No.136330

魏√風END璃々編アフター 5話 「天の医者」

魏√風END璃々編 5話 「天の医者」を投稿します。

一刀を医者にしといてなんですが私は専門的知識がありませんので詳しく書く事は出来ませんがなるべく調べながら書きますので専門的な知識をお持ちの方は指摘などしていただけるとうれしいです。

それでは拙い文ですがお楽しみください。

2010-04-14 03:51:14 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:7716   閲覧ユーザー数:6157

「安心してくれ、今の俺は「天の医者」だ」

 

その言葉に一同がどよめきだすが華佗だけが冷静に

 

「それは本当か?後、何が専門だ?」

 

「ああ、本当だ。此方に戻って来れたときに何が一番役に立つか考えてね。俺の専門に関してだが基本的には外科だが一通りの知識は有している。出産にも二桁ぐらいには関わった事がある」

 

「なるほど、それなら問題ない。いや、むしろ大助かりだ。後は助手に二人ほど手伝ってくれるとありがたいが」

 

「「なら私が」」

 

そう名乗り出したのは璃々と焔耶だった。

 

「璃々。それに焔耶も。二人とも大丈夫か?」

 

「はい、ご主人様。私と焔耶様は以前に華佗殿から師事を受けた事もありますし、実際に手術の助手もしたことがあります」

 

「ですから手伝わしてください。お館、華佗殿」

 

二人の話を聞いた一刀は華佗の方を向き、華佗は一刀に対して頷くと

 

「よし分かった。これより春蘭の出産を始める。みんな準備をしてくれ」

一刀達は用意された部屋に入り準備を始めた。

 

「・・・これはやばいな。普通の出産は難しいかもしれない。北郷、天の医者として意見を聞かせてくれ」

 

「確かに通常出産では母子共に危ないかもしれない。・・・そうなると帝王切開しかないがこの世界では」

 

「なっ帝王切開だと!?こちらでは妊婦を埋葬する際に胎児をとり出す事だが天では出産にも用いるのか?」

 

「ああ、天では一般的な方法だ。国によっては妊婦の状態によっては此方の方法でしか出産をしないところもあるくらいだ。ただそれは天での話しだ。此方では施設・器材・薬品の全てが無いと言ってもいい。実際に手術をした者として危険だというべきだろうな」

 

一刀の言葉に一同は沈痛な面持ちを浮かべると

 

「ううっ、ほっほんごう」

 

「!?春蘭。俺の言葉が聞こえるか?」

 

「ああ、聞こえている。先ほどの話も聞いていた。わっ私は頭が悪いからな、北郷聞かせてくれ。

どちらが我子を無事に産めるのだ?」

 

「・・・子供だけなら帝王切開でなら無事に生ませて見せるが春蘭の体が危険だ。もちろん俺達が両方とも無事に終わらせて見せるが・・・それでもいいな?」

 

春蘭は陣痛に顔を歪ませながらも頷いて見せた。

一刀は部屋の外で無事を願っている皆の下に行き状況を話した。

 

「そんな!?お腹を裂いて赤ちゃんを取り出すんですか?」

 

一刀の話を聞いて一同はどよめきだし、中にはその光景を想像して気絶する者もいた。

そんな中、一刀は春蘭の夫の時雨に

 

「時雨さん、春蘭にはすべて説明しました。彼女はその上で此方の方法を選んだのです。もちろん彼女は自分が死んでしまう可能性がある事も理解してました。それでも彼女はこれから生まれるであろう我子の身を優先しました。医者として俺は彼女の願いを尊重します。

時雨さん、承諾していただけますか?」

 

時雨は悲愴な面持ちを浮かべながらも

 

「・・・春蘭が全てを理解した上でそちらの方法を選んだのですから何も言いません。ですが北郷様、お願いします。私にはどちらとも大切な家族なんです。どちらも助けてやってください」

 

「・・・分かりました。医者として、そして大切な仲間の為に全力を尽くします」

 

そういった一刀は決意を決めその目に闘志を表し手術を行う部屋に入っていった。

「それではこれより春蘭に対して帝王切開を施す。術式内容は主に8段階に分けて施す。うまくいけば一刻(約二時間)で終えられるはずだ。皆落ち着いてやっていこう」

 

一刀の説明に一同は頷き春蘭に投与した華佗特性の麻酔薬が効いてるのを確認して手術を開始した。

手術は天の方法で説明すると一刀が執刀医・華佗が麻酔医兼一刀の助手・焔耶は一刀や華佗に手術器具を渡したりする看護婦・璃々は取り出した赤ちゃんを受け取り産湯につけたりする担当で行われる。

 

注)ここからは詳しく書くとかなり長い説明になりますので大まかな説明になる事をご理解していただいてお読みください。

 

 

第一段階「皮膚切開」

 

一刀は最初にメスを持ち(天からの荷物に簡単な手術道具があったと言う事で(ほんとに仁だな))春蘭の恥骨結合上縁の陰毛の上端辺りを切開した。

 

「見事な腕だな。ところで北郷。今聞くことではないかもしれないがなぜ縦に切らずに横に切っているのだ?」

 

華佗の質問はある意味正論だ。天の世界でも「縦切開(正中切開)」が一般的であり縦切開の方が安全なのは医者である華佗にはすぐに分かった。

その華佗の問いに一刀は苦笑しながらも真剣な目をして

 

「さすが華佗だな。確かに縦切開の方が安全におこなえる。手術の成功を考えれば普通はそうしようと思うだろう。だがな華佗、彼女は女性なんだよ。いくら必要な行為の為とはいえ自分の体に傷が残るのは良くは思わないだろう。だからさ、俺は傷の目立ちにくい横切開を施すんだ。これなら下着姿になっても目立ちにくいからさ」

 

一刀の返答に華佗はそこまで考えているのかと感心し、助手をしている璃々と焔耶は一刀の配慮に感激し一刀の優しさを再確認したのだった。

第二段階・「皮下組織、筋膜、腹膜の切開」

脂肪組織を切開し腹直筋鞘前葉を露出させ、切開後、白線と呼ばれる腹直筋筋膜中央に位置する筋膜組織から腹直筋を解離し腹膜を露出する。

注)この作業後に「腹膜内帝王切開」と「腹膜外帝王切開」という方法のどちらかを用いるらしいのですがどういった場合にどちらを用いるかは分かりませんので割合で

 

第三段階・「子宮筋切開」

子宮頚部のやや上を横切開する(子宮体部下節横切開)。

 

「この場合でも横切開も用いるのだな?」

 

「ああ、縦切開を施すと帝王切開手術後の妊娠で「子宮破裂」を生じやすい。つまり次の子供を作るのが非常に危険になるんだ。縦切開をしないといけない場合もあるのだが今回はそれに当てはまらないので横切開を施す」

 

第四段階・「胎児娩出」

 

「よし。今より赤ちゃんを取り出すぞ」

 

そういうと一刀は胎児を保持し、子宮底部を押す形で取り出し(この時も状況によって取り出し方が違うらしいです)臍帯は結紮(けっさつ、血流を止めること)し、速やかに児を璃々に渡した。

取り出した子は女の子で璃々の腕の中で産声を上げだし、取り敢えずは無事に生まれてくれたと一同は安堵した。

第五段階・「子宮内容物除去」

 

胎盤を含めた子宮内容物を取り除く。子宮切開~胎児娩出~子宮内容除去の間に子宮内より大量の出血が生じる(通常羊水量も含めて1~2L程度)。

この際に出血が継続するような場合は「弛緩出血」と呼ばれる状態であり、緊急の子宮全摘出術を考慮していくが今回は大事には至らなかった。

 

第六段階・「子宮筋縫合」

筋層は1~2層縫合する。膀胱子宮窩腹膜を縫合、閉鎖する。

 

第七段階・「止血確認・腹腔内洗浄」

子宮の縫合が終了したら、十分な止血を確認する。その後、腹腔内を温生食で洗浄する。

 

第八段階・「腹膜・皮下組織・皮膚縫合」

切開の逆順序で縫合する。

 

 

縫合を終えた一刀は一度深い深呼吸をして

 

「これで手術は全て終えた。華佗、春蘭の容態は?」

 

「ああ、特に問題は見られない。・・・成功でいいんだよな北郷?」

 

「ああ、手術は成功だ。俺達はやってのけたんだよ。帝王切開を、二人とも無事に」

 

一刀の言葉に一同は歓喜し、まだ麻酔が効いてて眠っているはずの春蘭の目からも一滴の涙が流れた。

そんな中一刀は一人部屋を出て外で無事を願っていた皆に手術の成功を伝えた。

 

今ここに天とこの世界の二人の医者の手で新たな命が無事に誕生した。

あとがき

 

はい、無事に春蘭の出産が終わりました。

ていうか帝王切開って最初から無理難題を書いてしまいました。

わたしは専門的知識がありませんので見る人が見ればおかしな所だらけかもしれませんがあまり気にしていただかない方がありがたいです。

 

無事に春蘭の出産も終えましたので次は皆様が気になってる愛紗についてですがこれは数話にわたっての物になりますので少しずつ書いていきます。

次回に出産後の話を書いてからは璃々との話に戻りますので楽しみにしていてください。


 
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