No.1062891

スマブラ Stern des Lichts 82 ~狂気の左手~

Nobuさん

クレイジーハンド救出回です。
彼を助けるのは、やっぱり彼女じゃないとね!

2021-05-28 08:00:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:553   閲覧ユーザー数:553

 争いの世界を救うため、光と闇を打ち倒す最終決戦が始まっていた。

 ベヨネッタを解放した一行は、この先にいるクレイジーハンドと戦う準備をしていた。

 

「この先から、ただならぬ気配を感じます」

「ドリィ……」

 クレイジーハンドに仕えるメイド、ドリィはごくりと唾をのんだ。

「ラ・ナチュ・マ・ギ・デ・スカト」

 ドリィは念のため、防御魔法を味方全員にかける。

 相手の攻撃は強力なので、それに備えるためだ。

 そして、六人が一歩踏み出すと、クレイジーハンドが目の前に現れる。

「……来ますよ!」

「アアアアアァァァァァァァァ!!」

 クレイジーハンドは叫び声を上げながら、ゼルダ達に襲い掛かってきた。

 

「やぁっ!」

 ゼルダは力の女神ディンの力を借り、炎を発生させて攻撃する。

 クレイジーハンドはドリルのようにクッパに突っ込んでいった。

「おらぁぁ!」

 クッパは渾身の一撃で反撃するが、クレイジーハンドには当たらなかった。

「くそっ、オレは空が苦手なんだ……」

 リトルマックは、空中に浮くクレイジーハンドが苦手だった。

 その時、ベルがリトルマックの身体に手を触れる。

「力をあげるわ」

「サンキュー! ロングアッパー!」

 リトルマックはベルの魔力により一時的に能力が上がり、遠い間合いから突き上げるように拳を放った。

 メタナイトは空を飛び、素早く剣で切り刻んだ。

「オアアアアアアアアア!!」

「どうか、正気に戻ってください……。クレイジーハンド様……!」

 クレイジーハンドは五本の指から青い炎を放った。

 ドリィの防御魔法の効果でダメージは大した事がなかったが、主の裏切りはドリィの心に傷をつけた。

「邪魔するんじゃないわよ! ナイトメア!」

 ベルは鎌を勢いよく投げつける。

 クレイジーハンドの指を切り裂いたが、指はすぐに再生しかすり傷に留まった。

「勇気の女神フロルよ、彼の者に勇気を与えたまえ」

 ゼルダはフロルの力を借りてドリィに優しく追い風を吹かせ、その行動を補助する。

 余裕ができたドリィは杖を振り、魔法の矢を飛ばして攻撃した。

「グゥゥ……ドリィヨ、ナゼワタシニサカラウノダ」

「クレイジーハンド様はそのような事は言わない……だから私《わたくし》は迷わない! あなたを助けます!」

「我輩はここで負けるわけにはいかないのだ!」

「はああぁっ!」

 ドリィは防御するクレイジーハンドに、魔法の矢を乱射して攻撃する。

 クッパは回転しながら突っ込んでいき、リトルマックもロングアッパーで追撃する。

 ベルも大鎌を振り、クレイジーハンドを切り刻む。

 猛攻によりクレイジーハンドは瀕死になっていた。

 

「今ですよ、ドリィさん!」

「クレイジーハンド様、どうかお戻りください。ラ・ナチュ・ド・ステラ・マ・ギ・ド・ヴェン!」

「ギャアアアアアアアアアアアアア!!」

 追尾する魔力弾を乱射し、クレイジーハンドを連続で打ち据える。

 まともに攻撃を食らい続けたクレイジーハンドは悶絶し、暴れ出す。

 やがてクレイジーハンドは完全に戦意を喪失。

 ドリィ達はこの戦いに、勝利したのだった。

 

「うぐぅぅっ! うあぁぁぁぁぁ!」

 クレイジーハンドはのたうち回っていたが、しばらくすると、彼の身体から黒いオーラが消えていく。

 そして、大人しくなったクレイジーハンドは宙に浮き上がり、正気に戻る。

 ドリィは確信した、彼が本物のクレイジーハンドなのだと。

 ベル達は、クレイジーハンドをダーズの支配から解放したのだ。

 正気に戻ったクレイジーハンドは左右に動き、ようやく、完全に落ち着きを取り戻した。

「……私はなんて事をしてしまったんだ……」

「元に戻ったのですね、クレイジーハンド様」

 ドリィは寂しそうな顔で、クレイジーハンドに抱き着いた。

 ファイター達と違い、クレイジーハンドは操られた時の記憶をはっきり覚えているようで、戦った六人に謝罪した。

「後はマスターさえ解放すれば、キーラとダーズを倒すための道が開く。だが、そのためには、光と闇を均等に……」

「それは分かっております。クレイジーハンド様はもうお休みください。後はスマブラメンバーが、道を開きます」

 ドリィはクレイジーハンドにそう誓った。

 クレイジーハンドがテレポートで姿を消すと、光の勢いが増していった。

「残るはマスターハンド様ですわね」

「ファイターも解放せねば、な」

 一行は再び開始地点に戻り、左に進み、ミドナを倒した場所から右に進んだ。

 ムムカ、ダークマインドを解放し、分かれ道を右に進み、マグナ、シャノアを解放する。

 すると、偽クレイジーハンドの群れと、黒い身体を持つサムスが宙に浮いていた。

 彼女はフェイゾンから生まれたダークサムスだ。

「ダークサムス! ……不快ね」

 サムスはパワードスーツ越しにダークサムスの姿を見て、不快になる。

「はっ。そりゃそうだろうねぇ。自分と同じ姿の敵がいたら、不快になるさ」

 ダークサムスはサムスを嘲笑する。

 だが、視線をすぐにカービィとストームに向けた。

「でも、今の私はアンタに用はない。そこにいる球体をいたぶりたいよ」

「何ですって」

「ダークサムス……僕とカービィと戦いたいのか?」

「そうさ。こいつらをサムスの前で消してから、サムスに苦しみを与えてやるよ」

 ダークサムスはアームキャノンを二人に向ける。

「なんて事を……」

「サム姉をいじめちゃダメ! 黒サム姉は、僕達がやっつける!!」

「油断大敵、という言葉を教えてやろう」

「相手は天使じゃないけど……私を楽しませてくれるかしらね」

「サア、ミナサン、ヤミヲハライマショウ!!」

「……言っておくけど、バランスは取ってよ」

「キーラとダーズは両方やっつけるんだからね」

 カービィ、ストーム、ウォッチ、ロックマン、ベヨネッタ、トゥーンリンクが身構える。

 次の瞬間、ダークサムスと偽クレイジーハンドの群れが襲い掛かってきた。

 

「汚れな!」

「うわぁ!」

 ダークサムスはフェイゾンエネルギーを物体を破壊する力に変えてカービィに放つ。

 まともに食らったカービィは、体力が大きく減る。

 ストームは十分に距離を取った後、集中力を極限まで高め、必中の矢を放つ。

「ロックバスター!」

「そんなもの!」

 ロックマンはチャージショットを放つが、ダークサムスはフェイゾンを盾に抵抗する。

「やぁっ!」

「えい! それ! うわぁぁっ!」

「グリーンハウス!」

 ベヨネッタがスライディングを繰り出した後、スカボロウフェアで連続攻撃する。

 カービィはパンチとキックで偽クレイジーハンドを攻撃するが、ミサイルで反撃される。

 ウォッチもグリーンハウスで攻撃するが、カービィ同様に反撃を受けた。

「こいつらは近距離から攻撃すると反撃するみたい。だから、飛び道具で攻撃するのよ」

「そっか! じゃあ、これで!」

 トゥーンリンクは勇者の弓に矢を番え、偽クレイジーハンドを貫いた。

 ロックマンはボンバーマンの特殊武装、ハイパーボムを投げて周りの偽クレイジーハンドごと爆発に巻き込む。

「固まりなぁ!」

「させるか!」

 ダークサムスはフェイゾンでトゥーンリンクを束縛しようとするが、ストームが矢を放って打ち消した。

「うふふ、さようなら」

 ベヨネッタは大事な部分を手で隠した後、スーツを髪に戻し偽クレイジーハンドを切り裂く。

 偽クレイジーハンドは黒い煙になって消滅した。

「鬼殺し……火炎ハンマァァァァァァァ!!」

「ぎゃあああああああああああ!!」

 そして、カービィが炎を纏ったハンマーをダークサムスに振り下ろし、場外に吹っ飛ばした。

 ダークサムスが倒された以上、残った偽クレイジーハンドを倒すのは容易だった。

 こうして、ダークサムスとの戦いは呆気なく終わりを告げるのだった。

「……ベルベル、黒サム姉はどうするの? やっぱり、倒しちゃうの?」

 カービィが倒れているダークサムスを見ながらベルに言うと、ベルは首を横に振った。

「倒さないわ。この世界は、誰も死ななくていいやさしい世界よ。たとえ、善人でも悪人でも、ね。だから、ダークサムスは戦力として使うわ」

 クッパも、ジュニアも、キングクルールも、ガノンドロフも、リドリーも、ウルフも、

 そして微妙だがミュウツーとワリオも、皆、同じスマッシュブラザーズなのだ。

 ダークサムスを除け者にしていいわけがない。

 ベルはダークサムスを戦力として加えるのだった。

 

「これで、クレイジーハンドは全て敗れたか。ふふ……感謝するぞ、スマッシュブラザーズよ」

 ダークサムスと偽クレイジーハンドを倒した事で、光が闇を打ち消し、ダーズを追い詰めた。

 キーラは今がチャンス、と一際強く光り輝く。

 すると、光に包まれたマスターハンドと、光の鎖で縛られたパルテナが現れた。

「パ、パルテナ様……」

「マスターハンドまでいるぜ……」

 ピットとブラックピットがそう呟く中、ベルは真剣な表情で二人を見ていた。

 カービィもごくりと唾を飲んでいる。

「……こいつが最後の、捕まっているファイターね。この戦いももうすぐ終わるわ。それでも、気を抜いちゃダメよ」

「キーラは感謝するなんて言ってたけど、感謝なんてするものか。お前も絶対に、僕達がやっつけてやる」

 

 スマッシュブラザーズの長い長い戦いは、もうすぐ、終わりを迎えようとしていた。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 ムムカ

 出身世界:ゼノワールド・並列世界3

 性別:男性

 ダンバン達の元戦友で、狡猾だが腕の立つ戦士。

 爪状の武器を使う。しかし、その正体は……。

 

 ダークマインド

 出身世界:鏡の世界

 性別:不明だが、男性的

 鏡の大迷宮異変を起こした張本人。

 願いを叶える力を持った鏡の国の秘宝「ディメンションミラー」を暴走させ、鏡の国を悪心で溢れさせた。

 

 マグナ

 出身世界:天空界

 性別:男性

 人類最強の剣士で、身の丈ほどの大剣を振るう。

 地上で傭兵をしており、粗暴で自己中心的だが、その陰には何か秘密があるようだ。

 

 シャノア

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:女性

 ドラキュラに対抗するための組織「エクレシア」に所属する女性。

 戦闘では背中の刻印や飛行能力を駆使して戦う。


 
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