No.117074

恋姫小説4~探求の旅路~

おくれてしまって申し訳ありません

四作目です

2010-01-07 11:53:25 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:9715   閲覧ユーザー数:6682

注意

 

 

二次創作です、原作のイメージをぶち壊されたくない方は回れ右

 

 

基本、妄想です

 

 

オリキャラでますよ、嫌な方は回れ左

 

 

強い一刀君が出ます、嫌な方は回れ右左

 

 

誤字脱字多いかも、多めにみてください

 

 

時間軸滅茶苦茶です、あと設定も滅茶苦茶ですそれでもいい?

 

 

以上がいいならどうぞ先にお進みください

 

一刀「うーん・・・・」

 

 

一刀は悩んでいた

目的の町に着き劉備一行と別れた後

町の市にて、末席を借りそこで路銀を稼ぐため

木彫り細工や日用品を売っていたのだが

売れ行きが芳しくない

 

 

一刀「まずいな、このままじゃ野宿だ」

 

 

野宿は慣れているのだが

流石に何日も続くとあったかい布団が恋しくなるのもである

 

 

一刀「しかたない・・・あれをするか」

 

 

そう言って天登に積んである荷物をあさる

 

 

一刀「よし、早速準備を・・・」

 

 

・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

 

そのころ町の門の前にて

 

 

「まったく、星殿が飲みすぎなければこの町にもっと早く着いたんです」

 

「はっはっはっそう言うな稟、酒が飲んで飲んでと言っていたのでな

それは飲まなければ酒に失礼であろう?」

 

「あなたは仙人か何かですか?酒の言葉が分かるなど、子供のような言い訳はやめてください」

 

「まぁまぁ稟ちゃん、星ちゃんのこれは今に始まったわけじゃないですよー、そこは軽く流してあげましょうよー」

 

「風!貴方がそんなに甘やかすから!」

 

「稟よそんなにカッカするな折角の可愛い顔が台無しだぞ?」

 

「貴方に言われても嬉しくありません!」

 

 

 

シャン・シャシャン・シャン・・・・

 

 

「んー・・・お二人とも何か聞こえませんか?」

 

「ん?鈴の音か?」

 

「そのようですね、しかしこのような旋律は聴いたことがありません」

 

「おぉ!どうやらあそこのようですねー行ってみましょう」

 

「あっ!こら!風!、まったく・・・・行きますよ星殿」

 

「うむ」

 

 

・・・

 

・・・・

 

・・・・・

風と呼ばれた少女と後を追う二人が人ごみを掻き分け音の元凶に近づく

 

 

シャン・シャンシャンシャン・シャシャン

 

 

手足に付けられた鈴

そこから響く音色

それは踊り手が舞うたびに旋律を変えていく

 

 

シャンシャン・シャシャシャン・シャンシャン

 

 

踊り手の顔は赤色の隈取が成され

黒と白の二振りの刀身は日の光を浴び輝く

その光景に通行人は足を止める

ある人は音色に耳を傾け

ある人はその踊りに目を奪われる

 

 

「ふむ、見たことの無い舞だなそれに、踊り手が持っている得物あれも見たことが無い」

 

「見たところ商人のようですね、奥に商品が並んでいます客引きと言った所ですか」

 

「・・・・風は・・・・違うと思うのですよー」

 

 

風が否定する、その目はいつも飄々としている物とは違い

真剣に踊り手に注がれていた

 

 

「ほう、では何者だあの御仁は」

 

「天の・・・・御使いかと・・」

 

「御使い?風、貴方はまたそんな事を」

 

「ふむ・・・稟」

 

「はい」

 

「我らが滞在した町で聞いた話、覚えているか?」

 

「あの盗賊団をたった一人で壊滅させた?」

 

「ああそれだ、たしかその話宿屋の亭主が言っていたな」

 

「そうですが、それがなにか?」

 

「たしか、亭主の話ではその者は天の御使いだそうだな」

 

「!・・・しかし仮にあの方が御使いだったとして証拠は?」

 

「それはあれですよー」

 

 

風が指差す

そこには踊り手の商品なのだろう様々な木彫り細工

そして、龍の置物

 

 

「あの龍の置物がどうかしました?」

 

「あの置物、風たちが泊まった宿屋にあった物と同じなのですー」

 

「!?まさか、そんなことが」

 

 

そうこの時代に大量生産の技術はまだない

あるとするなら似せて作るかまたはどこか違う物になるはずである

しかし・・・・

 

 

「完璧に同じものではない、しかし細部が違うだけでほぼ同じだ」

 

「そして、亭主さんの話だとその人は黒の外套、白黒の剣二振り」

 

「・・・・」

 

 

稟が踊り手の側に居る白馬を見る

そこには漆黒の外套、そして踊り手の持っている剣

 

 

「では・・・あの方は本物の?」

 

「その可能性は高いだろうな」

 

「聞いていた背格好も同じようですし」

 

「・・・・・・」

 

 

踊り手を見やる

舞はそろそろ終盤なのだろう

激しく大地を踏みしめ、両の手に握る二刀を雄雄しく振る

 

 

「まぁ、聞きたいことはあるだろうが今はあの舞を楽しもうじゃないか」

 

「そうですねー」

 

「は、はい」

 

 

三人が舞いに集中しだした時

 

 

「盗人だーーーーー!!」

 

 

すぐ側の店から聞こえた大声

その声にすばやく反応する星

 

 

「星殿!!」

 

「わかっている!!」

 

 

自分の得物を構え猛然と走り出す

その時

 

 

「!!・・・・ふっ!・・・・はい!!」

 

 

踊り手が側にあった小石を蹴り上げそのまま蹴り飛ばす

小石は群集をすり抜け盗人の後頭部に当たる

 

 

「ぐえ!」

 

「っ!?」

 

 

猛然と追っていた星

急停止し踊り手に視線を向ける

 

 

シャンシャンシャンシャン・シャシャシャシャシャシャン・シャン!

 

 

踊り手は何事も無かったように舞を踊り続ける

 

 

「ふふ、決まりだな」

 

「ええ星殿は出来ますか?あの動き」

 

「無茶を言え、一連の行動を舞の一部にしながら群集の間をすり抜けさせ当てるのだぞ?

相当鍛錬を積んでも出来ることじゃない」

 

「ではあの人は相当強いのですねー」

 

「ああ、私が本気を出しても勝てるかどうか・・・」

 

「星殿にそこまで言わせるのです、間違いないですね」

 

 

踊り手は二振りの刀を宙に投げる

そしてその場で回転する

鈴の音が激しく響く

落ちてきた二刀を腰に差した鞘で受け止める

そこで踊り手の舞は終わりを告げる

見物客に深々とお辞儀をする

あたりは大きな歓声で満ち溢れた

 

 

「兄ちゃんすげえな!いいもん見させてもらったぜ!」

 

「あの!後ろの簪、いただいてもいいですか?」

 

「兄ちゃん!こっちの置物いくらだい?」

 

「お母さん!あのお面欲しい!」

 

「お兄さん!これおひねりだよ!とっといて!」

 

 

あっという間に囲まれる踊り手

その場は一時騒然となった

 

 

「やれやれ、これじゃ話聞けませんね」

 

「客寄せ効果はあったみたいだな」

 

「星ちゃん、稟ちゃん買ってきましたよー」

 

 

トコトコと人ごみから出てきた風の手にあるのは木彫りのお守りだった

 

 

「風それは?」

 

「旅の安全を願って作ったらしいです、きれいですねー」

 

 

お守りを眺める風

そのお守りは細部まで綺麗に細工されており

民芸品としても通用するほどである

 

 

「ほう・・・この紋様も見たことが無いな」

 

「たしかに・・・こんな精密に細工ができる者は一握りでしょうね」

 

「お客さんが居なくなり始めましたねー」

 

 

踊り手を囲んでいた見物人達はその数を減らし数人が残った商品を品定めしているだけである

その客もちらほらと減り残されたのは風たち一行のみとなった

 

 

「やっとお話が聞けそうですね」

 

「うむ、では行くとしよう」

 

「はいー」

 

 

・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・

一刀「ふー、大盛況だったな天登」

 

 

顔の隈取を落とし売り上げ金を荷物積み込みながら旅の相棒に話しかける

相棒は言葉が分かったようにうれしそうに鳴いた

 

 

一刀「これで当分野宿しないですみそうだ」

 

「そこの御仁」

 

一刀「はい?ああ!さっきのお客さんじゃないか」

 

「おお!風のこと覚えていたんですか?あんなに忙しそうだったのに」

 

一刀「あのお守りは自信作だからね、買ってくれてありがとう」

 

「いえいえ、風が欲しいと思ったから買ったんですよー、御礼を言われるほどじゃないです」

 

「あの」

 

一刀「あっごめんなさいもう商品は売り切れ・・・」

 

「いやいや、私たちは商品を買いに来たわけではなく」

 

一刀「?」

 

 

頭を?で一杯にしている一刀にズバッと風が言う

 

 

「風たちはお兄さんに興味があるのですよー」

 

「ちょ!風!そんな誤解を招くような言い方を!」

 

一刀「興味?」

 

「いやいや先ほどそこで話しておったのだよ、貴殿が天の御使いではないかとな」

 

一刀「天の御使い・・・その話何処で?」

 

「ここから東にある町で、その町は盗賊団に悩まされていたそうです」

 

一刀「・・・・・」

 

「その町の宿屋の亭主にな聞かされたのだ、ある若者がたった一人で乗り込み盗賊団を壊滅させたとな

そしてその若者は天の御使いだと」

 

一刀(やっぱり、目立つもんじゃないな)

 

「そのことについて貴方・・・えーっと・・・」

 

一刀「一刀です、北郷一刀」

 

「名乗るのが遅れたな、私は趙雲」

 

「風は程昱といいます」

 

「私は戯志才といいます、お見知りおきを・・・」

 

一刀「はい、趙雲さんに程昱さんそして郭嘉さん」

 

「!?なぜ私の名を!」

 

趙雲「落ち着け稟」

 

程昱「天の御使いだと言う信憑性がますます増えましたねー」

 

郭嘉「・・・では改めて自己紹介を私は郭嘉と言います、御見逸れしました御使い様」

 

一刀「一刀でいいですよ、名前をいきなり言うのは不躾でしたね、ごめんなさい郭嘉さん」

 

郭嘉「いえ!そんな事はありません」

 

趙雲「ともかく、立ち話もなんだ茶屋にでも行きませぬか?」

 

程昱「そうですねー、でわ行きましょー」

 

 

少し離れた場所にある茶屋

そこは茶はもちろん酒も出しており

昼に酒を飲むものも居る

その店の奥の一席に陣取り

一刀はこれまでの経緯を話していた

 

 

趙雲「ほう、見聞を広めるために旅を」

 

程昱「風達と同じですねー」

 

郭嘉「御使い様でも分からない事がおありなのですか?」

 

一刀「一刀でいいですって、俺は神でも無いし仙人でも無い君達と同じ人だ

この世界の情勢、民達がどうやって暮らしているのかそれが知りたいんだ」

 

趙雲「しかし、貴殿の腕があればどこの勢力にも簡単に仕官できそうなものだがな

それもかなりの位に就けるはずだが」

 

一刀「俺はそんな物には興味は無いし誰かに仕えようとも思わない、今は旅を続けたいんだ」

 

郭嘉「もったいない気もしますね」

 

程昱「お兄さんの様な人は天が見逃すはずないですよー」

 

趙雲「では、いずれ一刀殿はどこかに仕官すると?」

 

程昱「はい、必ずです」

 

 

確信をもって程昱は言う

 

 

郭嘉「風・・・また貴方は・・」

 

趙雲「まぁまぁ稟、よいではないかそれに風がこう言う時はよく当たる」

 

郭嘉「ですが・・・って、何飲んでるんです!」

 

 

いつのまにか趙雲の手には地酒が入った杯

そしてテーブルには徳利

 

 

趙雲「何とは・・・酒だが?」

 

郭嘉「この間の町の事を忘れたんですか!」

 

趙雲「この一本だけだ、ケチケチするな」

 

郭嘉「この間もそう言って何本飲んだと思ってるんですか!!路銀も尽きそうなんですよ!!」

 

一刀「だったら俺がだそ・・・」

 

郭嘉「いいえ!一刀殿!甘やかしてはいけませんよ!」

 

趙雲「一刀殿が出してくれるのならもう二三本・・・」

 

郭嘉「貴方はー!!ついさっきあった一刀殿に何をさせようと!」

 

趙雲「お主は私の嫁かなにかか?」

 

郭嘉「こちらから願い下げです!!」

 

一刀「この二人っていつもこんな感じ?・・・」

 

程昱「そうですねーこんな感じですねー」

 

 

ギャイギャイと騒ぐ二人を尻目にのんびりとお茶を楽しむ程昱

 

 

程昱「そういえばお兄さんの腰に差してる武器、見たこと無いですねー」

 

 

指差す先に一刀の二刀

 

 

一刀「これかい?この時代は両刃の直刀か、やっぱり珍しいんだ、刀って言うんだ俺の国の武器なんだ」

 

程昱「細くてすぐに折れてしまいそうです」

 

一刀「普通の刀もかなり丈夫なんだけどね、これはそれより何十倍も頑丈でね不思議な鉄で出来てるんだ」

 

程昱「不思議な鉄?」

 

一刀「そう、隕鉄って言う不思議な鉄さ流れ星って言えばわかるかな?」

 

程昱「流れ星!?お星様で出来てるんですか?」

 

一刀「まぁそう言う事になるかな」

 

程昱「不思議ですねー、これが流れ星ですかー」

 

一刀「実際はごつごつした岩みたいな奴なんだが・・・まあいいか」

 

 

向こうの言い合いはヒートアップしていた

 

 

郭嘉「ですから!貴方は!って二本目を頼むな!」

 

一刀「そ・・そろそろ止めた方が良くないか?」

 

程昱「そうですねー、では止めましょうかー、稟ちゃん」

 

郭嘉「っ!なんですか!風!今日こそはこの人の」

 

程昱「お兄さんが呆れてますよー」

 

郭嘉「はっ!すいません一刀殿つい・・・」

 

一刀「いいんだよ、喧嘩するほど仲がいいって言うしね」

 

郭嘉「はぁ・・・」

 

趙雲「それにしても」

 

 

二本目の徳利に手をつけながら趙雲が切り出す

 

 

趙雲「あの舞もそうだが、盗人を捕まえた離れ業見事だった」

 

 

杯に酒を注ぎながら言う

 

 

一刀「いや、俺なんかまだまだだよ、師匠たちならもっと簡単に捕まえていたよ」

 

趙雲「貴殿の師匠とやらは仙人なのか?あれをやってみせよと言われてもできる者がこの国に何人いるか・・・

して師匠たちならどうやって捕まえるので?」

 

一刀「そうだな、俺の氣の師匠だったら声で捕まえて、歩行術・投擲術の師匠なら一瞬で倒して一瞬で元の位置にいるし

剣の師匠は殺気だけで槍の師匠は石なんか飛ばさずに得物を飛ばすし、戦場殺人術の師匠は地面を踏むだけで捕まえる」

 

趙雲「・・・・・・前言撤回だ仙人ではなく化け物だ・・・・・」

 

郭嘉「星殿・・・失礼ですよ」

 

一刀「いいよいいよ俺もそう思うし、あの人たちは化け物だよ」

 

程昱「そんな人たちに鍛えてもらってよく生きてますねー」

 

一刀「俺もそう思うよ」

 

 

どこか遠い目をしつつ一刀が言った

 

 

趙雲「しかし、ばけも・・・もとい強者の弟子が目の前にいるとなると武を志す物としては、一度手合わせ

願いたいものだ」

 

 

鋭い目で一刀を見る

 

 

一刀「いつかそうなるよ」

 

趙雲「いつかとは・・・今この場でもか?」

 

 

ピンと空気が張り詰める

 

 

一刀「それは君の本意じゃないだろ?趙雲」

 

 

一刀はやんわりと殺気を流す

 

 

趙雲「くく・・・いい武士に会ったものだ・・・・」

 

一刀「そう言ってもらえるとうれしいな」

 

趙雲「しかも、なんと善い花か」

 

一刀「花?」

 

趙雲「いやこちらの話だ、さて酒も飲んだし行くか」

 

程昱「はいー」

 

郭嘉「そうですね」

 

趙雲「では一刀殿我らは先に宿屋に行かせてもらいますぞ」

 

一刀「ああ、俺はもうすこしゆっくりしていくよ」

 

趙雲「そうですか、でわ」

 

 

別れを告げそのまま勘定をしようとしたその時

 

 

「たすけてくれ!!」

 

 

男が飛び込んでくる

 

 

「おめえ薪売りの庄仁じゃねえかどうしたそんな慌てて」

 

「たのむ!娘を・・・娘を助けてくれ!!」

 

 

庄仁とよばれた男は茶屋の亭主に縋りながら涙を流す

 

 

「おいおい落ち着きなよ何があったか説明してくれ」

 

「ああ・・すまない」

 

 

亭主は庄仁を机に着かせ優しく諭す

 

 

「落ち着いたかい?」

 

「ああ、もう大丈夫だ」

 

「で?なにがあった?」

 

「娘が・・・娘が人攫いに会ったんだ・・・・」

 

「何だって!?」

 

 

店が騒然となる

 

 

一刀「郭嘉さん、人攫いって」

 

 

席を立ち、話を聞いていた郭嘉達に問う

 

 

郭嘉「このあたり一帯を根城にしている盗賊団かと」

 

一刀「盗賊団?人攫いの集団じゃなくて?」

 

程昱「その盗賊団は人攫いを副業としているらしいです、本業の合間に人を攫って奴隷商人に売る

そう言う噂です」

 

趙雲「このあたり一帯の町も自警団を結成して抵抗しているが」

 

一刀「効果は出てないと」

 

郭嘉「そのようですね、自警団といっても装備は乏しく、訓練も受けていない素人、対する盗賊団は烏合の集であっても

軍人崩れや相当な使い手もいます、この差は覆せません」

 

一刀「・・・・・・そいつらの居場所は分かっているのか?」

 

郭嘉「いえ、かなり巧妙に姿を隠しているようで」

 

「たのむ・・・娘を・・・助けてやってくれ・・・・」

 

 

庄仁は机に突っ伏し、涙を流す

しかしそこいらの町人が行ったところで何が出来るのか

せいぜい返り討ちが関の山である

それを分かっているのであろう

店に居るものは顔を伏せている

 

 

「あいつが居なかったら・・・先に逝っちまったかかあに顔向けできねぇんだ・・・・たのむ・・・・」

 

 

悲痛な声が響く

そこに

 

 

一刀「おっちゃん、そいつらの居場所分かるかい?」

 

「へ?」

 

郭嘉「一刀殿!?」

 

一刀「そいつらの居場所、分かってるなら案内してくれ」

 

「あんた・・・助けてくれるのかい・・」

 

一刀「ああ、絶対に娘さんは助けてやるだからもう泣かないでくれ」

 

「兄ちゃん・・・・分かった、案内するよ!ついてきてくれ!」

 

趙雲「一刀殿我らも共に行こう」

 

一刀「いいのかい?」

 

郭嘉「人は多いほうがいいでしょう?」

 

程昱「乗りかかった船ですよー」

 

一刀「ありがとう、おっちゃん!案内頼む!」

 

「ああ!こっちだ!」

 

 

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

町から離れた山の奥

入り組んだ森に守られるようにそれは存在した

 

 

「ここだ・・・・」

 

一刀「砦か」

 

 

昔の戦の名残なのだろう

老朽化した石積みの古ぼけた砦

所々崩壊しているものの堅牢な扉や見張り台などは健在で

それはここに誰かが住んでいる証拠である

 

 

趙雲「さて、捕まった娘たちは何処にいるのか・・・・」

 

郭嘉「大きさからすると地下牢がありそうですね」

 

一刀「・・・・・・」

 

程昱「お兄さん?」

 

 

砦を凝視している一刀を不審に思った程昱が話しかける

 

 

一刀「見張りが10人・・・・中に20・・・地下に5か・・・」

 

郭嘉「一刀殿?」

 

一刀「見張りは弓もちは当たり前として、中だ・・・・、20の内15は即効で殺せる残りの5人は小隊長クラスか

となれば地下は雑魚」

 

「兄ちゃん大丈夫かい?」

 

一刀「趙雲、程昱、郭嘉」

 

趙雲「なんだ」

 

一刀「おっちゃんを連れて地下に行ってくれ、多分東の見張り台の下に入り口がある」

 

郭嘉「なぜ分かるので?」

 

一刀「あそこ、一番弓がうまい奴がいる、そこが重要な所だと言ってるもんだそれにその見張りだけが槍を持ってる

他の見張りは持ってないのに、つまり何かを監視していた痕跡だ」

 

程昱「なるほど・・・」

 

一刀「地下から中に入れるから俺はみんなが地下に居る間に中の奴らを全員倒す」

 

郭嘉「そんな!無茶です!」

 

趙雲「稟、一刀殿なら出来る」

 

郭嘉「しかし!」

 

趙雲「この場で一番武があるのは一刀殿だ悔しいがな、ならば突入する役に適任だ」

 

郭嘉「・・・・・・」

 

趙雲「一刀殿我らはその策でかまいません」

 

一刀「わかった、見張りを殺るから待ってて」

 

 

そう言って一刀は見張り台に忍び寄る

あらかじめ削っておいた木のクナイを構える

そして

 

 

「ぐっ・・・!」

 

「がっ・・・・」

 

 

音も無く、見張りが倒れる

クナイは見張りの咽に突き刺さり声を潰していた

その次もその次も見張りは音も無く静かに消された

 

 

一刀(よし、合図を)

 

 

茂みに向かって大きく手を振る

茂みから四人が地下に続く入り口に入ったのを見届け正門に向かう

 

 

一刀「・・・・・・ふー・・・・・」

 

 

大きく息を吸い

目を見開き

 

 

一刀「はぁ!!!!」

 

 

轟音と共に扉が吹き飛ぶ

 

 

「なんだ!」

 

「だれだ!てめぇ!」

 

 

騒ぎを聞きつけ

続々と盗賊が駆けつける

 

 

「なんだ、ガキじゃねぇか」

 

「どうしてくれんだこの扉!」

 

一刀(やっぱりな・・・・奥にいる五人は動かない・・・・)

 

 

一刀を囲む盗賊15人その奥に居る4人そして鎖に繋がれ血を流している男

あわせて20

 

 

一刀(仲間割れか・・・・)

 

「処刑を邪魔しやがって、何しに来たんだ!てめぇ!」

 

一刀「貴方たちに選択肢を与えに」

 

「ああ?」

 

一刀「攫った人達を解放し改心して働くか・・・・」

 

「なにいってんだこいつ?目障りだ!」

 

一刀「それか・・・・」

 

 

黒き閃光が走る

剣を振り下ろした盗賊の上半身が吹き飛ぶ

 

 

一刀「ここで死ぬかだ」

 

「っ!?このやろぉおぉぉぉぉ!!!!」

 

 

仲間がやられ逆上して襲い掛かってくる盗賊たち

 

 

一刀「答えは・・・ノーでいいんだな?」

 

 

一斉に振り下ろされる剣

 

 

一刀「それなら・・・・」

 

 

キィンッ!

 

 

切りかかった盗賊たちが切り刻まれる

 

 

「ひぃ!」

 

「なんだ・・こいつ・・・」

 

「強すぎる・・・」

 

 

切りかかった五人を一瞬で切り伏せられ

残りの盗賊は恐怖で動けなくなる

 

 

一刀「シィ!!」

 

 

一瞬で間合いを詰める

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

出鱈目に振り下ろされた剣は一刀に届かず

 

 

一刀「はあ!」

 

 

白月にて肩口から腰を切られる

 

 

一刀「ふっ!」

 

 

振り向きざまにクナイを投げる

投げたクナイは吸い込まれるように盗賊を突き刺す

 

 

「こ・・・こんなのに勝てるわけねえよ!!」

 

「逃げんじゃねぇ!!教えた用にやれば問題ねぇ!!」

 

 

隊長格の4人が出てくる

残り8人

 

 

一刀(やっぱり、軍人崩れがいたか)

 

「いいか!一斉に切りかかれ!一人は動きを押さえとけ!」

 

「「「「へい!!!」」」」

 

 

先程とうって変わって盗賊の顔つきが変わる

 

 

一刀(なるほど・・・信頼はされてるようだ)

 

「「「つぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

 

数人が武器を捨て掴みかかってくる

 

 

一刀(なるほど、いい作戦だ・・・でも!)

 

一刀「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!はっ!!!!!!」

 

 

拳を握り大地を踏みつけ闘気を放つ

闘気は掴みかかってきた盗賊達を吹き飛ばす

そこに間を置かずにクナイを飛ばす

 

 

「「「ぐえ!」」」

 

 

そのまま重力に従い地面に落ちる

 

 

「だ・・・だめだ・・・・」

 

「アニキ?」

 

「あいつは強すぎる!!逃げるぞ!!」

 

「へ?まってくだせい!!」

 

 

その光景を目の当たりにした盗賊達は裏口からの逃走を試みる

 

 

一刀「逃がすかよ!!」

 

 

盗賊達を追いかけるため走り出すと同時に最後のクナイを投げる

 

 

「ぐえ!」

 

「ぎゃあ!」

 

「がっ!」

 

 

残り2人

 

 

「このまま逃げ切れる!」

 

一刀「と、でも思っているの?」

 

「!?」

 

 

加速し盗賊達を追い抜き最後の一人に立ちふさがる

 

 

「ちぃ!でやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

一刀「切り掛かって来るかその意気やよし・・・でも」

 

 

二本の閃光にて体を切られる

 

 

一刀「相手を見極めなよ・・・・」

 

 

刀に付いた血糊を振り落とす

 

 

一刀「さて・・・・」

 

 

鎖に繋がれた男に歩み寄る

 

 

「・・・・・・・」

 

一刀「まだ生きてるか?」

 

「なんとか・・・・生きております・・・」

 

 

低い声で途切れ途切れ話す

 

 

一刀「貴方は?」

 

「私は巌創、もと軍人です」

 

 

繋いでいた鎖を断ち切る

 

 

巌創「たすかりました・・・」

 

一刀「なぜ、この者達と?」

 

巌創「・・・・・妻を人質に捕られ・・・用心棒を・・・」

 

一刀「そうですか・・・・奥様は?」

 

巌創「殺されました・・・・」

 

一刀「!!・・・すいません・・・」

 

巌創「よいのです・・・・それが分かり手を切ろうとしたらこのざまで・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・」

 

巌創「・・・・妻は私の生きる希望でした・・・・妻が生きていたから私は生きられた・・・・

しかし・・・妻が居ないこの世界に未練は・・・・ない」

 

 

側に落ちていた剣を取る

 

 

一刀「!!」

 

巌創「・・・・さらばです・・・・」

 

 

剣を咽に当てる

 

 

一刀「馬鹿野郎!!!」

 

 

剣をはじき飛ばす

 

 

巌創「・・・・・」

 

一刀「死んでなんになる!!死ぬことが今あんたがすべき事なのか!!違うだろ!今あんたがすべき事は生きることだ!!

そうじゃなきゃあんたが殺した人やあんたの奥さんが浮かばれないだろ!!簡単にその命を捨てんじゃねぇ!!

生きることを放棄するんじゃねぇ!!生きたくてもな生きれない奴だっている!そいつらの為に生きる事が大事なんじゃねぇのかよ!」

 

巌創「・・・・・」

 

一刀「簡単に捨てちまうような命なら俺が拾ってやる!俺の為に使えその命!」

 

 

巌創は押し黙ったまま俯いている

そして数秒の後

 

 

巌創「・・・名前・・・」

 

一刀「?・・・」

 

巌創「貴方のお名前を・・・・」

 

一刀「一刀・・・北郷一刀だ」

 

巌創「北郷・・・一刀様・・・・・私の名は巌創・・・我真名貴方に預けましょう・・・・

我真名は雷轟、どうかこの命貴方様の為に使わせてください・・・・」

 

一刀「わかった、雷轟今この時よりお前の命俺が預かる」

 

雷轟「お随意に・・・一刀様」

 

一刀「とにかく、雷轟の手当てをしなくちゃ」

 

雷轟「でしたら・・・この砦の二階に医療道具があります・・・それをお使いに・・・」

 

一刀「わかった」

 

趙雲「一刀殿!」

 

 

地下へと続く扉から趙雲が出てくる

 

 

一刀「趙雲さん!大丈夫だった?」

 

趙雲「なにあれしき造作もない、ん?そちらは?」

 

雷轟「私は巌創、一刀様の家臣にございます・・・・」

 

一刀「手当てをしようと思ってね・・・郭嘉さんや程昱さんは?」

 

趙雲「うむ、地下に囚われていた娘たちを解放して先に村に帰ってもらった」

 

一刀「そうか、よかった・・・」

 

趙雲「手当てなら私も手伝おう」

 

一刀「助かるよ!二階に道具があるらしいからとってくる」

 

 

二階に行く一刀を見送り

趙雲が話す

 

 

趙雲「貴殿、ここの連中とつるんでいたな?」

 

雷轟「はい・・・しかし連中に付き合う理由も無くなり手を切ろうとしたらこの有様でして・・・」

 

趙雲「なぜ抵抗しなかったのだ?」

 

雷轟「・・・・お分かりか?・・・」

 

趙雲「わからいでか、貴殿は強い・・それも相当な・・」

 

雷轟「生きる意味を無くしたからですよ・・・・」

 

趙雲「では今ここに健在という事は見つかったのか?」

 

雷轟「はい・・・あの方に使える・・・希望が・・・見つかりました・・・」

 

趙雲「ふふ・・・そうか私がにらんだ通りだ」

 

雷轟「?」

 

趙雲「あの方は不思議な方だもし、あの方が国の王だったら私は喜んであの方に仕える」

 

雷轟「・・・・そうですね・・もっと早くに会いたかった」

 

趙雲「ああ、私もだ」

 

一刀「お待たせ!!雷轟傷見せて」

 

 

衣類を脱ぎ傷の具合を見せる雷轟

 

 

趙雲「ふむ・・・筋は切れていないがかなり酷いな・・・」

 

一刀「応急処置しないよりましさ、さあ雷轟」

 

雷轟「すみません・・・一刀様」

 

 

傷の種類に分けて適切な処置を施す

 

 

趙雲「見事な手際ですな」

 

一刀「修行してた時は傷が絶えなかったからね・・・自然と上手くなったんだ・・・これでよし!

後は町の医者にまかせよう」

 

趙雲「では、もどりましょう」

 

一刀「うん、さあ雷轟肩につかまって」

 

雷轟「はい・・・」

 

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

郭嘉「一刀殿!星殿!」

 

 

町に着くや否や郭嘉が心配そうに駆け寄る

 

 

趙雲「稟娘たちは大丈夫か?」

 

郭嘉「心配ありません、衰弱している者は町医者に・・その方は?」

 

趙雲「一刀殿の家臣だ、傷が深い早く医者を」

 

郭嘉「はい!」

 

一刀「雷轟、もう少しだ」

 

雷轟「一刀様、私は大丈夫です・・・医者の所くらい一人で・・・」

 

一刀「無茶するな、お前が思ってるより傷は深いんだ、だまって運ばれろ」

 

雷轟「はい・・・」

 

 

町医者に雷轟を預け、依頼者の庄仁に話を聞くべく町を歩く

 

 

「兄ちゃん!!無事だったか!」

 

一刀「おっちゃん!おっちゃんこそ大丈夫か?怪我は?」

 

「趙雲様が居たからな、それよりあんたには感謝してもたりねぇよ・・・あんたがいなかったら娘は・・・

本当にありがとうよ・・・・」

 

 

頭を深々と下げ、涙を堪えながら話す庄仁

 

 

一刀「おっちゃん、いいんだよ俺が勝手にやったんだ気にしないでくれ」

 

「でもよ・・・」

 

一刀「じゃあ娘さんと幸せに暮らしてくれそれが俺の願いだ」

 

「兄ちゃん・・・当たり前だ!大事な大事な愛娘だ!誰が不幸にしてやるかよ!」

 

 

暗い雰囲気を吹き飛ばすように大きな声で叫ぶ

 

 

「お礼といっちゃなんだが宿屋の亭主に頼んで一番いい部屋とって置いたからよ、今日はゆっくりしていってくれ」

 

一刀「ありがとうおっちゃん!お言葉に甘えさせてもらうよ」

 

「趙雲様たちもどうぞ!」

 

趙雲「我らもか?」

 

「あたりまえじゃないですかい、皆さんの分とってありますよ!」

 

程昱「お言葉にあまえましょうかー」

 

郭嘉「そうですね、今日はつかれました」

 

趙雲「そうだな、ゆっくりさせてもらおう」

 

 

 

・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

 

夜皆が寝静まったころ

病室に二つの影

 

 

一刀「雷轟、傷の具合は?」

 

雷轟「医者の話によると回復にはかなりかかるようです」

 

一刀「そうか」

 

雷轟「すいません・・・貴方の家臣になると言っておきながら・・・・」

 

一刀「いや、いいさちょうどこの町を出ようと思っていたからね」

 

雷轟「・・・そうですか」

 

一刀「雷轟、君はこのまま傷を癒す事にだけ専念してくれ」

 

雷轟「・・・・」

 

一刀「必ず君の力が必要になる時がくるその時まで、信じてまっていてくれるかい?」

 

雷轟「ご随意に・・・一刀様・・私の命は貴方の為に・・・・」

 

一刀「それじゃ、必ず迎えに来る」

 

雷轟「はい・・・御武運を・・・・」

 

 

静かに病院を去り

町の正門に天登とともに向かう

そこに

 

 

「なにも言わず行くおつもりか?」

 

一刀「趙雲さん」

 

 

正門近くの木に寄りかかっている趙雲

 

 

趙雲「せめて別れの挨拶をしても罰は当たらぬのでは?」

 

一刀「ごめんね、ここに長居すると目立っちゃうから・・・」

 

趙雲「そうですか・・・一刀殿」

 

一刀「うん?」

 

 

一刀に歩み寄る

 

 

趙雲「我真名を貴方に預けたいと思うのだが、受け取ってくれるか?」

 

一刀「それはもちろん、でもいいのかい?」

 

趙雲「愚問ですぞ、私が貴方に預けたいと思ったのだそこに善いも悪いないですぞ

我真名は星、どうか御達者で一刀殿」

 

一刀「ああ、星も達者でな」

 

 

そのまま別れを告げる

 

 

星「ふふ、本当に不思議なお方だ・・・」

 

 

夜空には満月が輝いていた

 

えー・・・どうも夢幻です・・・・

 

このたびは小説を上げるのが遅くなってしまって申し訳ありません・・・

 

あぁやめて!石を投げないで!でもくやしい・・・ビクン・・ビクン・・

 

もっと投稿スピードを上げる努力をします・・・・

 

 

今回は師匠たちの話がでてきましたね

 

そこら辺を詳しく

 

一刀君の師匠は全員で五人です

 

御爺ちゃん、御婆ちゃん、御爺ちゃんのライバル(友)二人、御爺ちゃんの知り合いです

 

それぞれの戦闘力はべらぼうに高く大体一刀君四人分くらいかな

 

ちなみに戦場殺人術は私のオリジナルです

 

ちゃんと名前とかあるんですがそれはまた別の作品で

 

そしてオリキャラ雷轟さん

 

この人のイメージとしては遊〇王のリシドさんと某性欲を持て余してる蛇を

足して2で割った感じです

 

この人は後々出てくるんでお楽しみに・・・

 

ではこの辺で皆様よいお年をそして次の作品で・・・


 
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