命乞いする魔物たちに呆れて溜息をつきます。
「もう降参してしまうとは…。まだ暴れ足りないな。手加減していたと言うのに…」
「お父さんが強過ぎるんだよ?このまま戦ったら殺されるって悟ったんだと思う…」
「ルーク、結界を解除してくれ」
「まだ解錠符を作ってなかったから、二十四時間待たないと解除されないよ。印を殴るとダメージ受けて吹っ飛ばされるから壊せないし…」
「ウィルスには解錠符が作れるんだから、お前にも出来るだろう?ウィルスよりお前の方が実力は上だからな」
「この結界めちゃくちゃ印が複雑なんだから!結界を張るより解除する方が難しいんだよ?」
「うーん、このままだと騒ぎが大きくなってしまうな」
「言霊でローラを呼んで解除してもらうよ?」
「ローラなら解除出来るのか?」
「ローラは魔法防御力が常人離れしてるんだ。ヴィッキーも物理防御力が常人離れしてたんだけど、ヴィッキーだと最大攻撃力が高過ぎて解除不能だと思う」
アカデミーの入口にローラがやって来ました。ヘナチョコパンチであっさり結界が解除されます。
「この結界、誰でも解除出来るんじゃない?こんな弱い結界、なんの役に立つの…」
「それが誰でも解除出来るわけじゃないんだ。特に僕やお父さんにはかなりキツい仕組み…」
「ふーん、よくわかんないけど私でも役に立てる事があるのね」
「ローラが魔法を全く習得していなかったのが良かったんだよ?この結界はその人のステをコピーするから、強い人が殴ると強くなるんだ」
そこへ天からヒラヒラと天使が舞い降りて来ます。
「下級天使から報告を受けて急いで来たんですが、もう終わったみたいですね」
「ああ、何も問題はない。ゲイザーのシナリオ通り全て片付いたよ?」
「これは勇者ゲイザーの書いたシナリオだったのですか?」
「嘘だと思うなら、ここに奴の書いた原稿の一部がある。裏に奴の直筆サイン入りだ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第222話。