三話
「う、うぅ」
ちょっとした腰の痛みで目が覚めた。
「ここは?俺は元の世界に戻れたの・・・か・・・」
周囲を見回すと辺りには何もなく、遠くに見えるのは
昔の水墨画などでありそうな山が連なっていて・・・
「ココ、ドコ?」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「・・・えっ?何?」
左右から地響きと、砂塵が上がっている。
それはだんだん近づいてきて・・・
「やべぇ!!」
よく分からないけど、身の危険を感じる・・・
とりあえず、逃げよう!
走って、走って、走って・・・
「ハァハァハァ、ゲホッmゴファ」
俺、体力ねぇーーー!
超インドア派の俺には運動は酷だぜ!
にしても、さっきいた場所から100メートルも走ってねぇよ!?
「クソどうすればっ!」
そうこうしてる内に、砂埃を上げているのは人や馬の大軍だと分かった。
そして、俺の右側から来る大軍の先頭に旗が見えた。
その旗は俺が良く知っている旗で・・・
「関の旗・・・関羽か!?」
きっと、ココはまだ2次元の世界なのだろう。
だから俺の予想が当たっているなら関羽に話をつければ助かるかもしれない!
俺は関の旗を目指して走った。
「すいません!関羽さん!!」
「お主!何者だ!?」
関羽さんが馬を止める。
関羽の姿は勇ましい男の姿・・・ではなく
黒髪をなびかせた綺麗な女の人。
やっぱり!
ここは、恋姫無双の世界だ!
恋姫無双 ~北郷軍①~
「た、助けてください!」
俺は、関羽さんにとりあえず懇願してみた。
「むぅ、見るところに一般人の様だが・・・敵の刺客ではなかろうな」
まぁ疑われるのも仕方ないよな・・・
関羽さんは俺を見定めるように上から下まで見て、
「うーむ。おい、コヤツを本陣に連れて行ってやれ」
近くにいた兵に指示をした。
よし来た!
俺は、兵の人に連れられて本陣へとやって来た。
「軍師殿!」
「はわっ、ど、どうしたのですか?」
この子は、諸葛亮か。
「関羽将軍が戦場の真ん中にいた民を助けたのですが」
「そうですか・・・分かりました。お疲れさまです。隊に戻っていいですよ」
「はっ!」
そう言って、兵の方は戦場へと戻って行った。
「えーと、貴方は・・・」
諸葛亮、孔明と言った方が分かりやすいだろうか?
彼女はこちらを見て首を傾げてきた。
「あぁ、すいません。自分はサクと言います。貴方は諸葛亮さんですよね。」
「はわわ、な、なんで私の名前を?」
うん、可愛い反応だなぁ。
「その事に関してはまた後ほどお話します。いきなりで申し訳ないんですが、
天の御使い、北郷一刀さんにお会いできないでしょうか?」
この世界で俺の事を話すなら間違いなくこの人が一番いいだろう。
「おーい、朱里ー。一般の方が助けを求めてきたって?」
おっと、ご本人登場だぜ。こりゃ話がはやい。
「あっご主人様。この人がそうで・・・」
「サクと言います。北郷さんと同じ世界・・・とは言えないかもしれないですが
おそらく、同じような時代にいた人間です」
「・・・へぇ。・・・て、ええええぇぇぇぇぇ!!?」
まぁ、そうゆー反応になるよなぁ。
「じゃ、じゃあ君もこの世界に飛ばされてきたの?」
「まぁそうなりますね。詳しい事はこの戦いが終わって落ち着いた頃に・・・」
「そ、そうだね。朱里、サクさんを安全な場所へ」
北郷さんは諸葛亮に俺を案内するように促した。
「はっはい!」
数日後。
戦が終わり
北郷軍は城に帰ってきた。
そして俺は、北郷さんの部屋へと案内された。
三話 恋姫無双 ~北郷軍①~ 終わり
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ようこそ、二次へ 三話です。
幻想郷での物語は終わり、次はどこに・・・?