真・恋姫無双 二次制作小説 魏アフターシナリオ
『 想いの果てに掴むもの 』蜀編
第12.5話 ~ 陽だまりのにおいの中で ~
今回は番外編的な話です
最近、ちんきゅー・・・ねねの様子がおかしい
魏から人が来てから、ねねは前より明るくなった
皆とも仲が良くなったように見える。
それは良い事だと思う。
恋以外の人と仲良くなるのは良い事だと思う。
恋は闘う事しか知らないから、きっとその方が良いと思う。
ねねが、居ないと寂しい。
でも恋には、せきと達が居るから一人ぼっちじゃない。
ただ、ねねがおかしくなるのは困る。
ねねは、最近いきなり考え出したと思ったら顔を赤くして、その後落ち込む
その事について聞くと
「うわぅ、ねねは別にあんなやつの事なんて考えておりませぬぞっ!」
と言って、顔を赤くして否定する。
あんなやつ・・・ねねがそう指しているのは、魏から来た男の人
ねねの恩人で、かずとと言う。
ねねは最近かずとと共にしているのをよく見る。
その時の ねね はなんだか嬉しそうだ。
でも、よく『ちんきゅーきっく』をしている。
ねねが、あれだけ同じ人に『ちんきゅーきっく』をしているのは初めて。
いつもは『ちんきゅーきっく』された人は、ねねからすぐ遠ざかる。
でも、かずとは気にしずに ねねに話しかけている。
かずと 良い人 ねねの友達でいてくれる。
ねねも『ちんきゅーきっく』をした後、独りになってその事で何か落ち込んでいる。
きっと友達にしてはいけない事だと分かって反省しているのだろう。
恋も友達に『ちんきゅーきっく』をするのは良くないと思う。
なんで『ちんきゅーきっく』をするんだろう。
かずと優しい人、先日も ねねを優しげに撫でていた。
ねねは文句を良いながらも、とても嬉しそうだった。
それがあまりに嬉しそうだから、恋も ねね の真似をしてみた。
最初は恋は撫でられなかった。
でも風が何か言ったら、撫でてくれた。
とても、暖かかった。
『 良い子良い子 』
思い出せないくらい昔に聞いた声が聞こえた。
顔ももう思い出せないけど、その人は、恋を守ってくれた。
良い子だと抱きしめてくれた。
そう言われる度、抱きしめられる度、ぽかぽかと、体の中が暖かくなった。
かずとは、そんな暖かいお日様の様な感じがする。
でもちょっと違う、かずとが笑うと、何故か顔まで温かくなる。
それは嫌じゃない、むしろ心地よい。
昨日、かずとがお礼だと言って、天の国のお菓子を作ってくれた。
『ほっとけいき』と言うらしい。
甘くて暖かくて、とても美味しかった。
途中何度か、恋の頬に付いた食べかすを取ってくれた。
食べかすはそのまま一刀の口に入っていく、それを見て何故か顔が熱くなった。
でも、まだ『ほっとけいき』が残っていたので、そのままにした。
全部食べたら、なんだか眠くなったので、そのままかずとにもたれてお昼寝。
一刀からとても良いにおいがした。・・・なんだか幸せ・・
今日雛里に『ほっとけいき』の事を話したら、試作と言って作ってくれた。
かずとのより美味しかった・・・でも、かずとのより美味しくない。
美味しいのに美味しくないなんて変・・・何故だろう
その事を言うと、雛里は驚いた顔をした後顔を赤くして
「あわわ、恋さんの思っている事は大切でしゅ、た・大切にしてくだしゃい」
と、言ってきた。
よく分からないけど、分かった。
ただ分からないのが、それを聞いていた ねね が
「あんの、女ったらしめ~~~っ! よくも恋殿の純情をっ」
と、言って部屋を飛び出していった。
よく分からないけど、たぶんかずとの悪口・・・そう思うとなんだか悲しい
口にした『ほっとけいき』が、何故かまた美味しくなくなった。
悲しくなったところへ雛里が
「一刀さんと楽しかった事を考えて、食べてみてください」
雛里の言うとおりにしてみる。
不思議だ。
かずとと一緒に食べたときに近いくらい美味しく感じた。
雛里は凄い
そう言うと雛里は、違いますと言って優しく微笑む
そして
「一刀さんと一緒に食べると、きっともっと美味しいですよ」
よく分からないけど、雛里が言うのだから本当だと思う。
だから、雛里の言うとおりにしてみようと思う。
そこへ
「ちんきゅーきーーーーーーーーーーっく!」
どごーーーーーっん!
「ぐほああぁぁぁぁ!?」
ねねとかずとの声が聞こえる。
雛里に礼を言って、残った『ほっとけいき』をかずとの所に持って行く事にする。
一緒だと、冷めてしまった『ほっとけいき』も温かいと感じる気がするから。
あとがき みたいなもの
こんにちは、うたまるです。
今回はちょっと番外編で、恋視点で書いて見ました。
原作で一刀は、恋→ねね と落としていますが、今作では順番を変えたうえ、恋の純情さを強調して書いてみました。
やや、やりすぎたかなーと言う感はありますが、自分では気に入った作品となったつもりです。
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『真・恋姫無双』魏END後の二次創作のショート小説です。
今回は番外編です