No.113660

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第5章

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そしてこの話ではその大きく違うところが出る話です。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。そして新しい仮面ライダーの力が出てきます。

続きを表示

2009-12-22 15:56:44 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:8106   閲覧ユーザー数:6625

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第5章 前編  新たなる仲間、悩める心

 

 

 

黄巾の乱から数週間が経った。黄巾党の残党はまだいるが華琳の治める領土は幾ばくか平和になっていたが、一刀はある情報を華琳から聞くことになった。

それは董卓が中央を抑えたとのことであった。

 

「董卓ね……」

 

一刀はだいぶ前に華琳に無理を言って軍から離れて董卓を見に行ったときのことを思い出す。

 

(とてもあの子がそんなことしそうな感じはしないけどな……)

 

とても大人しそうなのに野心があるっとは一刀の中では考えられないことであった。

 

「華琳は董卓ってやつ、知らないの?」

 

一刀はあえて董卓を知らない振りをして華琳に聞いた。

 

「初めて聞く名よ。桂花や秋蘭たちも知らないそうだし、張三姉妹も戦っていた将の中に、そんなな聞いたことが無いと言ってたわ」

「そうか……(張三姉妹はともかく桂花達が知らないとなると裏がありそうだな)」

「この間都から戻った、間諜も、董卓の正体は不明と言ってたし……恐らく、誰かの傀儡なのでしょうけどね」

(なるほど、だいたいわかった)

 

裏があると思っていた一刀は今の華琳の答えでその裏が何なのか理解した。

 

(黒幕が董卓を利用してる。話の流れからして十常侍みたいだな。あいつらが討たれたとは聞いてないし……。

だったら助けてやるか……。仮面ライダーは弱いものの味方。そして俺は可愛い子の味方だしな)

 

一刀はこっそりと董卓を助けようと考えるが、呂布の存在を思い出す。

 

(でもその前に呂布に勝たんと意味無いよな。一応特訓はしてるけど…まだ勝てる自信がないな。

アブソーバーもまだ見つからないし……。まあやれるだけのことはするぜ)

 

それからまた数日が経った。華琳はいざというときのための軍の強化を日に日に強めていっていた。

そんななか、一刀は一人街をうろついていた。

 

(あんな可愛い子達と戦わなきゃいけないのかね…)

 

一刀は董卓と呂布を戦わなければならないと考えると少々心が痛むようになっていた。

そんな時、女の子二人が一刀を尋ねた。

 

「なんだい?」

「お城……」

「の前に、美味しい料理を食べさせてくれるところ、教えてくれよ!」

 

文ちゃんと呼ばれる子と斗詩と呼ばれる少女が何やら揉める。

何とか話はまとまり先に料理屋に行くことになったそうだ。

そんな中季衣と会い、四人でうまい店で食べることになり食べているうちに、華琳と秋蘭もやってきた。

そうこうやり取りをしていると給仕の女の子もやってきた。

 

「いらっしゃいませ! 曹操様、夏侯淵様、今日もいつものでよろしいですか?」

 

華琳が曹操と知るやいなや斗詩と呼ばれた少女は驚きをわずかにみせるが、文ちゃんと呼ばれている少女はわかっていなかった。

一刀はその事には気づかず、華琳達が常連のような事を聞いてとりあえず尋ねる。

 

「お前達ここの常連か?」

「ええ、そうよ。さっきの子ね」

「さっきって給仕の子かい?」

「まだ若いのに、大した腕の料理人よ。お抱えで欲しいくらいなのだけれど……」

 

華琳が言葉を濁したので一刀は聞いてみると、どうやらさっきの子は親友に呼ばれて街に来たのだが、手がかりを見つけるまで店から離れる気がないと言われたそうだ。

一刀はそれを聞いてその子の人探しをしようと先ほどの子を呼び聞いてみたら…。

 

「真名じゃない名前は許緒って言います」

「ウェ!?」

 

その許緒は目の前にいた。

 

「あー。流琉ー♪ どうしてたの? 遅いよぅ」

「遅いよじゃないわよー! あんな手紙をよこして私を呼んだと思ったら、何でこんな所にいるのよーーーーーー!!」

「その前に二人とも気づけ!!」

 

一刀は鋭いツッコミを入れた。

季衣と流琉と言う少女が喧嘩を始めてしまい、先ほどまで食べていた斗詩と文ちゃんが二人を後ろから止めた。

 

「お前達……、何者だ!」

 

思わず悪人口調で一刀は二人の正体を尋ねるが、無視された。

 

「お初にお目にかかります、曹孟徳殿、私は顔良と申します」

「あたいは文醜! 我が主、袁本初より言伝を預かり、南皮の地よりやって参りました!」

(あの二人が……顔良と文醜。文醜はともかく顔良は常識人のように見えるな)

「こんな場面で恐縮ではありますが、ご面会いただけますでしょうか?」

「あまり聞きたくない名を聞いたわね。まあいいわ、城に戻りましょうか」

 

華琳達は城に戻り、華琳は袁紹の発した文を読むと袁術、公孫賛に馬騰の署名があった。

 

(これが反董卓連合の始まりか……、てことは劉備もいそうだぜ)

 

華琳は桂花の意見を聞き、桂花は連合の参加に賛成した。そのわけは一応名高い諸侯が参加する以上、華琳も出れば華琳の名も広がるということなのだ。

そんな中一刀は一つ意見をする。

 

「董卓は悪いことしてないんなら討つ必要はないんじゃないんじゃ?」

「董卓自身は悪くなくても、官を制御出来ないなら同じことよ。それに私達が動かなくても、既に回りは動いているわ。ならば、それに乗るのも一つの道」

「そういうものか……(なら助けるとしたら、参加するしかないか)」

 

華琳は連合の参加を決め、連合に行くための準備をした。

その間に季衣と流琉(名前は典韋)がかなり揉めていたが、何とか無事収集し、典韋は皆に真名の流琉を許し、華琳の元に入った。

 

 

それからまた数日後、一刀達は華琳と共に連合の集まりに参加した。

 

「おーほっほっほっほっ!」

「ウェ!?」

 

突然の笑い声に驚きを表す一刀。

 

「久しぶりに聞いたわね。その耳障りな笑い声……麗羽」

「華琳さん、よく来てくださいましたわ」

 

麗羽もとい袁紹が華琳を出迎えに来たのだ。

 

(すごい……縦ロールだ……)

 

一刀が袁紹に抱いた第一印象である。

そして他にも集まった諸侯が自己紹介をする。

 

「幽州の公孫賛だ。よろしく頼む」

「平原郡から来た劉備です。こちらは私の軍師の諸葛亮」

「よろしくお願いします」

「ウェ!?」

 

一刀は諸葛亮の名を聞いて驚きを隠せない。まさか三顧の礼の前にいるとは予想していなかったのだ。

 

(この世界は変わってるな。俺が言えることではないが……)

 

「涼州の馬超だ。今日は馬騰の名代としてここに参加することになった」

(今度は馬超、早い、早すぎるよ!)

 

一刀の心は既に戦場に出てる状態だった。

 

「袁術じゃ。河南を治めておる。まあ、皆知っておろうがの! ほっほっほ!」

(俺は知らんがな)

「私は美羽様の補佐をさせていただきます、張勲と申します。こちらは客将の孫策さん」

(あいつが孫策……。なるほど少々、怖いプレッシャーがあるようだ)

 

そしてお互いの自己紹介もとい名乗りは終わり、華琳達は巳水関は他の軍の観察で戦わず、虎牢関の指揮権を手に入れ、虎牢関攻略へと向かう。

虎牢関は呂布と張遼が守っているところであった。

 

「呂布は黄巾党の半分、約三万を一人で倒したと聞いてます」

(おいおい、そいつはいくらなんでもすごすぎるな。だがやってみたいもんだ)

「もしどうしても呂布をご所望とあらば……そうですね。姉者と私、あと季衣と流琉あたりはいなくなるものと思っていただきたい」

「その心配は無いぜ」

 

秋蘭の言葉を一刀が遮る。

 

「俺一人で十分だ」

「あんた正気!?」

「正気じゃなきゃなんなんだ?」

「狂ってるわ!」

 

桂花が珍しく一刀の身を案じるように言う。

 

「一刀、あなたどうしたの?」

「ただ前からあいつと戦いたいと思ってたからな」

 

華琳が一刀の目を見る。一刀の目には燃え上がる闘志、その瞳の奥にはどことなく哀しみを秘めた目である。

華琳は一刀の真意がなんとなく分かり、最後の確認をする。

 

「勝ち目はあるの?」

「仮面ライダーは………負けない!!」

「……………」

 

一刀の答えに皆が唖然とする。その答えは普通に考えると何の根拠もない。

その答えで皆が笑った。

 

「「あははははははははははっ!!!」」

「笑うなよ!」

「…ごめんなさい、まあいいわ。戦って勝ちなさい!」

「了解!!」

 

こうして呂布は一刀が相手することになった。

 

 

小休止

 

 

一刀「俺、本当に呂布と戦うのかよ」

作者「当たり前だ。前回でそう書いただろ」

一刀「でも心の準備ってものが…」

作者「悪いがそんな余裕は与える気はないぜ。この後すぐだからな」

一刀「でもK-1みたいに伸ばしてくれるんだろ」

作者「あんなに長く伸ばせるほどの力、俺にはない!」

一刀「そんなぁ~」

作者「それでは後編をどうぞ」

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第5章 後編  新たなる力、新しき家族

 

 

 

虎牢関の門の上には呂布、張遼、華雄、軍師の陳宮が虎牢間前に集まる連合兵を見て驚き、張遼は籠城するかそれとも思った矢先、華雄が勝手に飛び出してしまった。

 

「あんのぉ猪……!!」

 

張遼が華雄の安易な行動に怒る。

 

「……出る」

「呂布どの!」

 

華雄が出てしまった以上自分も出るしかないと判断した呂布は自分も出陣しようとし、陳宮が反対しようとする。

 

「しゃあないやろ! せめて華雄を引きずり戻さんと、月に会わせる顔が無いわ! 陳宮は関の防備、しっかり頼むで!」

「わかったのです!」

 

敵が虎牢関から出てくる様子を華琳は呆れたように言う。

 

「出てきたわね。巳水関の時と言い、連中は籠城戦を知らないのかしら?」

 

実は巳水関の時も華雄は籠城せず、出てきてしまい結果関羽に負け、何とか命からがら逃げれたのだが、まったく懲りてないようだった。

 

「華の旗って言うと華雄、後続も出てきたな。旗は呂と張……ということはこちらの目的二人が一気に来たな」

「華雄の独走に引きずり出された、といった所でしょうね。まあいいわ、一刀は他の部隊にも通達の指示。本作戦は、敵が関を出てきた場合の対応で行う!」

「わかった。じゃあ呂布の方は俺に任せてくれ」

「隊長……」

「なんだ?」

 

やはり一刀が呂布と戦うのに不安が残る凪達。

 

「本当に戦われるのですか?」

「本気だ。恐らく呂布に勝てるのは現時点では俺だけだ」

「でも隊長が負けたら……」

「死ぬだろうな」

「せやったら……」

「お前らな、自分達の隊長を少しは信じろ。それに言ったろ仮面ライダーは負けないってな」

「わかりました……隊長、必ず勝ってください」

「ああ」

 

一刀の部隊は華琳達と別れ、華琳達は出てきた董卓軍を相手にする。

相手が華雄、力は強けれど知を用いた攻撃には対処しきれず、董卓軍は敗走を始める。

その様子を見た張遼が何とか華雄を見つけて一緒に虎牢関まで戻ろうとするが、伝令により都に何かが起こり、虎牢関は放棄するとの事で陳宮が撤収準備をしているとの事。

虎牢関にはもはや袁紹軍や劉備軍の手に落ちようとしていたが、急いで戻ってきた呂布が阻んだ。

 

「…そうはさせない」

「呂布じゃんか、勝負だ!」

 

文醜が呂布に戦いを挑む。

 

「時間ないから本気でいく」

 

そういうと呂布は自分の武器の方天画戟を振るい、かかってきた文醜、それに近くにいた顔良を吹き飛ばす。

 

「遅かったか……、二人とも大丈夫か?」

 

関羽が何とか吹き飛ばされた二人を抱きとめる。

 

「あ、はい」

「助かったぜ」

「愛紗! 鈴々が行くのだ!」

「待て鈴々!」

 

鈴々と言う真名の少女、張飛が呂布に挑もうとするがその前に一人の男が張飛の前に立つ。一刀である。

 

「俺が一人でやる……」

「にゃ? 誰なのだ?」

 

張飛は一刀の事を知らないが、関羽は一応一刀の姿を見ていたため誰かは知っていた。

 

「確か、貴公は曹操軍の……」

「よく言う天の遣いだ」

「無茶です! あなたのそんな体では…」

 

関羽は武人、一刀の体つきを見れば呂布に勝ててるところなんか一つもないのが簡単に分かる。

 

「そんなの呂布やあんただって同じだ。それに俺は……、仮面ライダーだ!」

 

一刀は呂布に近づこうと歩きながらバックルにカードを入れて、ベルトを作り出す。

 

「変身!」

「ターンアップ」

 

ターンアップハンドルを引いてリーダーを裏返し、リーダーからオリハルコンエレメントが現れ、

一刀はそれに目掛けて走り、抜けたと同時に仮面ライダーブレイドに姿を変え、ブレイラウザーを引き抜いて呂布に立ち向かった!

 

「ウェエエエエエエエイ!!」

「邪魔!」

 

方天画戟とブレイラウザーがぶつかり合う。

 

(すごい力だ……)

 

桂花や秋蘭が言ってたことを一刀は今その身をもって実感した。

 

(だが俺は約束したんだ、絶対勝つ。そして生きて帰るって!)

 

一刀と呂布は激しく打ち合う。その二人の中を邪魔することは誰にも出来ないほどに…。

 

「あの兄ちゃん、すごく強いのだ…」

「あの呂布とあんなにも打ち合えるとは……」

 

張飛と関羽はただ見てるだけしかなかった。もし一刀が負ける展開になって手を出したりしたら、一刀は怒るであろう事も容易に想像できた。

しかし一刀は対呂布戦のために特訓をしてきていたとは言え、生粋の武人である呂布とは時間が経つにつれ力の差が出てくる。

 

「こうなったら一気にやる!」

 

一刀は何とか呂布との間合いを若干取り、あるカードをブレイラウザーのスラッシュ・リーダーにラウズする。

 

「タイム」

 

その言葉と共に一刀以外の動きが完全に止まった。

「タイム」のカードは一刀以外の時間を止める効果があるのだが、止まっている間に攻撃などは出来ず攻撃をしたら、その攻撃が自分に返ってきてしまうのだ。

しかも止められる時間はそんなに長くは無い。一刀はそのわずかな時間を利用して呂布との距離をさらに取り、新たに三枚のカードをラウズする。

 

「キック」「サンダー」「マッハ」 「ライトニングソニック」

 

それと同時にタイムの効果が切れ、呂布は目の前にいたはずの一刀がいないことに多少の動揺を見せたが、一刀が離れた所にいるのを確認する。

一刀はブレイラウザーを地面に刺して、ものすごいスピードで走り出し、そして飛び上がり、電撃を纏った右足で呂布に向かってキックした!

 

「ウェエエエエエエエエエエエイ!!!」

「………」

 

呂布は一刀のキックを方天画戟で相殺するかのごとく、キックとぶつけた。

そのぶつかり合った衝撃はあまりに強く、周りにいた兵士だけでなく見ていた凪達に関羽と張飛達、呂布を呼び戻そうと近づいていた華雄と張遼も遠くに吹き飛ばされてしまった。

キックと戟の間に激しい火花が散る。二人とも押し合っているのだ。

 

「ウェエエエエエエエイ!」

「……」

 

両者かなりの接戦であったが、キックと戟の勝負は戟の勝ちであった。

呂布はいつもは片手で持っていた方天画戟を両手で持ち、現代で言う野球でバットを振ってボールを打つかのように一刀の体を近くの岩の壁にたたきつけたのだ!

 

「ぐわあ!」

 

一刀は岩の壁に叩きつけられる。その衝撃でベルトが外れてしまい、変身も解かれてしまう。

 

(このままじゃまずい…)

 

呂布は戦いで熱くなったのか、今まで撤退のことばかりを考えていたのに今は一刀を斃すことだけを考えていた。

呂布がゆっくりと一刀に近づく。一刀はベルトをつけたくてもベルトは自分が叩きつけられたときに出来た岩の瓦礫に埋もれてしまい、すぐには取り出せない。まさに万事休す。

 

(どうすれば……うん?)

 

一刀は座り込んで呂布が近づいてくるのを見て体が思わず後ずさりしている時、左手に何か鉄のような感触を感じた。

そして一刀はその左手で感じたものを見る、そこにはブレイドのベルトとはまったく別のベルトが落ちていたのだ。

 

「このベルトは!?」

 

一刀はそのベルトにも見覚えがあった。それは「仮面ライダーカブト」に変身するためのライダーベルトであった。

 

「何でこれも……」

 

そう考えるが、その余裕はないと一刀は思い、カブトのベルトを持ち、立ち上がった。

 

「また一か八かだ!」

 

一刀がベルトを腰に巻く。それと同時に「仮面ライダーカブト」に変身するのに一番必要なツール、「カブトゼクター」が現れる。

カブトゼクターは呂布を牽制し、牽制を終えたとし、一刀の右手に入り込み、一刀は叫ぶ。

 

「変身!」

「Henshin」

 

一刀がカブトゼクターをライダーベルトにはめる。それと同時にゼクターを中心に一刀の体は銀色の鎧に包まれる。

それは仮面ライダーカブト、マスクドフォームの姿である。

呂布はその様子を見てまずいと判断したのかゆっくり歩くのをやめ、走り出す。

一刀はそれ見てすぐにゼクターホーンを一気に反対側に倒した。

 

「キャストオフ!」

「Cast Off」

 

音声と共に銀色の鎧は飛び散り、呂布はその飛び散った鎧を完全には防ぎきれず少しダメージを受けた。

銀の鎧のしたからは赤い装甲をしたカブトムシのような姿をした一刀の姿があった。

仮面ライダーカブト、ライダーフォームが姿を現したのだ。

 

「Change Beetle」

 

呂布はまた走り出して、一刀を斬ろうとするがそれは叶わない。

 

「クロックアップ」

「Clock up」

 

一刀がベルトの腰にあるクロックアップのスラップスイッチを押す。それと同時に呂布の攻撃は急激に遅くなった。

これは呂布が遅くなったのではなく一刀が早くなったのだ。

クロックアップは自分を高速移動させることが出来、それは常人の目では見ることが出来ず、

クロックアップしている者からすれば、それ以外のものの動きがほぼ止まっているに等しく、動いているのにしてもその動きはものすごく遅いのだ。

一刀は呂布の攻撃を簡単にかわし、かわしている間に呂布の体にパンチを何発かいれ、とどめを刺そうとする。

 

「1,2,3」

 

一刀はゆっくりとカブトゼクターにあるボタンを三つ押し、ゼクターホーンを最初の位置に戻す。

 

「ライダー……キック」

 

その言葉と同時にゼクターホーンを再び倒す。

 

「Rider Kick」

 

ゼクターから右足にタキオン粒子がたまる。一刀はこのとき回し蹴りのライダーキックをしようと考えていたが、ある事を考えた。

 

(よく考えたらこれやったら死ぬよな……)

 

仮面ライダーのライダーキックは基本的に怪人に止めを刺すときに使う技。

そんなものを生身の人間が食らったらただではすまない。先ほどの一刀は熱くなりすぎて思わずライトニングソニックを使ってしまったが、今はカブトのせいか冷静である。

 

(だったら仕方ない!)

 

一刀は右足で蹴るのをやめ、タキオン粒子が溜まっていない左足で後ろ回し蹴りを呂布の腹部に決めた。

それと同時にゼクターの音声を発する。

 

「Clock over」

 

クロックオーバーと同時に呂布は後方に吹き飛ぶ。呂布だけでなく周りのものも突然のことで何が起こったのか分からずにいた。

そんな中、一刀は一人右手人差し指を空に向かって伸ばした。

呂布は吹き飛ばされ終わったときにようやく自分は負けたのだと悟った。

呂布が倒れている所をカブトの姿の一刀が近づく。

 

「俺の勝ちだな」

「………」

 

呂布はブレイドでの戦いで幾ばくか疲れており、カブトのパンチ数発と手加減されたライダーキックをくらって今はまともに体は動かせないでいた。

 

「それじゃあ…」

 

一刀は呂布を背負うかのように肩に抱く。

 

「………?」

「お前を連れて帰る」

「……何故?」

 

呂布は一刀の行動の意味を分かっていなかった。

 

「俺はお前を殺す気なんて最初からない。それに色々聞きたいこともあるからな…」

「………」

 

そんな時ブルースペイダーがやってくるのだが、何故か突然ブルースペイダーはカブトエクステンダーへと姿を変えた。

 

「どうなってんだ一体?」

 

一刀もこの事には驚いたが、とりあえず放っておく事にし、呂布をバイクに乗せて、陣地へと戻った。

 

「恋殿ーーーーーーーー!!」

 

呂布がつれていかえるのを見た陳宮は急いで一刀を追ってしまった。

 

「陳宮まで行ってしまった…」

「とにかくウチらは都まで戻るで…」

 

華雄と張遼は何とか都まで戻ることにした。

そして呂布が華琳の前につれてこられて、一刀の質問に素直に答え、その後呂布をどうするかどうかになり揉めそうになったが、

華琳が一刀の手柄なので、呂布は一刀に任せるとして一刀は呂布を殺さず、自分達の仲間になって欲しいと勧誘。

呂布は自分の家族であるペット達をちゃんと保護して欲しいのと董卓達も助けて欲しいという条件を出し、

一刀は快く承諾し、呂布を仲間にすることに成功した。

一刀の知る世界の呂布は裏切り者という印象が強いが、この呂布はそうではないと一刀はわかっていた。

それは激しく戦っていた者同士にしかわからないものであると一刀は考える。

それからすぐ後、呂布を追いかけてきた陳宮が華琳の陣にやって来て、一刀と色々揉めたが、

呂布の説得により何とか収まり、陳宮も呂布と一緒についてくることになった。

呂布と陳宮は一刀達に真名を預け、呂布は恋、陳宮は音々音(愛称はねね)であった。

 

呂布と陳宮がいなくなったことは董卓軍にとっては大きな痛手となったが、都前には既に連合軍がやってきており、

今はそれどころではとなり、残った張遼と華雄で防戦したが、戦力の差がありすぎて敗れていった。

 

「くっ! やっぱ、この戦力じゃ厳しいか! 華雄ともはぐれてもうたし…」

 

張遼は華雄と離れてしまい、今は公孫賛に追われていた。

 

「待てー、張遼ー!」

「待てるかボケ!」

 

張遼は馬の速度を速め、公孫賛の追跡を逃れる。

 

「くっ、この私が馬術で追いつけんだと!?」

「やれやれ、何とか撒いたか…」

 

張遼は公孫賛が追いかけてないことを確認する。

 

「けど、どう見てもこっちの負けやなぁ。月や賈駆っち、うまく逃げられたやろか」

 

 

 

張遼の心配する月(本当は董卓)と賈駆なのだが、実は先回りしていた一刀の部隊に発見されていた。

 

「君が董卓だね?」

「違う! ボクが董卓よ!」

 

眼鏡をかけた強気な女の子が自分が董卓だと申告するが、一刀には通じない。

 

「俺は董卓の顔をだいぶ前に見てるんでね。それは通用しないぜ」

「ぐっ……」

「私が董卓です」

「ちょ、月!?」

 

董卓と名乗る少女はやはりどこか可憐でおしとやかであった。

 

「董卓ちゃん?」

「はい……」

「俺は北郷一刀、悪いが君を逃がすわけにはいかない。大人しく俺たちに捕まって欲しいけど構わないか?」

「それは……」

「そんなの出来るはずないでしょ! 月を守るためにはどこまで逃げるしかないんだから!」

 

賈駆が猛烈に反発するが一刀は説得を続ける。

 

「でも逃げたって連合軍は君達を追いかける。それこそどこまでも…。この戦いの責任を擦り付けるためにね」

「くっ…」

「董卓ちゃんの状況は理解してるし、この戦いの本質は恋とねねからきちんと聞いた」

「恋さんとねねちゃんに?」

「まさか、あんたが!?」

「そう、恋こと呂布を倒した天の御遣いであり、仮面ライダーさ」

「恋達はどうしたの!?」

「ここにおりますぞ」

 

その言葉を待っていたかのように恋とねねがやって来た。

 

「あんた達、どうして……」

「この男は曹操殿の部下ではありますが、かなりの変わり者でねね達の面倒を見る役になったのです」

「……(コクッ)」

 

ねねの答えに恋がうなづく。

 

「曹操の……、だったら!」

「そういきりたたないでくれ。華琳からは既に許可を貰ってるし、それに俺は追い詰められるだろう君達二人をこのまま放っておくのは嫌なんでね」

「どういうことですか?」

「董卓ちゃんには世間的に死んだことにして俺たちのところに来て欲しいって事」

「そんなことをして何の得があるのよ?」

「悪く言えば俺の偽善であり、自己満足だが、俺は生きられる命なら救ってやりたいと思ってる。それに……」

「?」

「仮面ライダーは弱いものの味方、そして俺は可愛い子の味方さ」

 

一刀は笑顔で答える。その様子を見た凪達は若干引いた。

そして一刀の説得に応じ、董卓と賈駆は一刀の元に行くことになった。

その際に董卓は名を捨て、真名を教えた。真名は月。賈駆も月と一緒にとの事で真名の詠を教えた。

とりあえず二人は張三姉妹と一緒に匿うことになった。

 

その頃……。

 

「待て! 貴様が張遼か!」

 

春蘭が張遼を追っていた。

 

「あちゃぁ、このクソ忙しいときに。一騎打ちの申し込みなら、もう締め切っとるぞ!」

「そんなことは知らん! 私との勝負に応じるまで追いかけるまでだ!」

「その目…ダメっちゅても仕掛けてくる目やな。恋や華雄っちと同じ目や」

「貴様も同じ目をしているぞ?」

 

同じ武人同士、春蘭と張遼は馬を降り、対峙する。

二人の戦いを邪魔しないように秋蘭が周りを警戒する。

 

「いくで!」

「おう! 来るならこ…」

「姉者!」

 

秋蘭が叫ぶ! その瞬間に春蘭の眼前には一本の矢が刺さろうとしたが、その矢は叩き落とされた。

その矢を叩き落したのは仮面ライダーカブト、すなわち一刀であった。

そう一刀はこうなることを予測しており、月達を保護してすぐにカブトに変身し、クロックアップして助けに来たのだ。

 

「北郷!」

「ちょっと邪魔しちまったな。それじゃあな…」

 

一刀は春蘭と張遼の間から去る。

 

「水を差されたが待たせたな、張遼。さあ、一騎打ちの続きと行こうではないか!」

 

春蘭が剣を構え、張遼も武器を構える。

そして二人は激しく戦い勝負は春蘭の勝ちであった。

 

「もう悔いは無いわ……さ。殺しぃ」

「何を馬鹿なことを…。貴様にはこれから、華琳様に会ってもらわねばならんのだ」

 

その後、張遼は春蘭との戦いもあって華琳の元に降り、真名を霞(しあ)と名乗り、

華琳の元には新たなる武将、一刀には新たなる仮面ライダーの力と家族が出来た。

しかし、城に戻った後、一刀は…。

 

「はあ、はあ。クロックアップをしすぎたか?」

 

どうも体の疲れがかなりある様子であった。

クロックアップは強力だがその力には負荷も付いてくるのだ。

それに恋と激しく戦ったのだ。仮面ライダー以外の人間が戦えばこの疲労以上のものがあっただろう。

 

「もう少し特訓しないとな……クロックアップにも耐えられるように…」

 

一刀は気づいていない。その疲れが後々になって大きくなることに…。

 

 

おまけ

 

 

作者「どうかな? 仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第5章」

一刀「俺、恋に勝っちゃったけどいいの?」

作者「先に言っただろ、この話は大きく原作と変わるって」

月「あの、でしたら…」

詠「ちゃんとボク達の出番はあるんだろうね?」

作者「………、あるにはあるけど、ほとんどモブキャラ扱いだね」

詠「なんだってーーーーー!?」

音々音「でしたら、ねね達が降伏した意味ないじゃないですか!」

作者「いや、勢いの関係上ああしたほうがいいでしょ。それにモブキャラ扱いと言ってもあくまで本編だから…」

月「その言い方だと、私たちにもちゃんとした出番があるのですか?」

作者「まあ、拠点の話ならきちんとと言うか出しやすいからね。まあ出てくる頻度は別として…」

詠「でもあんた、今まで拠点の話を書いたことないわよね?」

作者「まあね。でも拠点の話はいくつか書きたいとは本気で思ってる。本編後になるかもしれないけどね、また期待しないで待ってくれ」

音々音「待てるかなのです! ちんきゅーーーーーーーーキーーーーーーーック!!」

作者「陳宮には陳宮返しだ!」

 

ドカーーーーーーーン!!

 

作者「次回はこれといったひねりはないかな。でも台詞が少し変わってるところがあるからね。それでも期待しないで待っててね。それと誤字脱字があったらその報告も待ってるよ」

一刀「相変わらず弱気だな…」


 
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