ルリも同じように神に誓いの言葉を述べると、ジンはウェディングヴェールをめくってキスをしました。宴もたけなわで式は終わり、セルフィーユに戻る準備をしています。
「なんでロイを呼んだんだ?妖精界のゲートの場所も教えたんだろ!」
「ゲートを通らないと馬でも二週間はかかるのよ?ロイなら信頼出来るから教えても大丈夫だと思ったの」
「他の友人を呼べば良いだろ?」
「田舎には仲の良い友人がいなかったの」
「天才は孤独だって言うけど、ルリの頭が良すぎて友達が出来なかったのか…」
クレスの診療所の裏に見送りに来たルリの母親とクレスとイノンドと一緒にロイも待っていました。ルリの墓石の裏から妖精界を通ってセルフィーユの近くに行けます。
「なんでここにルリジサ・ボラージの名が刻まれた墓があるんだ?しかも不思議なゲートと繋がっているし…。何から何まで謎だらけだよ」
「お前に説明するのが面倒くさい…」
「来る前に簡単に説明はしておいたんだけど、わかってなかったみたいね」
「ボラージ君が妖精として転生して、人間に生まれ変わったのは聞いたよ」
「もうどうだって良いだろ?さっさとセルフィーユに帰ろうぜ」
「色々とあったのよ。またどこかでゆっくり話しましょ?」
「それは僕とのデートの約束をすると受け取って良いのかな?」
「新婚ホヤホヤで不倫デートする気か?」
「デートと言うのは二人で一緒に出かけると言う意味だから不倫ではないよ?」
「物は言いようだな…」
「とにかく早く帰りましょ?お父さんに見つかる前に帰らないと、ややこしい事になるわ!」
「私も早く帰らないと姫さまのご機嫌が悪くなってしまいます」
「ユーカリ姫も呼べば良かったのに…。まあ俺たちとの接点はほぼないけどな」
…つづく
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処女作の復刻版、第94話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。