No.127765

三人の御遣い 四話

酷い文ですが読んでくれる人がいてくれると幸いです。
基本ゲームのシナリオ通りです。

2010-03-03 00:35:12 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:831   閲覧ユーザー数:712

/京

 

京「ここが、公孫賛がいる街かぁ。・・・とりあえず情報でも集めるか」

と街に着いた京たちは情報収集するために街をまわった。

 

そして、昼を大分過ぎたころに情報収集を終えた京たちは、店で昼食をとろうとしたが、

京「・・・昼飯食べる前にお金を何とかしないとな。旅の途中は果物で何とかなったが」

桃香「うっ」

鈴々「・・・そうなのだ」

愛紗「・・・どうしましょうか?ご主人様」

京の言葉を聞き三者三様の反応を見せた。

京「う~ん。お金って後どのくらいある?」

桃香「私たちのお金は愛紗ちゃんが全部管理してるの。愛紗ちゃん、どれくらいあるの?」

愛紗「これだけです」

そういって愛紗は京にお金を見せくれたが、

京「・・・悪いけど、それがどの位なのか分からない」

京には分からなかった。

愛紗「あと四人分の食費代くらいです」

京「ん?それじゃ、前の街で払えなかったのは?」

と金額を聞いた京は疑問に思った事を訊いてみた。

愛紗「・・・それは、ご主人様のご相伴にあずかろうとして・・・ですね」

京「・・・食べ過ぎたと」

愛紗「・・・はい」

京「・・・はぁ」

と京はため息をついた。

桃香「・・・」

と京のため息を見た桃香は少し落ち込んだ。

京「ん?どうした?」

桃香「・・・私たちの事呆れましたか?」

と桃香が不安になりながら京に訊いた。

京「はっ?」

京は何を訊かれたのか一瞬分からなかったが、さっきのため息の事だと気付いた。

京「・・・あぁ、いや違う違う。さっきのは自分に対してだな」

と桃香の頭を撫でながら答えた。

桃香「っ!?・・・///」

愛紗「どういう事です?」

京「旅の人に奢って貰おうとしていた、自分に対して呆れただけだ。しかも女の子たちに。・・・だからこの件はお互いさまという事で忘れるとしよう。なっ?」

桃香「・・・はい///」

とまだ頭を撫でられていた桃香は顔を紅くしながら返事をした。

京「とりあえずお金ある分だけでいいから何か食べるか。・・・鈴々は食べるの少し抑えような」

鈴々「ええ~なのだ」

と京の提案に鈴々は反対した。

京「今は我慢してくれ。公孫賛の所に行って沢山食べればいいから」

鈴々「う~。・・・分かったのだ」

と鈴々は何とか納得した。

そして、昼食を終え、京は三人に話しかけた。

京「とりあえずご飯も食べたし、得た情報を整理しようか」

桃香「はい」

そして、四人は情報整理を始めた。

京「まず、この辺りに巣くう盗賊の規模は、約五千人と云ったところだそうだ。対する公孫賛軍は約三千人。・・・いくら相手が雑軍だからって、この差は大きい。・・・そこでだ、最も重要なのは、部隊を率いる隊長の質だ」

愛紗「確かに。公孫賛殿の兵といっても、大半は農民の次男や三男などですからね。兵の質としても五分五分。となれば兵を率いる者の質こそが最重要でしょう」

京「そういうこと。・・・愛紗たちは兵を率いた経験ってなかったよな?」

鈴々「無いのだ!」

と鈴々が自信満々に答えた。

京「・・・だよな」

桃香「でもねご主人様。愛紗ちゃんに鈴々ちゃんなら、兵隊さんたちを上手く率いることが出来ると思いますよ?」

京「それは問題ない。俺が保証する。・・・だけどな、例え俺達がそう信じていたとしても、現状では兵隊もいない、ただの腕自慢だ」

桃香「うう・・・それはそうですけどぉ。・・・でも、じゃあどうすればいいんですか?」

鈴々「簡単なのだ!公孫賛のおねーちゃんのところへ行くときに、兵隊を連れて行けば良いのだ!」

京「鈴々正解だ。少数で良いんだ。とにかく兵を率いて合流するってことがこの際重要だからな。・・・そういう訳で、俺達は俺達で義勇軍を募った方が良いと思うんだが、みんなの意見はどうだ?」

愛紗「それはもちろん、異論はありませんが。だけどどうやってです?」

京「いくつか案はあるが」

桃香「さっすがご主人様!それでどんな案なんですか?」

京「金で雇うか、腕相撲などで街の腕自慢を負かして手下にするとかなんだが、・・・金で雇った方がいいか」

鈴々「腕相撲なら負けないのだ!」

京の提案に鈴々はそう答えた。

京「確かに鈴々なら勝てるだろう。・・・が、それではだめだ」

愛紗「どうしてでしょう?お金のない私たちにとって、それが一番手っ取り早い手段だと思うのですが」

京「まず第一に、すでに公孫賛が義勇兵を募集している。よって腕自慢の奴らはそっちに行ってる可能性が高い。それで第二に、相手を負かすという事は相手の面目を潰す事だ。それでなくとも相手は女の子だ。有名な武将ならまだしも、・・・言っちゃ悪いが、有名でもない女の子に負けたとなると、男は面目丸つぶれだろう。そんな人間が仲間になってくれると思うか?」

桃香「・・・そう言われてみれば」

愛紗「・・・」

京にそう言われ愛紗は少し落ち込んだ。

京「悪かった。今のは言いすぎた。」

と言い京は愛紗の頭を撫でた。

愛紗「っ!?・・・///」

京「けどな愛紗。これは事実だ。分かるな?・・・これから名を挙げて行けば良いさ。焦る必要はない」

愛紗「・・・はい///」

桃香「・・・いいなぁ」

と桃香は愛紗が頭を撫でられているのを見て羨ましそうに小さくつぶやく。

京「話を戻すが、とりあえずお金で雇うのが手っ取り早い」

鈴々「でも鈴々たちにはお金が無いのだ」

京「兵隊を雇う金はないだろう。けど金はそんなに多く必要って訳じゃない」

愛紗「どういうことです?」

京「公孫賛に会うまで、兵隊のふりをしてもらえば良いだけ」

桃香「ん~と???」

と桃香は考え込む。

京「つまりだ。公孫賛の城に行くまで、兵隊っぽい格好をして付いてきてもらう。門番とかから俺達が兵を率いて訪ねてきたと言えば、公孫賛に伝わるだろ?」

愛紗「・・・あっ」

愛紗は京の考えが分かったように呟いた。

京「分かったか?」

愛紗「はい。・・・ご主人様も人が悪いですね」

京「仕方ないさ。兵隊を雇うほどのお金が無いのは変えようがない事実だ。知恵を絞って自分を大きく見せるのも、時には必要だ」

愛紗「ふふっ、そうですね。ご主人様の機略には素直に感服しました」

桃香「うっう~。二人して何話してるの~。私にもご主人様の考えを教えてよ~!」

鈴々「そうだそうだ~!鈴々にも教えるのだ~!」

桃香と鈴々は説明を求めた。

京「・・・二人とも分かんないのか」

桃香「ぜ~んぜん」

鈴々「鈴々も~!」

京「・・・つまりだな。街で半日だけ人を雇って城について来てもらえば、兵隊を率いてきたって誤解されて、うまく行けばそのまま部隊長に任命されるかもって話さ」

桃香「・・・あっ!なるほど~!」

鈴々「お兄ちゃん、なかなかやるのだ」

京「問題は、お金をどうやって調達するかだな。・・・何かお金になりそうな物、持ってたか?」

そう言って京はポケットの中を探ってみた。ポケットの中に入っていたのは携帯と財布と・・・ボールペンだった。

京「(・・・よくボールペンなんて持ってたな。・・・あぁ、そうか友樹にいつも言われてたな。いつどこで必要になるか分からないからと・・・まさか、こんな所で役に立つとは)」

とボールペンを手にとり見ていると

桃香「なんですか?その細いの?」

京「ん?これはボールペンといって筆記用具さ。確かこの世界では文字を書くとき墨を摺って、筆で書くんだよな?」

鈴々「当然なのだ!」

京「けどな。俺達の世界では、こういうのを使って書くんだ。こうやってな」

そう言って京はボールペンを使って文字を書いた。

桃香「すっご~い!文字が書けてる~!」

愛紗「これは・・・さすが天の世界。摩訶不思議なものがあるのですね。

鈴々「スゴイのだ~。お兄ちゃん、それ鈴々にちょーだい!」

京「ダメだ。これ一本しか持ってないんだからな」

手を伸ばしてボールペンを取ろうとする鈴々から逃れながら京は答えた。

京「これを実演して売りに出せば、結構な値段で売れるかもな。どうだ?」

と京は桃香と愛紗に意見を訊いた。

愛紗「はい。これほどのものならば、良い値段をつける好事家もいることでしょう」

桃香「じゃあ私が売ってきてあげる~」

愛紗「いえ。桃香様が行けば足元を見られるでしょう。私が行きます」

京「そうだな」

桃香「え~。ぶ~ぶ~」

京「桃香は駆け引きとか出来そうにないからな。それじゃ愛紗、売るの任せた。頼んだぞ」

愛紗「御意。お任せください」

ボールペンを受け取り、小走りで外へと出て行こうとした愛紗を京が止める。

京「ちょっと待った」

愛紗「何です?」

愛紗は振り返り返事をする。

京「悪いが、さきに俺に合う服を買ってきてくれ」

桃香「どうしてです?」

京「この服だと目立つからな。服を変えないと」

桃香「その方が良いのに~」

京「・・・約束を忘れたか?」

桃香「・・・忘れてないです」

京「だったら分かるだろ」

桃香「・・・はい」

京「そういう事だ。愛紗よろしくな」

愛紗「御意です」

そして愛紗は出て行った。

2時間後

 

京「・・・思った以上に集まったな」

愛紗「ご主人様から預かったぼぅるぺんが、破格な値をつけてくれましたからね。百人ほど集めることが出来ました」

京「それだけいれば十分だな。・・・服もぴったりだし」

桃香「む~」

京が服を変えたのを桃香は不満のようだ。

鈴々「でも、せっかくのお金を全部使っちゃうなんて、やりすぎだと思うのだ。ちょっとぐらい残しておいても良かったんじゃないかな~?」

京「そんなことないさ。愛紗が全部使ったのは間違いじゃない。ここで後のことを考えてお金を残すより、全部使って陣容を整える方が、今の俺達には大切だ。あとは桃香のはったり次第さ。・・・頼んだぞ、桃香」

京は桃香に指示を出したが

桃香「ご主人様がやらないんですか?」

京「・・・いや、桃香の知り合いとは言え、まだ教えるべきではないな。教えるのは公孫賛を実際見てからだ」

と桃香の疑問に京は答える。

京「だから今回は桃香に任せる。いいな?」

桃香「はいっ!任せてください!」

桃香は元気よく答える。

京「それじゃ、行くか」

そうして、四人は兵を連れ公孫賛の城へと向かった。

 

そして城を訪ねた京たちは、門前でしばらく待たされたものの、下にも置かない扱いで玉座へと案内される。その途中

京「そうだ。三人とも」

桃香「何ですか?ご主人様」

京「今から『条件』な」

と前々から約束していた『条件』を発動させる。

桃香「・・・本当にするんですか?」

京「もちろんだ。もしできないならお前たちと別れるからな」

桃香「う~。・・・分かりました」

桃香はしぶしぶ納得をした。

京「愛紗もな」

愛紗「分かりました」

鈴々「鈴々はお兄ちゃんのままでいいのか?」

京「ああ、鈴々それでいい」

桃香「む~。いいなぁ、鈴々ちゃん」

京と鈴々のやりとりを見て桃香は頬をむくれさせる。

 

そして四人は玉座へと足を踏み入れた。

公孫賛「桃香!ひっさしぶりだな~!」

桃香「白蓮ちゃん、きゃ~!久しぶりだね~♪」

公孫賛「盧植先生のところを卒業して以来だから、もう三年ぶりか~。元気そうで何よりだ」

桃香「白蓮ちゃんこそ、元気そうだね♪それにいつのまいか太守様になっちゃって。すごいよ~」

公孫賛「いやぁ、まだまだ。私はこの位置で止まってなんかいられないからな。通過点みたいなもんだ」

桃香「さっすが秀才の白蓮ちゃん。言うことがおっきいな~」

公孫賛「武人として大望は持たないとな。それより桃香の方はどうしてたんだ?全然連絡が取れなかったから心配していたんだぞ?」

桃香「んとね、あちこちで色んな人を助けてた!

公孫賛「ほおほお。それで?」

桃香「それでって?それだけだよ?」

公孫賛「・・・はぁ~!?」

桃香「ひゃんっ!?」

公孫賛「ちょっと待て桃香!あんた、盧植先生から将来を嘱望されていたぐらいなのに、そんなことばっかやっていたのかっ!?」

桃香「う、うん」

公孫賛「どうして!?桃香ぐらいの能力があったなら、都尉ぐらい余裕でなれたろうに!」

桃香「そうかもしれないけど。でもね、白蓮ちゃん。私、どこかの県に所属して、その周辺の人たちしか助けることが出来ないっていうの、イヤだったの」

公孫賛「だからって、おまえ一人が頑張っても、そんなの多寡が知れてるだろうに」

桃香「そんなことないよ?私にはすっごい仲間たちがいるんだもん♪」

公孫賛「仲間?」

それでようやく公孫賛は京たちに気付く。

公孫賛「桃香が言っているのはこの三人のこと?」

桃香「そうだよ。んとね、関雲長、張翼徳、それに天のみ「んんっ」・・・柊京さん」

天の御遣いと紹介しようとした桃香は京に止められ、最後の部分は少し声が小さくなった。

公孫賛「ふ~ん。・・・それでだ。桃香が私を訪ねてきたのは、旧誼を暖めるだけでは無いと思うけど、本当の用向きどういうんだ?」

桃香「うん。白蓮ちゃんのところで盗賊さんを退治するために義勇兵を募ってるって話を聞いて、私たちもお手伝いしようかなと思って」

公孫賛「おお~!そうか。そうしてくれると助かる。兵の数はそれなりに揃っているが、指揮できる人間が少なくて、悩んでいたところなんだ。聞くところによると、結構な数の兵を引き連れてきてくれたらしいけど・・・」

京「(・・・この感じだとばれてるな)」

公孫賛の話の雰囲気で京はそう思ったが、

桃香「あ、う、うん!たくさん居るよ、兵隊さん!」

桃香は気付かなかったようだ。

公孫賛「そうかそうか。・・・で?」

桃香「で、でって何かな?」

公孫賛「本当の兵士は、いったい何人ぐらい連れてきてくれているんだ?」

桃香「あ、あぅ」

とチラッと京の方を見る。

公孫賛「ふふっ、桃香の考えていることは分かる。だけど私に対してそういう小細工はして欲しくないな」

桃香「あぅ、バレてたんだ」

公孫賛「これでも太守をやっているんだ。それぐれい見抜く目を持っていないと、生き残っていけないさ」

と苦笑する公孫賛。

公孫賛「それで、兵の数を訊いてるんだからそれを教えてくれよ、桃香」

桃香「え、え~と、その、・・・あのね」

と京の方をチラッと見ると、京は頷いた。

桃香「・・・実は一人もいないんだ」

公孫賛「へっ!?」

桃香「一緒に旅をしていたのは、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんとごしゅ「んんっ」・・・関羽ちゃんと張飛ちゃんと京さんの三人なんだ」

またも京に止められ、桃香は三人の名を言い直した。

公孫賛「関羽、張飛、柊って後ろの三人のことか?」

愛紗「我が名は関羽。字は雲長。桃香様の第一の矛にして幽州の青龍刀。以後、お見知りおきを」

鈴々「鈴々は張飛なのだ!すっごく強いのだ!」

京「俺は柊京」

公孫賛「う、う~ん。よろしく頼む、と言いたいところだが、正直に言うと、三人の力量が分からん。どうなんだ、桃香?」

桃香「愛紗ちゃんと鈴々ちゃんは、すっごく強いよ!私、胸張って保証しちゃうよ♪」

公孫賛「保証ねぇ。桃香の胸ぐらい大きな保証があるなら、それはそれで安心なんだけど」

と唸りながら、愛紗たちを見つていた公孫賛の後ろから

???「人を見抜けと教えた伯珪殿が、その二人の力量を見抜けないのでは話になりませんな」

と言葉と共に、一人の女の子が現れた。

公孫賛「むぅ。そう言われると返す言葉も無いが、ならば趙雲はこの二人の力量が分かるとでも言うのか?」

趙雲「当然。武を志す者として、姿を見ただけで只者で無いことぐらいは分かるというもの」

公孫賛「へぇ~。まぁ星がそういうならば、確かに腕が立つんだろうな」

趙雲「ええ。・・・そうだろう?関羽殿」

愛紗「そういう貴女も腕が立つ。そう見たが?」

鈴々「うんうん!鈴々もそう見たのだ!」

趙雲「ふふっ、さて、それはどうだろうな」

と余裕を感じさせる笑みを浮かべる少女の姿に

京「へぇ~、あの子が趙子龍か」

と思わず京は呟いた。

趙雲「・・・!?ほぉ」

京「(しまった!)」

趙雲の驚いた顔を見た京は、自分が失言したことに気付いた。

趙雲「そういう貴方こそ、なかなか油断のならぬ人のようだ」

京「・・・」

と京は趙雲の眼を見つめたまま黙り込んだ。

趙雲「我が字をいつお知りになった?」

公孫賛「うんうん。私もそう思う。子龍という字を呼ばなかったのに、柊は何故知っていたんだ?」

京「・・・」

と二人に問われるが京は黙り込んだままだった。

京「(しまったなぁ。どうする?・・・けど趙雲は今後のことを考えたら教えておいた方がいいか。・・・公孫賛は桃香と仲が良いみたいだし、口外しそうにないしな。・・・はぁ、人払いしてもらうか)」

と考えていると

桃香「あ、あのね白蓮ちゃん。この人はね、え、えっとね」

と桃香が狼狽しながら説明しようとする。しかし

京「いや、俺が説明する」

と京に遮られる。

桃香「・・・いいんですか?」

と京に近付きながら言う。そして京は桃香たち三人にだけ聞こえるように話す。

京「悪いが、公孫賛に人払いをお願いしてもらってくれ。あの二人にはちゃんと説明をするが、他はダメだ。・・・人払いが済んだらいつも通り呼んで良いからな」

桃香「・・・はい!分かりました!」

と明るく元気な声で答えた。そして公孫賛の方を向き

桃香「白蓮ちゃん。お願いがあるの。この方の説明をする前に人払いお願いできるかな?」

公孫賛「・・・何故なんだ?」

桃香「お願いします!」

と言い頭を下げた。それを見た愛紗と鈴々も頭を下げた。

公孫賛「・・・はぁ。分かったから頭をあげろ桃香。それでそいつの説明を聞くのは私だけでいいのか?」

桃香「えっと、あと、できれば趙雲さんも」

趙雲「当然だろう」

公孫賛「それじゃ、悪いが皆は出て行ってくれ」

そう言うと他の武将たちが出て行った。そして玉座に残ったのは京達四人と公孫賛、趙雲の六人となった。

公孫賛「・・・それでは説明を訊こうか」

京「ああ。分かった」

そして京はこれまでの経緯を話しはじめた。自分が天の御遣いとなった理由。名前を伏せていた理由。・・・そして、なぜ趙雲の名前を知っていたのか。

京「・・・というわけだ。できれば口外しないでくれるとありがたい」

公孫賛「ああ。分かった」

趙雲「承知した。しかし、噂を聞いたときには眉に唾して聞いていたが、まさか本物の天の御遣いに出会おうとは」

と説明を聞いた趙雲は言った。

京「本物かどうかは分かんないけどな。ただ、俺を本物だと信じている桃香たちのために、本物で居ようとは思うけどな」

趙雲「うむ。・・・ふふっ、なかなかの器量のようだ」

公孫賛「おいおい。私を捨てて柊の下に入るというんじゃないだろうな、星」

趙雲「さて。それはまだ分かりませんな。ただ、・・・天下を憂う者として、徳ある主君に仕えることこそが喜び。・・・さて柊殿がどのような主君となるのか」

京「主君ねぇ。そんな器じゃないと思うけどな」

桃香「でもね、ご主人様は私たちのご主人様だよ」

人前でご主人様と呼べるのがそんなにいいのか、桃香はとても嬉しそうだ。

京「本当はそのご主人様もやめてほしいけどな」

桃香「え~。ダメですよ、そんなの」

愛紗「桃香様の仰る通りです。我らの主になった以上、呼び方なども受け入れて戴かないと」

と桃香と愛紗は京に反論する。

京「まぁ、いいけどな。ちゃんと『条件』を守ってもらえれば」

趙雲「なるほど、それでですかな。先程、劉備殿が柊殿を紹介する時咳きこんでたのは」

京「やっぱ気付いていたか」

趙雲「ええ」

京「まぁ、桃香は嘘とかつけそうにないしな。今後も気をつけて行かないとな」

といい桃香を見る。

桃香「うぅ、気をつけます」

と少し反省はしているようだ。

京「ははっ。・・・まぁ話がそれたが、それでどうだ公孫賛?俺達の参加を認めてもらうことは出来るか?」

公孫賛「・・・ああ。桃香の力は良く知っているし、他の二人に関しても、星が認めるほどの力を持っているようだしな。一抹の不安は残るが、残念ながら当家には他に人物が居ないんだ。今は藁にも縋りたい。私に力を貸してくれ」

桃香「うん!もっちろん♪私、たっくさん頑張っちゃうもんね♪」

趙雲「関羽殿、張飛殿もよろしく頼むぞ」

愛紗「ああ。我が力、とくとご覧じろ」

鈴々「鈴々に任せるのだ!」

 

そうして、公孫賛と共に戦うことになった京たちは、陣割が決まるまで、しばし休息の時を過ごした。

 


 
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