この作品は恋姫の二次創作です。
オリキャラ込みです。
初めてなので駄文です。
それを踏まえて読んでいただけると幸いです。
閑話休題1:頼り、頼られ
~冥琳拠点~
のどかな昼下がり、休日である俺は人を探していた。
健「お、おったおった。冥琳ー」
冥琳「ん、健か。何か用か?」
冥琳は長い黒髪を翻しながら、俺の方に振り向いた。
健「ん、ちょっと武器の事で相談があってな。時間ある?」
冥琳「構わん、私もこれから休憩を取ろうと思っていたところだ」
健「ならちょうどええわ」
俺達は会話を交わしつつ、中庭まで向かった。
俺達は今、中庭にある、軍議にも使っている休憩所に腰掛けている。
冥琳「……それで、武器の事だったな。なぜ雪蓮や祭殿で無く私なのだ?」
健「冥琳が一番的確なアドb……いや、助言くれそうやったからな」
冥琳「ふむ、まぁ良いだろう。それで、相談とは?」
健「単刀直入に言うと、弓矢以外の飛び道具って無いか?」
冥琳「飛び道具?」
俺の発言に、冥琳は首を傾げた。
冥琳「なぜ急に飛び道具を?」
健「んー。前回の戦で雪蓮の援護するなら必要かなって。あいつ、知らん間に勝手に遠くまで行きよるし」
俺は苦笑しながら伝えた。
冥琳も納得したようで、
冥琳「そうか……、お前にも苦労をかけるな。……はぁ」
大きなため息。
健「はは、まぁまぁ」
冥琳「ではなぜ弓矢では駄目なのだ?」
立ち直って、再度俺に質問を振る。
健「弓矢は両手で扱わなあかんやろ?出来れば片手に剣を持った状態で扱いたいねん。それに次の戦までに戦場で使い物に出来るほど弓の腕は無いし」
冥琳「弓を扱った事が無いのか?」
健「敵に回した事はあるけど、自分では全く」
冥琳「ふむ……」
俺の返答を聞いて、冥琳は考え込む。
暫くして、冥琳は顔を上げた。
冥琳「では逆に、お前はどのような得物が扱えるのだ?」
健「使える得物……飛び道具やんな?」
冥琳「当然だ」
俺の使える武器ねぇ……。
拳銃なんてこの時代にある訳ないし。
小型のボウガンなら……あかん、矢つがえる時に両手使うわ。
……あ。
健「今、これ位の刃物持ってる?」
俺は両手で小型ナイフ程の大きさを示す。
冥琳「刃物?……これで良いか?」
冥琳はたまたま持っていた短剣を渡す。
健「少し大きいけど、ええわ」
俺はおもむろに立ち、少し離れた大木の方を向く。
健「全然使ってなかったけど、一発でいくかな?」
冥琳「どうするのだ?」
健「まぁ見とき」
俺は大木の中心の窪みのようなものに狙いを定め、短剣を投げた。
短剣は一直線に大木まで飛んで行き、窪みのやや左に刺さった。
健「うーん、勘がまだ戻らんなぁ」
冥琳「……飛刀か、上手いものだ」
振り向くと、冥琳が立ち上がって賞賛の言葉をかけてくれた。
健「いやいや、昔はもっと狙った所に刺さってたんやけど……少し鈍ってるな」
冥琳「いや、その腕なら少し鍛錬すれば実戦に使えるだろう」
健「そか。んじゃあ、飛刀って用意できる?あ、重くしたくないからそんなに量はいらんで」
冥琳「それぐらいなら、すぐにでも用意できる。……しかしそれほどの腕があるのに、どうしてすぐ飛刀を思いつかなかったのだ?」
健「もうかれこれ3,4年使ってなかったからなぁ」
冥琳「ふふっ、そうか。自分が扱える武器の存在を忘れるとは、案外抜けている部分もあるのだな」
健「どういう意味や」
冥琳「そのままの意味だが?」
ニヤリとした表情で俺を見る冥琳。
冥琳さん、俺をからかう気満々ですね。
健「……まぁええわ、飛刀って武器庫にある?」
冥琳「おそらく、まだ残っていたと思うぞ。探してみるといい」
健「あいよー」
冥琳「しかし……」
冥琳は、少し呆れたような顔をした。
冥琳「それだけ強くて、まだ強くなりたいとはな」
健「守るモンが多いからな。強くて強すぎるって事は無いやろ?」
冥琳「なるほど……。では、その武で孫呉を、雪蓮を守ってくれよ?」
健「応。んじゃ、飛刀探してくるわ、ありがとうな」
冥琳「ああ」
そう言って俺は武器庫へ向かう。
健「あ、そうそう」
冥琳「ん?」
俺は冥琳へ向きなおす。
健「冥琳の事も俺が守るよ、やから頼ってや。」
冥琳「………!」
冥琳の顔が少し赤くなった。
健「もし雪蓮の事でストレス……鬱憤が溜まったら俺の所へ来い。愚痴ぐらい聞いたる」
冥琳「あ、ああ。……ふふっ、そうさせてもらう事にしよう」
まだ顔に赤みが残るが、少し笑って返答した。
健「んじゃな」
踵を返し、武器庫へと再び向かう。
冥琳は健の後ろ姿を見ながら、
冥琳(頼れ……か。いつも雪蓮に頼られてばかりだったから、たまにはな)
先ほど言われた言葉を思い返していた。
冥琳(……今度、愚痴でも聞いてもらうとしよう)
冥琳も踵を返し向かう。
自分の頭を悩ませる、親友の下へ。
……その日の冥琳は、雪蓮のワガママも穏やかな顔で返していたらしい。
どうも、gatsuです。
今回は自分の中で実験的意味合いが強いです。
この閑話休題の話は、より武将との関わりを持たせようと思って制作しました。
……どうだったでしょうか?
ご意見頂けると幸いです。
後は、この閑話休題をいかに本編と絡ませていくか考え中です。
では。
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健の武将個々との絡みを、閑話休題の形で投稿していくことにしました。
初回は冥琳です。