すみわたる空の下、一刀たちは街道を渡り歩いていた。
まぁ、正確には黒兎の背中に乗っているだけなのだが、一刀は馬上の上で何をするでもなく、時折あくびをかみ殺しながらぼんやりと空をながめている。
辺りにはなだらかな平原しかなく、見るものといったら遠くの山か空ぐらいしかないのだ。
要するにヒマだった。
「・・・・・・五回目です」
唐突に一刀の前にいる雫がつぶやいた。
「ん?何が?」
「・・・今日一日の一刀様があくびをしようとなさった回数です」
雫が顔をこっちに向けた。相変わらずその表情には変化が無く、何を思っているのか判別がつかなかった。
「いや、だってこう何もないとあくびの一つや二つは出ちゃうだろ?なぁ、華佗?」
一刀は隣で馬に乗っている華佗に同意を求めた。
「そうだな。平和なのはいいことだ」
微妙にずれた答えを返しつつも、華佗はうなずく。
「それに雫だって、そんなのを数えてるぐらいなんだからヒマだったんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・そんなことはありません」
答えるまでの間が長かったということは、そう思っていたんだろう。
しかし、一刀はそのことには突っ込まずに話しを変えることにした。
「そういえば、雫。この次はどこに向かっているんだ?」
一刀たちが許昌で遭遇した事件は一刀たちが関わることなく解決したため、滞在する予定を切り上げて許昌をたったのだ。
北に向けて、いくつかの村や町を巡っているのだが、なんとなく一刀は、次はどこへ向かうのか気になったので尋ねた。
「確か・・・・・・桜桑村(ろうそうそん)という村だったはずです」
「え?桜桑村?」
一刀は若干、驚いた様子で聞き返した。
「はい、そうですが・・・何か?」
「・・・いや、なんでもないよ。少し聞き覚えのある村だったからね」
そう言って一刀その先を見つめた。その視線にわずかな期待を含ませながら。
幽州、涿郡(たくぐん)涿県にある村、桜桑村は他の村と同様、これといった特徴のない小さな村だ。
あえて特筆すべき点を挙げるとすれば、それはのどかな、という言葉が似合う村だった。
一刀たちはそこで食事をするべく酒家に入った。
それぞれ席に着くとその店のおかみさんが注文をとりにやってきた。
「いらっしゃい!何にします?」
各々が料理を注文し待つこといくばくか、すぐに料理が運ばれてきた。
おかみさんは料理を運び終えると厨房に戻ろうとしたが、一刀がそれを呼び止めた。
「あっ、すいません。少しいいですか?」
「ん?なんだい?」
「この村に劉備玄徳という方はいませんか?」
一刀が尋ねるとおかみさんは意外そうな顔をした。
「あら、あんたたち劉備ちゃんの知り合いだったのかい?」
「え?・・・ええ、そうなんです。昔に少しだけ知り合ったことがありまして。せっかくこの村に来たので会ってみようかと思ったんです」
一刀のとっさに言った嘘におかみさんは感心したようにうなずいた。
「なるほどねぇ・・・。そういうことなら教えてあげるよ。劉備ちゃんの家はこの村のはずれにあるんだ。近くに桑の木があるからそれが目印だよ」
「そうですか、分かりました。教えていただきありがとうございます」
「いいってことさね」
そう言っておかみさんは今度こそ厨房に戻っていった。
「・・・一刀様、今のは?」
さっきのやり取りを聞いていた雫は一刀にどういうことか尋ねた。
「ん?もちろん嘘だよ。ああでも言わないと不審に思われちゃうだろ?」
「じゃあ、さっきの劉備玄徳っていうのはいったい何者なんだ?そんなに有名な奴なのか?」
「そうだね、俺のいた世界ではそれなりに有名かな」
一刀の答えを聞いた雫は納得した風に、華佗は不思議そうに首をかしげた。華佗はまだ俺が『天の御遣い』だってことを知らないから何を言っているのか分からないのだろう。
「それで二人とも。俺はその劉備さんの家に行こうかと思ってる。だから二人はその間、時間をつぶしててくれないか?」
「分かった。そういうことなら俺もこの村で病や怪我に困っている人がいないか見て回ってみるとしよう」
「華佗さん、それなら私も手伝います」
「ああ、ありがとう、雫」
ちなみに、許昌の事件の後、雫は華佗に真名を許してたりする。
「それじゃあ、料理が冷める前にいただくとするか」
「はい」
「そうだな」
三人は目の前の料理に取り掛かることにした。
一刀が村のはずれに行くと、おかみさんの言っていた通り、一軒だけ近くに桑の木が植わっている家があった。
家はどこにでもあるごくありふれた民家で、おかみさんから聞かなければ背景の一部として素通りしていたことだろう。
一刀はその家の戸の前に立って、若干緊張した面持ちで戸を叩いた。
「はーい」
少しして返事が返ってきた。そして足音が近づいてきてその扉が開く。
中から現れたのは見た目、二十代後半ぐらいかと思われる妙齢の女性だった。その目は不思議そうに一刀を見ている。
「あの・・・・・・どちら様でしょうか?」
「(この人が劉備玄徳?)えっと・・・ここは劉備さんのお宅ですよね?」
一刀が尋ね返すと、その女性は納得したようにパッと花やいだ笑顔を浮かべた。
「あ、もしかしてあなたは桃香ちゃんのお友達ですか?」
桃香・・・っていうのは恐らく劉備の真名なのだろう。
「いえ、友達というほどでは・・・・・・あなたは?」
一刀は目の前の女性に尋ねた。
「私はあの子の母親の桜香(おうか)っていうの。あなたも私のことは桜香さんって呼んでくださいね」
女性・・・桜香はほがらかな笑顔を一刀に向けた。
「えっと、それじゃあ桜香さん。劉備さんは・・・?」
「ごめんね、あの子は今、筵(むしろ)を売りに街まで出かけているのよ」
一刀が尋ねると桜香は困ったような笑顔を浮かべた。
「帰ってくるのはだいぶ遅くなると思うわ。ほら、あの子ってぼんやりした子でしょ?きっと今頃、ぼんやりしすぎて道端で迷子になっているはずよ」
本人が聞いたら『ひっどーいっ!お母さんっ!私そこまで抜けてないもんっ!』と非難ごうごうだったであろうが、一刀は劉備のことを知らないのでそれを真に受けてしまう。
「はぁ、そうなんですか・・・」
一刀はいささか気の抜けた返事をすると共に、劉備の認識を改めることにした。
「そういうことでしたら、今回はあきらめます。それでは・・・」
一刀はそう言ってあっさりと立ち去ろうとする。一刀にとっては偶然立ち寄ったのだから、一目見て話してみたいと思っただけなのだ。だから、いないのならそれでいいと一刀は思っていた。
しかし、そんな一刀を桜香は呼び止めた。
「あっ、待ってください。せっかくですので、あがっていってくれませんか?お茶はありませんが、お菓子くらいならお出し出来ますので」
「えっ、いや、そんな悪いですよ」
一刀は慌てて誘いを断ろうとした。流石にそこまでしてもらうのは気が引ける。
「いえ、気になさらないでください。せっかくここまで来てくださったのですから」
しかし、桜香はなんだか有無言わさない笑みを浮かべて一刀の腕を取った。
「ふふふ・・・それにしても、桃香ちゃんに男の子の知り合いが出来ていたなんて驚いたわ。あの子ももうそんなお年頃だったのね」
「・・・あの・・・・・・桜香さん?」
もしかして誤解されてるっ!?
「遠慮なんかなさらないで、なかでゆっくりとお話しましょう?」
『ゆっくり』の部分をやけに強調して桜香は一刀を引いていく。
それほど強く引かれたわけでもないのに、一刀は為す術もなく家の中に引きずり込まれていった・・・・・・。
一刀が家に上がってからしばらく待つと、桜香が饅頭を乗せた皿を手にやってきた。
「どうぞ召し上がってください・・・・・・えーっと・・・」
そこで桜香は一刀の顔を見た。
「あ、一刀です。俺の名前は北郷一刀と言います」
「そうですか、それでは一刀さん。たいした物ではありませんがどうぞ召し上がってください」
「そんなとんでもない。こちらこそありがたくいただきます」
一刀は桜香のもてなしに心から感謝した。お菓子の質など関係ない。相手をもてなそうとするその姿勢にこそ意味があるのだ。
一刀は饅頭をいただくことにした。お昼を食べたばかりだが、相手のもてなしには相応の理由が無い限りは受けるのが礼儀だ。
「それで一刀さん。桃香ちゃんとはいったいどういったお知り合いなのですか?」
桜香は目を輝かせながらそう切り出してきた。
一刀はその予想された質問に、先ほどの酒家で言った嘘をそのまま並べた。
「昔の小さいころに少しだけ知り合ったことがあるんですよ。今回、たまたまこの村に寄ったので顔を見ておこうと思いまして」
「そうですかぁ~」
それを聞いて桜香はますます笑みを深めた。
「・・・ちなみに小さいころに結婚の約束なんかをしていて、『大きくなったら君を迎えにいくよ』・・・なんて展開はありませんからね?」
「・・・そうですか」
(思ってたのか・・・)
明らかに落胆の表情を浮かべた桜香に、一刀は心の中でツッコミを入れた。
「・・・まぁ、会ったのもその時の一度だけですし、向こうは忘れているかもしれませんね」
一刀はそう言って一応伏線を張っておく。そうすれば本人に確認されたときに、忘れていたということに出来るからだ。
それからしばらくの間、他愛もない歓談をしていると、不意に桜香が申し訳なさそうな顔をした。
「一刀さん、少しご相談に乗っていただきたいことがあるのですが・・・・・・よろしいですか?」
「え?・・・ええ、俺でよければ」
突然のことにいささか面を食らった一刀だが、すぐに神妙な顔つきで頷いた。
「その相談と言うのはあの子・・・桃香ちゃんのことなのです」
「劉備さんの?」
「はい・・・ところで一刀さん。一刀さんはこの村を見てどう思いますか?」
「この村・・・・・・ですか?平和でのどかないい村だと思いますけど・・・」
「そうですね。ここはとても平和です。ですが他の村はどうでしょう?みんながみんな、笑っておられますか?」
「それは・・・・・・」
一刀は言葉が詰まってしまう。一刀はこれまでにたくさんの町や村を見てきた。中には貧困にあえぐ村もあったのだ。
そこでお腹をすかせた子供を見て胸が痛んだのを良く覚えている。
「この国は今、混乱のさなかにあります。ですから、平和なこの村で過せることはとても幸運なことだと私は思うのです。けど・・・」
桜香はそこで言葉を切り、しばらくしてからつぶやくようしてに言った。
「・・・あの子はどうやら違うようなのです」
「違う?」
「はい。あの子は自分や周りの人たちだけでなく、もっとたくさんの人たちが笑えるような世の中になって欲しいそうなのです」
それを聞いて一刀は、いかにも劉備らしい考えだと思った。月のような例外もいるが、やはり三国志の物語のイメージからはそれほど離れてはいないらしい。
「いいじゃないですか。このご時世にそこまで他人を思いやれるのはすごいと思いますよ」
「けど・・・私は心配です。いつかあの子がどこか遠い所に行ってしまうような・・・・・・そんな気がしてならないのです」
なるほど、確かに桜香の懸念は的を射ている。史実の通りだとすれば、劉備は黄巾の乱が起こったときに義勇軍を作り、そこから乱世を進んでいくからだ。
「一刀さん。その時に私はどうしたら良いのでしょうか?」
その時、一刀が見た桜香の瞳は子を思う母親の真摯(しんし)なものだった。
だから一刀はその問いに答えようと思い、口を開こうとしたその時・・・・・・
コンコン
扉を叩く音がそれを中断させた。
「あらあら、いったい誰かしら?」
桜香が立ち上がり、扉に向かって行き戸を開くと、中に入ってきたのは雫だった。
「・・・雫?いったいどうしたんだ?」
「一刀様、申し訳ありませんが至急、先ほどの酒家までにお越しいただけませんか?」
「・・・何かあったのか?」
声の雰囲気から察して、ただ事ではないと感じた一刀に雫はうなずいた。
「はい、詳しい話は向こうで・・・」
「分かった。・・・桜香さん。すいませんがこれで失礼させてもらいます」
「え、えぇ・・・」
急な展開に呆然としている桜香に、一刀はそっと小声でささやいた。
「・・・・・・え?一刀さん今のは・・・?」
「・・・そういうことです。それでは」
桜香が先ほどの言葉の意味を問いかけるが、一刀はそれには答えずにその場を去っていった。
一刀たちが酒家に着くと、そこにはすでに大勢の人が集まっていた。
その集団の中心に向かっていくと、そこには華佗と体のあちこちに包帯を巻いてある男性がいた。
「どうしたんだ華佗。その人は?」
「この人は近隣の村の者らしい。今ちょうど治療を終えたところだ」
そう言って華佗は怪我をした男に向き直った。
「さぁ、話してくれるな?何故あんたは怪我を負っていたんだ?」
「・・・・・・村が・・・襲われた・・・・・・」
男は小さな声でボソッとつぶやいたのだが、その声は不思議と周囲にいた人々にも明瞭(めいりょう)に伝わった。
「襲われただと?いったい誰に?」
「・・・分からない・・・・・・初めて見たんだ・・・あんな黄色い布を巻いている奴らなんて・・・」
「黄色い布・・・・・・それは本当か?」
男のもたらした言葉に一刀は思わず口を挟んでしまった。
「あ、ああ・・・全員、黄色い布を身に付けてた・・・」
「何だ一刀、知っているのか?」
「・・・・・・ああ、その村を襲った奴らが俺の知っているものだとするならば、そいつらは黄巾党という奴らだ」
「黄巾党・・・」
華佗がその言葉をかみしめるかのように繰り返しつぶやいた。
「どういった者達なのですか、その黄巾党というのは?」
雫が皆を代表してその疑問を尋ねた。
「黄巾党は朝廷の圧政に我慢しきれずに暴発した暴徒の群れだ。その陣容は町人や村人などがほとんどだが、中には混乱の尻馬に乗った野盗なども多く含まれている」
「じゃあ、村を襲ったのはその野盗どもの方なんだな?」
華佗の疑問に一刀は苦笑をもって答えた。
「・・・・・・どうだろうな。統制のとれなくなった暴徒の群れなど、野盗らと何ら変わりがないからな・・・」
不意に雫の表情に暗い影がよぎった。恐らく自分が引き起こしてしまったあの時のことを思い出してしまったのだろう。
「・・・要するにだ。そいつらが近隣の村に出たというなら、近いうちにこの村にも現れるだろうということだ」
その言葉を聞いた村人たちの間で動揺が広がった。
「お、おい・・・どうするんだよ・・・・・・」
「どうするったって・・・逃げるしかねぇじゃねえか・・・」
「逃げるってどこにだよっ!?」
「そんなの俺が知るかっ!」
ざわめきが徐々に大きくなっていくのを見て、一刀は大きく息を吸った。
「落ち着けっ!!」
一刀が一喝すると、先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返った。
「事態は一刻を争う。決めるなら早くしたほうがいい。・・・ここに村長、もしくは村の代表者はいるか?」
一刀が周囲を見回しながら尋ねた。しばらくすると、おずおずと手を挙げた老人が前に出てきた。
「・・・ワシじゃ、ワシがこの村の村長をやっておる。・・・・・・それで旅のお方よ、ワシ等はいったい何を決めれば良いのじゃ?」
人の良さそうな老人が、緊張した面持ちで尋ねた。恐らくはこのような緊急事態は初めてなのだろう。
一刀は皆に聞こえるようにゆっくりと語りだす。
「あなた達には道が二つある。・・・一つはこの村を捨て、近くの城主の所まで避難すること」
全員が固唾(かたず)を飲んで一刀の言葉に耳を傾けた。何故か、このよそ者の青年がこの場を仕切っていることに何の違和感がないのだ。
「・・・ただ、この方法を取ることは文字通り村を捨てることになる。家や田畑は荒らされてしまい、再びここに住める保障は出来なくなるだろう。それに・・・・・・考えたくはないが・・・もし、その城主があなた達をかくまってくれなかった場合、あなた達は難民の群れとなって厳しい状態に立たされることになる」
村人たちがいっせいに苦い顔をした。確かに今の朝廷の腐敗ぶりをかんがみれば、その可能性も考慮しなければならない。
「そしてもう一つは・・・・・・戦うこと。・・・・・・戦ってこの村を守ることだ」
村人たちが息を呑んだ。その考えがなかったわけではないが、あまりに無謀だと思っていたからだ。
「そ、そんな無茶だっ!俺たちゃ戦ったことすらねえんだぞっ!」
村人の一人が声を上げると、他の者達もその言葉に同意するようにうなずいた。
「そうだな。あなた達だけでは奴らを撃退するのは難しいかもしれない。・・・・・・だけど、もしそれでもあなた方が、大切なものを守るために立ち上がるというのなら・・・」
一刀は雫と華佗を視線を向けた。二人は一刀の言いたいことが分かっているのだろう。その視線を受け止め力強くうなずくのを見て、一刀は再び村人たちを見やる。
「俺たち三人があなた方の力になろう」
村人たちが再びどよめいた。心強そうな味方が出来た喜びと、たった三人加わっただけでは・・・、という感情が彼らの中で渦巻いているのだろう。
もう一押し必要だと感じた一刀は雫に声をかけた。
「雫、少し着替えるからそこの荷物を取ってくれないか」
「・・・・・・分かりました、一刀様」
雫にもその意図が伝わったのだろう。預けてある荷物の中で、『とある物』が入っている荷物を手渡した。
一刀はその荷物を持って酒家の奥に行き、しばらくして戻ってきた。
『おぉ・・・』
村人たちの間で思わず感嘆の声が聞こえた。その青年は日の光を浴びて燦然(さんぜん)と輝く見たこともない服を着ていたからだ。
一刀が再び中央に戻ると、雫が皆に向かって淡々とした口調で語りだした。
「・・・この方はかの占い師、管輅が予言した人物、『天の御遣い』です。すなわち、私たちには天がついていることになります。負けるはずがありません」
しぃん・・・、とした静寂が辺りを包み込んだ。
・・・と思ったのもつかの間、
『わぁーーーーーっ!!!』
村人たちが一斉に歓声を上げた。その声は歓喜に包まれている。
「すげぇっ!本当に御遣い様がいらしたんだっ!」
「本当にっ・・・本当に御遣い様なんだよなっ!?」
「馬鹿っ、よく見ろ!あんな見たこともないすげぇ服を着てるんだ!御遣い様に決まってるだろが!」
「おお・・・・・・ありがたや、ありがたや・・・」
予想以上に効果があって半ば呆然としている一刀たちに村長が話しかけた。
「・・・どうやらワシらの気持ちは決まったようですな」
「そうか・・・なら皆!共に戦おう!」
『おおおおおぉぉぉーーーーーっ!!』
村人たちの歓声が村中にこだました。
「それにしても一刀があの『天の御遣い』だったとはな」
村の皆が村の防衛に向けて動き出したため、今、酒家には一刀と華佗しかいない。
雫は黄巾党の数と位置を特定してもらうために、早速身の軽い者達を引き連れて偵察に行ってもらったところだ。
「悪いな華佗・・・隠すつもりはなかったんだけど・・・」
「気にしてないさ。それに自分から『天の御遣い』だなんて言いにくいだろうからな」
その通り。よもや自分から「俺って『天の御遣い』なんだぜっ!」なんて言えるはずがなかった。
「それに俺にとって一刀が『天の御遣い』であろうとなかろうと関係ない。一刀は一刀なんだからな」
「そうか・・・・・・そうだな。ありがとう、華佗」
「なに、気にするな」
一刀はふと気になったことを聞いてみることにした。
「・・・・・・華佗・・・お前は平気なのか?」
「・・・?何がだ?」
「お前は医者だろう?それなのに今俺たちがしようとしていることは・・・その・・・・・・」
命の奪い合いだ。一刀はそう言いたかったのだがうまく言葉に出せなかった。
「・・・・・・ああ・・・そうだな。正直に言えば俺は賛成できない。戦争は自分も相手も傷付けてしまう愚かな行為だと俺は思っているからな・・・」
華佗はどこか諦観(ていかん)した表情で自分の内心を吐露する。しかし、「だが」とすぐさま表情引き締めた。
「俺がやることは変わらない。これからも人々の怪我や病気を治していくだけだ。たとえそれが悪人だとしてもな。・・・それに、そうすることでより大勢の命が救えるというのなら・・・と俺は思っている。・・・・・・いや、思うことにしている」
そんな華佗を一刀はまぶしい物を見るかのように目を細めた。
「そうか・・・華佗は強いな」
一刀の飾り気のない真っ直ぐな賞賛に、華佗は照れくさそうに笑った。
「よせやい・・・俺はまだまだ未熟者だよ」
「・・・華佗、辛くなったらいつでも言ってくれ。その時は俺がお前を全力で支えてやる。だからお前も俺を支えてくれないか?」
「・・・ああっ!任せろ兄弟っ!」
その瞳に炎を宿らせた華佗を見て。一刀は思わず笑いをこぼした。
「ははっ・・・それじゃあ行こうか、華佗」
「おうっ!」
意気込みも新たに、一刀と華佗は共に酒家を出た。
吹きすさぶ荒野にはおよそ百人ほどの村人たちが集まっていた。
手にはそれぞれ武器を持ってはいるがやはり寄せ集めた感が否めない。
「ただいま戻りました、一刀様」
偵察を終えた雫が一刀に声をかけた。
「ご苦労だったね、雫。それでどうだった?」
「・・・敵はここから一里離れた場所に陣を張っております。その数はおよそ三百ほどかと・・・」
三百・・・か。彼我の戦力差はおよそ三倍。しかも兵の質もほぼ同等と来れば・・・。
「・・・雫はこの戦況をどう見る?」
「はい、相手は私たちの約三倍の兵数を持っており、その質もほぼ同じ。・・・一見、私たちが圧倒的不利のようにも見えますがそんなことは無いと断言できます」
雫は目をそっと閉じて静かに述べた。その姿はまるで託宣でも受けた巫女のような神秘的な印象を感じる。
「何故そう思う?」
「まずは士気です。一刀様のおかげで村人たちの士気は今や天を貫かんばかりに高まっております。この士気をこのまま維持することが出来れば敵と互角以上に渡りあうことが出来るでしょう」
「そうだね。・・・だけどこう言っては何だが、彼らは寄せ集めだ。少しでもこちらが劣勢に陥れば、瞬く間にその士気は地に落ちるぞ?」
そう、彼らは兵士ではないのだ。こちらが不利になった時に持ちこたえるなんてことは出来るはずが無い。そのような状況になってしまったら、あっという間に村人たちは瓦解してしまうだろう。
「それは相手も同じことです。それにこちらには一刀様がいらっしゃいます。一刀様が一騎当千の働きをしてくださればそれだけで――」
そこで雫は言葉を切り、そして思い直すかのように首を横に振った。
「・・・・・・いえ、今のは聞かなかったことにしてください」
「そうか、つまり俺が単騎で突っ込んで一騎当千の働きをすればいいのだな?」
「一刀様っ!?」
「雫が言い出したことだろ?そしてこれが現状では一番村人たちの被害を少なくする方法でもあるんだろ?」
「ですが危険過ぎますっ!」
雫が慌てて一刀を止めようとするが一刀は頑として聞き入れない。
「どうかお考え直しください、一刀様っ!」
「いや、この作戦でいかせてもらう。いいな、雫。これは命令だ」
このとき一刀は初めて雫に対して主の権限を使った。
雫はまだ言いたそうな顔をしていたが、こう言われては何も言えず、ひたすらに自分の迂闊(うかつ)さを呪った。
一刀はそんな雫の頭にそっと手をのせ、優しくなで上げた。
「ありがとう、雫。俺のためを思ってくれるのは嬉しい。だけど、そのために村人たちの犠牲を増やしたくはないんだ」
一刀は身をかがめ、雫と同じ目線で雫を見つめた。
「大丈夫、俺は死なない。だから、分かってくれるな、雫?」
「・・・・・・分かり・・・ました・・・」
かろうじて出た言葉だったが、一刀はそれにうなずいた。
「よしっ。それじゃあ全員に進撃の知らせを伝えてくれ」
「・・・・・・はい」
雫はかすかにうなずくと、その知らせを伝えるべくその場を辞した。
「・・・・・・少し強引だったかな・・・?」
その後の、一刀の小さなつぶやきは誰にも聞こえることは無かった。
この日、彼らは異様なものを目にした。
ついさっき、一つの村を襲ったのだが、やはり小さな村である。三百人はいる彼らの胃袋を満たすにはいたらなかった。
だから、近くにあるというもう一つの村まで足を運ぼうとしたのだが、その途中で思いがけないものに出くわした。
村人らしき集団が武器を持ってこちらに向かっているのである。
同士ではない、ということは彼らが黄色い布を巻いていないことから判断できた。つまりこの者たちは自分たちを倒しに来たのだ。
仲間のうちから笑い声がもれてくる。当たり前だ。奴らは自分たちより明らかに少ないのだから。
そのあまりに無謀な挑戦者たちを見て、しばらくの間笑い声が響くのだが、それも長くは続かなかった。
あまりに静かすぎるのだ。動揺もなければ、怯えた風でもない村人たちは整然と自分たちと向き合っている。
今までにないことだった。彼らは思わず足を止め、不気味な村人たちの出方を待つ。
すると、村人たちの中からさらに異様なものが飛び出てきた。
それは、日の光を浴びて燦然と輝く服をまとい、そして、大きく見事な漆黒の馬にまたがった一人の青年。
思わず仲間のうちから感嘆の声がもれる。彼らの目はこう語っていた。『あれらを売ったらいったい、いくらになるのだろうか?』と。
思わぬ獲物に前にして、彼らは「あれは俺の物だっ!」とか「早い者勝ちだっ!」と口々に言い出したが、勘のいい幾人かは思わず後ずさりした。
その青年が自分たちに向けているのは、怒りや憎しみなどそんな生易しいものではない。それを言葉にするならそう・・・『殺意』だ。
『殺してやろう』、『殺してやる』ではなく『殺す』。ただそれだけを込めた視線を彼らにぶつけていた。
彼らはまた異様なものを目にする。青年は手にしていた木の棒をサッと横に振るうと、手にしていた棒が白銀色に輝きだした。
そして、天に向かってそれを高々と振るった。その行動が意味するものとはすなわち・・・『突撃せよ』。
その行動と共に青年は馬を駆けた。その後を追うように村人たちも駆け出す。
しかし、馬と人では馬のほうが速いに決まっている。青年はぐんぐんと村人たちを突き放し突出していく。
しかも、その馬はかなりの名馬らしく、十町(およそ1キロ)は離れていた距離があっという間に埋まっていった。
それを見て彼らは慌てて手に持っていた槍を構え始める。
だが、寄せ集めの集団である彼らが密集した槍ぶすまなど作れるはずもなく、あっさりと騎馬の突入を許してしまった。
その結果がどうなったか言うまでも無いだろう。
まずは人が吹き飛んだ。ただでさえ、通常の馬より大きく馬力のある黒馬の突進を受けて、吹き飛ばずにいられる者など皆無だ。
次に血が舞う。青年は手に持った棒をまるで槍のように、あるいは偃月刀のごとく巧みに振るい、誰一人すら寄せ付けることなく敵を屠(ほふ)っていく。
最後に悲鳴が響き渡る。青年が通った道は血の道となり、そこに残るのは断末魔の悲鳴のみ。
そのあまりに圧倒的な戦いぶりに、黄巾党の兵士達は混乱状態に陥った。
青年はその混乱をさらに拡大させるべく、縦横無尽に戦場を駆け抜ける。
「ええい、何をやっているっ!相手はたったの一人だぞっ!何をもたもたしてやがるんだ!」
後方から首領格の男の叫び声が響き渡るが、実際に戦っている者にしてみればあまりに無責任な発言に聞こえただろう。
しかも、その行為は味方を鼓舞するどころか青年の意識を向けさせるだけの結果に終った。
青年がチラリと声を発した者を見据えると、突如としてその方向に馬首を向けた。
「ひっ!」
明らかに自分に向けて向かってくる鬼気迫る青年を目にして、首領格の男は思わず悲鳴を上げてしまう。
男は逃げ出そうとするが、足の速さで敵うはずもはずもなく、あっという間に追いつかれてしまった。
「た、頼む、殺さな――」
ザシュッ
男の命乞いを最後まで聞かずに、青年は白銀を振り下ろした。
男の首が飛び、地面に落ちたその瞬間に青年は声高らかに言い放った。
「敵総大将、討ち取ったっ!」
その瞬間、まるで頃合を見計らったかのように、追いついた村人たちの集団が襲い掛かる。
軍勢同士の戦いでは初撃がもっとも強力な一撃になる。その一撃を無傷で、勢いを衰えさすこともなく、そして相手がほぼ無防備な状態で繰り出されたのだ。
黄巾党の士気は瞬く間に地に落ちた。もはや、なりふり構ってなどいられないとばかりに逃げ出す兵士が続出する。
それを引き留める者もいなかった。首領格が討たれてしまったのだ。もはや、この集団をまとめる者などいない。
逃げ惑う黄巾党の者達を村人たちはまるで雑草でも刈り取るかのように殲滅(せんめつ)していった。
その後、黄巾党の軍勢を完全に駆逐した村人たちは、意気揚々と村に凱旋(がいせん)した。
それを迎える村に残った村人たち。
彼らは思い思いに知人や恋人、家族と顔を合わせ、その無事を祝った。
一刀はそれを小高い丘の上から眺めていると、隣にいた華佗が声をかけた。
「いいのか、一刀?黙っていなくなったりしたら村人たちが心配するんじゃないか?」
「そうだな。・・・だけど、もう黄巾党が現れ始めたんだ、のんびりとはしていられない。急いで中央に戻らなくては・・・。二人には悪いと思うけど・・・」
「何、俺たちのことは気にするな」
「はい、私たちはどこまでも一刀様に付いて行きます」
「そうか・・・ありがとう二人とも」
一刀は二人に感謝の笑みを浮かべ、最後にもう一度、眼下の村を見下ろした。
穏やかな村。そこにある村人たちの笑顔を目にして、一刀はそれらを守ることが出来たことを実感する。
正直、敵を殺したときの感触がいまだに手の中に残っている。だが、目の前のような光景を守るためならば、それでも前に進むことが出来るだろう。
「さぁ、行くか」
一刀の言葉に二人がうなずく。これから行くのは戦乱の道。されど、三人は思いを新たに突き進んでいくのであった。
それから、しばらく経ってのこと。
「お母さんっ!」
一人の少女が血相を変えて、家の扉を開け放った。
「どうしたの桃香ちゃん?そんなに慌てちゃったりして?」
桜香はなんとものんきな声で自分の娘である劉備――桃香を迎えた。
「どうしたのじゃないよ、お母さん!近くの村が襲われたって聞いて心配だったんだからっ!」
「そうだったの・・・。でも、心配なかったわ桃香ちゃん。天の御遣い様が来てくださってこの村を守ってくれたらしいの」
「あ、それさっき私も聞いた!ねぇねぇ、お母さん!御遣い様ってどんなお人だったの?」
桃香は先ほどの不安げな表情を一転して、興味のある話題に食いついた。
「さぁ・・・?お母さんは実際に見ていなかったから何とも言えないわ」
桜香はなんとも困った顔をして述べた。桜香の頭の中では、先ほど訪ねてきた青年=天の御遣いという考えは頭になかった。この辺りの天然具合はさながら親子といったところか・・・・・・。
「そうなんだ・・・・・・残念」
「御遣い様はもういらっしゃらないの?」
「うん。村の皆が言うには、気がついたらすでにいなくなってたんだって」
「そうなの・・・・・・お母さんも一目見てみたかったわ・・・」
親子そろってため息を吐くと、桜香は桃香の後ろにいる人影に気が付いた。
「・・・あら?そちらの方は・・・?」
桜香が尋ねるとその人影のうち片方は至極丁寧な礼をもって、もう片方は元気な声で挨拶した。
「桃香様の母君であらせられますね?我が名は関羽、字は雲長と申す者でございます」
「鈴々は張飛なのだ。よろしくね、お姉ちゃんのお母さん」
「こちらこそよろしくね、張飛ちゃん」
桜香はそれを笑顔で応対したのだが、関羽が小声で張飛を注意した。
(こら鈴々!お前はもう少し礼儀正しく挨拶をすることが出来んのか!?)
(鈴々はちゃんと挨拶したもん。愛紗いちいち細かいのだ)
関羽――愛紗が眉尻を吊り上げて張飛――鈴々を叱ろうとするところを桃香が慌てて間に入った。
「あ、あはは・・・。あ、愛紗ちゃん、そんなに堅苦しくしなくても平気だってっ!鈴々ちゃんにだってワル気があったわけじゃないんだし」
「ですが桃香様・・・」
「ふふ、関羽さん、そんなにかしこまらないでください。私は見ての通り、そんなにお偉い方ではないのですから」
「そうそう、それにそんなことをしてたら、いつまで経っても本題に入れないのだ」
「鈴々っ!」
愛紗が慌てて鈴々の口をふさぐが、桜香の耳にはしっかりと聞こえてしまった。
「桃香ちゃん、本題っていうのは?」
「えーっと・・・・・・その・・・」
桃香は歯切れ悪そうに口ごもっていると、やがて意を決したように口を開いた。
「あ、あのねお母さん、実は私、この二人と一緒に旅を出ようと思うんだ」
「桃香ちゃん・・・」
桜香は驚きで目を見開いて桃香を見る。
「私ね、やっぱり困っている人を見過ごすなんてこと出来ないの。でも、私一人に出来ることなんてたかが知れてるって、そう思って今までずっと過ごしてきたの」
桃香はそうやって少しずつ自分の思いを形づけるかのように吐露していく。
「そうしたらね、二人に出会ったの。二人は私なんかより全然強くて、勇ましくて・・・・・・。私、この二人と一緒ならどんなことでもやっていけるってそう思ったんだ」
そう言って桃香はこれ以上ないくらいに頭を下げた。
「だからお母さん。突然、旅に出る親不孝な娘を許してくれますか?」
そしてそのまま、桃香にとってはとてつもなく長い沈黙が経つと、
「桃香ちゃん、顔をあげて」
桜香の穏やかな声が耳を打った。
桃香が顔をあげると、そこには声と同じく、穏やかな顔を浮かべた桜香が立っていた。
「少し待ってて」
そう言って桜香は家の奥へ行ってしまった。
しばらくして桜香は戻ってきた。その手には見事なこしらえの剣が握られていた。
「お母さん・・・それは?」
「これは『靖王伝家』。我が家に代々伝わる宝剣よ」
桜香はその宝剣を桃香の手に持たせた。
「今の桃香ちゃんにはこれが必要でしょう?だから持って行くといいわ」
「お、お母さん・・・・・・」
桃香は感極まったのか、その瞳に涙をにじませていた。
そして桜香は愛紗と鈴々に向き直った。
「関羽さん、張飛ちゃん。ふつつかな娘ですがどうかよろしくお願いいたします」
「はっ、桃香様のことは我らにお任せください」
「お姉ちゃんのことは鈴々たちが守ってあげるのだ」
「ぐすっ・・・・・・それじゃあお母さん。私行くね・・・」
「ええ。・・・桃香ちゃん、いつでも帰ってきていいのよ。あなたの家はここなのだから」
「・・・うんっ!」
桃香は涙をぬぐい、咲き誇るような笑顔を浮かべ、愛紗、鈴々と共に旅立って行った。
それを見送った桜香はハタと思い出したかのように手を打った。
「・・・あっ!そういえば一刀さんのことを話すの、すっかり忘れていたわ」
やはり親子といったところか・・・。しかし、桜香はことさら気にすることもなく家の中へと戻っていった。
桜香の心は自分でも驚くくらい平静だった。やはりあの時、一刀が言ったことへの影響が強かったのだろうか?
一刀は去り際、桜香にこうささやいたのだ。
『飛ばされた種は風に逆らわずに宙を飛び、やがて地に落ち根を張る』・・・と。
パッと思いついたので書いてみました。
『北郷一刀』武将能力
武力値【騎:4 槍:3 弓:2】
奥義Lv1:『威圧』 必要ゲージ数:5
研ぎ澄まされた殺気はことごとく敵の戦意を喪失させる。
効果:敵攻-
奥義Lv2:『神木刀・聖天』 必要ゲージ数:10
あらゆる物を断ち切る聖天の一撃は、すべての兵種に有効的な打撃を与える。
効果:突撃、迎撃、射撃、防御
奥義Lv3:『蒼天の大号令』 必要ゲージ数:15
『天の御遣い』と呼ばれる北郷一刀の大号令は、あまねく味方を奮い立たたせ、不屈の天兵となる。
効果:自攻+、自兵+、自奥義値+
陣形1:『釣り野伏の陣』 兵力補正値【騎:3 槍:1 弓:0】
陣形2:『車掛かりの陣』 兵力補正値【騎:1 槍:2 弓:1】
陣形3:『魚鱗の陣』 兵力補正値【騎:2 槍:0 弓:2】
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どうも、0157です。
自分の作品に納得がいかなくては何度でも書き直すという悪癖のせいで随分と時間がかかってしまいました。本当に申し訳ありません。orz
それでもこうやって投稿できるのは、ひとえに支援してくださる方々や、応援してくださる方たちのおかげです。
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