ローラは何やら思い起こしながら言いました。

「ルークのお父さんってスパルタ教育だったんでしょ？ヴィッキーのお父さんもスパルタ教育みたいだけど…」

「うん、でもそれが普通だと思ってたから、別にスパルタだと思った事はないけどね？」

「腹筋背筋腕立て伏せ二百回ずつとか無茶苦茶だよね…。私は五十回でもキツイよ」

「それとスクワットもしてたね。日課だから慣れてるし、何とも思わないよ？」

「ルーク、学校では訓練とかしてないから、なんで強いのかわかんなかったもん…」

「人の見てないところでやれ！ってお父さんに言われてたから…。ヴィッキーは家での訓練プラス、学校の訓練場でもしてたし、僕より練習量は多いね」

「ヴィッキーは頑張ってるなぁって思いながら見てたの。ルークは頑張ってないのに強いから変だな…とは思ってた」

「頑張ってない人は成功なんかしないよ？成功してる人は必ず影で努力してる」

「そうなんだ…。才能のおかげじゃないの？」

「才能だけならローラにだってあるさ？あのおじさんと同じオーラの持ち主なんだから」

「私には才能なんてないんだよ…。体術も三年間やってて結局、中途半端な強さにしかなれなかったし…」

「美味しいご飯も作ってくれるし、一緒にいるだけで癒されるのも一種の才能だと思うよ？」

「花嫁修行でメイドさんから三年間習っただけだし…。しかも美味しくないから…」

「ローラの作った料理はどんな高級レストランの料理より美味しいんだ。自信を持ってよ？」

「自分の料理が下手な事くらいわかってるの」

「僕のお母さんと比べたら百倍マシだけどね」

「ナタお姉さんって料理下手なの？」

「お父さんは美味しいって言いながら食べてたけど、僕には無理だった…」

…つづく