街へ行くとまず演劇を観に行きました。アプリィは哀しいお話を観て涙を流します。涙はアプリィのてのひらの上で蒼い宝石になりました。
「感動的なお話だったわね。でも最後は二人とも離れ離れになってしまうから、ちょっと哀しかったなぁ」
「さっき気になって見ていたんだけどアプリィの涙は宝石になるの?」
「あら?ショーンはお話より私の顔ばかり見ていたの」
「えへへ、実は演劇なんかどうでも良いくらいアプリィの事しか見てなかったよ?」
「エルフの涙は流れるとすぐ宝石になるの。純血のエルフが本当に哀しくなった時は、紅い宝石になるそうよ?お父さんが死んだ時にお母さんが流した涙は紅い宝石になったわ」
「アプリィの涙は蒼い宝石になるんだね」
「これを質屋に入れて来るわ。工芸品を売っても数千ジェニーにしかならないもの」
質屋に鑑定してもらうとアプリィの涙の宝石は十万ジェニーで売れました。
「十日以内に一万ジェニー持ってこなかったら流すからね」
「ええ、構いませんよ」
質屋はホクホク笑顔で買い取りましたが、アプリィも笑顔で店を出ました。
「私の涙の宝石でこんなにお金がもらえるなんて知らなかったわ。あのお婆さんに感謝しなきゃ」
「僕はあの質屋の親父もあまり好きになれないよ」
「これだけあればショーンの服もたくさん買ってあげられるわ」
「アプリィも自分の服を買ったらどう?」
「そうね、ショーンの好きな服を選んでもらって着ようかな?」
二人は人間の街のブティックに行きました。店員に頼んであれこれオススメの服を持って来てもらいます。
「アプリィは何を着ても似合うねー」
「ショーンはどれが良いと思う?迷っちゃって決められないの」
「さっきの花柄のも良かったし、今着てるのもシンプルで良いと思うよ?」
「オススメの服を十万ジェニーで買えるだけ全部ください」
…つづく
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昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第12話。