No.99197

繰り返しながらも新たなる外史[旅]!?~決意の章~・第七話

つよしさん

ブックマン様、りばーす様、キラ・リョウ様、もっさん様。
コメントありがとうございました。

色々と仕様が変わっておりますが、それはあとがきにて書いておきます。

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2009-10-05 22:43:37 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:6420   閲覧ユーザー数:5560

 

「はぁはぁ。…むぅ。漢女の胸とは、金粉を撒き散らしながら飛翔する聖なる翼であるというのに、何たる痴態…」

 

「乙m……いや漢女か。いや、それよりも貂蝉は常に全開じゃね?」

 

しかも、下もギリギリ。

 

「わたしは、踊り子だからねん♪」

 

前かがみになり、腕を胸に寄せながら???に応える貂蝉。

 

「いらんポーズを決めるな!しかも理由になってないし!第一、オレはお前を貂蝉として認めてない!」

 

「あらん、そんなこと言ったって役割を決めたのは私じゃないわよん?」

 

「…誰だよ、こいつに貂蝉の役割与えたやつ…。…というか、お前ら話聞くつもりあるか?」

 

呆れた目で2人を見る???。

 

「…あるぞ」

 

「同じく。それに貴方の正体も気になるわねん」

 

ピクッ、と反応する???。

 

「…気になるか?別に知らなくても構わないことだぞ?」

 

「…知られたら困るものなのかしら?」

 

貂蝉の目が鋭く光る。

 

「…ふん。疑い深い、と取るべきかな?…まぁ、いい。別段隠すものでもないしな」

 

そう言って、顔に巻かれた包帯を解いていく???。

 

「なんと…」

 

「…!……理由は聞いた方がいいのかしらね?」

 

「それは今から話す。…その前に『これ』元に戻していいか?あまり顔を晒したくないのでな」

 

解いた包帯を掲げながら問う???。

 

「ええ、構わないわん。それで?何と呼べばいいのかしらねん?わたしとしては呼び方に困ってしまうわ」

 

「一応、役割を果たす時以外は、聖龍(センロン)と名乗っている。適当かと思ってな」

 

そう言いながら包帯を巻きなおしていく。

 

「…龍と言えば、皇帝や英雄の事を指すからかしら?まぁ、確かに適当かもねん。でも何故、神?」

 

「神(シェン)じゃなくて、聖(セン)な?神だと某7つの玉の龍とかぶってしまうだろ?…まぁ、龍の名をつけるなんて、少し思い上がりが過ぎるとも思ったがな」

 

自嘲気味に笑う聖龍。

 

「………しかしお主は、本物の別の外史の北郷なのか?いや、それとも姿を似せているだけか?」

 

「「……は?」」

 

貂蝉と聖龍の2人が信じられないモノを見たかのよう目で卑弥呼を見る。

 

「な、なんじゃ!?」

 

「お前、何言ってんの!?最悪だぞ卑弥呼!」

 

「KYね!!KY!!それでも漢女かしら!」

 

「な、なんのことだ!」

 

「…はぁ!?お前分かって無い訳!?あのな!こう言うのってさ、最終話付近とか、バラすべきところで晒すだろ!いくらこの外史を見る人の九割以上が分かっているであろうと言ってもさ!」

 

「わたしが何のために、わざわざ名前を聞いたと思ってるのよん!一時でも貴方を師事したことが恥ずかしいわねん!」

 

「…え、い、いや、あ、あの…」

 

「こ!れ!読めるか!?」

 

どこから出したのか『空気』と書かれたプラカードを指さす聖龍。

 

「え?、そ、それは、空k…」

 

「無理よ聖龍ちゃん。このKYには読めないわ。なんたってKYだもの!」

 

「いや、今読めt…」

 

「…はぁ。それもそうか。なぁ、しかし貂蝉よ。こいつは本当に漢女道亜細亜方面前継承者なのか?漢女道に憧れたりはしないが、一本気の通った流派だと聞いていたぞ?これでは拍子抜けもいいところだぞ?」

 

「うーん…。まぁ、結局、『前』だものねん。わたしに譲ったあとは腑抜けちゃって、只の『漢』に成下がったのかもしれないわねん」

 

「いや、私は…」

 

「聞いたか貂蝉!漢女失格みたいなこと言われたら『私』とか使い始めたぞ!」

 

「まー、卑しいわねん!確かに使うことはあるけど、これはないわよねん?これだからKYは!」

 

「………え、いやわたs…いや、儂は…」

 

だんだん小さくなっていく卑弥呼。

 

「なんだ、今度は『儂』?」

 

「人に言われたからってすぐに意見を変えるのはどうかしらねん?」

 

「…う。………………もう、なにも喋らんよ…。話を続けてくれ…」

 

本格的に落ち込む卑弥呼。

 

「…まぁ俺は北郷一刀には違いないが、少し違う」

 

「どういうことかしらん?」

 

「何もなかったかのように話を続けるのはどうかと思うがな!?」

 

「冗談だって、ちょっとからかっただけだろ?」

 

「あの目は本気だったぞ!?」

 

今にも泣きそうな顔で叫ぶ卑弥呼。

 

「ネタをネタと…」

 

「もういいわい!」

 

「あ、いいのか?じゃあ、続けるぞ。…俺は北郷一刀という人間であることを捨てたんだ」

 

「……………………」

 

とうとう卑弥呼は本格的に黙ってしまう。

「捨てた?」

 

「…ああ。厳密には北郷でなくなったんだよ。………記憶をなくしてな」

 

頭を指さしながら淡白に言う聖龍。

 

「…誰かに操作された、とかかしら?」

 

『誰かに』という貂蝉。

 

「さあな。分からないな。…ただ荒野で目が覚めた時にはもう記憶が無かった。北郷一刀としての記憶。もちろん、三国志の知識も、な。消された可能性もあるが、外史に降り立った直後に何かしらの事故にあったかもしれない。…どちらにしろ、今の俺には関係ないさ」

 

「…なら何故、自分が北郷一刀であることを知っておる?」

 

いつの間にか復活している卑弥呼。

 

「…………自分が誰かも分からず、劉備や曹操、孫策にも拾われず、満足に食事もとることが出来ないで、死にかけた時に──────干吉に拾われた」

 

小さな苦笑。

 

「!…ならば、お主は否定派に付いたのか?」

 

軽い威嚇。

 

「『元』、ではあるがな。…干吉はこう言った。『貴方の記憶はある『悪』に奪われ、貴方はこの外史と呼ばれる世界に連れて来られました。…実は私も記憶を奪われてしまったのです!…私たちはその『悪』と敵対しています。記憶を取り戻すためにも協力していただけませんか?』、とな」

 

「…それを信じたのん?」

 

「…あの時の俺はとにかく記憶を取り戻したかった。怪しいとは思いつつも、干吉の口車に乗り、『否定派』の下で武や術を学んだ。そこでお前ら『肯定派』のことも教えてもらった。…まぁ左慈からは、『歴史、延いては地球を壊す存在で─────変態だ』と教えられたがな」

 

「ま、失礼しちゃうわねん!わたしたちのどこが変態よ!」

 

「…全部だ全部(ボソッ)…とにかくそこで腕を上げ、とうとう奴らの言う『悪』を倒す………いや、殺すことになった」

 

「…まさかとは思うが、それは…」

 

「ああ、そのまさかだよ。俺が殺せと言われた人物は別の外史の─────北郷一刀だった!」

 

ギリリッっと歯軋りをしながらその名を発す。

 

「…一番効果的ね。外史の女の子たちにも、ご主人様本人にも…!」

 

こちらも歯軋りを鳴らす。

 

「ああ、動揺が見て取れたよ…!…時間をかければ、その外史の北郷一刀を信じただろうが、俺は時間をかけず短期で─────その外史の北郷一刀を殺してしまった!」

 

強く握った拳から赤い液体が零れ落ちる。

 

「……!…それで記憶は?」

 

「…戻らなかったさ。…そしたら干吉はなんと言ったと思う?『これは偽物だったようです。本物を探しましょう。奴は『悪』です。外史に逃げ込みハーレムを作っている男の敵でもあるのです。必ず殺さなければ!大丈夫です。本物は必ずいます。記憶を取り戻すため、共に頑張りましょう!』とか言いやがった!…よく言うよ!左慈が大好きなゲ●野郎の癖によ!」

 

「…お主はそれに乗ったのか?」

 

「…乗ったさ。………ただ疑い全開でな?俺が殺してしまった北郷一刀が死に、外史も消えた。そして、次の外史では常に左慈と干吉に気を張っていた。それこそ敵を見るような感じでな?………だからこそ気付いた。北郷一刀とそして北郷一刀を守る乙女たちの心、…いや魂、というべきかな?」

 

「…ふふ、綺麗だったでしょう?」

 

嬉しそうな顔で問う貂蝉。

 

「…ああ、美しかったよ。乙女たちが一心に北郷一刀というたった1人の男を守ろうとする姿も、北郷一刀が乙女の存在を守ろうとしている姿も、それに、北郷一刀の為に戦おうとする兵や民の姿も………全てが美しかった」

 

「その時に気づいたのか?己のしている行為がどれだけ愚かだということを…」

 

「愚か?…愚劣の極みだよ!本当なら1人目で気付くべきだったんだ!…それなのに!知らなかったで済む問題じゃない!…だから、だから俺は干吉たちと敵対することを選んだんだ!」

 

「けど、1人で敵う相手ではないわよねん?どうしたの?」

 

「その外史の乙女や兵と協力して、その外史から追い出すことが出来たよ。しかし…………」

 

そこまで言って聖龍の肩が震えだす。

 

「…どうしたの?」

「…………くく、くくくっ!あーはっはっはっは!思い出すだけでも笑えるよ!あいつらの悔しそうな顔!信じられないと言いたそうな顔!」

 

大爆笑でした。

 

「…なにがあった?」

 

「…くく、連中は北郷一刀に斬られたよ。始めは普通の学生であり、何の異能も持っていなかった北郷一刀にな、くく…」

 

「…嘘。異能持ちや、始めから強いご主人様がいるのは知っているわよん?けど、左慈ちゃんや干吉は、それでも容易には破れない管理者の筆頭戦士よ?なのにどうやって…」

 

「ばーか。あの、北郷一刀だぞ?元々才能はあるさ。ただ、それを磨く場が少ないだけで、常に前線で戦えばそれなりに腕を上げるさ」

 

「天の御使いと祭り上げられずに、兵士として戦ったと?だが、それではあの童には勝てんだろう?」

 

「いや、それも違うさ。あいつは始め、只の旅の店員だったさ。だが、たまたま止まった名も無き達人に手ほどきを受けてな。一応、百人力と呼ばれ村の用心棒になる程までに武力をあげた」

 

「やっぱりそれまでじゃない」

 

「このまま進めばな?北郷一刀自身も限界を感じ始めていた頃だったさ。だが、そんな時さ。ある一大事件が終わったのは」

 

「…なんだ?」

 

「反董卓連合さ」

 

ニヤッと。

 

「…………………華雄ちゃんね!」

 

「…ふっ、察しがいいな。さては腕を上げた華雄にあったことがあるのかな?…まぁ、それはいいか。…それと華雄だけじゃない。呂布もだ」

 

「華雄とやらは強かったからのう。だが、それだけでは強くなる原因には、少々足らんぞ?」

 

「いいや、足るのさ。あいつが男であり、それなりに腕を上げた武人であるならばな?…呂布は家族を食べさせるために、腕を上げ用心棒として稼いだ。陳宮は蜀に保護されていたからな?余計な野心を持つこともなかったさ。そして華雄はあっさり張飛にやられてしまった事を悔み、鍛練に明け暮れる始末。…そして北郷一刀は先天性の負けず嫌いと来たもんだ」

 

「…腕を上げているというのも要因の1つか?」

 

「弱いままであったならば、早々に諦めたかも知れないが、強くなっていたからな?女に負けられぬと思ったらしい。するとどうだ?華雄とほとんど変わらぬ速度で武を完成させていくじゃねえか。正直恐ろしかったぜ?単純な武力ならば、数多の外史の北郷一刀の中でもトップクラスじゃないか?」

 

「…それでも敵う敵ではないわ。…なにかしたでしょう?」

 

「…くく。察しが良すぎるぞ?その通りさ、俺はあの三人に俺が生み出した『逆縛の印』をつけたのさ。干吉や左慈が使う、『縛道』を無効化する、な?」

 

「…とんでもないものを生み出したものね?外史の管理法則無視?」

 

「まぁな。…卑弥呼、貂蝉。呂布と強くなった華雄二人を同時に相手にして勝てる自信はあるか?」

 

「…ある。………………とは言えんな。漢女道奥義を使えばなんとか渡り合えるかもしれんがな」

 

「…そうか。ならばそこに同じくらいの強さの北郷一刀が加わったとしたら?しかも一年近く同じ場所で同じ時間を過ごし、連携した動きのある3人に勝つ自信はあるか?」

 

「…ないわねん」

 

「…ない」

 

二人とも、少し悔しそうな顔をする。貂蝉も卑弥呼も、自分の武に自信があるだけに悔しさは多少なりともあるのだろう。

 

「…だろうな。左慈と干吉も似たような感じだったよ。しかも元々干吉はそこまで体術に長けたやつでもない。結構あっさりだったな」

 

「奴らは消えたのか?」

 

「いや、消えてない。だが重症だよ。しばらく外史には手を出せんだろうな」

 

「待って。『否定派』には傷を治す力場がある筈よ?だったら…」

 

「あれ?言ってなかったか?『逆縛の印』は傷を治す道術すらも聞かないんだぜ?それどころか逆効果になる仕様さ。ま、しばらく奴らには俺を騙した罪を償ってもらわないとな!」

 

「………エグい技ねん」

 

「はっ、なんとでも言え。当然の報いなんだよ。……で、そんなわけで俺はいろんな外史の北郷一刀をサポートしているのさ」

 

「…贖罪かしら?」

 

「…そうだな、懺悔、償い、罪滅ぼし。なんでもいいさ。とにかく俺は北郷一刀を守り続ける」

 

「……………分かったわん。それで?この外史がおかしい原因を教えてくれる?」

 

貂蝉はなにか言いたそうだったが、それを飲み込み、次へと進めているように見える。

 

「……そうだな。まずは北郷一刀がこの外史から姿を消したところから話さなきゃならないだろうな」

 

聖龍もそれを分かっていながら、話を進める。

 

「ちょっと待って?ご主人様が外史から消えるなんてありない筈よ?そんな事をすればご主人様のいた外史は消失を迎えてしまうはずじゃないかしらん?」

 

「ああ、消えていないさ。だけど消えたんだよ。特殊な状況だったためにな?」

 

「特殊な状況だと?」

 

「ああ。曹孟徳という──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────────類いまれなるワガママな少女の元、っていうな」

 

 

 

続く!

 

~あとがき~

 

書き方を羨望外史の様に変えました。理由としては学校のツレに、

 

「最近、全然おもんないし、読みにくいねんけど」

 

と言われたからです。

面白くないのは分かってたけど、読みにくのは言われるまで気づきませんでした。

確かに文才がない上に、あの書き方は読みにくいですね。

 

ですので変えてみました。

こちらの方が読みやすいと思います(…たぶん)。

 

 

 

 

えと、聖龍ですが、聖フランチェスカ出身だからって理由ですよ?

龍は本文に書いてあるとおり、英雄から。間違いじゃありませんからね?天の御使いだし、種馬ですし。

 

そして、次の話なのですが、僕なりの解釈の為、気に入らない方もいると思います。

そのときはブラウザバッグなり、意見なりをお任せしますので、よろしくお願いします。

 

 

 

 

それではまた月曜日に。

 

失礼します。


 
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