今日は晴天。
まさに学校日和。
うん、今日も奥武華は平和だ。
「そんなのてめぇだけだよ!!!!!!」
金髪の龍之介はチラリと横を見ると、また前に視線を戻した。
「きーてんのかよっ!!!」
「おー、きーてるー」
龍馬はチッと舌打ちして燃えるような赤い髪を揺らしながら、びっこ歩きしていた。
不審におもった龍之介はとりあえず心配だったので
「何で足引きずってんの?」
とだけ聞いておいた。
だまっていた龍馬だったが、肩をワナワナと震わせ
「てめぇの荷物持ってんだよー!!!!!!」と叫んだ。
「うぜぇ…ダマレ」
周りの視線に気づいて、顔を赤くしながら俯く龍馬。
そんな龍馬の顔を見て、龍之介は驚いた。
(こいつ…すげぇかわいい)
「ねぇ…今の顔もっかい見して?」
あん?と睨んできたがそんなのどーでもいい。
また見たいぞ、あの顔。と龍之介は内心ドキドキしていると
龍馬はへっと皮肉った顔をしてそっぽを向いた。
ちくしょう…
ぜってぇまた見てやるんだからな、あの顔。
屋上について龍之介はとりあえずいつもの席に寝そべる。
日向がちょうどいい位に暖かくて
夏は日陰で涼しい
ここは龍之介の特等席…
のはずだった。
どんなに信頼されていたとしても決して入れない龍之介の特等席
そこにどかっとあぐらをかいて座る赤い髪。
「あー疲れた」
周りの奥武華生は全員目が点だった…
もちろん龍之介も想定外で、驚いていた。
「ん?なっ…何だよ」
視線に気がついて周りを見る龍馬。
そりゃあね、誰でもガン見しますよ。だってあの場所は…
「ぁ…あいつっ!!!!龍之介さんの絶対領域に入りやがった!!!!!」
一人の男子生徒が怒り出した。
それに続くように周りが騒がしくなる。
急な出来事に状況(空気)が読めない龍馬は口を開けたまま
ただ呆然と騒ぎたてる男共を見つめていた。
すると龍之介が空気を鎮める程の透き通った声で言った。
「こいつはいいんだよ、こいつは」
その言葉にその場にいた全員が凍りついたのは言うまでもない。
「龍之介…」
「だから、おめーらは全員退散~」
しっしっと手で払う仕草をして、全員を追い出す。
リーダーの言うことを聞かないわけにもいかず
その場には龍之介と龍馬だけが残った。
「わりーな、龍馬。お前以外にここに座った奴はいねーんだ」
それで全員があの雄たけび、と納得するが問題はここからだ。
「何で…何で俺はいいんだ?」
涼しい顔して龍之介は黙ったまま。
問いかけには答えてくれない。
すると龍之介は重い口を開いた
「それは…」
答えを待つ龍馬の手には汗がにじんだ。
「分かんない」
「え…それ、だけ?」
「うん、それだけ。分かんないの。何で俺あんなこと言っちゃったんだろ?」
あきれて物も言えない龍馬には、隣の男はあまりにも馬鹿に見えた。
なので龍馬は馬鹿を相手にしないことにした。
「ねぇ、龍馬は何でか分かる?教えて?」
「…」
「あれ?りょーま!!!無視?シカトってひどくね?」
「馬鹿はダマレ」
「俺、一応成績優秀なんですけど」
なんて爆弾発言で龍之介は最終的に龍馬を怒らせてしまった。
おまけ。。。
「明日も来るよね?」
夕日の光に当てられより綺麗な金色の髪を見ながら龍馬は
「そうだな…一応、ボスのセキニンとやらを取らなきゃんねーし」
「そっか、よかった」
「何がだよ…」
「お前怒らせたし、もう来ないと思ったから」
「そんなことない」と言いたかったけど、恥ずかしいからやっぱ言わねー
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
続・金龍×紅龍の話です。
下についた龍馬を龍之介がこきつかいまくります。
進展ありです。