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鬼畜王文台 蘇りし虎は曹魏を食らう 16 第十二章一節

Degradationさん

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2009-11-01 00:31:14 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:6490   閲覧ユーザー数:4956

 

孫策(文台ルート・戦線復帰時)  奥義一覧

 

 

 

新・南海覇王

 

復活した江東の小覇王は、孫呉の志を胸に秘め、さらに強くなって帰ってきた。

 

 

 

 

伯符親衛隊

 

孫策を守護せんと誓いし魏武の兵たちが、彼女の号令と共に乾坤一擲の突撃を繰り出す。

 

 

 

 

軍師総集結

 

孫呉・曹魏・劉備軍の全ての軍師たちが彼女の元に集い、その智謀を以って敵兵を殲滅する。

 

 

 

 

テーマ曲

 

女女女  音々音々  小覇王の雄叫び

 

 

 

 

孫堅 → 一刀の呼称:

 

[坊主(通常)]・[一刀(伽のときのみ)]

 

 

一刀 → 孫堅の呼称:

 

[煌蓮さん(口に出して言うとき・皇帝即位前の思想時)]・

[文台様(皇帝即位後の思想時)]・[お母さん(孫堅が鬼畜ぶりを発揮したとき)]

 

 

 

 

第十二章

 

 

 

-1-

 

 

 

[本節戦闘テーマ:上洛]

 

 

 

~孫呉陣地 函谷関東門~

 

 

 

函谷関。

洛陽と長安を隔てる、東西四つの城門からなる関門。

山間(やまあい)なので、この関門では秋口から冬にかけてはいつも、

東から西に向けて強風が吹き付けていた。 天の世界で言う、ビル風と同じ要領だ。

南北を高い山に囲まれているため、このように強い風が吹き付けるのだ。

 

そのなかで、劉表率いる蜀軍は、函谷関の街道を塞ぐ形で密集隊形を取っていた。

対して、孫堅率いる俺たち新生孫呉軍は、門を固く閉じ彼らに睨みを利かせていた。

両者の間隔は、およそ二町(200m)ほど。 普通に考えれば、到底矢が届く距離ではない。

その街道沿いで劉表軍は、孫呉とは反対に城門を開け放ち、槍や盾を構えてひしめき合っていた。

そして、菖蒲や悠の証言であった、あの巨大な投石器。

ほかにも、手回し式の伸び縮みする櫓も何台か見受けられる。

向こうは完全に、攻めの戦を敢行する腹積もりらしい。

仮に文台様が斬り込んでも、次から次へと槍や盾の防壁が立ちふさがり、

突破は到底不可能であろうと思う。

だが、こちらには、真桜に頼んで作ってもらった秘密兵器がある。

それに、相手がこういう形で密集してくる可能性は、

今ここにはいない華琳が口酸っぱく予言していたことだった。

 

そのひしめき合っている蜀の陣から将軍格と思われる人物が一人、

馬を駆って先頭に踊り出てきた。

 

 

 

???「よぉ、天の御使いとかいう雑魚は、お前らの中にいるかい?」

 

愛紗「何者だ貴様は!? 我ら孫呉のご主人様を雑魚よわばりとは、身の程を知れ下郎め!!」

 

???「んなもんこっちの知ったことかよ。 大隊俺の姿を見れば、

    どこの誰かって事くらい簡単に予想がつくもんじゃねぇの?

    そんな初歩的なことも分かんねーのかよ、孫呉の将軍ってのはよぉ、プッw」

 

愛紗「……!!!」

 

一刀「愛紗、落ち着け。 相手の口車に乗せられては、向こうの思う壺だ」

 

愛紗「ぐっ…分かりました…」

 

???「よぉ、誰なんだよ、天の御遣いって奴はよぉ?」

 

一刀「…雑魚かどうかはともかく、俺がその御使いって呼ばれてる人物だが?

   それより、人に物を問う前に、まずは自分の名を名乗ったらどうだ?」

 

???「馬鹿じゃねぇのお前w さっき俺が言ったこと、もう忘れたのか?

     俺の顔見りゃ、どこの誰かくらい、簡単に予想できるだろうよ。

     見抜けねーくせに知ったかかますんじゃねぇや、馬鹿の御遣いさんよww」

 

一刀「失礼な奴だな、あんた。 まぁ口喧嘩の腕だけは認めるけど」

 

???「おおっと、浅知恵でモノをしゃべらないほうがいいぜ?

    お前なにができる? 喧嘩ごっこだろ?

    ガキはガキらしく、竹槍てチャンバラでもやってろwwwww

    ここはテメーみてーなミジンコ風情がおめおめとしゃしゃり出て来れるような

    甘っちょろい場所じゃねーのよ。 分かったかい、ボクw」

 

煌蓮「…なるほど、うぬがあの劉表か」

 

劉表「あったりー、大正解^^

   さすが酋長さんは、察しがいいねぇ、どこかの誰かさんと違って」

 

思春「…いけ好かない奴ですな。 いくら敵とはいえ、北郷を貶すにも限度というものがありましょう。

   いっそのこと、一思いに殺してしまいましょうか?」

 

煌蓮「そうしたい気持ちは分かるよ。

   出来るのならあたしだって、真っ先に特攻(ブッコ)んで、奴の首根っこをチョン斬りたいくらいさ。

   でもね、お楽しみってのは、一番後に取っておくってのが醍醐味じゃないか。

   それよりまずは、あのクソッタレの減らず口を

   先に塞いじまうことから始めたほうが良いね。 小うるさくてかなわんよ。

   おい思春、真桜ちゃんに、あたしの号令が下ったことを伝えな、今すぐにだ!!」

 

思春「御意ッ!!」

 

桃香「ひっどいこと言うねーあの人。 私、あの人嫌い。 だって、ご主人様を馬鹿にするんだもん」

 

祭「全くじゃの。 北郷よ、あのような下衆な輩に、余計な情などいらぬわ。

  黄巾党と同類の、単なる獣の寄せ集めだと思うがよい」

 

蓮華「コロス!! 劉表め…一刀を侮辱する奴は、誰であろうと生かしてはおかぬ!!」

 

あれが劉表…ねぇ。

なるほど、確かにあれなら、駆虎呑狼の計とか思いついたりしそうだな。

自らの手を極力汚さず、汚れ役は部下に全て押し付けるような人物と見た。

まぁああいう奴は、せいぜい決まって早死にするってのが常道だな。

よくもまああんな奴が、僭称とはいえ皇帝なんぞになれたものだ。

劉表の第一印象は、最悪を通り越して、糞以下だった。

雪蓮や華琳たちがいなくて。本当に助かったぜ。

それよりまずは、俺の忠犬たちを鎮めることから始めないといけないだろう。

 

煌蓮「やれやれ、坊主に口喧嘩させようと思ったんだけど、相手があれじゃぁねぇ……」

 

 

 

~蜀漢陣地 函谷関西門~

 

 

 

袁紹「をーほっほっほっほ!!! さすが劉表さん、あの天の御遣い~とかいうヴ男の軍勢が

   チッチキチーのすぱーんですわ!!!」

 

文醜「うひひ、所詮この世は焼肉定職…空しいぜぇ」

 

顔良「それ、字が違わない? いろんな意味で」

 

文醜「…そうだっけ?」

 

顔良「文ちゃん、そんなところ格好良く言っても、全然格好良くならないよぉ」

 

袁術「すーごいのじゃ、劉表!! さすが、わらわの見こんだ男ぞえ!」

 

張勲「さすがお嬢様! 自分は後ろのほうでのほほんとして、

   前線は全部馬超や華なんとかに押し付けてるところが最高ですぅ♪」

 

袁術「うははぁ~、もっと褒めてたも♪」

 

張勲「美羽様万歳! 劉表様万歳! やりたい放題万歳! 将来暗君と呼ばれること間違いなし!」

 

袁術「う~ははははぁ~~♪」

 

文醜「…アイツ何気に酷い事言ってんなぁ」

 

顔良「だよねぇ~」

 

馬超「…つーか、あたしらんとこまで丸聞こえなんだけどな?」

 

馬岱「しょうがないよお姉様、あいつら馬鹿の寄せ集めだし」

 

袁紹「なぁーんですてぇ、このおちびさん、もう一度おっしゃい!!」

 

馬岱「何度でも言ってあげるよー、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿」

 

袁紹「ムッキイイィーー!! 文醜さん、顔良さん、やぁーっておしまい!!」

 

陳宮「やめるのですおまえたち! 今は喧嘩してるときではないのです!!

   ちんきゅーーーー きいぃっっっく!!」

 

ドカーーーーン!!!

 

文醜「げはぁ!! なんであたいに…」

 

陳宮「日頃の行いが悪いからなのです! 反省するのですぅ!!」

 

呂布「…………………くんくん……何か、変なにおい」

 

華雄「変な臭いだと?」

 

魏延「そういえばさっきから何か、卵臭い臭いがするな…何だこれ?」

 

賈駆「ホントね…何なのよ、この臭い? 嫌な感じね、鼻にツンとくるわ」

 

 

 

嗅ぎ慣れぬ悪臭に蜀の面々がいぶかしんでいたその時、

大将劉表が、血相を変えて蜀の本陣に飛び込んできた。

 

 

劉表「おいお前ら、すぐに陣を引き上げるぞ!!」

 

華雄「どうなされた大将!? すぐに陣を引くとは如何に!?」

 

劉表「詠はいるか!!?」

 

賈駆「ここよ!!」

 

劉表「よく聞けお前ら! あいつら、馬鹿みてぇに矢の雨を降らせてきやがった!!!

   城壁じゃねぇ! もっと高い所……楼閣だ!! あそこから放ってきてやがる!!

   門を閉じてひとまず体勢を立て直すぞ!!!」

 

馬超「待てよ大将!! いくらやばくたってそんな簡単に引き返せるわけねえだろう!

   こんなすし詰めの状態で部隊を引き上げるのにどれだけ時間がかかると思ってんだ!?」

 

華雄「馬超の言うとおりだ大将よ!! 我が宿敵、孫堅と関羽を前にして、

   のこのこと引き下がれるものか!!  止めてくれるな、私は戦う!!!」

 

撤退を命じる劉表と、それに抗議する馬超と華雄の二人。

だが、その三人の脇を、一筋の閃光が駆け抜けた。

その直後、三人の間にいた一人の兵士の頭に矢が命中した。

 

三人「………!!?」

 

一瞬、何が起きたのか分からず、辺りに重い沈黙が漂う。

しかしその直後、そばに居た目の良い兵が、大きな叫びを上げた。

 

 

 

蜀軍兵士「黄蓋だ!! 黄蓋が楼閣から矢を撃ち下ろしてきたぞ!!!!」

 

華雄「黄蓋だと!!?」

 

劉表「しまった…! こいつはまずい!!」

 

馬超「マジかよ!? だってあそこからじゃ、どう見たって四町は離れてるだろ!??

   一体どうやってブッ放してきやがったんだ、ちくしょう!!」

 

賈駆「風よ! この強い風だわ! 孫呉の陣営からだと、追い風で遠くまで矢が届く…

   それに比べてこっちは向かい風だから、吹き戻されて城壁までまったく届かないんだわ!

   あーんもう、私の馬鹿馬鹿馬鹿!! どーしていつもこうなるのよ!!?

   矢戦のことを考えれば、最初から西に布陣すべきじゃなかったのよ!!!」

 

文醜「あんぎゃーーー!!! いってぇーーー!! ケツに刺さったあぁあぁあぁあぁーーーー!!!!」

 

顔良「文ちゃん、大丈夫!?」

 

文醜「うぅぅー、斗詩いぃー……」

 

 

 

亞莎「皆さん、見てのとおりです! 矢を射れば必ず当たります!! どんどん撃ってください!!!」

 

冥琳「遠慮は無用だ! 我らが北郷を愚弄する劉表の軍勢を、血祭りにあげよ!!」

 

呉軍兵士「応ッ!!」

 

凪「隊長! 真桜より、剛弩砲の発射準備が完了したとの言伝です!!」

 

一刀「よし、良いだろう! 口煩(くちうるさ)い劉表の本陣にとっておきを一発食らわせてやれ!!」

 

凪「了解ですっ!! 特零式剛弩砲、撃てええぇぇぇーーーーーー!!!!!!」

 

 

凪が気合を込めて雄たけびを上げた直後。

地面を劈(つんざ)くような轟音とともに、一つの飛行体が劉表の本陣に向かって、

赤白い爆炎を上げながらかっ飛んでいった。

真桜が苦心の末に完成させた、天の世界で言う弾道弾。 すなわち、ミサイルのことである。 

尤も、あのミサイル自体の殺傷能力はたいしたことない。

その本髄は、内部に装てんされている中身にあった。

 

 

 

馬超「おい、何か変なのかこっちに向かって飛んでくるぞ!?」

 

馬岱「へ!? 何あれ?? 何か火吹いてるけど??」

 

袁紹「な、ななななななんですのあの真っ赤に火を噴いてるなぞの物体は!?」

 

文醜「うわやっべ!! 逃げんぞ、斗詩!!」

 

顔良「え~ん、待ってよぉ、文ちゃぁ~ん」

 

袁紹「なっ!? お二人とも、何私を無視して逃げようとしてるんですの!?

   あれくらいのもの、二人で跳ね返してみせなさい!!!」

 

文醜「無茶言わないでくだs……てぇ、あんぎゃーーーーー!!!!!!」

 

袁術「みぎゃーーーー!!!」

 

張勲「お、お嬢様あぁーー!!」

 

劉表「どおわあああああぁぁぁぁあああーーーーーー!!!!!!!」

 

怒剛尾汚緒於音!!!!!

 

 

 

真桜「っしゃぁ! 当たったでぇ!! どうや隊長、ウチの素晴らしい制御技術は!」

 

一刀「うん、見事なものだね。 まさか本番でこうもうまくいくなんて思わなかったよ」

 

沙和「みんな、咳してるのー」

 

霞「ハナミズとくしゃみも出しとんでぇ」

 

凪「涙も流してますね」

 

鈴々「涎(よだれ)も垂らしているのだ」

 

愛紗「自業自得とはいえ、散々だな」

 

朱里「でも、少しだけいい気味ですね、えへっ♪」

 

黒い! 黒いぜぇ、朱里イィ!!

普段はこんなに可愛いくせに、やることなすことがエゲツねぇ。

 

朱里が信管に装てんする中身として提案したのは、硫黄と鉄粉と泥炭、

それから各種毒草をこね合わせて作った火薬。

それを蜀軍の真っ只中に撃ち込んで、くしゃみ鼻水咳を患って頂く。

予想通り、連中は毒煙と鼻汁と止まらない涙に悩まされ、

ろくに武器も握れぬまま、士気は一気に低下し始めていた。

 

 

 

 

劉表「落ち着け! 静まれ! 乱れるな!! 趙雲と黄忠と厳顔の三人はどこに行ったんだ!?

   黄祖と許貢の二人はどうした!!?」

 

蜀軍兵士「わ、分かりません! 調査中です!!」

 

劉表「クソッ!!」

 

華雄「えぇい何たることだ!! ひとまず後退して、門を閉じて陣形を立て直すぞ!!」

 

蜀軍兵士「む、無理です!! 孫堅率いる呉の突撃隊が……

   城門を開き、こちらに突進してきます!!!」

 

劉表「何だとおおぉぉ!!!!!???」

 

 

 

煌蓮「今だああぁぁぁ!! 全軍、奴らの陣営に向かって特攻(ブッコ)むぞ!!

   うらああぁぁぁどかんかいクソ共がァッ!! 邪魔する奴は誰であろうとぶっ殺す!!」

 

悠「よっしゃぁ!! この前のお礼返しをさせてもらおうじゃないか!!」

 

霞「親分は安心してあいつらのど真ん中に突っ込みや!! 背中はウチが守ったるさかい!!!」

 

煌蓮「良いだろう、両脇と背中は頼むぞ、愛紗・霞・悠!!!」

 

三人「応ッ!!」

 

 

 

煌蓮「勇敢なる孫呉の戦士たちよ!! 今こそ好機!! 奴らの只中に進撃し、

   敵将劉表の首を挙げよーーーーーー!!!!!!」

 

 

呉軍兵士「オオオオオオオォォォォォォーーーーーー!!!!!!!!」

 

 

 

 

    函   谷   関   の   戦   い

 

 

 

       ~第一陣 張儁乂と徐公明~

 

 

 

 

 

華琳「あなた達だったのね、あの手紙を私達に託した三人のことって」

 

趙雲「いかにも」

 

雪蓮「でもどうして、あたしたちと戦わずに、いきなり降伏するなんて言ってきたのかしら?

   まずはそこから聞きたいわね」

 

厳顔「我らが虜にされた状態であの男が目にすれば、少なくとも戦った末に敗れたものと思いましょう。

   それにこの川には、劉表の手の者が潜んでおりまするゆえ」

 

華琳「許貢と黄祖のことか」

 

黄忠「えぇ。 彼らは必ず、あなた方の首を狙ってくるでしょう。

   私たちは、それを何としても阻止しなければなりません」

 

秋蘭「しかし、なぜなのですかな? 敵であるはずの貴公らが、我らの下につくなどと」

 

趙雲「程昱殿と郭嘉殿、それから劉備殿と公孫賛殿を知っておられるか?

   彼女らから、孫呉に移らないかと、手紙で誘いがあったのですよ」

 

 

 

第十二章一節終了

 


 
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