今日はいよいよ部活見学初日。
三年間帰宅部を決め込むつもりだった私は、
木谷さんの
「この学校は部活が充実してて有名」
「私は文芸部に没頭するけど、もしよかったら見学だけでもしないか」
という言葉で、文芸部に見学予定となっている。
「それじゃ、行きましょ」
「うん」
放課後、私は木谷さんに連れられて文芸部へと向かった。楓はと言うと、
実はスポーツ少女だから真っ先にバスケ部へと駆け込んだ。
本人曰く『いくつか回っていいのを選ぶ』らしいんだけど、多分、掛け持ちだ。
「ん、倉橋さんどうしたの?」
「いや、ちょっと楓の事を思い出して」
こう言ったら木谷さん嫉妬するかな?
「楓さん? 運動部志望だっけ」
「そうそう。多分、部活掛け持ちなんだろうなー、て思って」
そこそこどんな運動でもこなせちゃうし、人当たりもいいから、多分…
色んな部活にかり出されるはず。
「なるほどね」
「楓、運動神経いいから」
全く、すごい娘だ。
「ところで、文芸部ってどの辺?」
「四階の文芸室だって」
文芸室なんてあるのか、この学校。学校もすごいな。
「でも、階段登るのめんどくさー」
「言わない言わない。さ、到着だよ」
ん? ぐだぐだ言いながらも、結局は階段を上ってた私。
ガラリ
「あ、新入生?」
文芸室(以下部室でいっか…)に入ると、先輩数人の視線が突き刺さった。
「あ、はい」
「いらっしゃ~い! 私は部長の山口萩乃。後は三年生五人と、二年生二人」
なるほど。知的文学少女って感じの部長さんの話からすると、
引退する三年生が多くて、二年生が少ないわけだ。
開口一番の歓迎ムード満載の声といい、突き刺さる視線といい、それが原因か。
「それで、二人は? 自己紹介して頂けるかしら?」
頂けるかしら? すごい言葉遣いだな、こりゃ。
「えぇっと…1年3組、木谷まりなです。入部確定です! よろしくお願いします!」
き、木谷さん…やる気満開だぁ。。。
「じゃ、次、貴女お願い」
「は、はい。えーっと…木谷さんと同じクラスの…倉橋えりかです」
うぅ、突き刺さる視点がちょっと痛いんですケド。
「木谷さんに連れられて来たんですけど…よろしくお願いします」
文芸部、果たしてここでどんな経験をするのか!
~つづく~
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第24回