リリスが眠った後、ルシフェルは荒くれ者が集まる酒場にやって来ました。酔っ払った男たちがゲラゲラ笑いながら自慢話をしています。ルシフェルは黙って離れた席に座りました。
「この前、森の中に足を切断されたイイ女がいたんだ」
「えっ?女が足を切断されて森の中に…。それなんだか事件っぽくねぇか」
「みんなで回してやったぜ?あれだけいやらしい体をしてるんだから、男好きに決まってんだろ」
酒場のバニーガールがルシフェルに言い寄ってきます。腕に大きな胸を押し当てて来ました。
「お兄さん、見かけない顔だけど、イイ男ね」
ルシフェルはバニーガールを無視して立ち上がると、自慢話をしていた男のところへ行きました。
「お前に話がある…。表に出ろ」
「ん?なんだお前、背中に白い翼があるなんて天界のお坊ちゃまかい。世間知らずの坊やはこんなところに来ないで、お家に帰んな!」
「さっさと表に出ろ…。店内で暴れると後で面倒だからな」
酔っ払った男は無視して酒を飲み続けていたので、ルシフェルは酔っ払いの男の顔面を殴り飛ばしました。他の客が騒ぎ出してバニーガールの悲鳴が上がります。そのまま男の胸ぐらを掴んで店の外に引きずり出しました。男はジタバタもがいてルシフェルに掴みかかり、すぐに手首を捻り上げられて苦痛で顔を歪めています。
「ボンボンの癖に強ぇじゃねぇか?」
「僕を誰だと思っている?現在セラフィムでトップに立っているルシフェルだ」
「セラフィムって…、最上級天使の称号か。それで六枚も翼を持ってたんだな」
「お前以外にリリスを襲った連中の名前を全部吐け!」
「なんだ、あの女…お前のコレだったのか?」
「吐かないと言うなら少し手荒な真似をするかもしれない」
酔っ払いの仲間たちが周りを取り囲みました。
「へへへ…。いくらセラフィムが強くたって、これだけの人数を相手にして勝てるのかい?」
「こいつらがリリスを襲ったお前の仲間か?探しに行く手間が省けたよ。感謝する」
一斉に襲いかかった男たちを、ルシフェルは全員返り討ちにしてしまいます。何人かは手を擦り合わせて命乞いを始めました。
「ルシフェル様、申し訳ありません…。どうか命だけは!」
「許さない…。お前たちは簡単には死なせてやらない。じわじわと苦しみながら死ね!」
「私はあいつらにやめるように言ったのです。でもやめてくれなかった…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第226話。