No.1078611

英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

soranoさん

第140話

2021-12-02 21:32:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1446   閲覧ユーザー数:1314

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「……”生まれ変わり”か。宰相殿が、あのドライケルス帝の。運命の悪戯というか――――――色々なものが繋がったような気分だ。父上がどうして彼にあそこまでの采配を託したのかもね。」

アリサ達から霊場での出来事を聞いたオリヴァルト皇子は静かな表情で呟いた。

「アリサ君の父上もそうだけど、ジョルジュにもあんな複雑な事情があったとはね。」

「……はい……」

アンゼリカの言葉にアリサは悲しそうな表情で頷いた。

「黒の工房……そして”黒の騎神”ですか……」

「……想像していた以上に凄まじい存在だったんですね……」

エレインは真剣な表情で考え込みながら呟き、ティータは不安そうな表情で呟いた。

「だが――――――宰相たちの真意はともあれ、エレボニアの呪いたる”元凶”は見えてきた。」

「そうだな……それがわかったのは途轍もなく大きな収穫だろう。」

「……”七の相克”を通じて逆にその”元凶”を何とかできれば……」

ユーシスの言葉にマキアスは頷き、エマは考え込んでいた。

 

「フフ……いろいろな意味で有意義な時間だったようだね。かの獅子心皇帝まで絡んでいた話だ。ボクも今まで以上に力を尽くそう。」

アリサ達の様子を見まわしたオリヴァルト皇子は口元に笑みを浮かべて答えた。

「フム、行動方針が決まったなのは何よりだが……お前さん達に確認したい事がある。――――――お前さん達が霊場でやり合ったという”灰色の騎士”達の”裏の協力者”を名乗った女剣士……本当にその女剣士は”斑鳩”の”白銀の剣聖”と名乗ったのだな?」

「は、はい。」

「俺達全員で挑んだにも関わらず、ほとんど”本気”を出さずにまるで遊んでいるかのように、俺達の攻撃を次々とさばいていたぜ。」

「……彼女の振るう剣はまさに”剣聖”を名乗るに相応しい絶佳の剣でした。」

「しかもリィンの事を”弟弟子”と呼んだにも関わらず、剣術は”八葉一刀流”じゃなく、”黒神一刀流”とやらなのよね……ただ、あの娘が振るう剣技のいくつかはリィンが振るう八葉の技の面影があったけど……」

ジンの質問にエリオットは緊張した様子で頷き、クロウは疲れた表情で答え、ラウラは重々しい様子を纏って呟き、サラは真剣な表情で考え込んだ。

「アネラス、お前はその女の事を知らないのかよ?Ⅶ組の連中の話によると、その女はお前の事も”姉弟子(仮)”って呼んだらしいじゃねぇか。」

「す、すみません……そういわれても全然心当たりがないんです……というか、”お祖父(じい)ちゃんが直々に剣術を教えた直弟子の中に女性がいる事”も初耳でしたし……」

「む……?エリゼ君も八葉一刀流の剣士だが、彼女は”剣仙”の”直弟子”ではないのか?」

アガットの質問にアネラスは困惑の表情で答え、アネラスの答えが気になったミュラーは不思議そうな表情で訊ねた。

 

「あ、はい。エリゼちゃんはリシャールさんやユリア准佐達のように、”奥義皆伝”を認められているカシウスさんから”八葉一刀流”を指導されましたから、”エリゼちゃんはお祖父ちゃんの直弟子ではなく、カシウスさんの直弟子”なんです。」

「そうなると、その”存在していないはずの剣仙の直弟子”を名乗る”白銀の剣聖”とやらは一体何者なのかしら……?」

「彼らに”白銀の剣聖”という人物の事を聞いた事を考えると、もしかしてジンさんはその人物やその人物が所属していると思われる組織――――――”斑鳩”の事もご存知なのですか?」

アネラスの答えを聞いたシェラザードは真剣な表情で考え込み、ある事が気になったエレインはジンに訊ねた。

「ああ。――――荒廃する大陸東部で日々、鎬を削る数多の猟兵団。その中でも”最強”と謡われる、太刀と忍びの使い手達の武装集団――――――SSS級猟兵団”斑鳩”。それが”白銀の剣聖”が所属している”組織”だ。」

「”SSS級猟兵団”ですって!?」

「という事はシズナさんは猟兵なんだ……」

「ん……しかも、猟兵団としてのランクも”SS級”だった”西風”や”星座”よりも上。」

「何ぃ……っ!?」

「まさか”二大猟兵団”と恐れられた”西風の旅団”と”赤い星座”を上回る猟兵団が存在していたなんてね……」

ジンの説明を聞いたその場にいる全員が血相を変えている中サラは厳しい表情で声を上げ、トワは呆けた表情で呟き、フィーの話を聞いたアガットは驚き、シェラザードは信じられない表情を浮かべて呟いた。

 

「そしてその”斑鳩”は”白銀の剣聖”に率いられているという話を聞いた事がある。」

「ええっ!?という事はシズナさんは……!」

「そのヤバ過ぎる猟兵達を率いる頭(かしら)って事じゃねぇか……!」

話を続けたジンの話を聞いた仲間達が再び血相を変えている中セドリックは驚きの声を上げ、アッシュは厳しい表情で声を上げた。

「ああ。”斑鳩”の活動地は主に大陸東部の為、大陸西部ではあまり聞かない名だが……伝え聞く話やお前さん達の話通りだと、”白銀の剣聖”はかの”猟兵王”や”闘神”とも並ぶ”史上最強の猟兵”の一人なんだろう。」

「あの猟兵王とも並ぶ”史上最強の猟兵”ですか……」

「それって、リィンの”お情け”がなかったら、アタシ達は”詰んでた”って事になるじゃない……」

ジンの推測を聞いたエマは不安そうな表情を浮かべ、セリーヌは疲れた表情で呟いた。

「で、でも……そんな凄すぎる猟兵さんがどうして個人的にリィンさんに協力しているんでしょう……?」

「フム……彼女はリィン君の事を”弟弟子”と呼んで随分と可愛がっている様子だったから、ひょっとしたらその辺りが関係しているかもしれないね。」

「”白銀の剣聖”の件も気になりますが、レン皇女殿下が雇ったという裏解決屋(スプリガン)という存在も気になりますわね……」

不安そうな表情で呟いたティータの疑問にアンゼリカは考え込みながら推測を口にし、シャロンは真剣な表情で新たな疑問を口にした。

 

「た、確かに……雇った人物がよりにもよって、”あの”レンちゃんとの事ですし……」

「あの娘の性格を考えると、間違いなく相当な実力か、もしくはあの娘が雇う事を決めた”何か”があるんでしょうね。」

シャロンの疑問を聞いたアネラスは不安そうな表情で同意し、シェラザードは真剣な表情で呟いた。

「ちなみに子爵閣下は”白銀の剣聖”とやらに心当たりはないのかい?確か子爵閣下は”剣仙”と親しかったと聞いているが。」

「大変申し訳ございませんが私もユン殿からはその”白銀の剣聖”という人物の話は聞いた事がありません。――――――ですが、その”白銀の剣聖”が”存在していないはずのユン殿の直弟子を名乗った理由”については推測ができます。」

「それは本当ですか、父上……!?」

オリヴァルト皇子の質問に答えたアルゼイド子爵の答えを聞いたその場にいる全員が血相を変えている中ラウラは真剣な表情で訊ねた。

「ああ。恐らくその”白銀の剣聖”という人物はユン殿の”裏弟子”なんだろう。」

「”裏弟子”とは一体……」

「”裏弟子”とは”公にはできない技を流派として絶やさず繋いで行く為の弟子”だ。――――――例えば”人を殺す事に特化した剣”――――――”殺人剣”と言われる剣技がそれに当たる。」

「”殺人剣”……リィンも今の自分が振るう剣は”殺人剣”だと言っていたが……」

アルゼイド子爵の答えを聞いて真剣な表情で呟いたガイウスの疑問にジンは説明し、ジンの説明を聞いたユーシスは真剣な表情で呟いた。

 

「それはリィンがそう思っているだけの話で、リィンが振るう剣術自体は”活人剣”――――――”人を生かす為の剣”だし、リィン自身も”戦争を終わらせるために剣を振るっている”のだから、その考えもまた”活人剣”だ。だが、”殺人剣”とはまさにその名の通り、”人を殺す為に振るう剣”であり、剣を振るう理由も”人を捨て修羅に堕ちる為に人を斬る”――――――それが”殺人剣”の考えだ。」

「”修羅”って確か……」

「ああ………かつてのレーヴェの野郎が目指していた境地とやらだな。」

「フム……そうなると、”黒神一刀流”という剣術はもしかしたら”裏の八葉一刀流の呼び方”かもしれないね。」

「その可能性は十分に考えられるな。サラもさっき言ったように実際あの女の剣技(クラフト)のいくつかはリィンの剣技(クラフト)に似ていたからな。」

「お祖父ちゃん…………」

「アネラスさん……」

アルゼイド子爵の話を聞いて心当たりを思い出したシェラザードは驚きの表情を浮かべ、アガットは目を細めて呟き、アンゼリカの推測にクロウは頷き、辛そうな表情を浮かべているアネラスをティータは心配そうな表情で見つめた。

 

「おまけに彼らの話によると、リィン君達の”次の作戦”に私達が介入した場合、精鋭揃いの黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)の面々に加えて鉄機隊、更にはその”白銀の剣聖”とやらが立ちはだかる上”白銀の剣聖”の担当は私達”協力者”との事だから、話に聞くだけでもどう考えてもレーヴェ君クラスの剣士を相手にしなければならない事を考えると気が滅入るねぇ。」

「彼らの話によると”白銀の剣聖”はリィンしか扱えなかった“絶招”――――――”神気合一”を紛い物とはいえ、習得している事も考えると最悪はあの”剣帝”以上と考えるべきかもしれないな、その”白銀の剣聖”の実力は……」

疲れた表情で呟いたオリヴァルト皇子の言葉に続くようにミュラーは真剣な表情でシズナの戦闘能力を推測した。

「差し当っての問題はリィンさん達の”次の作戦”が”どこ”で行われ、どんな”内容”になるかですね……」

「はい……”軍人”である黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)出身の人達までわたし達の足止めに充てる事やシズナさんが口にした言葉――――――”次の作戦が成功すれば、もうわたし達がリィン君達とやり合う事はない”――――――つまり、”この戦争の雌雄を決する大規模な戦いになるような言い方”という点も考えると連合軍の”本陣”も動く相当大掛かりな軍事作戦になると思われるのですが……」

「恐らくロゼが連合に協力する為に郷を離れるタイミングがその”次の作戦”とやらが行われる直前で、ロゼもその件で郷を離れる時は前もってアタシ達に連絡するって言っていたけど、多分”殲滅天使”の事だからアタシ達に”作戦内容”を話さないような”誓約”をロゼに科しているでしょうから、ロゼからその”作戦内容”を教えてもらう事も期待しない方がいいでしょうね。」

「それに連合”本陣”も動く程の大掛かりな作戦となると、ヴァイスラント新生軍の客将である”深淵”殿も”客将としての守秘義務”が要求されることで、”深淵”殿もその作戦の内容を知る事はできても、今までと違い、我らに話す事はない可能性も十分に考えられるだろうな。」

「それは……」

セドリックの疑問に頷いたトワは不安そうな表情で考え込み、セリーヌは複雑そうな表情で推測し、アルゼイド子爵の推測に反論が見つからないラウラは複雑そうな表情で答えを濁した。

 

「……あの。その件ですが、リィンさん達の”次の作戦の内容”はわかりませんが、”次の作戦が行われ時にその場所を把握する事”はできるかもしれません。」

「エマ?」

「ほ、本当にそんなことができるの……!?」

その時少しの間考え込んでいたエマがその場にいる全員が驚く答えを口にし、エマの答えを聞いたセリーヌが不思議そうな表情を浮かべている中、エリオットは信じられない表情で訊ねた。

「はい。とはいっても、あくまで”次の作戦が行われ時にその場所を把握する事が可能”ですから、前もって次の作戦が行われる場所を把握する事等はできませんが……」

「それでも、作戦が行われる場所を把握する事ができれば、その場所に急行して介入する事はできるから十分過ぎるな。」

「ええ。最悪なのは”あたし達が知らない内に全部終わっている事”なのだから、それと比べれば介入する機会ができる分、よほどマシよ。」

「それで、その”次の作戦が行われ時にその場所を把握する方法”というのはどんな方法なのかしら?」

申し訳なさそうな表情で答えたエマの説明を聞いたユーシスとサラは静かな表情で呟き、エレインは真剣な表情で訊ねた。

 

「その方法に関してはシャロンさんが”鍵”となります。」

「へ。」

「わたくしが”鍵”……ですか?」

エマの答えを聞いたアリサは呆け、シャロンは不思議そうな表情で首を傾げた。

「はい。その前にシャロンさんに確認しておきたい事が一つあるのですが……」

「何でしょうか?」

「その……リィンさんとの”使い魔契約”の状態は今も続いていますか?」

「ええ、今もリィン様との霊力の繋がりは感じますから、リィン様は恐らく”リィン様とわたくしの使い魔契約”は破棄されていないと思いますが……」

「”霊力の繋がり”……――――――!そういう事ね……!」

「ふえ?シェラザードさんは今の話だけで、何かわかったんですか?」

エマのシャロンへの質問、その答えを聞いた事情を察したシェラザードの様子が気になったティータは不思議そうな表情で訊ねた。

 

「ええ。恐らくエマが今言った”方法”は”シャロンさんとシュバルツァー少将の使い魔契約――――――つまり、シャロンさんとシュバルツァー少将の霊力の繋がりを利用して、作戦実行時のシュバルツァー少将の現在地を把握することよ。”」

「ああ……ッ!?」

「そうか……!リィン君がシャロンさんを自身の使い魔にしたことで、”リィン君とシャロンさんに互いの霊力の繋がりが発生している”から、その繋がりを利用して作戦実行時のリィン君の居場所を把握する――――――つまり、”次に行われる予定の連合の大規模な軍事作戦の場所も把握できる”という事か……!」

「へっ、まさか”使い魔契約を利用した逆探知”を思いつくとはさすが”魔女”の一族だぜ。」

「つーか、間接的とはいえ、ここでもあのエロ魔術が関わってくるのかよ……」

「まあ、”使い魔契約の方法”は”性魔術”だけじゃないらしいけどね。」

「クク、リィンもまさか自分の使い魔契約が原因で、俺達に介入して欲しくない作戦の場所を把握されるとは考えた事もないだろうな。」

「しかもベルフェゴールに操られたとはいえ、実際リィンはシャロンを”レイプ”しているから、ある意味”自業自得”だよね~。」

「ちょっ、ミリアム…………!そういう事はせめて本人(シャロンさん)がいない所で言ってくれ……!」

シェラザードの説明を聞いたアネラスは声を上げ、目を見開いたアンゼリカはシェラザードの説明を捕捉し、アガットはエマに感心し、アッシュとフィーは呆れた表情で呟き、クロウはおかしそうに笑い、呑気な様子で呟いたミリアムのとんでもない言葉にその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中マキアスは表情を引き攣らせながら指摘した。

 

「ふふっ、以前にも申し上げましたようにその件についてはわたくしは特に気にしておりませんので、どうかお気遣いなく。……ただ、わたくしはエマ様達”魔女”の一族の方々のように霊力の扱いに長けている訳ではありませんから、リィン様との霊力の繋がりを感じる事はできても、その繋がりを利用してリィン様の居場所を逆探知するような事はできないのですが……」

「ええ、勿論その件に関しても最初から承知しています。ですから、お手数をおかけする事になるのですが、私とセリーヌがシャロンさんに霊力(マナ)の扱い方についてを伝えさせて頂きますので、シャロンさんには早急にそれを習得して欲しいのです。」

「ま、”霊力の繋がり”は霊力を扱う技術の中でも初心者クラスの上、そもそもアンタ自身あの意味不明な天使のメイド達から教わったという”メイド専用魔術”とかいうのを扱えるのだから遅くても半日で習得できると思うわ。」

マキアスの指摘に対して苦笑しながら答えたシャロンはアリサ達に自分にとっての懸念を伝え、シャロンの懸念を知ったエマとセリーヌはそれが心配無用である事を伝えた。

「かしこまりましたわ。――――――どうか、ご教授の方、お願い致します。」

二人の話を聞いたシャロンは二人に恭しく頭を下げた。

「天使のメイドの方達の話で気になっていたのですが……以前のオルディスの時にシャロンさんの呼びかけによって現れたあの天使のメイドの方達は今後も協力して頂けるのでしょうか?もし協力して頂ければ、とても心強いのですが……」

「そうですね……僅か4人で”はぐれ魔神”を抑える事ができる程戦闘能力に秀でているのですから、今後も加勢してもらえれば心強いですね。」

「あの天使のメイドさん達はリィン達と違って、シャロンさんの霊力で”契約”している訳ではないようですけど……」

セドリックの疑問と推測にミュラーは頷き、エリオットは戸惑いの表情でシャロンを見つめた。

 

「あの方達とはあくまで”メイドの同志にして友”としての”メイド同志契約”ですから、リィン様達の”異種族との協力契約”とは異なりますわ。」

「いや、”メイド同志契約”とか意味不明なんだけど。」

シャロンの答えを聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて脱力している中セリーヌはジト目で指摘した。

「あの天使のメイド達とどこで知り合った事も含めて色々と聞きたいけど……とりあえず、今後もあの天使のメイド達はリィンのメサイア達みたいに、呼べば私達に協力してくれるって事でいいのかしら?」

我に返ったアリサは真剣な表情でシャロンに訊ねた。

「申し訳ありませんがそれについてはわたくしもわかりませんわ。あの方達には”出張”の仕事があるとの事で、その”出張”の仕事に就けば年単位で戻る事はないとの事ですから。実際、オルディスの件が終わってお礼を言った際にも”4人全員揃っている事は稀”との事で、あの時のわたくし達は”運が良かったですね”と言われましたわ。」

「”天使のメイド達の出張”とか、完全にイミフだろ。」

「まあ、彼女達は”メイド”でもあるんだから当然そっち方面の仕事で呼ばれると思うし、戦闘能力が高い事も考えると、ひょっとしたらエリゼ君のように”メイド兼護衛”としての役目で人気なのかもしれないね。」

「とりあえず今ここに本人達を呼んで今後も俺達に協力してくれるかどうか確認したらどうだ?」

シャロンの答えを聞いたその場にいる全員が再び冷や汗をかいて脱力している中ジト目で呟いたアッシュの疑問にアンゼリカは苦笑しながら答え、クロウは疲れた表情である提案をした。

 

「かしこまりましたわ。―――主に仕える事を史上の喜びとする我が”同志”にして”友”達よ!今、ここに来たれっ!”エウシュリー”!!」

クロウの提案に頷いたシャロンが詠唱をすると、その場の空間が裂け、裂けた場所からエウシュリーちゃんとブラックエウシュリーちゃんが現れた。

「お呼び頂きありがとうございます~。今回はどなたを”お掃除”すれば――――――あら?」

「ズルズル……見た所”掃除する相手”がいないけど……モグモグ……どういう事?私達に用がある時だけ呼んでって言ったわよね?ズルズル……私達は忙しい身なんだから、用もないのに呼ばないで……モグモグ……」

その場に現れたエウシュリーちゃんは微笑んだ後周囲を見回して首を傾げ、ブラックエウシュリーちゃんは片手に持つ謎の入れ物に入っている麺らしきものを食べながら指摘し、食べ物を食べながら指摘するブラックエウシュリーちゃんの態度の様子にその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

(少なくても、今も食い物を食っているテメェだけは暇だろっつーの。)

(あ、あはは……)

ジト目で呟いたアッシュの小声を聞いたトワは苦笑し

「お二人ともお忙しいところお呼びさせて頂き申し訳ございません。実は――――――」

そしてシャロンはエウシュリーちゃんとブラックエウシュリーちゃんをこの場に呼んだ理由を説明し、できれば今後は自分達と行動を共にして欲しい事も伝えた――――――

 

 

 

今回の話の最後で出てきたエウシュリーおなじみのマスコットの内二人がいない理由については次回の話で判明します……というか、次回はエウシュリーちゃんとブラックエウシュリーちゃんが世界観を崩壊させる又はメタな発言ばかりしちゃいます(ぇ)


 
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