No.118601

恋姫無双~正義の柱 第六話

後ろの人さん

車の免許を取るのに忙しい今日このごろ
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回はなんだか段々投稿の間隔が開いてきた気がする第六話です。

2010-01-14 23:42:56 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2248   閲覧ユーザー数:1969

 

『お客様は神様です!!』

 

開店してより約二年もの時間が経ちました、よろず屋〝首狩亭〟

開店当初は小さな一軒屋でしたが今ではこんなに大きな店になりました。

〝首狩亭〟では食品・服飾・家庭用カラクリ・書籍・その他雑貨などを取り扱っております。

ここまで事業を拡大できたのも全て皆様方のお力添えあってのことです。

 

本日は開店記念ということで売品全て一割引とさせていただきます。

ぜひ、よろず屋〝首狩亭〟!〝首狩亭〟をよろしくお願いいたします!!

 

「ふう………いや~、忙しいですねぇ……」

 

さて、私が何をやっていたかというと本日開店二周年(仮)を迎えたので、

お客様への感謝の気持ちを込めたセールのお知らせを社長である私自ら店先で行っていたのです。

しかしそのおかげで私の〝首狩亭〟は大繁盛ですよ。

 

「あのちょっといいですか?」

 

「はいはい、なんでしょうか♪」

 

なかなか可愛い娘が声をかけてきましたね。

今の私はとても機嫌がいいので大抵のことはしてあげますよ。

 

「えっと、お城……」

 

「の前に、美味しい料理食べさせてくれるところ、教えてくれよ!」

 

「ちょっ!文ちゃぁん!」

 

「料理ですね?でしたらあちらにある食事処〝首狩料亭〟がよろしいかと思います。

 いまなら開店記念ですので全品一割引と大変お得となっております」

 

全力の営業スマイルで対応した結果、二人とも〝首狩亭〟で食事をとることになりました。

その途中で季衣と会い華琳さんと秋蘭先輩とも出会い五人で食事をとることになりました。

 

私ですか?私は仕事が忙しいので食事どころじゃないですよ。

 

店に入るとすぐに店員がやってくる。

 

「いらっしゃいませ!あっ、シャッチョサン!どうかしたんですか?」

 

「いえいえ、お客様をお連れしただけですよ。曹操様もいますので特別席に案内してください」

 

「了解しました~」

 

おや?今、華琳さんのことを曹操と呼んだら斗詩?さんが驚いた表情を見せましたね?

まあ、いいでしょう。お客様は神様です!

 

「しかし華琳さん、最近特によくここに来ますね?」

 

「ええ、そうよ。あの子ね」

 

「あの子って料理人の子ですか?」

 

「まだ若いのに大した料理の腕よ。お抱えで欲しいくらいなのだけれど……」

 

「採用する時に『親友を捜している』的なことを言っていたので無理じゃないですか?

 しかし私達も特徴を聞いて捜しているんですが……除弐威君、なにか情報は入っていませんか?」

 

私の言葉に近くにいた店員の除弐威に話を振る。

 

「今はまだなんとも言えませン……見た目だけではさすがに情報が少なすぎマス」

 

「酒だっ!酒を持って来いっ!」

 

いきなりの大声に会話が中断される。

そこでは酔った大男が怒鳴り声で酒を要求している。

他の客は平然と食事をしている、あの男はよそ者ですね……

 

「すみません、お客様。他のお客様のご迷惑になりますのでもう少しお静かに……」

 

「んだてめぇ!客の俺に意見しようって言うのか!?」

 

男は店員に掴みかかろうとする……が……

ヒョイッという効果音とともにそれを避ける。

 

「社長~、この人どうします~」

 

「鞠位さん、お客様は神様です。しかしその方はもう客ではありません。ですので…………」

 

私は手で首を斬るジェスチャーをする。

 

「わかりました~♪」

 

「何ごちゃごちゃ言ってやがる!」

 

男は拳を振り上げ殴ろうとする……しかし……

 

「ゲブゥッ」

 

拳をかわされ逆に顔面に飛び膝蹴りをくらう。

 

「馬鹿ですね~、〝首狩亭〟は大きな店なので店員は即、問題を解決できるように様々な訓練をしているんですよ。

 あなたみたいな方も少なくないので店員には一定の武力が必要不可欠なんですよ~」

 

聞こえてませんよ?実際こういうことは最初こそ町人が酔って犠牲になったりしましたが今では引っかかるのは街の外から来るよそ者ばかり。

周りの常連の客はもはや一種のショーとして楽しんでいる。

 

「いや~さすがですねぇ、鞠位さん。ついでにその人〝安武麗羅〟社に搬送しておいて下さい、治療するので」

 

「は~い♪」

 

「……店員の名前は覚えてて私の名前は覚えてくれないんですね……」

 

「おや、部下①君じゃないですか?君もいたんですね」

 

「まあ……いいですよ私は……隊長のおかげで収入も増えましたし………ところでさっき話してた人探しの件ですが」

 

「何か知っているんですか?」

 

「いえ……特徴って確か『食べるのが大好きで力持ちの少女』でしたよね?

 それってもしかして許緒将軍のことじゃないんですか?」

 

『………………………………』

 

「…………………にゃ?」

 

なんという盲点!

 

「典韋君、すぐにこっちに来てくれませんかー!」

 

「は~い、なんですか社長?」

 

私は隣の食欲の塊みたいなのを指差す。

 

「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」

 

「あ~、流琉~♪どうしてたの?遅いよぅ」

 

「遅いよじゃないわよ~っ!あんな手紙よこして私を呼んだと思ったら、なんでこんな所にいるのよ~~~~~っ!」

 

「ず~っと待ってたんだよ。城に来いって書いてあったでしょ~!」

 

「季衣がお城に勤めてるなんて冗談としか思わないわよ!どこかの大きな建物をお城と思ってるんだと思って…もぅっ!」

 

二人は店の中でケンカを始めてしまった。

ていうかこの流れだとこの娘が典韋ですか?

私の中だと典韋って斧もったハゲのイメージしかないんですが………っていうか

 

「やめろ!!!!!」

 

私は羅刹のような形相で二人を怒鳴りつける!

 

「それ以上私の店で騒ぎを起こす気なら二人ともひねり殺すぞ!!」

 

二人を黙らせて外にたたき出す。

外でまたケンカを始めようとするが二人組が止めたようだ。

 

なんでも二人はあの顔良と文醜だったそうです。誰だっけ?

まあ、ともかく二人は袁紹から董卓を討つ連合への参加を華琳さんにもちかけてきた。

当然華琳さんは名をあげる為に連合に参加することになりました。

 

なるほどねぇ……董卓のゴミ野郎を殺しにいく祭りですか……

久しぶりにおおっぴらに悪人を虐殺できるってことですかぁ……うれしいなぁwいいことは続きますね。

 

え?季衣と流琉(典韋)ですか?

かなり揉めてましたが無事に収集し典韋は皆に真名の流琉を許して華琳さんの傘下に入りました。

 

さて、あれから何日か経ちまして今は連合の集会に参加しようかというところです。

 

「お~っほっほっほ!お~っほっほっほ!」

 

感想はなしだ! 理由? 解りませんか!?

 

「久しぶりに聞いたわね。その耳障りな笑い声……麗羽」

 

「華琳さん、よく来てくださいましたわ」

 

とりあえず諸侯の皆さんの自己紹介を聞きましょうか?

 

「幽州の公孫賛だ。よろしく頼む」

 

「平原郡から来た劉備です。こちらは私の軍師の諸葛亮」

 

「よろしくお願いします」

 

えっ、諸葛亮!?Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)どこどこ!?

ああ……あれですか……そうですか………

………かっこいい羽扇子持った人だと思ってたのに(´・ω・`)

 

それから馬超、袁術、孫策とどんどん紹介がおわりました。

 

そしてお互いの自己紹介は終わり。

華琳さんは汜水関では他の軍の観察のみで戦わずに虎牢関の指揮権を手に入れ虎牢関攻略へと向かうことになりました。

 

え~汜水関殺らないの?暇だなぁ~先方は劉備だし。

でもばれなければちょっとぐらいは…………ね♪

 

戦場では劉備の挑発にひっかかった華雄が関から出てきて包囲されている。

最初に劉備軍が華雄隊を受け流したので我々も巻き込まれているという状況。

私としては願ったりかなったりですね♪

いつもどおりギロチンで敵の首を刎ね飛ばしながら前進していく。

 

つまらんなぁ……少し遊んでみるか?

 

「我が名は神崎士郎!私を倒せる者はいるか!」

 

「ここにいるぞー!……じゃなくて我が名は高順、その首貰い受ける!」

 

首を貰うだと?それは私の専売特許だ!

 

「死ね!無駄無駄ァーーーーーーッ!!」

 

「くっ!」

 

高順は斬撃をかろうじて受けきるが武器にヒビが入る。

クズでは所詮この程度か…………

 

「所詮、悪は正義に勝てんのだよ!」

 

トドメをさしてやる!

 

「デタラメを言うな!董卓様を悪人に仕立て上げたのは貴様等ではないか!」

 

「は?」

 

動きが止まった………目の前に刃が迫る。

だが、そんなことはどうでもいいんですよ。

董卓が悪じゃない?………じゃあ私はなんの罪もない人間を殺したのですか?

……なら私は正義じゃない?……なら………私は………………

 

「隊長!」

 

部下の声で正気に戻り目前に迫る刃を砕き高順の首を刎ねる。

アレ?今、殺した?また罪もない人を?

 

「隊長?どうしたんですか!?」

 

「なあ……部下①君……君は董卓のことをどう聞いている?」

 

「は?どうって………洛陽で暴政を強いている大悪人でしょう?それがなにか?」

 

「ああ………そうですよね?私は………間違っていない………ですよね?……」

 

そして汜水関は連合側が勝利し孫策軍が汜水関をおとした。

しかし私はそんなことに気を回す余裕がない……董卓は悪か否か?

 

そうしている間にも連合は動き虎牢関についてしまった。

いまだ私の疑問に答えは出ていない………がとりあえず戦おう。

 

何を考えているのか董卓軍は虎牢関から出て来た。

どうせ華雄あたりが勝手に出てきたんだろうな………

 

「それじゃあ私は呂布の方を殺りにいきます………」

 

「………………大丈夫なの?」

 

「………何がですか?」

 

「いいわ………行ってきなさい」

 

「………了解………」

 

私は幽鬼のように呂布がいるだろう場へ向かった。

 

「………無事に帰って来なさいよ………」

 

その言葉は私に届かなかった………

 

「はあ……………なんだか乗り気しないなぁ………」

 

「………………枕の人?」

 

何のことですか?

ああ、あの時のことですか。

 

「今回は敵ということになりました、神崎士郎です」

 

「………………敵」

 

呂布から尋常じゃない殺気が向けられ方天画戟が振り下ろされる!

当然避けますよ?こんなもの受けるわけないじゃないですか!

 

「まってくださいよ………私は話を聞きたくてですね………」

 

「……敵は………………殺す!」

 

「聞く耳持ちませんか……仕方ないですね………無力化して聞き出しましょうか」

 

仕方がないから戦いましょう……………ブチコロスッ!!

 

「ああー!うざってぇ!全部ぶっ壊れちまえ!!」

 

「………鬱陶しい」

 

俺はギロチンの不可視の斬撃を八太刀、呂布に叩き込む

しかし呂布はたやすくそれらを全て打ち落とした

 

「………………今度はこっち」

 

そういうと同時に視界から呂布が消え目の前に現れる。

 

「嘘ッ!だろッ!」

 

呂布が方天画戟を振り下ろす

咄嗟に右手のギロチンで方天画戟の一撃を受け止めたが………

 

ズドォン!

 

どこからそんな力が出てるのか……俺の足が地面に若干めり込んだ

そしてそのまま回転蹴りを俺の横腹に叩き込む

 

「ぐっ!」

 

ミシッ!

 

いやな音がした

骨にヒビが入ったかな?

しかし………………痛い………

 

「いたい…………いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい痛い!」

 

何年ぶりだろうか……心の底から痛いと思う攻撃をくらったのは………少しだけ……嬉しい……

 

「………武人の心とかそういうの持ってなかったと思うんだけどなぁ……」

 

「……………………?」

 

単純に戦ってみたいと思うのは初めてだ!

 

俺は氣を整えギロチンに送り込む

 

「何でもないねえよ!シャッ、ハッ!!」

 

先程と同じ八太刀の斬撃

しかし今度は威力も速度も段違いだ

 

「ッ!!」

 

ガギンッ!!!!

 

呂布は先程と同じように軽くなぎ払おうとしたが寸前で全力で迎撃する

しかし私はそのときすでに呂布の目の前に移動してギロチンを振り下ろしている

 

「覇ッ!」

 

ガオンッ!

 

当たる直前で呂布は後ろに退くが斬撃の余波をうけ動きが止まる

こちらも渾身の一撃を撃ち動きが止まる

 

「俺は一応前に居た所じゃあ最速ってことになってたんだがねぇ?」

 

常人では見切れるはずは無く、ナマクラなら容易く断つ剣撃の嵐

それらを呂布は容易に一撃のもとに相殺する

 

そして互いに同時に動き武器が交差する

 

ヒュンッ、フォンッ、ガンッ、ギインッ、ガインッ!

 

「GA―AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

 

「………ふっ!」

 

獣の如き咆哮を上げながら圧倒的な速さで十、二十と斬撃を繰り出す

その常識を超えた速度の斬撃も呂布の一撃の前に容易く弾かれる

 

「GRYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」

 

十放ち防がれたなら次は二十

二十放ち防がれたなら次は三十

 

呂布という名の理解を超えた超絶の魔人を相手に段々と速度が増す

もはや一度に放たれる斬撃は百を超えようとしているが尚、呂布は底を見せない

 

「ッ!!!」

 

「ハッ、ようやく底かァッ!!」

 

百の斬撃を超えてようやく呂布が処理限界をむかえる

瞬時に間合いを詰めて呂布の腹に蹴りを打ち込む

 

ズドンッ!

 

「!!」

 

蹴りとは思えない音がして闘神が十㍍ほど後ろに吹き飛ぶ……

常人なら内臓破裂するだろう蹴りをうけて平然としている

あえて言うなら少し痛かった程度だろう

 

「…………痛かった」

 

それがスイッチだったのだろうか?

おそらく呂布の本気と思われる力を見ることになった

 

繰り出される斬撃

 

刺突から始まり、切上、胴、唐竹、横一文字、反撃する間もない

順番が出鱈目ならばその威力、放つ速度もまた出鱈目

 

方天画戟があらゆる角度から放たれ柱を追い込もうとする

到底人間に捌ける速度でも威力でもない

初めの一撃で死に、次の一撃で死に、その次でもやはり死ぬ

 

人間ならば

 

俺は先程、呂布に放った以上の数の斬撃を方天画戟に撃ち込み軌道をずらす

しかしそれだけだ、一撃目を凌いだと思えば二撃目がくる

故に後の斬撃や体術に繋げることができない

 

高速で繰り出される方天画戟の一撃

そしてそれをゆうに上回る速さで繰り出されるギロチンの刃の嵐

 

必殺の一撃

繋げる乱撃

 

もはや将ですらその動きを見切ることはできないだろう戦い

あるいは永劫に続くのではないかと思わされる果て無き戦い

 

しかしそれは唐突に終わりをつげる

 

「シャッ!」

 

「………ちっ!!」

 

俺は剣撃の合間に目くらましの為の一撃を地面に放ち土煙をあげさせる

しかしこの呂布に目くらましなど通じるはずもなく容易く俺の姿を捉え刺突を放つ

しかし………………

 

ガキンッ!

 

「!?」

 

「ハッ、ようやく釣れたな阿呆がッ!!」

 

俺へ向けて放たれた必殺の刺突は奇形の刃に絡めとられ地に打ち付けられている

その刃は表現するなら巨大なハサミ、方天画戟を挟み込み地に縛り付けている

 

罠にかかった獲物を哂い勝利を確信しギロチンの一撃を撃ち込もうとする、……が

 

「鬱陶しい!」

 

バキインッ!!

 

「――――――は?」

 

何が起こったのか理解できない

方天画戟を封じていたハサミが跡形もなく砕かれた

このギロチン程ではないにせよ名刀と呼ばれる部類の刃がいとも容易く

 

「―――――――!!」

 

上段から呂布の方天画戟が堕ちて来る

一瞬の思考の停止により防御も回避も遅れた

 

「――――チッ!」

 

咄嗟に背を逸らし避けようとする

腕で払えば後に即座に切り伏せられる

しかし………

 

「――――――――くそが」

 

かわすことができない

かわせる体勢ではない

どのようにしてもかわすことはできない

 

呂布は愉しんでいる

自身と対等にわたりあう鬼神の存在に

呂布は失望する

所詮この男も自身を討つに至らないと

 

方天画戟から繰り出される一撃が空気を切り裂くようにして襲い来る

咄嗟にギロチンで戟を押し留め胸板から左の肩口までを切らせ後方に飛び退いた

 

かろうじて即死は免れたが致命傷には違いない

 

「ぐ、う!」

 

口から血が溢れ出る

 

「あーやばい。これは死にそうか?」

 

呂布が勝利を確信する

 

「…………これはやりたくなかったんだけどねぇ……」

 

勝利を確信して尚、呂布に油断は無く技は冴える

方天画戟の刺突がくりだされまともに受ければ常人なら確実に死ぬだろう

 

だからあえて受けた

 

自分から腹に方天画戟を突き刺し固定する

これにはさすがの呂布も驚いて一瞬思考が停止した

 

「―――ギ、ギヒャ、ギギ、ギヒャハハハハハハハハハハハハハハハハ

 ごぼっ、が、これは本当にやりたくなかった………」

 

俺は哂う。

即死は免れたとはいえ依然、致命傷を負っていながら

ところで呂布よ、貴様今どこにいるかわかっているのか?

貴様は私を斬っている、貴様の間合いは私の間合いだ。

 

「ハ――はハ、ハはハハ、は―――――トドメだな………」

 

呂布が思考停止から回復し俺にトドメを刺そうとする

 

駄目、だめ、ダメ、速さで俺に勝てる奴は今の所知らない

だから………………それじゃあ些か遅すぎる

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄

 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ―――――――ッ!!!!!」

 

相手が超絶の魔人である以上生半可な方法では捕らえることなどできない

半端に痛めつけて逆襲でも受ければ流石に今度は死んでしまう

全霊で繰り出す拳の弾幕を受けて呂布は吹き飛んでいく

 

ゲボッ!方天画戟が無理やり引き抜いていきやがった

武器ぐらい置いていけよ!

 

呂布は起き上がってこない

死んだわけではなく気絶しているだけ

 

「さすがの呂布もこれをくらって起き上がる程の化物じゃないか?

 ああ、ならば俺はまだかろうじて人間だな」

 

しかしこれでは生け捕りにした意味が全くない

 

「アレ?俺ってなんで呂布を生け捕りにしようと思ったんだっけ?」

 

激闘ですっかり本来の目的を忘れてしまった

誰か俺に答えを教えてくれないかねぇ?

 

「あなたの目的は董卓の暴政の真偽を確かめることですよ。

 万が一悪でないものをあなたが殺したのならそれはあなたの存在意義に関わりますからねぇ?」

 

「ああ、そういえばそんな目的が………なんだか聞き覚えのある声だな………………」

 

他人の空似というやつか?声の

 

「いえいえ、間違いなく私はあなたの知り合いですよ?

 旧特殊諜報改造部隊〝ペンタゴン〟所属〝正義の柱〟神崎士郎殿」

 

俺は後ろをゆっくりと振り向く

 

 

 

そこには………………

 

 

 

「やあ、士郎。元気にしてるかい?僕はいつもどおりだよ。ところで――――」

 

 

 

間違いなく狂者揃いの部隊に所属していた………

 

 

 

「先輩、また会えてとってもうれしいです♪」

 

 

 

二度と顔も見たくないと思っていた………

 

 

 

「本当に会いたかったぜ?神崎ィ!?」

 

 

 

この手で抹殺したはずの四人の魔人が立っていた。

 

 

 

 

 


 
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