この作品は恋姫の二次創作です。
オリキャラ込みです。
初めてなので駄文です。
それを踏まえて読んでいただけると幸いです。
第7話:あなたのために
再編成を終え、俺達は行軍を再開した。
ちなみに、前曲に祭さん・思春・明命・俺。後曲に雪蓮・冥琳・穏。そのさらに後ろに孫権という編成だ。一刀は雪蓮と共に行軍している。
孫権が不満そうにしていたが……、まぁ孫家の人を2人とも前線に参加させるわけにはいかんしな。
しばらくして、他国の軍勢の陣がちらほらと見えてきた……。
魏 Side
荀彧「華琳様。我らの南方、4里の所に新たな部隊が発見されました」
曹操「旗標は?」
荀彧「孫。恐らく袁術の客将になっている、孫策の旗かと」
曹操「そう。……猿が英雄を飼うことなど、不愉快千万だったけれど。それもそろそろ終わりそうね」
?「そうだね。……華琳ちゃん、さっきの報告ですっごくうれしそうな顔してたし」
荀彧「……どう言う意味でしょうか?」
曹操「言葉通りの意味よ。……今、利に目ざとい諸侯はこの場所に集まっている。それは、黄巾党の命脈が尽きかけているのを知っているからでしょう?」
?「でも袁術さんは西に行った。……それはつまり、名をあげる機会を放棄したって事」
曹操「しかし孫策は賭けに出た。……そしてこの賭けは成功するでしょうね」
荀彧「諸侯が集まれば、黄巾党本隊ももはや敵ではない」
?「そういうこと♪……私達の他に、袁紹、公孫賛、それに義勇軍だけど武功をあげてきた劉備。そこに孫策さんが加われば、負けるほうがおかしいでしょうね」
曹操「ええ。それに先ほどの報告では、既に孫策の配下で名を轟かせた武将がいるとのこと。……それだけの将をそろえれば、孫策はこの賭けに成功し、評判を上げるでしょう。そしてそれは、これから大陸を覆うであろう割拠の時代において有利となる」
荀彧「その機を逃さず、独立を果す。……華琳様もお姉様も、そうお考えなのですね?」
?「まぁね。もう細作は出してるから、情報の取りまとめはお願いね」
荀彧「はい、お姉様」
曹操「ふふ……、よろしく。」
?(それにしても……。この情報を見る限り、この世界の人の戦い方じゃないよね、これ。)
曹操「どうかしたのかしら?私の頭脳たる司馬仲達が、そんな表情を見せるなんて」
司馬懿「ううん、後で調べれば分かる事だから」
曹操「そう」
司馬懿(……まぁ、この戦いでどんな人か確かめさせてもらうよ。天の人♪)
Side out
黄巾党本隊の本拠地の傍までやってきて、俺達は一旦停止した。
周辺には諸侯の軍勢が、所狭しとひしめき合っている。
一刀「おお、壮観だなこれは……」
雪蓮「曹、袁、公孫、劉……良い感じに集まってるわねぇ」
冥琳「計算通りだな。これで敵とも互角以上に戦えるだろう」
祭「じゃがわしらの参戦する場所が無ければ、功名も立てられんぞ?」
雪蓮「そうね……、時間もかけられそうに無いし」
健「って言うても、ゴリ押しでは無理やろ」
冥琳「ごりおし?」
あ、そう言えばカタカナ通じんかったっけ。
一刀「天の言葉で、力攻めって意味かな」
冥琳「なるほどな……、穏。確か城内の地図があったはずだが」
穏「ありますよ~。元々太守さんの持ち物でしたから。……はい、これです~」
穏は、手に持っていた地図を一気に広げた。
武将皆がその地図を覗き込む。
健「うーわぁ……、めんどくさい城やなぁ……」
思わず声に出してしまった。
しかし、それほど厄介な城なのだ。
軍を展開できるのは、広さ的に前面のみ。
しかも後ろは絶壁、正に天然の要塞。
……他の皆も同様のことを思っているようだ。
雪蓮「めんどくさいから、正面から突入しちゃおうよぉ~……」
祭「うむ、策殿に賛成だ」
訂正、約2名何も考えてないヤツらがいます。
孫権「2人とも、タチの悪い冗談を言っている場合じゃありません」
雪蓮「冗談じゃないんだけど……」
孫権「なお悪いです」
孫権にバッサリと斬られ、落ち込む雪蓮。
冥琳「……北郷。お前はどう思う?」
一刀「へっ?お、俺!?」
冥琳「そうだ、思いつくままを言ってみてくれ」
冥琳に言われ、地図を覗き込む一刀。
……さて、ここ数日の成果は出るかな?
いくつか皆に質問をする一刀。
それを聞いて、状況を整理しているようだ。
……やがて、ある一言を発する。
一刀「……これ、倉の辺りが死角になってない?」
穏「あ、そう言われれば……。そうですねぇ」
一刀「多分兵糧なんかもここにあると思うんだ。だから夜の闇に紛れてここに火をつける……とかどうかな」
一刀の提案に、冥琳が頭をフル回転させていく。
冥琳「出来るな……。祭殿。諸侯が引き上げた後、部隊を正門に集結させて下さい」
祭「ふむ……、囮になれと?」
冥琳「ええ。その後、興覇と幼平、子義の部隊が中に進入、放火活動を行います」
思春「……こやつも一緒なのですか?」
冥琳「こやつをあまり見くびらない方がいい。……子義、先の戦で見せたあの伏兵、此度もいけるか?」
健「余裕♪」
俺は親指で答える。
冥琳「よし。……その後、混乱する城内に雪蓮達の部隊が突入。……これでどうかしら?」
雪蓮「良いんじゃない。……ワクワクするわ」
冥琳の策に、嬉々として答える。
しかし、孫権がすぐさま反対した。
孫権「しかし!絶対に成功する保障がない以上、お姉様が前に出るのは反対です!」
健「孫権さん、戦に絶対なんてあるわけ無いですよ」
雪蓮「健の言うとおり。……もしかして、母様の時と今の状況を重ねてるの?」
孫権「……はい」
心配そうな目で、雪蓮を見る。
それは、王に対してではなく、姉に対してだろう。
雪蓮「大丈夫よ。城攻めは祭に任せるし、私は突入部隊だけだもの」
祭「うむ、承った」
雪蓮「ね。だから安心して見ておきなさい。……孫呉の王の、戦いぶりをね」
孫権「……はい」
雪蓮「聞き分けの良い子は好きよ。じゃあ蓮華は後方に下がって。……思春、明命、健。あなた達はすぐ精鋭部隊を編成し、作戦を検討しておいて」
3人「御意(応)」
その後、雪蓮と祭さんは待機、穏は孫権の補佐、冥琳と一刀は突入後の総仕上げ、と各々の役割が言い渡された。
一刀、「自分で言った事の責任を取るつもりだ」とか言うて、少しは成長したかな?
……雪蓮も言うてたけど、お前の覚悟、しっかりと見させてもらうとするわ。
陣を構築し、思春、明命と作戦を話し合った後、作戦決行までしばし休息をとる事にした。
健「ふぁぁーーっ……」
冥琳「ずいぶんと眠そうだな、仮眠は取らなかったのか?」
健「いや、むしろ取ったから?」
冥琳「ああ、なるほどな……」
冥琳は呆れた顔でため息を吐く。
余談だが、健の寝起きは壮絶に悪い。(この話はいずれ閑話休題で)
冥琳「お前のそれはどうにかならんのか?」
健「無理無理。生まれて早25年、何度治そうとしても治らんかった」
冥琳「それは何ともしがたいな」
健「まぁな。……んで、どないした?」
冥琳「ああ。……実は曹魏について、少し気になる情報があってな」
健「情報?」
冥琳「そうだ。……お前は司馬懿という武将を知っているか?」
司馬懿?
司馬懿といえば魏の軍師ってくらいしか知らんけど……。
……ん?待てよ?
健「もしかして司馬懿がこの戦に参加しとんのか?」
冥琳「ああ、そうだが。……それがどうした?」
健「……司馬懿は俺の記憶では、もっと後の時代に出てくるはずや。この戦に参加しとるはずがない」
冥琳「ふむ、そうか……」
健「……話がいまいち見えんな。冥琳、本音は?」
冥琳は、一呼吸置いて口を開く。
冥琳「……司馬懿は、『天知』だと噂で聞いてな」
健「……なるほどな。ちょっと強引やけど、俺の時と同じと考えたら全部説明つくわ」
司馬懿が今、ここにいる。
それは恐らく、司馬懿は俺や一刀と同じ世界の人間で、俺のように名を変えているのだろう。
俺も冥琳も、同じ結論に今至った。
冥琳「それでだ」
健「何や」
冥琳「お前が天にいた頃に、天知と称されるほど知勇に優れた者はいたか?」
健「? 何で?」
冥琳「御遣いと天武は我々の仲間。しかし天知は、残念ながら敵となるだろう。そうなってしまった以上、これからの群雄割拠の時代に備え、少しでも相手の情報を得ねばならん」
健「……さすが周公謹」
冥琳「褒めても何も出んぞ」
健「褒めるのはタダやからな。で、俺の知ってる範囲で頭の回るヤツやろ?えっと……」
俺は前の世界での知り合いを思い出す。
……1人だけ、思い当たった。
頭のいいヤツは多くいるが、誰もこいつには及ばない。
しかし、こいつであるはずがない。
健「……1人しか出て来んけど、でもそいつじゃないな」
冥琳「何故だ」
健「……多分、もう死んでる」
冥琳「……そうか」
多分、俺の顔から何かを読み取ったのだろう。
冥琳は、それ以上聞くのをやめた。
健「……すまんな、力になれんで」
冥琳「構わんさ。簡単に情報を得られるとは思っていない」
健「そか」
冥琳「……もうすぐ戦だ。お前の役割は此度の戦で最も重要、……しくじるなよ?」
健「誰に言うとんねん。……そっちこそ、最後の詰め、しくじんなよ?」
冥琳「ふっ。それこそ誰に物を言っている、という話だ」
軽口を言い合いながらも、お互いを鼓舞できる。
俺は短期間で、ここまでの信頼関係を作れた。
この人達のためにも、こんな所で感傷に浸ってる場合やないな。
冥琳「ではな」
健「応」
冥琳は踵を返す。
冥琳「ああ、そうだ」
健「ん?」
冥琳「お前はいつぞや、私に「自分を頼れ」と言ったな?……でも、それはお前も同じだ。辛くなったら、私を頼っても構わんぞ?」
健「……え?」
それだけ言い残して、冥琳は去っていった。
冥琳(……私も不器用なものだな)
一方、健はただ唖然とするだけだった。
だが、同時に温かい何かも感じていた。
どうも、gatsuです。
2話連続うpです。
冥琳かわいいよ冥琳。
……すみません(土下寝
さて、ようやく仲達さん登場。
まぁ、健との絡みはまだ先ですが……
次回はいよいよ作戦決行。
闇夜は健の独壇場、です。
では。
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第7話も続けてうp
出来れば今月中に反董卓連合終わりぐらいまでストックしたい
そして、今回ようやくあの人の登場です