―思えば、あの時既に、僕は死んでいたのかも知れない――
何ひとつ変わる事のない日常…人の幸せは、きっと、そんな単純なモノ…そう、きっと……
1時間前
僕は、家族と夕食を食べていた。それから、テレビを観て、話をして…
家族の団欒
その時はまだ知らない、家族と過ごす最後の時間…
頃良い時間、何もする事も無くなった僕は、2階にある自分の部屋に戻り、学校の宿題をやった。
ふとある時、家のチャイムが鳴った。どうやら、誰かが来たらしい。僕は、気にせずに勉強を続ける…が、数分後、何かが倒れるような音が階下から聞こえた。
気になった僕は、部屋を出て、音のした階下に耳を澄ます。しかし、テレビの音しか聴こえず、仕方がなしに1階へと降りた。
廊下には、足跡がある。土足で上がり込んだのだろう、足跡は居間へと続いている。
僕は、その足跡を追って部屋へ入る。
燃えるように赤い空間
それは、倒れている両親から発生したのだろうか…
何があったのだろう?ピクリともせず、動かない…
その時、ふと背後に人の気配を感じた。それと同時に、背中が灼けるように熱くなった。一体何が…?
そして、僕はゆっくりと意識を失っていった…
後日、ニュースで家族惨殺事件が報じられた。
しかし、僕は何も知らない。
唯ひとつ覚えているのは、燃えるように赤い…
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説明のしようが無い;
激短編連作1弾です。