アークが帰宅すると、ナタがゲイザーとリリーに乳を与えていました。
「ナタ…。どうしてゲイザーにまで授乳している?哺乳瓶でミルクを与えたら良いだろ」
「粉ミルクはあまり体に良くないのよ?母乳の方がずっと栄養価が高いんだからね」
「それはわかるが、ゲイザーは他人の子供だろう?ナタの乳を与えるのは反対だ…」
「他人じゃないわよ?孫なんだから」
「それはゲイザーの生まれ変わりなんだぞ!」
「まさかおじさんに私のおっぱいをあげる事になるなんて思わなかったわ」
「ううっ…最悪だ。ゲイザーの奴、記憶が戻ったら八つ裂きにしてやる!」
アークが頭を抱えてソファーに座っていると、スノーが前足を肩にポンと置きます。
「悩んでいるなら我が相談に乗るぞ?慰める事しかできぬが…」
「クソッ!僕もナタの赤ん坊に転生したい…」
勢い良くナタの乳に吸い付いているゲイザーを恨めしそうに睨み付けながら、アークは呟きます。
「赤ん坊に嫉妬してどうすんのよ?」
「ナタは僕の事なんかどうでも良いんだろ?子供が一番大事なんだ…」
「バカじゃないの?どうでも良い男の子供なんか死んでも育てたくないわ!愛せるわけないでしょ…」
「シングルマザーの女性たちは嫌いな男の子供を育てているようだが…?」
「最初は愛してたんでしょ?最初から愛もなかった相手なら産もうとしなかったはずよ」
「そうか…。リリスが男たちに襲われた時に産みたくないと言って悩んでいたから、僕の遺伝子だけを選べるようにマムシの能力を与えたんだ」
「リリムにそんな事を言ってたわね。リリムはどう見てもあなたの子供でしょ?顔があなたによく似てるもの」
「ああ、僕の容姿は前世と瓜二つに作られているようだからな」
「ルークもあなたによく似てるけど目元だけは私に似てるわね」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第224話。