優勝者の表彰式でイノンドは、ユーカリ姫を褒美として貰いたいとインタビューで答えていました。それを見ながらジンは苦笑いをしています。
「ユーカリ姫を手に入れる為にイノンドは頑張っていたのか?そうと知っていれば俺も勝ちを譲ってやったのに…!」
「真剣勝負がしたかったから、黙っていたんでしょ?良い試合だったと思うわ」
「エペのルールならば俺の勝ちだったんだけどね」
「剣によってルールが違うなんて知らなかったわ」
「俺の敗因はルールをきちんと読んでなかった事だけだな」
「これからはきちんと読むようにしなきゃね」
「ああ、いつもちゃんと説明書を読んでいるルリなら、絶対に間違えないミスだろうね」
「でも私の中ではジンが優勝してるわ。だってエペの試合では勝ちだったのでしょう?」
「チャービルで開かれた剣術大会では同じような試合だったが、俺が勝ってたんだよ?」
「その試合も観に行きたかったわ。今更だけどあんたの試合、観ていると手に汗握って本当に楽しかった」
「ルリが喜んでくれたならそれで満足だよ?」
「イノンドさんも無事にユーカリ姫と婚約出来たみたいだし…。めでたし、めでたし。今回の件は結果的に良かったんじゃない?」
「そうだな…。なんだか茶番劇に参加させられた気もしなくはないけど、これはこれで良かったのかな?」
幸せそうに抱きしめ合うイノンドとユーカリ姫を遠くから眺めながら、ジンとルリは抱きしめ合ってキスをしました。
「あんたも私を一生離さないでね?もう二度と離れたくないの」
「絶対に離すもんか!しっかり掴まっててくれよな?」
「あなたと付き合えて本当に幸せよ?」
「ロイに浮気をしたりしてないだろうな?」
「浮気する気なんて起きないくらいに、今はあんたに夢中なのよ?私は…」
…つづく
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処女作の復刻版、第85話です。オオカミ姫とは無関係のオリジナル小説ですが、これを掲載する前に書いていた、オオカミ姫の二次創作とかなり設定が酷似しています。