No.125389

真恋姫無双~この身塵になろうとも~呉√9

karasuさん

投稿です。
次回への繋ぎなので短いです。
過度な期待はせずに生暖かい目で見ましょう

<●><●>

2010-02-19 21:50:04 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:18133   閲覧ユーザー数:11991

この作品はキャラ設定が崩壊しております。原作重視の方はご注意下さい。

時代背景がめちゃくちゃです。

一刀くんがチートです。

それでもいいかたはどうぞ。

 

 

コンコン』

一刀「雪蓮。入っても大丈夫?」

一刀は扉をノックして、中に居る雪蓮に入っても大丈夫かどうかの確認をする

雪蓮「どうぞ~」

雪蓮の許可を貰った一刀は扉を開き、部屋の中に入る。中に居た雪蓮は椅子に座り、炒飯を食べていた

雪蓮「ふぉうふぃふぁふぉ、ふぁふふぉ(どうしたの、一刀?)」

勢いよく口に炒飯をかきこみ、頬をリスの様に膨らませながら、雪蓮は一刀に声を掛ける

一刀「雪蓮の様子を見に来たんだよ。それと口を空にしてから話そうよ」

そんな雪蓮に一刀は苦笑いを向けながら目の前の椅子に座る。すると、口の中を空にして、炒飯をたいらげた雪蓮が、食後のお茶を啜りながら

雪蓮「ねぇ。一刀と雅はいつになったら蓮華を認めてくれるの? 私としては、あの子は王になりたてだから二人にも支えて欲しいんだけど?」

そう一刀に言ってきた。それに対して一刀はただ曖昧な笑顔を浮かべながら

一刀「ははは~……」

と笑うだけで、雪蓮の問いかけには答えようとはしなかった

雪蓮「もう。いつも一刀と雅はそうやってはぐらかすんだから。いいもん、内乱の鎮圧を蓮華たちが終えたら冥琳と一緒に詰め寄るから」

そんな一刀の態度に雪蓮は頬を膨らませて、不満そうな表情を顔全体に浮かべるとそっぽを向いた

『コンコン』

雅「入りますよ雪蓮」

雪蓮がそっぽを向いて、一刀がそんな雪蓮をクスクスと笑っていると、そこに雅がやってきた

雅は部屋に入り、一刀の姿を見つけるとその側に寄り添い、一刀にそっと耳打ちをした

すると一刀は、椅子からゆっくり立ち上がりそっぽを向く雪蓮の正面に立つと

一刀「雪蓮。もしも俺たちに何かあったときには、俺の机の棚を調べて欲しい。それじゃ」

それだけ言って、真っ直ぐ雪蓮の部屋から出て行ってしまった。雅も一刀の後に続き、部屋を出る際に雪蓮に一回ウィンクをした

雪蓮「??? 何かって何かしら?」

そんな二人の訳のわからない行動に、雪蓮はただただ首を傾げるだけであった。しかし、その疑問はすぐに解消される事となる

 

 

一刀と雅が魏へと寝返ったのである

 

それは孫権たちが内乱の鎮圧を終えて、城に着く二日ほど前に起こった

一刀と雅は百三十ほどの兵を引き連れ、城から無断で出陣。そのまま魏との国境線を越えて魏国へと侵入した

しかし一刀たちが魏に攻撃される事はなく、一刀たちの偵察に向かった明命の目には優遇されているようにすら見えた

この事実は呉の主要たる人物達に大きなショックを与え、呉の内部では二つの意見が飛び交った

一つ目は、一刀と雅が本気で魏に寝返ったというもの

二つ目が、何か策があってのことだろうというものであった

一つ目の意見は主に一刀や雅と深く関わる事のなかった文官たちの意見で、二つ目の意見は二人と長く付き合いのあった武官たちの意見であった

しかし、呉の面々にこの事を深く考えることは出来なかった。何故ならこの報が呉国中に広がった三日後くらいには、魏が呉の領地を目指して進軍を開始したという報告が国境付近の斥候からもたらされたからである

 

呉の面々が一刀の裏切り、魏の侵攻により混乱している中、雪蓮は一刀の言葉を思い出し、冥琳と共に一刀の部屋へと来ていた

冥琳「一体一刀の部屋に何の用があるんだ雪蓮。今は遊んでいる時では――」

そう雪蓮に言う冥琳の顔には焦りの色が浮かんでおり、頭の中は魏との大戦で一杯であった

雪蓮「ねぇ、冥琳。冥琳ならこの意味解るんじゃない?」

雪蓮が一刀の机の棚を、棚の底に書かれた六つの文字を発見する。それを冥琳が『どれどれ?』と呟きながら覗き込み、息を呑む

そこには、《赤壁》《火》《東南》《風》《虚》《絆》、と書かれていた

雪蓮「最後の一文字で一刀の真意はわかったけど、それ以外がちょっと……」

そう言いながら雪蓮が冥琳のほうを見ると、冥琳の顔は今にも大声で笑い出したいのを必死に堪えているものだった

冥琳「くっくっく。一刀よ、これでは答えそのものではないか……。だがもう方針は決まった。あとは私が上手く動き、一刀と雅殿の行動を無駄にしないようにしなければな」

そこまで誰に聞かせるでもなく一人呟いた冥琳は雪蓮の方を向くと

冥琳「雪蓮。このことは二人だけの秘密にしておいてくれ」

冥琳がそう言うと、雪蓮は腰に下げていた剣で一刀の机をバラバラにして、冥琳に微笑みかける。雪蓮の微笑みを見た冥琳の顔にも、先ほどのような焦りの色は無く、いつもの冥琳に戻っていた

 

曹操「よく来てくれたわね、北郷と程普」

玉座の間の数段高い所に設置された豪華な椅子に座りながら、曹操は一刀と雅にそう声を掛ける

雅「こちらこそ。私たちを快く受け入れてくれたことに感謝いたします」

雅はそう言うと頭を下げ、一刀もそれに続く

曹操「ところで、どうして二人は私の下に来てくれたのかしら?」

曹操が二人にそう問いかけると、玉座に居る魏の軍師三人の視線が一斉に二人に向けられる

一刀「俺は俺を従えるものに王としての、英雄としての器を求める。孫権の器は小さく、この大陸で雪蓮以外に俺が認める器を持っているのは曹操殿だけだったからです」

一刀がそう言うと、曹操は雅に視線を向ける

雅「私も同じです」

視線を向けられた雅は一言そう言った。それに対して曹操は少しの間、二人を見つめ続けていると、次の質問を二人にした

曹操「呉に恩義は感じないの?」

その問いに、先に答えたのは一刀

一刀「俺は程普殿の部下として呉に仕えていただけだ。俸給も程普殿から貰っていたからな……程普殿に恩は感じても呉には感じないな」

一刀がそう答えると、間をおかずに雅が答える

雅「私は多少なりとも恩義は感じますが、この大陸の未来を考えればこの選択に間違いはないと確信しています」

そう言うと雅は真っ直ぐに曹操の目を見つめる。曹操も雅の目を真っ直ぐに見返す

どれほどそうしていただろうか? 雅の目を見つめていた曹操の表情が崩れる

曹操「あなた達の考えは分かった。私の真名は――『ちょっといいか?』……何か問題でも?」

曹操がいざ二人に真名を教えようとした時に、急に一刀が話を遮った

一刀「さっきも言ったように俺は主に器を求める。俺がここに来たのは民たちの風評を聞き、曹操殿なら主と仰ぐに相応しいお方かもしれないと思ったからだ。だが、実際にはこの目で見てみないことには解らない。だから曹操殿、次の戦で俺は曹操殿が俺の主に相応しい人物かを見極めさせてもらう」

一刀がそう言うと、雅も『私もです』とはっきりと言った。二人の意見に曹操の横に控えている夏侯惇が怒りだしそうになるが

曹操「ふふふ。かまわないわよ。存分に私の器を見定めると良いわ。そして、次の戦が終わる時にはしっかりと二人の真名も教えてもらうわ」

夏侯惇が怒り出す前に曹操が自信たっぷりにそう言い切ったため、夏侯惇はタイミングを逃し、一人でほんの少しだけいじけていた

 

 

一刀と雅が魏の寝返ってから四日も経たぬうちに魏は呉への侵攻を開始した。

その軍の中には一刀と雅の姿も見られていた。

 

 

どうもkarasuです

いかがだったでしょうか? 楽しんでいただけたでしょうか?

今回、一刀くんと雅さんには魏に行ってもらいました。まぁ……さすがに理由はお分かりですよね

それと、次回は書き方が少し変わって、個人視点(一刀くんと雅さん)がメインになると思います。

 

 

ここまで読んでいただきまことにありがとうございます。

これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います。


 
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