊下を歩いていると中庭から轟音が聞こえてきた。
「これは何の音でしょうか?確かこのあたりだと思いますが・・・!?あれはご主人様?」
中庭まで来た璃々が見つけたのは見たことも無い鉄の馬のような物に乗った一刀と羅乾に時雨の三人がいた。
「大将!!凄いですな、このバイクなる乗り物は。馬なんかよりも遥かに早く走れる」
「確かに凄いですな。ただ乗り手が操作しないといけないので戦闘向きではな・・・いや、片手での攻撃なら可能ですね。それに後ろにも人が乗れるのを考えると」
「そうだね。いろいろと運用法があるかもしれない。ただこれはあくまで俺の私物だし、此方でも使えるように気を使って走る様になってるから気が扱える者しか乗れなくなってるけど。二人の他には今蜀にいる人で乗れる人いるかな?」
「ああ、大将それなら・・・とちょうどこいつの音を聞いて見に来られたみたいですよ」
羅乾の言葉に一刀達が振り返るとそこには見学していた璃々がいた。
「んっ?璃々か。璃々も気がつかえるの?」
「あっはい。周倉さんに教わって扱えるようになりました。ですがまだ戦場で使えるほどではありませんが」
「でも気弾を撃つ事は出来るんだろ?それなら璃々も乗ってみないか?気を纏うのを意識しながら乗って右の持ち手を捻れば走り出すから。曲りたい時はその方向に体を傾ければいいからさ」
「分かりました。・・・こうですか?」
璃々が恐る恐るといった感じで一台のバイクに乗って一刀に言われたとおりにやってみると少しずつ動き出した。
「きゃっ!?凄いです。本当に動き出しました」
バイクが動き出したのに驚きながらもだんだんと慣れてきたのか、璃々は段々と速度を上げだした。
「さすがだね、璃々。もう感覚を掴めたみたいだ。おーい、璃々。留まるときは右手を捻るのを緩めながら両方の持ち手についてる取ってみたいのをゆっくりと引くんだ」
「分かりました、ご主人様。えーっと確かこうやって」
璃々は一刀に言われたようにすると段々と速度が落ちだし止る事が出来た。
「載ってみた感想はどうだい璃々?」
そう聞かれた璃々は表面上はいつも通りだが、やはり少し興奮した様子で
「いいですね、このバイクでしたっけ?馬よりも速度が出せますし細かな操作も出来ます。あのご主人様、もう少し乗させていただいてもいいですか?」
「それなら少し外に出て見るか?」
「それでしたら、お二人で行ってきてください。私と周倉殿は調練がありますので」
「分かったよ。なら璃々は後ろに乗ってくれるかい?俺の運転の仕方を感じてくれたらいいから」
「はい。わかりました」
一刀は後ろに璃々を乗せながら門まで行き、門番に少し出てくると伝え城の外へと走っていった。
「・・・やはり黄叙様はお気づきになってないようだな。北郷様は少し気になさってるご様子だが。さてどうしたものか」
「周倉殿?いかがなされたのですか?」
「いや、それほどたいした事ではないのですが黄叙様と北郷様を見ているとつい。趙雲様も気付いていらっしゃるようだが一度相談してみるか」
「??それは部外者の私が聞いてもいいものなのですか?」
「・・・まあ、いいと思いますよ。司馬朗殿は黄忠様とも親交が深いですからな。確か趙雲様も調練のはずですから終わってからお話しましょう」
そういって羅漢が意味深な発言をしながら歩いていくのを時雨は不思議に思いながらも付いていくのだった。
一刀と璃々は町の外に来て暫くバイクの練習をしていた。
呑み込みが早いのかすぐにバイクの運転がうまくなり天の人間と同じぐらいには運転できるようになっていた。
「そろそろ暗くなってきたし城に戻ろうか璃々」
その呼びかけに璃々は一刀の近くまで来てバイクを降り一刀と運転を交代した。
璃々を後ろに乗せた一刀が不意に
「こうしていると昔を思い出すよ。最もあの頃は肩車をしてあげてたけど」
そう言われた璃々は顔を赤くして
「そうですね、ご主人様。お母さんが戻ってきたらまた三人で町に出ましょうね『ご主人様』」
そう言われた一刀は黙ってしまった。
それを不思議に思った璃々は
「どうかされましたか、ご主人様?」
「いや、何にも無いよ。急に黙ってしまってゴメンね。俺も楽しみだな」
「・・・そうですか。ならいいのですが」
そうしているうちに城に着いたので二人は自分の部屋へと戻っていった。
部屋に戻った璃々はベッドに飛び込み枕に顔を埋めて
「はぁ、まさかご主人様が気になさっていたなんて気付きませんでした。そういえばご主人様と再開してから一度も・・・」
そういって一刀と別れる際に聞いてしまった一刀の呟きを思い出していた。
「・・・今日も「お父さん」て呼んで貰えなかったな。まあ、仕方ないのかな」
「私は今ご主人様を、北郷一刀様をどう思っているの?私達の蜀の主?私のお父さん?それとも・・・」
璃々の悩みは答えが出ないまま次の日を迎えるのだった。
後書きの代わりのオマケ
・・・・・・っはぁ、はぁ。何とかしゃべれるようになるまで再生できたぞ。
まさか璃々ちゃんが最終地獄ジュデッカを放ってくるとは。あれが噂の「病化」というやつか。恐ろしい物だ。(恐らく少し勘違いをしているだろう)
まあ、何とか再生できる範囲で留めてくれたし璃々ちゃんメインの話に戻したしこれで暫くは大丈夫でしょう。
とりあえず、暫くは璃々ちゃんメインになりますので楽しみにしていてください。
PSあくまで愛紗はサブヒロインなのであしからず。
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魏√風END璃々編アフター 9話 「お父さんと呼べなくて」を投稿します。
今現在、私は諸事情で死に掛けてますのでとりあえず本編を読んでみてください。