No.990006

聖ビーストテイマー・ナタ323

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第323話。

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2019-04-13 21:46:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:102   閲覧ユーザー数:102

パン屋の仕事が終わると、ゲイザーを迎えに行って、その足で秘密結社の方へ向かいました。受付で名前を言うと、ルークのいるオフィスとは逆方向の奥の部屋に通されます。廊下の途中でアークとすれ違いました。

 

「ローラ、なんでこんなところにいる?」

 

「えっと…、ウィルスさんに呼び出されて…。ちょっと大事なお話に来たの…」

 

「そうか…。飲み物には気を付けるんだ。何か仕込んでるかもしれないからな」

 

「えっ?何が仕込んであるんですか」

 

「まあ、ローラに毒でも盛ったら僕がただではおかないから、ウィルスに限ってそんな馬鹿な真似はしないとは思うが…」

 

ウィルスの執務室に通されると女性が紅茶を運んで来ました。ところがゲイザーが手を伸ばしてこぼしてしまいます。

 

「すみません!ダメでしょ?ゲイザー。いつもこんな悪い事しないのに…」

 

「すぐに新しい紅茶を淹れますので」

 

「いえ、もう紅茶は結構です…」

 

アークの言葉が少し気になっていたので、紅茶は飲みたくないと思って断りました。ゲイザーは不機嫌そうな顔でウィルスを睨んでいます。

 

「秘書になる件は考えてくださいましたか?」

 

「さっきの綺麗な女性が秘書をしているのに、なぜ私を雇おうと思ったんですか?」

 

「ステイシーは今ルーク殿のパートナーをしていて、新しい秘書を探していたんですよ」

 

「ステイシーさんって言うんですね。前にルークと食事してたのを見かけた事があるんです」

 

ステイシーは裏で紅茶に白い粉をパラパラと入れて持って来ました。ゲイザーがまたこぼします。

 

「ゲイザー!ダメだって言ってるでしょ?今日はどうしてこんなに悪い子なんだろう…」

 

「ハハハ!男の子はこのくらい元気な方が良いですよ」

 

「本当にすみません!普段は大人しくて、おいたはしない子なんです」

 

「しかし随分と魔力の高い赤ん坊ですね。将来が楽しみだ」

 

「時々、この子が赤ん坊じゃなくて、中身は大人なんじゃないかって思う時もあります」

 

「どうやらルシファー様やルーク殿と同じく、この赤ん坊も心眼を持っているようです」

 

…つづく


 
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