ルークとローラの十八歳の誕生日がやって来ました。二人は同じ日に生まれたので同じ日に歳を取ります。
「お誕生日おめでとう!アウローラ」
「ありがとう、みんな」
「あなたが生まれた日は長く生きられないんじゃないかって不安だったけど、こんなに大きくなってくれて嬉しいわ」
「わたしが赤ちゃんの頃って未熟児だったんだよね?」
「指はマッチ棒のように細くて今にも折れてしまいそうだったのよ…」
「今でも指細いねって言われるけど、マッチ棒じゃなくて万年筆くらいね」
「私たちにはなかなか子供が出来なかったからあれが最初で最後のチャンスだと思ったよ…」
「そうだったんだ…。ルークは簡単にポコッと産まれたってナタお姉さんは言ってたけど?」
「ナターシャちゃんは若いから、まだ次の子供を授かりそうだけどね」
アーク夫妻の家でもルークの誕生日を祝っています。ルークはこの日の為に役所でもらっておいた婚姻届を机の上に置いていました。ローラのサインもすでにしてあります。
「僕たちはまだ未成年者だから、親の承諾がいるみたいなんだ」
「僕がサインしよう。ローラの保護者の欄もあるからゲイザーに頼んで来るよ」
「それとローラと一緒に住む部屋を借りる為にも親の承諾がいるみたいだった」
「アカデミーを出るまではこのまま家にいた方が良いと思うけどね。空き部屋ならあるからローラを家に呼んでも良いよ」
「うーん、でもお父さんたちに気を遣うからなぁ」
「部屋を借りるにはかなりの金がかかる」
「おじさんが結界石の代金を百万ジェニー振り込んでくれてて、支払いは完了してるよ」
「その後に生活して行く金も必要だろう?仕送りはいくらか出来るが、そんなにたくさんは渡せないよ…」
「アルバイトするつもりだから大丈夫!」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第182話。