No.141555 恋姫のなにか ばんがいのにくらげさん 2010-05-07 20:12:51 投稿 / 全13ページ 総閲覧数:15679 閲覧ユーザー数:8583 |
電波が来たんです、私を侵食するんです。
桂花やその他のシチュエーションを待っていてくださった皆様には申し訳ないです。抗えなかった。
いつものゆるーい感じですんで、コーヒーや紅茶でも飲みながらのほほんと見てやってください。
そのいち、蜀パート
『と言うわけで、今日は皆さんに殺し合いをしてもらおうとおもいまーす』
別々の場所で、同じ声色の声がそれぞれに響く。
ある者は訝しげに、ある者はほへーという顔で、またある者はなんのこっちゃと首を傾げながら半透明に透き通った天の声の代理人の言葉を聴いていた。
『それぞれ役割の書かれた札は持ったわねぇん?』
ムキムキまっちょめん☆な貂蝉が確認を取ると、各々が己の役割が書かれた札を取り出す。
貂蝉の後ろで左慈が何やら叫んでいたが、面識の無い三人は完全にシカトした。
「あの、貂蝉さん・・・確かに札はありますが・・・白紙なんですけど・・・」
代表として愛紗を取り上げたが、他の場所でも似たような反応が帰って来ていた。
愛紗・桃香・それに鈴々のチーム蜀の三人は荒野で。雪蓮・冥琳に祭のチーム呉はとある部屋の中で。
そして華琳・春蘭・秋蘭のチーム魏は華琳、というよりは曹操の部屋の中で。
他にも、この時点ではまだ勢力に組み込まれていない人物達も、開始した地点で天の声の説明を受けている状況だった。
『あっらぁ~ん愛紗ちゅわん、焦っちゃだめよぉ~ん?』
「なんだこのキモいの」「こわいよぅ・・・」
「まぁ落ち着け。それに鈴々ちゃんも、見た目に相反する心の持ち主だから大丈夫だ」
「なんか見下されちゃってるアタシー」「ひぅ?!」
『やくわりスイッチおーん』
だるそうに于吉が宣言すると、白紙だった札にすっと漢字が浮かび上がっていく。
「関羽・・・?」「劉備」「・・・・・・よめないよぅ」
関羽ってあの関羽か?と愛紗は悩み、桃香はどうしてアタシが耳垂れなんだよ!と貂蝉に喰って掛かり、鈴々が漢字が読めずに泣きべそを掻く。
「どう考えてもアタシは曹操だろ!」「落ち着け!!」「妹の分際で姉に命令してんじゃねぇ!!」
どげし!と蹴りを入れて愛紗を引き離すが、この程度何のその!と負けじに愛紗は再び羽交い絞めに掛かる。
「ちょ、何か力入らない・・・なんで?何で振り解けないの?」
『あ、原作準拠になってますんで、リミッターを設けさせてもらいました。よわっちい張飛とか嫌じゃん?』
「ふざけんな!!」『おぉ怖ぇ・・・』
昔の記憶そのままの獰猛な目付きで睨まれ、于吉が思わず眼を逸らす。
その後暫く桃香は暴れに暴れまくったが、原作補正が掛かった愛紗の腕力に敵う訳も無く、肩で息をし始めた。
『落ち着いたかしらん?』「右ストレートでぶっとばす!!」
胸で谷間を作る様な仕草で貂蝉は屈んで桃香に問うが、それに桃香は中指を立てて返事とした。
その態度に、愛紗は侮蔑の表情とそれに伴った言葉を浴びせ、桃香は愛紗を睨む。
『はぁい、落ち着いた所で、最初のミッションを告げるわねぇん?』
貂蝉がそう言うと、桃香・雪蓮・稟に与えられた札が輝き―――黒い文字が形作る。
【天の御使い・北郷一刀を救出し、道を示せ】
「っしゃおらぁ!!」
その文字の意味を認識するや否や、桃香は体力を瞬時に回復し駆け出す。おそるべし姉の情念。
が、数歩駆けた所で見えない壁にぶつかり鼻を強かに打つ。
「あ、あの・・・?」
『今は質問タイムだから、それが終わってからねぇん?』
「質問、ですか?」「いつおうちにかえれるの・・・?」
『安心しな、そのうち帰れる』
「その内って何時ですか・・・」
『んー。じゃあ鈴々ちゃんはこっちにきなさぁい?』
純真無垢な子供を連れ去る変態淑女の構図は、愛紗を妙に達観させた気持ちにさせた。
ふれあい保育で一番園児に懐かれていたのが彼女なのを思い出したからだった。
『おーい桃香さーん、悪知恵働かすなら今のうちだぜー?』
「あーいたい・・・ んじゃ質問ね?参加者ってどれぐらい居るの?」
『約50人』
「最初のミッションを受け取ったのは?」
『三人。ただ同行してるヤツを入れると三倍になるねぇ』
「曹操は誰?アタシの知ってる人?」
『その質問は答えらんないねぇ。他人を特定する質問はNGだってよ』
「じゃあ、アタシの家族がどうなってるかは?」
『アンタ達姉妹がコレに参加してるかって質問なら肯定。何の役をやってるかはNG』
「なら、なんでカズちゃんは天の御使いなの?三国志にそんな役ないよね?」
『それがこのゲームの肝って事になってんね。 ぶっちゃけ、桃香さん天下より一刀のが大事だべ?』
当然。と頷く桃香にそゆこと。と頷く于吉。鈴々はキャンディーを舐めながら貂蝉の説明を受け、愛紗は嫌な汗を流していた。
「よ、横からすまない、いやすいません。 あの・・・先程、知人の名が挙がったような気がするんですが・・・」
『あー、一刀ね』
「まさか・・・一刀先輩?」
『おう。ちなみにこの人、一刀の姉貴さん』
そう言って于吉が指差すのは、視線を落として作戦を練る桃香の姿。
ヤバい、ヤバいなんてモンじゃない。愛紗の脳裏に先程の罵詈雑言が駆け巡る。
と、左慈が親友の名に反応して罵倒しようと口を開きかけたので于吉が殴って黙らせる。
いくら左慈とはいえ、凶戦士・桃香の乱脚に挑ませるほどのSにはなり切れなかった于吉だった。後始末する及川くんも可哀想だし。
「あ、あの~桃香さん・・・いえ桃香お義姉様?」
「とりあえず孔明は三回シバけば仲間になるだろ・・・三顧の礼だし」
『そんなデンジャラスな故事ねーから』
「うるっせぇよ。んで、何?」
「先程は大変申し訳ありませんでしたお義姉様!!」
「あー、うん。気にしてないよ?」
キラッ☆と擬音が付くほどの笑顔でそう答える桃香。
そこそこ長い付き合いの于吉は「絶対この人根に持ってるー」と思いはしたが、そこに突っ込むほど愚かではない。
むーむーと五月蝿い左慈に心中で「空気読んでーマジでー」と思いはしたものの、言って聞く様なら苦労はないんですよ常考。
「ねぇねぇ于吉くん。アタシ重要な事を聞くの忘れてたんだけど~」
『なんすかー』
「史実通りじゃないといけないの?」
『ってぇと?』
「だから~、例えばアタシって劉備じゃん?だけど、張遼とか呂布とかを手駒にするのはアリ?」
桃香が言いたい事は実に当たり前の事だった。三国志を知っている者なら誰でも考え付く事柄。
例えば、桃香が曹操を巧みな話術で配下に引きずり込んでしまえば怖いのは孫権だけになる。
『ええっと、アリっちゃありかー。好きにやりゃいいんじゃね? あ、注釈あったわ、君主引き込むのはNGだってよ』
「ん~。と言う事はまず潰すのは曹操かなぁ?」
顎に指を当てて物騒な事をのたまう桃香だったが、愛紗は決して突っ込まない。突っ込んではいけないのだ己の未来のためにもっ!
「んじゃ関羽、ひとっ走り曹操の首とってきて~。アタシはその間にカズちゃん助けてくるから」
「は?!わ、私ですか?!」
「だって~今のアタシってばか弱い乙女だも~ん」
(か弱い乙女のする発想じゃありませんよ・・・)
愛紗の心の声を、幸か不幸か桃香は感付かなかった、というよりスルーした。
ここで突付いて遊ぶより、于吉から目一杯情報を引き出す方に重きを置いたのだろうが、それが落とし穴だった。
愛紗も桃香も、異常に長い質問タイムに疑問を抱いていない様だった。
そのに 魏パート
華琳は妙に爽やかな目覚めに疑問を抱いた。
身も心も開放されきったかのような晴れ晴れとした心地に、なーんか妙だなぁと思いつつ身体を起こし―――すっ裸の自分に気付く。
(なんで?!なんで私すっぽんぽん?!)
寝巻きどころか、下着すらつけていない正真正銘の全裸。華琳は必死に昨日の自分を思い出すが、別段何をした記憶もない。
とりあえず、無駄に広すぎる天蓋付きのベットのシーツを身体に巻きつけようと引っ張って―――肌色が見えた。それも両隣に二つ。
「・・・・・・・いや、ない。だってアレだもん!アレはなんやかんやで総合するとない!」
「ん・・・」「ん~」
同じタイミングで響く寝言のようなソレに華琳は思わず固まる。
(なんかすんごい嫌な予感しかしないんですけど神様)
「・・・・・・おい」
自分の右隣にいた青い髪の女性に顔をぐわしと掴まれた。
(あーうん、分かってた)
「お前は誰だ、何故私は服を着ていない、返答次第によっては生きている事を後悔させてやるぞ」
「か~ずちゃ~ん♪」
左隣でまだ眠る黒髪の女性の悩みなさげな寝言が妙に腹立だしい。
「お願いします綺麗な人!アタシの話聞いてください!」
「聞こう、許すかどうかは別にして」
「あ、あのー・・・せめてアイアンクローを外して戴けると、アタシとしましても思考を整理しやすいんですが・・・」
「・・・・・・・・・」
「疑ってる!アタシすんごい疑われてる!いやいや気持ちは解りますよ?解りますけれども!アタシだって何でマッパなのか説明求む!」
「ふむ・・・まぁ、百歩譲って君が私達姉妹を誘拐していないとしようか」
「一歩も譲らないでいいですから?!アタシそんな大それた事しないですから!」
「半分ぐらい冗談だ落ち着け。とりあえず、三人分の服を探そう」
「もう半分は全力で疑ってるんじゃないですか!」
やかましい。とばっさり主張を切り捨てられた華琳は、とことん不運な星の下に生まれて来たのだとしみじみ思いながら身体を起こすのだった。
「曹操・・・」「夏侯惇、ですか?」「淵か・・・まぁ王たる将だし、良しとするか」
その後、三人の所にも変態寮母と于吉が現れた。こちらは秋蘭が二人と顔見知りなので実にスムーズに話が進んだ。
ちなみに此処でも知り合いの居ない左慈の振るまいはスルーされていた。それはそれで運が良かったのだが・・・
「あ、しつもーん!」
『あらぁん、元気いっぱいねぇん☆』
「アタシの知り合いもいるんでしょーか?」
『全員とは言わないけど、居るにはいるわねぇ』
「貂蝉さん、此方も質問です。まさか、一生このままじゃあないでしょうね?」
『大丈夫よぉん。精神と○の部屋だと思ってちょぉだい☆』
「あ、じゃあお洗濯が終わる頃には帰れますねぇ」
良かった良かった。とのほほんと喜ぶ春蘭に何も言うまい、と短すぎるチャイナドレスの裾を気にしながら嘆息する秋蘭。
何故か自分にチラチラ視線を送っては妙な顔つきで芝居染みた口調で何かを呟く左慈。殴っていいかなぁと秋蘭は投げやり気味な思考に陥る。
「というか、他に服は無かったのか華琳。姉はバカだから気にしてないが、私はこの丈の短さは勘弁してもらいたいんだが」
『あ、思い出したわ』
秋蘭が華琳の名を躊躇い無く呼んだ事に反応した于吉。貂蝉と共に真名と字の説明をする事数分。
「つまり、私達の名前が真名というヤツになっていて、他人が簡単に読んでいい名前ではない、と」
「仲良くなったらいいんですよね?」
『勿論よぉ? けど』
「迂闊に読んだら殺されても文句言えない、か・・・うぅぅ、怖いなぁ」
もし間違って何時もの癖で月辺りの名前を迂闊に呼んでしまったら、彼女は嬉々として首を取りにくるだろう。おおこわ。
「ならば普段は何と――ああ、それでこの札という訳ですか」
『そういう事ねぇん☆』
一々決めポーズを取るのは止めていただきたかった、慣れが消え去った秋蘭には少々眩しすぎて吐き気がする。
「えぇっと、それで私達は何をすればいいんですか?」
『えーと、順番が来たら札が光って何するか書かれるからそれに挑戦、クリアするとポイントゲット。って書いてあるな』
「ポイント?何かもらえるのー?」
『それは一刀に聞いてくれぃ』
「「「なん・・・だと・・・?」」」
『あらぁん、あの子大人気ねぇ?』
「貂蝉さん、一刀は何処に?いや、何の役をやっているんですか夏候氏か曹仁辺りだとグッジョブなんですが!!」
『ふん!あんなヤツ黄巾党に殺される通行人で十分だというのに!』
左慈がご大層な振る舞いでそう吐き捨てると、羅刹二人が目を覚ました。
「ほほぅ、という事はそれなりに名のある役柄と見た」
神速の羅刹・夏侯淵こと秋蘭が左慈の首を掴んで持ち上げる。全く左慈を見ずに貂蝉と于吉に確認を取る辺り完全に決まっているのだろう。
「三国志かぁ、お姉ちゃん漫画しか読んだ事ないなぁ。カズちゃん凛々しいし、馬超とか似合いそうねぇ♪」
隻眼の羅刹・夏侯惇こと春蘭が苦しそうにもがく足を抱き上げては落とすを繰り返す。ニッコニコ笑いながらそれを繰り返している辺りが春蘭の恐ろしいトコなんですよ。
「姉よ、それだと私達とは敵対してしまうじゃないか」
「あら、そうなの?」
「馬超は曹操憎しの一念で乱を引き起こすんだぞ・・・」
「あらあら、困ったわねぇ。 なら、ここで曹操殺しときましょうか」
「ふむ、ならばよし」
「よくない!よくないです!大体まだ一刀くんが馬超だって決まったわけじゃないですし!ね?ね?」
秋蘭は飽きたのか、左慈をぶん投げると華琳に向き直りその声色の冗談の無さに天の声の二人に確認を取る。
『いちおー個人を特定する質問はNGなんだけど』
「そんなこと言わないで!お願い今正に私の命が消えかかってる!」
「大丈夫だ、お前が死ねば案外一刀が曹操になるかもしれんし」
『それで平気なの、秋蘭ちゃん達だけじゃないのん?』
「んー、でもカズちゃんが曹操になっちゃうと、お嫁さん沢山集めなきゃいけなくなっちゃうのかしら?」
「そ、そうです曹操は子沢山!!ね?ね?このまま行くのが一番良いですって!!」
「それで于吉、一刀は何処だ?身体に聞いた方が早いか?」
『言います言います、お願いだからその眼で睨まんでください』
幼き日に一刀と喧嘩し、姉五人にフルボッコにされた後彼女に呼び出されて植え付けられたトラウマは笑えない記憶となって根付いている。
『えーっと、一刀は【天の御使い】っすね。特別枠っす』
「「「【天の御使い?】」」」
『あの子大人気でしょん?だから、特定の勢力に留まらせるとそれで終わっちゃうじゃない?』
確かに、もし一刀が例えば劉備だったら関羽・張飛に曹操と夏侯姉妹参入というチート部隊の出来上がりになってしまう。
『だから、あの子は特別枠で何処の勢力にでも入れるし、何処の勢力に組みしても問題無いってわけ』
「しかし、最初に手に入れてしまえば同じ話ではないですか?」
『大丈夫よぉん☆ そこの勢力が気に入らなければ何時抜けてもいいって説明してあるから☆』
一々『キラッ!!』ポーズを取らなければ喋れないのだろうかこの筋肉寮母。
『けど一箇所への肩入れはダメって説明もしてあるから。一箇所に留まり続けたら面白くないでしょ?』
「面白い、面白くないの問題では・・・」
「・・・という事は、カズちゃんと戦わなきゃいけなくなる時もあるって事ですか?」
抜けている様で鋭い姉の突っ込みに妹が答える。
「何?!何で私また頭掴まれたの?!」
「ええい!今ここでお前が倒れれば二分の一で一刀と争わなくてすむ!!」
「二分の一で戦う羽目になるじゃないですか!!」
「三分の二よりマシな確立だ!!」
「ごめんね、曹操さん。でも潔く散る方が君主としては恰好良いかもしれませんよ?」
「泥水啜ってでも生き延びた全武将に謝れ!!」
必死に助命嘆願を忠臣に申し出る曹操、という在り得ない光景を見ながら貂蝉が火にダイナマイトをくべる。
『あ、最初のミッションは【天の御使い・北郷一刀を救出し、道を示せ】ってヤツなんだけど、貴女達は出番まだねぇん☆』
「なぜですか?」
『そんなの、曹操のビックネームに決まってるじゃないのぉん♪』
「イタイイタイイタイイタイいたいいたい!!!!!!!!!」
『ええっとぉ~ん、曹操の所に来るには戯志才、程立、趙雲の三人が襲われてるあの子を救出するのが条件ねぇん。
でも三人とも美人さんだし、その前にフラグ立っちゃうかもしれないわねぇん?』
「お前か、お前が悪いんだな?よし分かった、望み通り存分に苦しめてから楽にしてやらん」
「命が続く限りは全力で啼くんですよ~?」
にこやかに微笑んで君主を苛める夏侯姉妹の姿を横目で見ながら、生還を果たした左慈の背中を擦る于吉。
『な?お前の手に負える珠じゃねぇからやめとけ』
『げふぉっ!!げふぉっ!!』
『あーあ、ありゃ曹操リタイアだな』
華琳逃げて!!!フィールド張られてる中を必死に逃げて!!!
そのさん 呉パート
「妙な事になったもんじゃのぉ」
「祭さん、そんな悠長に構えていると痛い目を見ますよ?見なさい、あなたの娘なんて発狂してるじゃないですか」
「明日はデートとほざいておったからのぉ」
そこには天の声の人として現れた左慈にマウントとってバル○ンパンチを叩き込み続ける小覇王の姿が!!
『あの、そろそろ話を続けても構わんかの・・・?』
「大筋は理解しました。己の名が真名となり、普段は与えられた名を名乗ればいいのでしょう?」
「ついでに一刀を骨抜きにして閨でくんずほぐれずで良いんじゃろ?」
『いやまぁ・・・そうなんじゃが・・・』
左慈と共に現れた卑弥呼と名乗る変態に、祭と冥琳は何ら動じる事無く備え付けられた酒を飲んでいた。
「しかし、妹が心配だ・・・今何処で何をしているのやら・・・」
「ワシとしては、一刀の姉君達の行方の方が重要じゃな。アレの性格からして、姉に肩入れするのは間違いないぞ?」
「しかし特定勢力への肩入れは禁止されています。重要なのは私達の所に来た時にどれだけ懐柔出来るかではないかと」
ぐちゃっ!ぐちゃっ!とやたら水っぽい打撃音に卑弥呼は気が気でないが、酒を飲む二人は全く動じない。
「おーい、雪蓮。作戦会議じゃ」「お前も飲むかー?」
「なによ、なんなのよ全くやってらんないわよ明日デートよデート!ようやく、勇気を振り絞って隣町まで二人でお出かけ・・・」
フシュルルル!と気炎を吐きながら空いた椅子にでん!と座ると進められたコップを無視して一升瓶をラッパ飲みする雪蓮。
『あ、あの~』「なによ!!」
瞳孔が開ききった、血走った眼で睨まれ思わず身構える卑弥呼。
別の所に出れば良かったと思ったが、何処も彼処も似たようなモンだった。
というか、恋と霞の所に伝令に行った左慈と于吉のコピーは今生きているのだろうか。
「あーなんかまた腹立ってきた!!!」
テーブルを蹴っ飛ばし、ひぃ?!と声を上げて後退る回復した左慈の首を掴むとまた八つ当たりを始める雪蓮。
ここの天の声の人たちは精神体のようなものなので、実際には心にしかダメージを負いません、あしからず。
『あ、あのそろそろ最初のミッションが・・・』
「ふむ、そのミッションをクリアすれば我々にとって有利になる、か」
「とはいえ、ミッションを受け取るのは実質的には一人。後は如何にサポートをこなせるかじゃのぅ」
一を言いかけて百を知るこの二人に、メッセンジャーなんて要らなかった。
「よっし、考え纏まったわ」『左慈ーーー!!!』
スッキリした顔で、ミッションが印字された紙をヒラヒラふる雪蓮。燃え尽きた左慈に駆け寄る卑弥呼。
「さて、最初のミッションは、と」「どんなモンじゃ?」
「とりあえず一刀くんを確保すんのは母さんに任せるわ」
「うむ、しかと任されたぞ」「雪蓮、お前何を企んでる?」
「この時期にライバル蹴散らせば、後は平坦な王道が待ってんでしょ。冥琳は袁術の首取ってきて」
「それは構わんしお前が孫策だという事を考慮すれば正しい選択だ。だが雪蓮―――」
「私は、曹操の首取ってくる」
『あの、一応フィールド張ってあるんで無茶は出来ぬ、ないんですけど・・・』
「無茶で無謀と笑われようと、意地が支えの喧嘩道!」
見えるはずの無い遥か空の下の曹操が、今正に忠臣に討たれようとしている事など知る由もない雪蓮だった。
おまけ 王室
「ねぇ、今アナタ私にタメ口使いましたよね?使いましたよね?」
「いえ、あの、一応私十常侍っていって・・・その、偉い立場」
「なに~?ぜんぜんきこえな~い」
すいませんすいません。と蹲ってブツブツ言っている同僚を尻目に、最後まで倒れる事を許されなかった張讓、趙忠の二人。
「ねぇアナタ?」「はい!」
「何様?」「え・・・いや、その、何様っていうか・・・いちおう」
もう一度十常侍だと名乗ろうとしたのだが、足を踏み付けられて口を噤んだ。
この二人の、いや十常侍達の最大の不幸は―――月が董卓となってしまった事である。
愛らしい、一見すれば気弱とも映る少女の姿から出るとは思えぬ痛烈な打撃と辛辣な罵声。
ネチネチと此方のアラを突付き、反論はきこえな~いと斬って捨てる。
「私董卓ですよね?」「は、はい・・・董仲穎様だと・・・」
「そうよね?今アナタ私に様付けしたよね?」「はい!すいませんでした!」
「あれ?何か謝るような事仕出かしたんですか?」「そ、その・・・」
ソロソロと、同僚を生贄に部屋から逃げ出そうとした趙忠を「動くな!」の一言で押し留めた月。
その姿を見、詠は心で呟いた。不幸だ。
「そうねぇ、役立たずなアナタ達にお似合いの仕事ってなんですかねぇ?」
「「なんでも!!なんでもやらせていただきますので!!」」
「そう? んーじゃあとりあえず、曹操と袁紹の首、取ってきて?失敗しないよね?失敗しましたーとか言って帰ってこれないよね?」
華琳超逃げて!!!逃げ場なんて何処にも無いけど全力で超逃げて!!!
反省のコーナー。
もはやあとがきですら無くなった幕間のコーナーです。
夏侯姉妹に虐げられる我等が華琳様という電波をキャッチしたんです。
そしたらこんな事になったんです、あと更新できなくて焦ってたんです。
というわけで、今回は基本に戻って原作回帰してみました。
時事系列としては14の頃ぐらいですんで、愛紗は姉'sの顔を知らず、鈴々も一刀の事を知りません。
全キャラ書こうとしたんですが、そんな事してると萌将伝が出そうだったので諦めました。
前回やその前のコメントで『~見たい!!』とコメントして下さった方には非常に申し訳ないのですが、電波に抗えなかったのだと三度目の言い訳をしておきます。
なんか前回のあとがきで「もう桃香はあんまり出ない」と書いた様な気がしないでもないですが、基本行き当たりバッタリなので気にしないでください。
おまけはさておき、呉パートの分量が少ないのは冥琳と祭の優秀さ故です。贔屓じゃないよ!
新キャラは十常侍。ではなく鈴々と卑弥呼ですね、影薄いですが。
卑弥呼はヒョウキンで笑いのタメに身体を張るオッサンです。
鈴々は良家?のお嬢様、お姉ちゃんは張繋がりで七乃さんです。霞?彼女は私のです。
今回またばんがいになってしまいました、逃げ道があるっていいね!
ベース○ンさんに確認取った所、自分のHPが無いとバーナー借りれない様なのでHP作るか考え中です。どうせ更新なんざ大してしませんが。
受付の方、懇切丁寧迅速な対応、有難うございましたとアピールしておきます。
では、此処からは恒例のお礼返信になります。態々読んでいただいて有難うございました。
あと、変則的な更新で申し訳ありません。長編?ははは、こやつめ!! orz
追伸:何時もの事ですが、なにか 14の誤字指摘を戴いたのでコレの投稿に併せて修正しております。
Kito様 凪の巻き返しは一刀が家を出る際に行われます、書くかどうかは微妙ですが。
ちきゅさん様 姉妹の団欒はいいものですね!あと秋蘭の一人勝ちは仕方ない。
凪は最小の利益で最大のパフォーマンスを行ってくれる良い子です。
kurei様 原作では右腕ですが、此処では首持って行こうとしてます。華琳逃げて!!
桃香と秋蘭は要領が良い。というより、腹黒・・・誰か来たようだ。
リョウ流様 生きろ、そなたは美しいっ!!
鉛暗様 末期っぽいのでお薬出しときますね つ原作
桂花中々出せず申し訳ないです。
tyoromoko様 霞は自分では出さずに買う一方なので懐は寒くなるだけです。
MAXできっと30万ぐらいですよ、言い値で買うタイプです。
truth様 はっちゃけ姉妹を気に入っていただけると嬉しいです。皆仲良しですし。
桂花遅くて申し訳ない、あといつも指摘助かってます。
happy envrem様 原作ちっくにしてみました。何?全く別物?ハハハ!コヤツめ!
またバ華琳の魅力に一人懐柔されちゃった。
zero様 無茶しやがって・・・(略AA
ダミー出すと一刀ソムリエな恋ねーちゃんが十割コンボを叩き込みます。
叢 剣様 これでかわゆい蓮華様書かずに済むとか思ってませんよ?
どこまで作品読んだかなーと最新話読んだら話についていけなかった。なにを(ry
tanpopo様 全員三倍速で連突します、武力30ぐらいで。
夏に出費が嵩む一方ですが、それだけ夢もひろがりんぐ!!
カズト様 いえーおねえちゃんいえー!!
おやっと?様 秋蘭の痛さは表に出すと全員ドン引きレベルなので出しません。
凪の可愛さは愛紗に負けない犬ちっくな所だと思うんだ!!
比良坂様 きっと桃香も喜んでる!!
あのドS姫の何処に萌えたのか小一時間問い詰めたいトコではありますが。
jackry様 日常茶飯事なので誰も気に留めません。なれって怖いねー
リーゼア様 一体誰にハァハァしているのか、それが問題だ。
asf様 凪は強い子お得な子。一刀は何とか仲良くなろうと色々甘えてます。
ルーデル様 偉い人は言いました。ダメな子ほどいとおしい。
Night様 コレが俺のスタンドだっ!!
よーぜふ様 女の人のストレス解消は買い物だと何かで知りました。霞ねーさんもきっとそう。
conqueror様 オモロかった、ならばよし!! や、胸張る程の腕はありませんよ?
Ocean様 秋蘭はあくまで「家族」この意味が分かるな?
正直、昔に唾付けられなかった時点で―――今日は良く客の来る日だ。
はりまえ様 気にいっていただけなかったら申し訳ないです。こんな感じで隅っこを賑やかしております。
mighty様 ベース○ンに履歴書提出してきますね~
実際ここの誰かがFDに出てたら偉い事になりそうですね、自分で言うのも何ですが。
水上桜花様 済ました顔して頭の中は常時発情中な秋蘭さんでした。
アリだと思っていただけたなら幸いです。さよならの方じゃないですよ?!
宗茂様 ありがとうございます、ギャップ萌えのおかげですね!
ロンギヌス様 眼の付け所がシャープです。秋蘭は家族、一刀の甘えるポイントはソコですんで。
samidare様 刺身のツマみたいなモンですが、気に入って頂けて嬉しいです。
コメント、ありがとうございました。
いつもコメント書かせてくださる方にも、新規に残してくださる方にも感謝してます。
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電波が来たんで初心に帰って、原作ベースで書いてみたよ!!
この説明には嘘が含まれてるかも知れないぞ!探して作者に突きつけよう!!