ローラの宿題が早く終わったので、ルークは台本をローラに手渡しました。演劇の練習をする為です。
「リリスの台詞はローラが読んでよ?僕はルシフェルの台詞を言うから間違ってないかチェックして」
「これって魔王ルシファー誕生の話?お母さんにも聞いた事あるわ…」
「僕のお父さんがイメージにピッタリだと思ってオファーしたら断られたんだって」
「そう言えばルークのお父さんの本名ってルシファーだったね。親はなんで魔王の名前を息子に付けたのかしら?私なら息子に魔王の名前は付けないわ」
「魔王ルシファーはそんなに悪い奴でもなさそうだよ?この台本読んでたらそう思った」
ローラは棒読みで下手な演技でしたが、ルークはすらすらと上手に台詞合わせをします。長台詞も間違えずに正確に記憶していました。
「ダメよ、小鳥が見てるわ」
「リリスは恥ずかしがり屋だな」
ここでルークは素早くローラにキスしました。
「ちょっと!なんで急にキスするのよ?」
「ここでリリスにキスするって台本に書いてあっただろ?」
「台詞の稽古でキスなんかしなくたって良いでしょ?」
「ちゃんとやらなきゃ、お芝居の稽古にはならないだろ?」
「だったら、もう手伝わないわよ?」
「キスくらいでそんなに怒るなよ…」
「と言うかこんなシーン、未成年者のルークに演じさせても良いの?」
「キスするフリをするだけさ?後半なんてベッドに裸で寝てるシーンもあるよ」
「それって…まずくない?あなたまだ十五でしょ。女優さんは大人の女性よね」
「僕に他の子と付き合えって言った癖に女優とベッドシーンやるのは嫌なんだね?」
「それは…!演技でもまだそんな事するの早くない?」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第16話。