ルークは手で前髪をくしゃくしゃにしながら、苦々しそうな表情で言いました。
「人間関係はまだマシだけど、恋愛関係に於いては全く役に立たない。人間関係は別に相手の事を好きじゃないから、価値観が合わなければ簡単に縁を切れるだろ?でも恋愛関係の場合、相手の事が好きだから困った事になる…」
「確かに私とルークは価値観が違い過ぎる気はするよ」
「君が嫌いなら適当にあしらえるんだけど、僕は他の女性を口説く時にストレスは全く感じてないんだ。理由は別にその女性を本気で好きじゃないから、嫌われるのが怖くないからさ?」
「ルークは私に嫌われるのが怖かったの?全然そんな風に見えなかったよ」
「頭が真っ白になる事もないから論理的に話せるし、喧嘩なんかしない。喧嘩になっても別に好きじゃないから、熱くなる事もない。別れようって言われても、わかった…って言ってすぐ別れる。他の子と付き合った時は全部そうだった」
「私が別れたいって言ったら絶対に喧嘩になるのに…」
「好きじゃなかったら、恋愛は上手く行くんだよ?上手く行ってるカップルのほとんどは、どちらかが相手の事を本気で好きなわけじゃないんだ。それは違う!って否定するだろうけど」
「でもそれって本当に上手く行ってるって言えるのかな…。何の為に付き合ってるの?って思っちゃうんだけど、確かに上手く行ってる人がこっそり浮気されてたりするね」
「目的達成の為に必要ならば手段を選ばないから、やりたいって目的だけなら性格は重視しないという場合、好きじゃなくても優しくして、やれれば問題ないだろ?相手の気持ちを考えない女がその手の男に引っかかりやすいのは、その為さ」
「ルークは優しくしてたのに別れたいって言われたんでしょ?なんかルークがフッた事になってたけど、別れた本人は何も喋らないから、勝手に周りが騒いでた…」
「僕が付き合ったのは比較的、知能の高そうな相手ばかりだったからね。ジュリーもそうだけど、僕が愛してないから優しく出来ると気付いてしまうんだ。だから別れる事になった」
「そうだったんだ。別れた子、みんなルークの事まだ好きって言ってた。でもルークが自分を好きじゃないから別れたって泣いてて…」
「どうでも良いから別に他の男と仲良くしてても全く嫉妬しないし、浮気してるだろ?って尋ねる事もないからなぁ。だから僕はローラから浮気してるの?って聞いて欲しいんだ…」
「私は多分、嫉妬はしてると思う。でも嫌われたくないから聞けなかったんだよ。そう言う子もいるってわかって…」
「僕と付き合った女性たちが僕を愛してるのはわかってた。僕がローラの事好きなのも薄々勘付いてたみたいだし、僕に浮気してるか尋ねて来ないで他の男に相談してたから、その男と付き合った方が良くないか?って言ったんだ。その男は明らかに彼女に気があったし、相談するって事は彼女もその男が好きなんだろ?」
「それって今の状況と似てる気がする…」
「ああ、だから僕は傷付いてた。君が僕を好きじゃないのがわかったからだよ」
「それとは少し違う気がする。好きだけど別れたいって気持ちはわからない?」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第260話。