ルークは不思議そうな顔でゲイザーに尋ねました。
「なんで今日は早退して来たんですか?」
「娘の様子がおかしいのに仕事どころではないよ?フラウにも話したら、すぐに許可してくれた」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
「昨日のあの子の泣き方は自殺でもしそうに見えたんだ。ほっておくとまずいと思った」
「それほど酷い泣き方だったのか…」
「知ってる事があるなら話して欲しいんだ。最近は監視の使い魔を減らしてしまったらしくて情報が少ない…」
「監視なんてされてたら嫌ですよ?」
「仕方がなかったんだ。アカデミーに不審者の乱入事件が何度か発生してたから、監視は強化されていたんだけど、喉元過ぎれば…。すぐに監視の手を抜かれて困っている。子供たちに何か起きてからでは遅いと言うのに…」
「ローラはいじめに遭ってたんですよね?だからおじさんはローラを監視させてたって学園長から聞いたけど」
「それは大した事はなかったようだよ?あまり親が騒ぎ立てると、余計に子供を苦しめる事になる。私がアカデミーに通っていた頃、父上が怒鳴り込みに行って、ややこしい事になったからな…」
「ゲオルグお爺ちゃんって冴えない感じだけど鳶が鷹を産んだんですか?」
「昔はそれなりに出来る男だったと母上は言っていたんだが、没落してからは…父上の話はどうでもいい」
「没落したってどうして?」
「上官の不正を暴いたら失脚させられた。良い事をしたら恨まれて嫌われてしまう事もあるんだよ?」
「ゲオルグお爺ちゃん、そんなカッコいい事してたんだ…」
「今はアウローラの話をしてるんだ。なんでもいいから知ってる事を教えてくれないか?昨夜は娘が心配で眠れなかったんだ」
「ジュリーが全部悪いんだよ…」
「ジュリエッタが?なぜあの子がアウローラを泣かせるような事を…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第100話。