No.113815

仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第6章

BLACKさん

基本的には真・恋姫†無双の魏ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
先に言いますが一刀が手に入れる仮面ライダーの力は全部で3つです。何が出るかはお楽しみ。

2009-12-23 08:34:59 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7275   閲覧ユーザー数:5949

月を保護し、反董卓連合が解散してから一ヶ月弱が過ぎた。

華琳の予想通り、後漢王朝には諸侯の小競り合いを抑える力はなかった。

その頃の一刀達は……、真桜がなにやら新兵器を作っているようでそれをなかなか教えてくれないので沙和が怒っていた。

 

「真桜、これは何だ?」

「隊長も知りたいん?」

「知りたくないと言えば嘘になるからな、知りたい」

「どうしようかな~」

 

真桜はかなりじらそうとするが、一刀はものすごく早く諦める。

 

「教える気が無いならいい」

「そんな~もうちょっとくいついて~な~」

「だったらなんだ?」

「どうしようかな~」

 

真桜のあまりの引っ張りに一刀はブレイバックルを取り出す。

 

「言う気が無いなら壊す」

「やめてぇなぁ隊長。秘密兵器や! それ以上はいくら隊長でも教えられへん!」

「あ、そう」

 

一刀はブレイバックルをしまう。

 

「しかし何で作ってるんだ?」

「私の指示で作らせているのよ。華琳様にも許可をいただいてるわ」

 

桂花が話を聞いてやってきた。

 

「そうだったのか」

 

それを聞いて一刀は勝手に納得した。それから少し経って会議が始まった。

内容は袁紹と公孫賛の争いは袁紹の勝利、公孫賛は徐州にいる劉備の所に落ち延びたと言うことであった。

 

(袁紹が勝つのは同じだが、公孫賛が生存のままか…。張角も生きてるし、俺も呂布を仲間にした時点で歴史から外れてるけどな)

「それで袁紹の動きは?」

「青州やへい州にも勢力を伸ばし、河北四州はほぼ袁紹の勢力下に入ってます。北はこれ以上進めませんから、後は南へ下るだけかと」

「と言うことは劉備のところに来るってことか……」

「さあ、どうでしょうね?」

 

華琳の言葉に一刀は尋ねる。

 

「どういうこと?」

「麗羽は派手好きでね。大きな宝箱と小さな宝箱を出されてどちらかを選ぶように言われたら、迷わず大きな宝箱を選ぶ相手よ」

「なるほど…あの時会っただけだが、わかるな。と言うことは俺たちが狙われる可能性ありって事か」

「そういうこと。国境の各城には、万全の警戒で当たるよう通達しておきなさい」

 

その後、袁術の方の警戒指示を桂花が既に出していると言い、桂花の大変さを改めて知る一刀。

 

「秋蘭や詠やねねにも手伝わせたいけど、色々任せているから無理として……」

 

そこで桂花は一刀や春蘭、霞に恋をみるが……。

 

「使えそうなのがいませんから、いりません」

「まあな、戦闘ならともかく頭を使うのは難しいからな」

 

その頃袁紹はと言うと華琳の予想通り華琳を攻めることになっており、顔良はその事に片隅で泣いたそうだ。

 

 

そして数日経たないうちに一刀達は非常招集を受けた。

 

「袁紹が来たのか!?」

「馬鹿は決断が早すぎるのが厄介ね。敵の情報は」

「旗印は袁、文、顔。敵の主力はすべて揃っているようです。およそ三万…」

(三万、こちらの主な戦闘要因は十、一人三千だとしても少々きついか)

 

一刀は一刀で無謀なことを考えていた。

その三万の部隊は国境警備の中で七百ともっとも少ない所を攻めてきたのだが、その七百で援軍はいらないと言ってきたのだ。

それを言った指揮官の名は郭嘉、程昱の二人であった。

その名を聞いて一刀は薄ら笑いをした。

 

(なるほど、袁紹が相手ならその二人の知を合わせれば十分防げるな)

「とりあえずその二人には袁紹がいなくなったらこちらに来るように伝えなさい」

そしてこの会議はひとまず終了したのだが、納得の出来ていなかった春蘭が勝手に出撃準備をしていたのを一刀が止める。

 

「出撃は禁止だと華琳が言ってただろ!」

「ふん。袁紹ごときに華琳様の領土を穢されて黙っていられるものか! 華琳様がお許しになっても、この夏侯元譲が許さん!」

「本気で行く気か?」

「本気だ!」

 

一刀は既にカブトのベルトをしており、カブトゼクターも手に持っていた。

 

「だったら俺を倒してからにしろ!」

「望むところだ!」

「変身!」

「Henshin」

 

一刀がゼクターをベルトに装着し、カブトマスクドフォームに変身し、カブトクナイガンを構え、春蘭も剣を構える。そんな時霞が慌てて止めに来た。

 

「おいこら! 自分ら、何やっとんねん!」

「ちっ…厄介なのが」

「俺は春蘭が援軍に行くのを止めようとしているだけだ」

「たく。ここも猪か! どあほう!」

 

その霞の言葉に春蘭が怒る。

 

「貴様も似たようなものではないか!」

「ウチは自制効くぶんまだマシや! 一刀はさっさと華琳呼んで来ぃ!」

「いやその必要は無いみたいだな」

 

一刀は変身を解く。カブトゼクターがベルトから離れて飛んでいった方には華琳がいた。

 

「何をしているの!」

「華琳様!」

「春蘭! 霞! 一刀! これはどういう事! 説明なさい!」

「春蘭が勝手に援軍に行こうとしたから、カブトに変身して止めようとしたら霞と華琳が来たってところだ」

「なるほどね……」

「これも華琳様を思えばこそ! 華琳様の御為ならば、この首など惜しくありませぬ!」

 

華琳は春蘭に呆れるように言った。

 

「あなたにはもう少し、説明しておくべきだったわね。いいわ、出撃なさい」

「華琳様!」

「いいのか?」

「ただし、これだけの兵を連れて行くことは許さないわ。あなたの最精鋭…そうね、三百だけ動かすことを許しましょう」

「あっちの兵を合わせて千だな」

「出来るの? 出来ないの?」

「華琳様の信任を得た以上、出来ぬことなどありませぬ! 総員、騎乗!」

 

そして春蘭は出撃した。

 

「このまま行かせてええのか!?」

 

霞が華琳に意見を言うが、華琳は良いと言い残った部隊を盗賊殲滅のために霞に使わせるようにした。

この間に一刀は黙っていたが、理由が分かっていたので何も言わなかった。

その日の夜のうちに春蘭達の部隊は帰ってきたが、誰一人戦った跡が無かった。

その理由連れてきた程昱に聞くと袁紹達とは全然戦わなかったのだ。

それは袁紹の性格上、万単位の軍勢で千にも満たない相手を相手にしないことであり、逆に援軍が来たら攻められていたとの事であった。

一緒に連れてきた郭嘉に程昱の作戦を華琳が聞くが郭嘉の反応がなく、そしてすぐに鼻血を出した。

 

「ウェ!?」

 

その様子に皆が驚いた。

どうやら郭嘉は華琳に使えるのが夢だったようだが、妄想が激しい人のようであった。

 

「お前達といい勝負だな」

「なにを!?」「何ですと!?」

 

一緒にいた詠とねねは一刀の言葉に怒るがあまり否定も仕切れない。

そして郭嘉と程昱は華琳の元で軍師として働くことになり、その際に真名を皆に預けた。郭嘉は稟、程昱は風と言った。

 

 

それから数日後、袁術が劉備のいる徐州を攻めてきて、袁紹も攻めてきたとの報告が華琳の元に入ってきた。

 

「そう麗羽が…」

「あまり驚いてないようだな」

「可能性としてはありえたことだもの」

「袁術相手で精一杯の劉備を見て、好機と思ったのでしょうか?」

 

稟が華琳に意見を聞く。

 

「袁術に徐州を独り占めされるのが急に惜しくなったんでしょうよ」

「子供だな…袁紹。で、これからどうする?」

「皆の意見を聞きたいわ。これから我らは、どうするべきかしら?」

 

華琳が軍師達に意見を求める。

稟は袁紹を徹底的に叩く方針、桂花はとりあえず袁紹と袁術は放っておいて劉備を叩くことを方針にしたいと言った。

 

「一刀はどう思う?」

 

軍師達の言葉を聞いて華琳が一刀の意見を聞く。

 

「劉備と同盟を組んで、袁紹と袁術と戦うが一番無難と思うけど、風はどう思う?」

 

一刀は自分の意見を言いつつ、風の意見を聞こうとするが風は寝ている。

 

「ナズェネディルンディス!!」

「おおっ!」

 

一刀のオンドゥル語で風は目を覚ました。

 

「寝てませんよ?」

「ウゾダドンドゴドーン!!」

 

風のボケに一刀もボケ混じりのツッコミで返す。

 

「で、劉備さんをよってたかって袋叩きにするんですか? それとも袁紹さんの所に火事場泥棒に入るんですか?」

「言い方が悪いな」

「けれど、それが世間の風評でしょうね。私は弱いものを虐める気も、火事場泥棒をする気もないわ。

今は力を溜め、次の動きで最善の一手を打てるよう静観すべき時でしょう」

「そのほうがいいのです」

「下手にどちらかを刺激すると、両方に攻められる可能性もあるからね」

 

どうやらねねと詠も同意見だったようであり、華琳は静観することを選んだ。

その日の夜、一刀達は突然呼び出された。それは徐州から国境を越えて関羽がやってきたのだ。

 

「お前か……」

 

一刀の目つきが変わった。

 

「何で関羽がこないな所に……」

「劉備は華琳の所に助けを求めに来たってことか?」

「残念だけれど、少し違うわね。説明してくれるかしら?」

 

華琳が関羽に説明を求め、関羽が説明する。

その内容は劉備が華琳達の国境を抜けて益州に向かおうとしており、そのため通行したいと許可を求めに来たのだ。

華琳はその返答をしに劉備の所に向かおうとし、そのお供を求めるが結局皆で行くことになった。

(念のため、一刀が保護した月、詠、恋、ねねは城に残るよう一刀がお願いした)

 

「華琳は人気だな」

「おだてでも何も出ないわよ」

「へいへい」

「何でアンタまで付いてくるのよ」

 

桂花が少々嫌がる顔をして一刀に言う。

 

「ま、色々とな」

 

そうしている内に劉備のいる本陣前に着いた。その本陣は国境ギリギリで後一歩間違えれば大問題になるくらいに近かった。

 

「関羽、あなたの主の所に案内して頂戴。何人か一緒に付いてきてくれる?」

「華琳様! この状況で劉備の本陣に向かうなど、危険すぎます! 罠かもしれません!」

「桂花の言うとおりです! せめて、劉備をこちらに呼び出すなどさせては…!」

 

春蘭と桂花が華琳を諫める。

 

「でしょうね。私も別に、劉備のことを信用しているわけではないわ」

「曹操殿」

「けれど、そんな臆病な振る舞いを、覇者たらんとしているこの私がしていいと思うかしら?」

「ぐっ…」

 

その言葉を聞いて春蘭達は何も言えなくなった。

 

「だから関羽。もしこれが罠だったら…貴方達にはこの場で残らず死んでもらいましょう」

「御髄に」

 

そして華琳はお供として春蘭、季衣、流琉、霞、稟、そして一刀を連れて行き、劉備の所に向かった。

一刀はすぐに対処できるようにカブトのベルトをして行った。

 

 

「曹操さん!」

 

最初に出迎えたのは劉備であった。

 

「久しいわね、劉備。連合軍の時以来かしら?」

「はい。あの時はお世話になりました」

「それで今度は私の領地を抜けたいなどと…また随分と無茶を言ってきたものね」

「すみません。でも、皆が無事にこの場を生き延びるためには、これしか思いつかなかったので……」

「まあ、それを堂々と行うあなたの胆力は大したものだわ。いいでしょう。私の領を通ることを許可しましょう」

「ウェ?」

 

一刀は華琳の答えに少々驚いた。

 

「本当ですか!」

「華琳様!?」

 

一刀以外も驚いた様子であった。

 

「華琳様。劉備にはまだ何も話を聞いておりませんが……」

「聞かずとも良い。こうして劉備を前にすれば、何を考えているのかが分かるのだから」

(お前はニュータイプか…)

 

某ロボットアニメの事を思い出す一刀。

 

「曹操さん…」

「ただし街道はこちらで指定させてもらう。米の一粒でも強奪したなら、生きて私の領を出られないと知りなさい」

「はい! ありがとうございます!」

 

劉備がお礼を言うが、華琳はまだ何か条件があった。

 

「それから通行料は…そうね。関羽でいいわ」

「……え?」

 

華琳の言葉を想定していなかった劉備は驚く。

 

(なるほど、これは俺の世界であったある戦いを戦いじゃない版でやってるようなものか)

 

一刀は曹操が関羽を求める事態があった事を思い出し、これはそれのアナザーバージョンであると頭の中で置き換えた。

 

「何を不思議そうな顔をしているの? 行商でも関所では通行料くらい払うわよ? 当たり前でしょう」

「え、でも、それって……!」

「あなたの全軍が無事に生き延びられるのよ? もちろん、追撃に来るだろう袁紹と袁術もこちらで何とかしてあげましょう。

その代価をたった一人の将の身柄であがなえるのだから…安いと思わない?」

「桃香様…」

「曹操さん、ありがとうございます」

 

その答えに諸葛亮や張飛が驚く。

 

「桃香様!?」

「お姉ちゃん!?」

「でも、ごめんなさい」

「あら」

「愛紗ちゃんは大事な私の妹です。鈴々ちゃんも朱里ちゃんも……他のみんなも、誰一人かけさせないための、今回の作戦なんです。

だから、愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ、意味がないんです。こんな所まで来てもらったのに…ほんとうにごめんなさい」

 

そう言って劉備は頭を下げて謝る。

 

「そう。さすが徳を持って政事をなすと言う劉備だわ。残念ね」

「桃香様、私なら」

「言ったでしょ? 愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ、意味がないって」

 

劉備はそう言うと諸葛亮に他の経路はないかと聞く。

 

「劉備」

「はい?」

「甘えるのもいい加減になさい!」

「だな…」

 

華琳は劉備に大して怒りを顕わにする。

 

「たった一人の将のために、全軍を犠牲にするですって? 寝惚けた物言いも大概にすることね!」

「でも、愛紗ちゃんはそれだけ大切な人なんです!」

「なら、その為に他の将…張飛や諸葛亮、そして生き残った兵が死んでも良いというの!?」

「だから今、朱里ちゃんに何とかなりそうな経路の策定を…!」

「それがないから、私の領を抜けるという暴挙を思いついたのでしょう? 違うかしら?」

「それは……」

「それに他に道はないぜ」

 

華琳と劉備の話し合いに一刀も乱入する。

 

「一刀は黙って…」

「いや、言わせてくれ。頼む」

「……、まあ言ってみなさい」

「劉備さん、今他の道を探しても無駄だぜ。俺はある程度大陸をバイクで走ってみたが、袁紹と袁術の追跡を振り切りつつ、安全に抜ける道はもうないぜ」

「ええ、一刀さんの言うとおりです」

 

稟も自分の意見を言う。

 

「我が軍の精兵を基準としても、半数以上は戦闘などで脱落します」

「…朱里ちゃん…」

「……」

「そんな…」

 

諸葛亮は既にその事実を知っていたが、それを劉備に黙っていた。

 

「現実を受け止めなさい、劉備。あなたが本当に兵のためを思うなら、関羽を通行料に、私の領を安全に抜けるのが一番なのよ」

「桃香様……」

「曹操さん…」

「それから、あなたが関羽の代わりになる、などという寝惚けた提案をする気なら、この場であなたを叩き斬るわよ。国が王を失ってどうするつもりなの?」

「……」

「どうしても関羽を譲る気はないの?」

「……」

「まるで駄々っ子ね、今度は沈黙?」

 

華琳は皮肉るように言う。

 

「……」

「いいわ。あなたと話していても埒があかない。勝手に通っていきなさい」

「え?」

 

華琳の思いもよらない答えに劉備はまた驚く。

 

「聞こえなかった? 私の領を通って良いと言ったのよ。益州でも荊州でもどこへ行けば良い」

「ふん」

 

一刀はポケットの中にこっそり持っていたカブトゼクターを手放す。

 

「曹操さん、ありがとうございます」

「ただし」

「通行料ですか?」

「当たり前でしょう。先に言っておくわ。あなたが南方を統一したとき、私は必ずあなたの国を奪いに行く。通行料の利息込みでね」

「…」

「そうされたくないなら、私の隙を狙ってこちらに攻めてきなさい。そこで私を殺せれば、借金は帳消しにしてあげる」

「そんなことは…」

「ない? なら、私が滅ぼしに行ってあげるから、せいぜい良い国を作って待っていなさい。

あなたはとても愛らしいから…私の側仕えにして、関羽と一緒に存分に可愛がってあげる」

 

こうして華琳から通行許可をもらった劉備軍は霞と稟が案内をし、華琳の領土を通ることになった。

帰り道、一刀は華琳に言う。

 

「大層な悪役ぶりだったな。偽善者ならぬ偽悪者に見えたぜ」

「あら、そうかしら?

それに私は徳と理想だけで乗り切ろうとする彼女がどこまでいけるのか、見てみたいのよ」

「そうか……」

 

 

それから幾ばくかして袁紹軍が劉備軍を追うために攻めてきて、一刀は凪達と合流した。

 

「この人数で大丈夫か?」

「桂花様は大丈夫だと言ってましたが…」

「楽進様! 敵の先鋒を確認しました!」

「よし、総員戦闘準備!」

 

凪の声とともに、部隊全員が弓矢を構え、一刀もゼクターを準備する。

 

「今回はカブトなのですね」

「本当はブレイドを使いたいんだが、遠距離攻撃がないからな。

本当はカブトは緊急の方に向いてて、クロックアップはあまり多用できない。

だけど今は遠距離主体ならカブトクナイガンで十分…変身!」

「Henshin」

「撃て!」

 

凪の掛け声と一刀の変身の声とともに兵達は一斉に弓を放ち、一刀もカブトに変身する。

凪の気弾と兵達の矢が空高く飛んで相手に襲い掛かる。

その様子を見た文醜は頭を悩める。

 

「もしかして曹操軍に待ち伏せされたんじゃ…」

「うわ、めんどくさー! いちいち曹操なんか相手してられないのに……。

全軍転進、別の道から劉備たちを追うぞ!」

 

袁紹軍の撤退に一刀はあっけに取られる。

 

「本当に撤退するとはな」

「凄いですね、桂花様の予測は…」

「少しだけ見直した」

「では隊長。北郷隊は本隊に合流します」

「ああ、注意しろよ」

 

そして文醜達追撃軍は次に沙和達の部隊に阻まれ、その次は秋蘭の部隊に阻まれ、最後は正面で来たのを春蘭の部隊に蹴散らされ撤退した。

袁紹軍を追い返してしばらくの時が過ぎていき、劉備軍がようやく領地を抜け、霞と稟が戻ってきて袁紹軍と本格的に事を構える計画が進められた。

 

「敵が集結してきてる?」

「はい、どうも袁紹と袁術の両軍が、官渡に兵を集中させているようなのです」

(官渡の戦いか……、面白くなってきたな!)

「これで二面作戦をしなくていい分、楽になったわね」

「……春蘭様、どういう意味ですか?」

「…それは…」

 

季衣が春蘭に意味を尋ねるが、春蘭が答えられるわけもなかった。

 

「おい北郷説明してやれ」

「ウェ!? 俺!?」

「お前がだ!」

「マゼラン!」

「ええい、わけの分からんことを言うな! 説明しろ」

「今のは『何故だ!』って言ったんだ」

「そっちの説明じゃない!」

 

一刀と春蘭のボケとツッコミをしているうちに華琳が丁寧に季衣に教えた。

 

「ただ、警戒すべきは……」

「袁術の客将の孫策の一党かと」

 

春蘭は孫策とはちょっとした因縁があるため、華琳は第二陣として袁術軍との戦いには春蘭を主力とし、孫策が出たら自由に判断し、補佐に季衣と流琉をつけた。

第一陣はの主力は霞に任せ、霞は補佐に凪、真桜、沙和の三人が良いと一刀に頼む。

 

「恋じゃだめなのか?」

「恋の場合やとあまり言いたいこと伝わらないことがあるからなぁ~」

「………?」

 

恋は自分の言われようがあまり分かっていないようだった。

 

「俺は良いけど、良いのか華琳?」

「構わないわ、一刀は秋蘭と一緒に本陣に詰めなさい」

「了解!」

 

桂花は霞達を出陣前に以前に真桜が作った秘密兵器の訓練をさせてから行かせた。

そして曹操軍と袁紹&袁術軍は官渡の地に入った。

 

「あの櫓は厄介ね。あそこから陣形を読まれたり、矢を射掛けられたりしてはたまらないわ」

「大丈夫です。この時のための秘密兵器ですから。真桜、用意はできているわね?」

「完璧や、任しとき」

「華琳様、袁紹が出てきました。あの櫓も一緒です」

「動くの!? あの櫓」

「動く櫓か…」

「まあいいわ。行ってくるから、準備をしておきなさい。いつでも攻められるようにしておいて」

「御意!」

 

華琳と袁紹が戦闘前の布告を言うが少々子供の喧嘩に近かった。

そして袁紹が攻撃を命じる前に華琳の方の攻撃のほうが早かった。

 

「おーっ! さすがウチの最高傑作や! よう飛ぶなぁ!」

「投石器だったのか…」

 

真桜の作った秘密兵器、投石器はかなり絶大で袁紹軍の櫓を壊滅させた。

そして白兵戦となったのだが、相手はほぼ烏合の衆。

華琳達や仮面ライダーブレイドの敵ではなかった。

 

「さてと次はどうなるかな……」

 

戦いを終えて、一刀は考える。官渡の後は数年は目立った戦いは起こらない。

だがそれは一刀の知る世界の歴史での話。この世界ではあまり自分の知る歴史は通用しない。

 

「ま、なるようになるってことだな」

 

一刀は右手の人差し指を空高く伸ばし、次の出来ことを待つことにした。

 

 

おまけ

 

 

作者「早い時間に投稿した、仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 第6章」

一刀「本当にひねりがほとんどなかったな」

作者「最初はひねろうと思ったけど、思ったより袁紹たちの会話が長くてな…。断念した」

一刀「意志弱いな」

作者「意志が弱いとは違うな。まあ次回はある程度はひねってるぞ」

一刀「次回というと……」

作者「おおっと! 原作を知らない人もいるかもしれないからこれ以上言うのは野暮ってもんだぜ!」

一刀「それはすまなかったな」

作者「しかし前回の話でカブトを出したが、思いのほかカブトが人気だったようで、俺はびっくりした」

一刀「まあカブトはスペック値はともかくクロックアップが強いからな」

作者「ちなみにデザイン的にはクウガやアギトが好きだな。ちなみに個人的だがディケイドを除けば平成ライダーでは1番が電王、2番がアギト、3番が剣とカブトで好きだ」

一刀「3番目に好きなのがこのSSで二つとも出てるな」

作者「それはただの偶然だ。それは断言できる。

ああそれと次回のちょっとした予告はこれだな」

 

華琳の危機に一刀は!?

 

作者「と、何が危機なのかは見てからのお楽しみだ」

一刀「ところでお前なんか毎日投稿してないか?」

作者「そうだね、ストックもあるし、もうあと少しで本編の最後まで書けそうだからな。

こうなったら今年(2009年)中には本編を全部投稿したいと考え始めてる」

一刀「おいおい…」

作者「まあ拠点の話は来年になるかな。それではまた!」


 
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