No.1066681

創世天使 前哨戦1

イグノランスであるサタンが「創世記」の裏側で活躍する物語。

2021-07-15 17:59:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:370   閲覧ユーザー数:370

「これは神に対しての復讐ではない。憎きちりのごときから出来た人間への復讐なのである。」

そう言って、サタンである堕落天使のイグノランスは立った。

彼の名前は近日、名付けられたものであり、先行して名乗っているのである。

1創世の七日間

この七日間で、神は人間と天使とを造られた。

もちろん、他の天地万物も造られたのだが、特別喋る生き物は人間と天使しかいなかった。

天地万物の中に被造物すなわち、神が造る動物、這う物、植物、飛ぶ物等がいた。

ビッグバン説では、創世の七日間等はなく、無があって、有が出来た。という事である。

ともかく、生を人間と天使が受けた事で、アダムは土から、イグノランスは火から生まれたのである。

その人間と天使の物語なのである。

神は人間に動物の呼び方を教え、天使に伝えさせた。

これにより、天使一同、その被造物に跪拝をする事になったのだが、イグランスとその部下達はこれに服従しなかった。

神が跪拝せよ。という道筋であるにも関わらず、イグランスは跪拝をしなかったのである。

理由は色々と考えられる。

・イグノランスは人間が神より劣るものとして、神以外を跪拝したくはなかった。

・ただ単にイグノランスが傲慢であった。

・もしも、アダムが悪魔のような面を持っていたらと思うと恐ろしくて跪拝しなかった。

等が考えられる。

いずれにせよ、神の怒りに触れたイグノランスに神はこう言われた。

「わしに従えない愚かしき使徒とも呼べない使徒は堕ちてゆけ。わしの目の届く所にいるでない。」

そして、裏幕に移る。

サタンであるイグノランスは言う。

「我々は元は天使であり、神の使いであったはず。それを邪険にし、軽んじたのも人間の仕業なのだ。ある事ない事を宿敵である人間が触れ回っている。

これを唾棄して彼ら人間を堕とさなければ、我々に未来はない。」

サタンは天のすぐ下、九次元にいた。

もちろん、天へ攻め入る準備をしているのだ。

すぐにでも、天へ攻め入りたいイグノランスであった。」

その周囲に集まった天使達はもはや後に引けぬ者達だった。

もはや、その勢いは数十万に上る程であった。

しかしながら、天使全体が何千万、いや、何億かであるとすると、小勢にも程があった。

それでも、イグノランスは諦めていない様子であった。

しかし、しかも、それらを統べるのが神であり、七大天使、ミカエル、ガブリエル、サマエル、マウェッタエル、ラファエル、レミエル、サキエルである事を考えると、イグノランスにはどうも切り崩せない様に思えた。

恐らくその時に考えたのだろう。

人間を誘惑し、堕落せしめた、その事を。

悪魔が動く。

叛心の範囲はアダムとイヴはもちろんの事、唯一絶対の神、七大天使とその他の数多(あまた)の天使達に向けられていた。

様々な理由を神に指摘され、追い詰(つ)められていた数十万の天使はこぞって、イグノランスの堕落を受けた。

堕落を受けるというのは、神に宣告されたに等しい行為である。つまり、イグノランスが天使達の神となって、天使達を束ねる悪側の神となったのだ。

それは冒涜的で全く倒錯的であった。

しかしながら、イグノランスに自信が今ひとつあったのである。

それは人間への対抗心から、黙示文学における“獣”への道筋をはっきり照らしていた。

 


 
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