No.119385

蔡琰の日々 ~恋姫春秋~ 第3話

ユングさん

真・恋姫†無双魏ルートの二次創作です。
過度な期待をせずにお楽しみください。

2010-01-19 03:27:43 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2950   閲覧ユーザー数:2685

 

私は今、春蘭さんに案内されて、曹操さんとの謁見に向かっている。

 

 

それにしてもこの屋敷の立派なこと。

 

真っ白な漆喰を塗った壁。

方形に切り出された石を敷き詰めた廊下。

鮮やかな朱色の円柱。

 

今まで街の市場や食堂はもちろんのこと、他の刺史の屋敷に立ち寄ったこともある。

 

でもこれほどの威容を誇る建築物は見たことが無い。

 

此処の主-曹孟徳がどの様な人物なのか、興味が湧かずにはいられない。

 

 

「そうだろう!!華琳様はこの街の治安を守り、産業を栄えさせることに日々心を砕いておられる。この様な立派な城に住まうにふさわしいお方だ。」

 

「なるほど、会うのが益々楽しみになりますね。」

 

 

…って

 

「え、なんで今の心の声に相槌を打てたんですか!?」

 

「はぁ?普通に声に出ていたが」

 

「……出てたんですか?」

 

「貴公随分と抜けた性格をしているのだな」

 

何故だろう、貴方に言われるとより一層傷ついた気がします。

 

 

「華琳様!蔡昭姫どのをお連れ致しました」

 

大広間の中心、大きな椅子に座す陳留刺史-曹孟徳。

 

-この人が…

 

曹操さんというのは、この目の前の少女の母親か祖母くらいの歳だと思っていたけど。

 

でも、この少女は街一つ治められるだけの才気を持っているに違いない。

 

むしろ地方でくすぶるどころか、自ら大陸を疾駆し、天下を統一せんとする覇気。

 

そしてその覇気が、自らの才能を広く世に活かしたいと思う者を惹き付けることだろう。

 

 

「はじめまして蔡先生。遥か西方よりこの陳留に来てくれたこと、心から感謝するわ。」

 

「これは恐れ入ります曹操様。こちらこそ私のような田舎者を招いて頂いたことを嬉しく思います。」

 

「それは礼には及ばない。むしろ、その喜びを蔡邕様に伝えて欲しいわ。」

 

 

「………父さん」

 

 

 

「今、蔡邕様の墓にお参りする? それとも少し休んだ方が良いかしら?」

 

「…案内してもらえますか、父のところに」

 

 

 

 

 

 

 


 
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