研究所では相変わらずロイがルリに熱烈な視線を向けています。
「君の彼氏が準優勝に終わって残念だったね」
「トーナメント戦に興味ないあなたが試合結果の話をするなんて珍しいわね?」
「セルフィーユ・タイムスで読んだ程度の知識しかないよ」
「コントラアタックって言う珍しい反則技で負けてしまったみたいよ」
「それの説明は読んだけど僕にも分からなかったよ…」
「剣を振り払うのをパラードと呼ぶのだけど、払われた方は防衛側になるらしいの。防衛側が攻撃すると反則で負けるのがコントラアタックなんだって」
「なるほど、今やっと理解したよ?」
「エペの試合ではコントラアタックのルールはないから勝ちなんだけど、フルーレの試合では剣を払われた方は防御側だから、攻撃したら負けになっちゃうみたい」
「実践的ではないルールなのだね。まるで子供の遊びみたいなルールだな」
「子供向けのフルーレのルールだそうよ?なぜ騎士団のサーブルのルールが大人向けのエペではなくフルーレのルールが採用されてるのかしら」
「昔は騎士団の試合で死人がよく出ていたようだから、死人を減らす為に安全な子供向けのルールに改正したんじゃないか?」
「なるほどね、合点がいったわ。流石、首席のロイは他の生徒とは視点が違うわね。話していて楽しいわ」
「僕もボラージ君と話してると楽しいよ」
「私たち親友になれそうね」
「君が男なら親友になっていたと思うよ」
「男と女には友情は成立しないのかしら」
「僕は君を愛してしまってるから、なかなか親友としては上手く行きそうにないよ」
「残念ね。私が男に生まれていたら、あなたとは親友になれたはずなのに」
…つづく
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処女作の復刻版、第87話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。