No.984125

聖ビーストテイマー・ナタ74

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第74話。

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2019-02-15 23:08:27 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:59   閲覧ユーザー数:59

試合開始と共に先攻のルークは巨大な結界を張りました。自分の周りに小さな結界を張っていただけなのに、リング全体を包み込むサイズです。

 

「なんだこれは?力がみなぎってくる…」

 

「僕の使える唯一の回復魔法だ。結界の中にいる者の体力を永続的に回復し続ける」

 

「なぜ敵に塩を送るような結界を張ったりしたんだ?」

 

「ベストコンディションで戦わせたいからさ?あんな弱っちいパンチじゃ僕は倒せない」

 

「こんな結界があったとはな…」

 

「戦場で役に立つ結界だよ?この中に入れば外から攻撃されても死ぬ事は絶対にないからね」

 

「お前、魔力を…使い切ったんじゃないか?」

 

「わかるのかい?この結界は最大マナを全部使い切るんだ」

 

「魔術なしで…俺に勝てるとでも?」

 

「勝てなくても良い試合はできるだろ?魔法なしで剣だけで戦う。剣術も習得してるからね」

 

「ふむ、思っていたより漢らしい奴だな」

 

ルークは電撃を纏っていないフルーレを構えました。ヴィッキーは体力が完全回復したようです。

 

「手加減なしで行くぞ!ルーク」

 

「本気でかかってこい!こっちも本気で行く」

 

しばらくは剣と拳で語り合っていましたが、プレジダンが突然、挙手しました。

 

「ラッサンブレサリューエ!有効ポイントが規定数まで貯まりましたので、判定に入ります」

 

ポイント集計係がプレートを掲げました。

 

「ルーク選手二百五十四ポイント、ヴィクトール選手二百五十五ポイントで、ヴィクトール選手の勝利です!」

 

「あの結界がなかったら負けていたよ?試合に勝って勝負に負けた気分だ」

 

「僕は本気を出して負けたんだから、君の勝ちだよ?」

 

「お前とは仲良くやれそうな気がする。漢の中の漢だった」

 

「それじゃこれからは友達になろうよ?」

 

真剣勝負の後、二人の間に友情が芽生えたようでした。熱く握手を交わします。

 

…つづく


 
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