ルークはまだ未成年なのでナタのところに保護者のサインをもらいに行きます。
「それとあと一人、親族以外の保証人もいるんだ。フラウおばさんは僕の親族じゃないから、行けるかな?ローラの母親だけど…」
「うーん、親族だといざって時、一緒に夜逃げしちゃうかもしれないからかな?フラウおばさまなら戸籍も外れてるし、大丈夫だと思うけど無理そうなら、サラおばさまとか…」
「ああそう言う事か…。夜逃げ後に困ってる親族や友人がたくさんいたなぁ。僕の今やってる仕事が失踪人の捜索依頼だから」
「私はこの家の契約書はサインしてなくて、アークが全部一人でやっちゃったし…」
「僕はローラとちゃんと相談して決めたよ?お母さんたちを見てて勉強したからね。僕一人では決めない方が良いって…」
「そんな事まで覚えてるの?あなたまだ十五だったのに…」
「夜中にトイレに起きた時に二人が言い争ってるのが聞こえたんだよ?まあ今住んでるところは一番安いって理由でローラも納得してたんだけど…」
「一億の物件に決めちゃうと思わなくて…。私の美容室の開業資金の二千万も、アークが出してくれてるから文句も言えないのだけど」
「あんな小さな店でも二千万かかっちゃうんだね」
「一千万でも開業だけなら出来たけど、デザイナーを雇ってオシャレな内装にしたからよ?」
「お母さん、見た目にこだわるからなぁ」
「見た目はすごく重要よ?汚い内装だと女性客が嫌がるし、カットの値段が安いだけでは寄り付かないわ」
「ベビーシッター代でお母さんの稼ぎほとんど消えてるって言ってたんだよね?ローラから聞いたよ」
「そうなのよ…。でもアークはベビーシッター代は半分自分が支払うべきだからって、半分は私がアークに返済した事にしてくれてたけど」
「えっ、お父さんに返済ってどう言う意味?」
「開業資金の二千万の事よ?アークに毎月少しずつ返済してるのよ…」
「それで休日出勤して産後もすぐ現役復帰したのか…」
「家に居たら近所の人のイヤミが酷くて、夫の稼ぎで豪遊してるとかなんとか噂されて、鬱になってきちゃうのよ…」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第248話。