昼、天空市民病院診察室。

ティア「全身にカサブタが？」

豚の男性患者「はい。ウィ～ヒック！　もう痛くて痛くて、ウィ～ヒック！」

ティア「拝見いたしますわ」

ティア「確かに。これは痛いでしょうね。塗り薬を処方しますので、お風呂上がりに塗って下さい」

豚の男性患者「ありがとうございます、ウィ～ヒック！」

夜8時。

ティア「んー、今日の仕事終わりー！」（のびーっ！）

壬虎「せーんぱい！」

ティア「あ、壬虎ちゃん。あなたも今上がり？」

壬虎「はい！　今から一緒にご飯どうですか？」

ティア「いいわね！　ところでそのスマホは？」

壬虎「さっき待合室の前を通ったらあったんです。誰かの忘れ物かと」

ティア「患者さんのかしら？　時々あるのよね」

カチッ。

壬虎「あ、スイッチ触っちゃった」

ティア「画面が出てきたわ。ロックは掛かってなかったみたい。ヘックスの画面…あ、このサムネール、昼間診察した患者さんだわ！」

壬虎「じゃあ連絡先も分かりますね！　事務所に預けておいて、明日の朝にでも御本人に連絡してもらいましょうよ」

ティア「そうしましょう。…こ、これは！！」

壬虎「どうしたんですか？」

『酒呑んでやるア○ルS○Xは最高ー！ｗ　やっぱ男子高校生は締まりが違うぜ！ｗｗｗｗ』

壬虎「うわ」

ティア「若い豚の男の子とｱｯｰ!」

壬虎「二人とも全裸でｱｯｰ!」

『いてててて。あいつ、手加減なしに縛れって言ったらホントに手加減なしに縛りやがって。やっぱ男子高校生の力は凄いわｗ　でも快感んん～～～♥♥♥』

壬虎「全裸で縄で縛られて喜んでる…」

ティア「全身のカサブタの原因は、やっぱりこれだったのね」

壬虎「全身のカサブタ？」

ティア「実はね──」

壬虎「そんなことがあったんですね。気付いてたんですか先輩？」

ティア「当然よ、医者ですからね。プライバシーに関することですから、患者さんの前では口に出さなかったけど」

『彼、またお小遣いだってさ。おいおい、今月何回目だよ？　高校生ってのは金が要るんだねえー。ま、次のためにも、ここは気前よくポーンと渡しときますかｗ』

壬虎「先輩…」

ティア「ええ。見てしまった以上、プライバシーとか言ってられないわね」

ティアは自分のスマホを取り出した。

ティア「あ、もしもし、クオン警部でしょうか？　ご無沙汰しております、ティアです。実は──。はい、よろしくお願いします。では」

ピッ。

ティア「警部、すぐに来てくれるんですって」

20分後。

クオン「こんばんは」

ティア「こんな時間にすみません警部」

クオン「いえ。それで、その忘れ物のスマホというのは？」

ティア「これです」

クオン「どれ、ちょっと拝見」

クオン「うわｱｯｰ!」（ドン引き）

ティア「どうしましょう警部？」

クオン「自分でこれだけの証拠を上げている以上、警察としても黙っているわけにはいきません。このスマホは預かりますね」

ティア「よろしくお願いします」

数日後。

フィーア＠TVニュース『18歳未満と知りながら、男子高校生に金銭を渡して常習的にみだらな行為を行っていた男が警察に逮捕されました。逮捕されたのは、作業員・吐瀉豚容疑者です。この事件は、吐容疑者が自分のスマホを置き忘れたことから発覚し──』

市民病院食堂。

壬虎「あ、この前の件だわ」

ティア「クオン警部にはお世話かけたわね」

クオン「こんにちは！」

壬虎「あ、クオン警部」

ティア「今ニュースでやってましたわ。お手数おかけしました」

クオン「いえいえ。警察として当然のことをしたまでです」

壬虎「警部、今日はその報告にわざわざ？」

クオン「それもありますが、今日は私用、一患者として」

ティア「あら、どこかお悪いんですか？」

クオン「最近事件が多くてですね、毎日あちこち歩き回ったおかげで足が凝りまくって、テレジア博士に診てもらおうと」

ティア「なるほど」

テレジア（放送）『クオン・ココノエさん、診察室へどうぞ』

クオン「呼んでるみたいだ。では失礼します」

ティア、壬虎「お疲れ様です」

ティア「警部、大丈夫かしら？」

壬虎「大丈夫かしらって？」

ティア「テレジア博士、最近新しいマッサージ術を習得されたみたいなの。でもそれ、効くことは効くんだけど、かなり痛いと評判みたいで」

壬虎「あー。大丈夫でしょうか警部？」

クオン（診察室）『うぎゃーっ！！』

壬虎「大丈夫じゃなかったみたいですね…」

＝END＝